BOYS END SWING GIRL×SaToMansion スペシャル対談!『ROAD TO EX 2017』優勝者とファイナリストが再び顔を合わせ、昨年の対戦を振り返る。

インタビュー | 2018.02.22 15:00

いい曲を届けるだけじゃなくて、 それを聴いた人の心に何か生み出すまでがライヴ

──ところで、そもそも『ROAD TO EX 2017』に参加しようと思ったのは、なぜだったのですか?
佐藤僕らが出演を決めた時は結成2年目ぐらいだったんですけど、ひとりでも多くの人に知ってもらうために何か取っ掛かりが欲しいというところがずっとあって。ロックバンドと謳っているバンドがこういう勝ち負けが決まるイベントに出るのはどうなんだろう?ってちょっと迷いましたけど、メンバー全員で話し合った結果、2017年はそれに費やす1年にしようと決意しました。勝っても負けても、とりあえずは出ることが大事。“優勝したらメジャーデビューだ”と思ってやってたんですけど、そうはいかなかったですね(笑)。でも、夢を持ちつつ4人全員で同じところに向かって行けたのは良かったです。
冨塚出たいです(笑)。自分の中でバンドを続けられる理由を探していたんでしょうね。全国流通もそうだし、ライヴバトルに勝つのもそうだし、そのひとつとしてテレビに出るっていうのもあったと思うから、それは大事なことだったと思います。
佐藤あとはEX THEATER ROPPONGIとか恵比寿LIQUIDROOMとか憧れていた会場が挙がっていたんで、単純にミュージシャンとしてそこに立ちたいなっていう気持ちもありましたね。実際に立ってみたらすごく楽しくて、ここでワンマンをやりたいと思いました。

──『ROAD TO EX 2017』を経て、バンドはどんなふうに変わりましたか?
冨塚友達の目が変わりました(笑)。テレビに出たっていうのもあるんですけど、大学を卒業して就職もせずにバンドをやっていることに今までは引け目を感じていて、友達の集まりに行けない自分がいたんですよ。向こうは全然そんなことは思ってないんですけど、行きにくかった。それに行けるようになったし、行った時に“頑張ってるね”って言ってもらえるようになったりして、そういうのも嬉しかったです。あとは、家族や親戚も応援してくれるようになって。やっぱり心配していたところもあると思うんですけど、そこにも返せたというか。
佐藤そうだね。応援しやすくなったと思います。“勝ち負けが決まるんだったら、今回のライヴは行かなきゃ”っていうお客さんがすごく多かったんですよ。逆に、ここからが勝負なのかな? ここから落ちないように活動しなきゃいけないというのはありますね。テレビに出たり、LIQUIDROOMでライヴをしたりしたけど、またできるって決まってるわけじゃないし、ファイナルステージまで行ったバンドはここからが大変だと思います。『ROAD TO EX 2017』を通して培ったものを糧に、ここからちゃんと結果を出していきたいですね。
──培ったものって、たとえば?
佐藤全然知らない畑のバンドとやることが多かったので、そこのお客さんの気持ちを掴むにはどうしたらいいか?って考えたのは大きかったと思います。それまでは考えたことがなかったので、ギターを持たずにピンヴォーカルで歌いながら客席に訴えかけてみたり、バットを持ってみたり、ヘルメットを被ってみたり…それは「VOICE」という新曲を作って、野球の決勝戦というシチュエーションでPVを撮った流れからだったんですけど(笑)、そんなふうにいろいろやってみたんですよ。『ROAD TO EX 2017』に出なかったら絶対にやらなかっただろうってことがいっぱいあったので、ライヴの観せ方の幅は確実に広がりました。
冨塚僕らもライヴがすごく変わりましたね。『ROAD TO EX 2017』に出るまでは、いい曲をいい演奏で聴かせればいいライヴになるから、それを届けるだけでいいと思っていたんですけどファーストステージでそれをそのままやったら、思った以上に戦えないということがいろいろな人の意見から分かって…いい曲を届けるだけじゃなくて、それを聴いた人の心に何か生み出すまでがライヴなんだと改めて思いました。“楽しい”や“感動する”とか、そこまで作ることをもっともっと意識しなきゃと思ったし、ライヴっていうものが何のためにあって、どんなふうにやっていったらいいのかをメンバー全員で1年かけて話し合いながらやってきたんです。そんなことは今までなかったからいい経験になったし、それがいまだに続いているんです。そんなふうに気持ちをメンバー全員で切り替えられたことが一番でかかったと思います。

