PAELLASの新機軸とも言えるミニアルバム「Yours」が到着! ワンマンライブを控えるMATTON(Vo)、Ryosuke Takahashi(Dr)にインタビュー!

インタビュー | 2018.03.02 12:00

海外のインディーロック、R&B、ヒップホップ、AORなどを吸収しながら、刺激的で斬新なバンドサウンドへと昇華し続けるPAELLASから新作「Yours」が到着した。すべての音の輪郭が明確に伝わるサウンドメイク、日本語に響きを活かした歌詞など新しい要素が反映された本作は、PAELLASの存在をオーバーグラウンドに押し上げることになりそうだ。新機軸とも言えるミニアルバム「Yours」、そして3月24日(土)にShibuya WWW Xで行われる初のワンマンライブについてMATTON(Vo)、Ryosuke Takahashi(Dr)に聞いた。
──端正で濃密なアンサンブルと心地よいグルーヴを感じる歌。新作「Yours」はPAELLASの現在のモードが強く反映された作品だと思います。制作に入ったときはどんなテーマがあったんですか?
Takahashi特に“こういう作品にしよう”という話はしてないんですよね。制作は去年の10月くらいからやってたんですけど、まずベースのbisshiが2曲目の『Miami Vice』、4曲目の『daydream boat』のデモを作ってきて、そこから始まった感じですね。
MATTONパキッとした音というか、ハッキリしていて、強いものにしたいというのはありました。音楽のジャンルとかではなくて、音のイメージですけど。
Takahashiそうだね。前作『D.R.E.A.M.』は自分たちなりにオーバーグラウンドに寄せたアルバムだったから、それをさらに進めたいという気持ちもあって。さらに“伝える”ということに注力しましたね、今回は。
──めちゃくちゃ良い音ですよね。それぞれの楽器の輪郭がさらにクリアになって、歌もしっかり聴こえてきて。
Takahashi前作からエンジニアと楽器テックの方が入って、新しいチームになったんです。今回はもっと意志の疎通が取れるようになって、少ない言葉でもこちらの意図が伝えられて。各楽器の音の輪郭がはっきりしたのは、そのおかげだと思いますね。マスタリングはグレッグ・カルビ(トーキング・ヘッズ、MGMT、ボン・イヴェールなどの作品を手がける大御所マスタリング・エンジニア)にやってもらったんですけど、ここまで変わるか?!と思うくらい良くなって。感動しましたね。
MATTON普段は海外の音楽を聴いてることが多くて、“こういう感じの音にしたい”というイメージがあったんですよね。今回はそれに近づけたかなと。Spotifyなんかで海外のアーティストと並べても自然に聴ける音にしたかったので。
Takahashiスマートフォンのスピーカーでもしっかり聴こえるしね。
MATTONそれはすごく大事だと思っていて。Twitterとかで見つけた曲なんかは、スマホで聴くじゃないですか。そういうときもいい音で聴いてもらいたいので。
Takahashiボーカルはもちろん、楽器の音も全部しっかり聴かせたいんですよね。
MATTON“歌と伴奏”みたいなミックスが合う音楽もあるだろうけど、PAELLASはそうじゃないので。
──なるほど。楽曲自体からもはっきりした個性を感じました。海外のインディーバンドに影響されていた時期もあったし、フランク・オーシャンのような現代のR&Bに寄った時期もあったと思いますが、今回はすごくオリジナルだなと。
Takahashi楽曲に関しては、そのときにやりたいことをやってるだけなんです。メンバーがそれぞれやりたいことを持ち寄って、融合しているだけなので。完成の状態を決めて“こうしたい”ということはないですね。
MATTON常にいろんな音楽を聴いているし、インプット、アーカイブが増えれば増えるほど“○○っぽい”という感じはなくなってきてますね。“このAメロは○○っぽい””イントロは○○っぽい”というのはあると思うけど、全体として何かに似ているっていうのないかな。やりたいことを形にする技術も上がってきてるし
Takahashi今回はセッションで作った曲もあるんですよ。メンバーの手癖から出て来たフレーズを組み合わせて、曲にしていって。
MATTONセッションから始まったのは『Echo』と『Over The Night』ですね。“どうしようか?”みたいなところから始まって、5時間くらいセッションして。使えそうなフレーズやメロディをもとにして形にしていくっていう。
Takahashiシーケンスを流しながらフレーズを出し合って、それをボイスメモに録って、あとはDTMに打ち込んでアレンジして。そこは現代的ですよね。最初から最後までセッションで作るわけではないので
MATTON初めてのやり方だったけど、ちゃんと形になりましたからね。制作の幅は広いほうがいいし。
──曲のテイストが多種多様ですからね、PAELLASは。今回のミニアルバムも、全体の音質は統一されているけど、楽曲の方向性やアレンジは一つ一つ違うので。
MATTONそうですね。困ってるところでもあるんですけどね、それは。
Takahashi(笑)。やりたいことがたくさんあって、それを一つずつ形にしてきた結果、似たような曲がないっていう。
MATTONコードや枠組みを作るメンバーとメロディ、歌を作る人間が別っていうのも大きいと思います。ギターのAnanはメロディまで作ってくることが多いけど、作り方は本当にいろいろなんです。bisshiは完全トラックに重きをおいてますし。
Takahashiもともとハウスミュージックなんかが好きだから、歌がなくても成立するような曲を作ってきたりするんですよ。
MATTON今回でいうと『daydream boat』ですね。構成もあるようでないし、ホントに曲になるのか?っていう(笑)
Takahashiそれがおもしろいんですよね。不安みたいなものはまったくないんですよ。結局最後はちゃんと曲になるので。
MATTONエンジニアの人も“歌が乗ったら曲になったね”って言ってました(笑)。
Takahashi『Echo』もそうですけど、レコーディングの最中にアレンジが変わることもあるんですよ。
MATTONライブでやるとさらに変わるしね。ライブで育てた曲をレコーディングするバンドではなくて、先に音源として完成させてから、スタジオに入って合わせるので。
Takahashi5曲目の『Darlin’Song』(Reprise)はまさにそういう曲ですね。前のアルバム(『Pressure』)に収録した曲なんですが、ライブでやってるうちにアレンジが変わって、“こっちのほうがいいね”ということになって。
MATTONで、歌詞を日本語にして再録したんです。

公演情報

DISK GARAGE公演

PAELLAS「Yours Tour 2018」

2018年3月24日(土) Shibuya WWW X
チケット一般発売日:2018年1月27日(土)

RELEASE

「Yours」

MINI ALBUM

「Yours」

(SPACE SHOWER NETWORK)
2018年3月7日(水) Release!
  • 森朋之

    インタビュー・TEXT

    森朋之

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