ソロ5周年&キャリア20周年を迎えるフルカワユタカに、いま、起こっていることとは?ロングインタビューを公開!

インタビュー | 2017.11.24 14:00

きっと青くさいものなんですね、音楽が伝わる時って

──やってみていかがでした?

もう、作ってる時、ずっと興奮してました。「やっぱりこの人すごいな。これがものづくりなんだな」という感覚でしたよ。もちろん自分が折れた部分もあるんですけど、最初から折れるって決めて一緒に仕事を始めたんで。100%、やってよかったなと思います。

──どのあたりまで曲を仕上げてから一緒にやる作業に入るんですか?

前作2枚と同じように、アレンジまでデスクトップで作ったんですけど。ただ今回は、そこから「スタジオに入って作ろうぜ」っていう話になったんです。「フルカワ、前の2作、とてもいいんだけど、家だけで完結してる。そのデモを元に、ライブを想定してミュージシャンとスタジオで鳴らしてみて、そこでアレンジを変えていこう」と。それで、ミュージシャンたちとスタジオで音を出して、田上さんが「そこは切ろう」とか「ここはこう変えよう」っていうのをその場でババッとディレクションして、そのアレンジを持って帰って、デスクトップでやり直した感じです。

──あ、演奏してみて確かめてから、持って帰って打ち込み直すということ?

そうです。だから、スタジオで大幅にアレンジが変わった曲もあります。スカのアレンジで持って行ったら「これはスカじゃない方がいいよ」って、アメリカン・ロックみたいなアレンジに変わったりとか。
自分で聴いてみても、もういちばん好きです、ソロの3枚の中では。ほかの2枚も好きなんですけど……1枚目は「ドーパンを倒してやる!」みたいなエネルギーがすごくて。そのエネルギーは正しいんですけど、今はそれよりも、自分の音楽を拓いていきたいっていうのが大きいから。僕としては成長なんですよね。

──たとえば、ソロの1枚目の方が、世間にいい曲だと思わせてやる!っていう気持ちが強かったでしょ。でも、1枚目よりもこのアルバムの方がそうなっていると思いません? 

そうなんですよね。いやあ、ほんとに僕、リリースが楽しみなんですよね。すごく久しぶりに、早く人に聴いてもらいたいなと思う。
そこは一にも二にも、人が関わっているっていうのがでかいですね。今までのアルバムとの違いはそこだから。拡大解釈すれば、Base Ball Bear、市川さん、市川さんとやったことで何年ぶりかで出会って話したミュージシャンたちとか、その影響も絶対あって。あと、普段から仲いい木下理樹(ART-SCHOOL)とか、の須藤(寿)くんとかももちろんあるし。
こんなに登場人物が多い環境の中で作品を作ったのが、本当に久しぶりなんで。だから拓けた作品になったんだと思います。いろんな人に聴いてほしい、聴いたらどう思うんだろうな?っていう作品になってるのは……すっごい青くさいですけど、きっと青くさいものなんですね、音楽が伝わる時って。っていうことが、歳をとってやっとわかったというか。

「ああ、これが曲が自分の手を離れるっていう感覚なんだ」と思って

──アルバムのリード曲、「僕はこう語った」という曲ですが。これ、さっき言った連載コラムのタイトル『フルカワユタカはこう語った』とリンクしてますよね。

そうです。あの、この曲をリード曲にそれを決める時に、なんか、みんなが、「いい曲だ」って言うんですよね。それが初めての経験で。

──え?どういうことですか?

ドーパンの時から、シングルを切るとか、リード曲を選ぶ時って、全部僕が決めてたんですよ。「この曲はこういうふうに今まだ存在しない音楽だから、俺にしか作れない」とか、「こういう曲がこの先必要とされるはずなんだ」とか、メンバーとかスタッフに自分で全部説明して、曲を決めてきたんで。
それが今回は、リード曲は別の曲で考えてたんですけど、スタッフとか、あとからあとから「『僕はこう語った』がいい」っていう声が出始めて。昨日も……バンアパ(the band apart)の荒井とラインのやり取りをしていて、用件の前に「『僕はこう語った』よかったよ」って書いてあったりとか。
ほんとにいろんな人に言われて。そういうの、初めてだったんですよ。それで最終的な会議の時に、「どっちの曲になっても受け入れます」って言って、「僕はこう語った」になったんですけど。

──そうやってまわりに「この曲がいい」って言われたこと、初めてじゃないと思うんです。これまではフルカワさんが聞いてなかっただけで(笑)。

(笑)あったのかもしれないですね。でもほんと、「ああ、これが曲が自分の手を離れるっていう感覚なんだ」と思って。よくみんな言うじゃないですか、完成したあとは曲が人のものになるって。僕はそこに全然喜びがなかった人間だったんですけど、「ああ、この感覚か!」っていう。
だから今、ほんとリリースが楽しみで。そう思ってくれる人がもっといる可能性があるってことですもんね、リリースするということは。
前は、自分が理詰めでみんなを説得して、自分がいちばんパワーがあると思う曲を選んでいたから、それがウケなかった時に「自分の理屈の何が間違ってたんだろう?」っていうところから次の作品に入って行ってたんですけど、たぶんそれ、今回はないから。
だから楽しみですね。曲を誉めてくれるんだもん、だって(笑)。

花火はぶち上げてみるもんだな、って思いました

──新木場スタジオコーストで1月28日に主催イベントをやりますよね。

はい。アルバムを出すだけじゃなくて、1年1年勝負をしていかなきゃいけない、結果を残さないとダメだ、っていうことを考えて。ある種、花火を上げるじゃないですけど、ちっちゃくアルバムを出して、ツアーやって、ファイナルは「ここなら大丈夫」っていうハコでやる、っていうだけじゃ、尻すぼみになっていくから。
去年、Base Ball Bearのサポートをやって、自分のアルバムも出せて、今年は市川さんとフェスとか回れて、このアルバムが作れた、この先に何か一個、自分ででっかいのを用意しておこうと。それで、ソロ5周年ででかいハコを押さえよう、というところからです。
出演者はこの5年でお世話になった人たち、Base Ball Bearや市川さんや田上さん、っていうのは考えてましたけど、それ以外はあとからで。だから、「やりたい」っていうよりは、「それぐらいやんなきゃダメだろ!」っていう感じだったんですけど、出てほしい人にお願いしていったら、結果的にすごいメンツになっちゃって。
花火はぶち上げてみるもんだな、って思いました。もしもっと小さいハコを押さえていたら、こんなふうにはなってないじゃないですか。伸びしろを作っておいたらこういうふうになったのは……みんなのおかげですけど、これは、自分たちが、正しい方向に進んでいて、上向きになっているんだ、と俺は思ってます。
マネージャーはヒーヒー言ってると思うけど(笑)、俺は……感謝が前提ですよ? でっかい感謝が土台にあるけど、正しいことがフルカワユタカに起こってるんだな、と信じてますね。

 

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