──3月24日にTSUTAYA O-nestで行なわれる『ROAD TO EX 2018』ファーストステージの出場バンド4組が決定しましたが、彼らにアドバイスするとしたら?
冨塚いや、アドバイスなんてそんな立場じゃないですよ。
佐藤優勝しているんだから、それはちゃんと言わなきゃダメでしょ!(笑)
冨塚でも、その前にまずは胸を張ってアドバイスできる立場にならなきゃいけないと思う。負けないように頑張らなきゃって。だから、本当に“僕たちよりカッコ良いバンド出てこないで!”って思ってます(笑)。
佐藤謙虚だねぇ(笑)。

──佐藤さんもひと言お願いします。
佐藤考えすぎないことだと思いますよ。俺らは2票目の獲り方を考えたけど、結局辿り着いたのは、本当にいいライヴをするしかないってことでしたからね。そこはどのイベントとも変わりはないから肩の力を抜いてやるしかないと思いますね。それで、たまにはバットを持って行ったり、ヘルメットを被ったりして面白くしたらいいんじゃないかな(笑)。
冨塚言えるとしたら、“応援してくれる人が一番大事だよ”ってことだけかな。
佐藤いいことを言うねぇ。
冨塚それ、すごく思いました。
佐藤勝ち上がったのは本当に、来てくれた人のおかげですからね。遠いところから来てくれた人もいっぱいいるんですよ。そういう人はちゃんとワンマンライヴにも来てもらいたいな(笑)。
冨塚佐藤さん、話の終着点がおかしくなってますよ。感謝からちょっと(笑)。
佐藤(笑)。ここぞ!という時に応援してくれる人がいっぱいいたのは感謝しかないですよね。それは本当に嬉しかったです。

──ワンマンライヴにも来てほしいとおっしゃいましたが、SaToMansion、BOYS END SWING GIRLはともに、近々ワンマンライヴの予定があるんですよね。まずSaToMansionが3月10日に“佐藤の日2018”と銘打って、代官山UNITで東京初ワンマンを開催するわけですが。
佐藤ファイナルステージの出場が決まった時、そこで勝っても負けてもその次が大事だと考えていたので、腹を括ってワンマンをやることにしました。佐藤さんは無料になる“佐藤の日”は今年からずっと続けていこうと思うんですけど、続けていって恒例のイベントとして定着させたいですね。
──どんなライヴになりそうですか?
佐藤長尺のセットリストを作るのが今から楽しみです。いろいろなストーリーをつないでいけるっていうか、長尺のライヴなのでいいものを観せられる自信があるんですよ。30~40分のライヴとは違って、ちゃんとSaToMansionらしい世界観のあるライヴになると思います。そこは僕らも楽しみですし、お客さんにも楽しんでもらいたいです。
──そして、BOYS END SWING GIRLは4月20日にShibuya eggmanで“from: youth”と題したワンマンを開催します。
佐藤“2018年も頑張ろうぜ、ワンマンやりたいからやっちゃうぞワンマン”です(笑)。去年の5月からワンマンはずっとやってなくて。去年11月のリリースツアーの最後もワンマンでやろうと思ったんですけど、『ROAD TO EX 2017』のファイナルステージが同じ頃にあって企画ライヴにしたので、その代わりにみんなお待たせってことでやることにしました。
──といっても4月なので、まだ何も考えてないと思うんですけど。
冨塚もうセトリは考えました。MCも今、考えてます。
佐藤早っ(笑)。
冨塚準備は入念にやるタイプなんで(笑)。これまでワンマンは2回やっているんですけど、どっちもリリースツアーのファイナルだったんですよ。だから、その時はリリースしたCDの曲をいっぱいやったんですよね。でも、今回はリリースに縛られていないのでいろいろなことができるんじゃないかなってところが楽しみです。タイトルの“youth”って青春時代じゃないですか。僕たちは青春ロックバンドを掲げてずっとやってきたので、初期から最近までの曲をごちゃ混ぜにして一番いいものを作ろうと考えています。
──SaToMansionもそういうセットリストになるんじゃないですか?
佐藤僕らはまだフルアルバムを1枚しか出していないから、そこからは間違いなく全曲やります(笑)。あと、僕が弾き語りライヴでしかやっていない曲もバンドでやると思いますし、新曲をいっぱい練習していて、それの初披露の場にもなるのかなという気もしていますし。そこも楽しみですね。
冨塚僕らもひょっとしたら新曲をやるかもしれないです。今、名曲を一生懸命書いているところです(笑)。僕ら、30~40分のライヴではバラードってやらないんですけど、実は自分の強みはバラードだと思っているので、そういう曲もワンマンならできると思うんですよ。普段できないセトリとMCでワンマンでしか観せられないものを考えているところです。
──BOYS END SWING GIRLは2月24日、渋谷で開催されるディスクガレージ主催のサーキットイベント『MUSIC MONSTERS 2018』にも出演するそうですね?
冨塚ずっと出たかったんですよ。『MUSIC MONSTERS』は出られたらひとつ上がれるぞっていうステップだと思っていたので嬉しいです。サーキットイベントだから僕らを初めて観る人も多いと思うので、そこでどうやって観せるか?っていうのを考えているんですけど、そこは『ROAD TO EX』とつながっているところもあると思うので、すごく楽しみです。
佐藤いいなぁ。次回はSaToMansionも出られるよう頑張ります!

公演情報

DISK GARAGE公演

BOYS END SWING GIRL 公演情報

『BOYS END SWING GIRL ONE-MAN LIVE “from:youth”』
4月20日(金) 東京・Shibuya eggman

『MUSIC MONSTERS 2018 -winter-』
2月24日(土)
会場:TSUTAYA O-EAST・TSUTAYA O-WEST・duo MUSIC EXCHANGE
TSUTAYA O-Crest・TSUTAYA O-nest

SaToMansion 公演情報

『「佐藤の日 2018」〜東京初ワンマン〜』
3月10日(土) 東京・代官山UNIT

ROAD TO EX 2018

3月24日(土) 東京・TSUTAYA O-nest
出演:Omoinotake、GOOD BYE APRIL、パステル、VOI SQUARE CAT

PROFILE

BOYS END SWING GIRL

千葉県成田市発、全員22歳の“全年齢・全感情対象型”ロックバンド。Vo.冨塚の透き通りながらも力強い歌声を武器に、地元千葉から全国、果ては世界を目指して活動中。2016年9月に結成6年目にして初の全国リリース。完全自主制作HPや自主レーベル『NazcaRecords』の設立、ロンドンでのライヴ敢行など精力的に駆る同。2017年、『ROAD TO EX 2017』を戦い抜き、およそ100組の中から見事優勝を果たした。2018年4月20日にはShibuya eggmanにてワンマンライヴを開催する。

PROFILE

SaToMansion

日本で唯一の四兄弟四人組ロックバンド。岩手県二戸市出身。それぞれの音楽活動を経て、2015年11月に東京にて結成。2017年、テレビ朝日主催『ROAD TO EX 2017』に参加し、およそ100組の応募の中から3組に選出されるも11月の恵比寿LIQUID ROOMでのFinal Stageで惜しくも破れる。同年11月に結成2周年初ワンマンを地元の岩手県、盛岡CLUB CHANGEで開催すると、ソールドアウトと大成功を収める。2018年3月10日には“佐藤の日 2018”と称した代官山UNITでの東京初ワンマンを予定している。

  • テキスト

    山口智男

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