5月23日にミニ・アルバム(タイトル未定)をリリース、5月25日東京・TSUTAYA O-Crestから11本の全国ツアーに出るSaucy Dog。アマチュア時代もデビュー後も、年間120本ペースでツアーを回り続けてきた石原慎也(Vo/Gt)に、Saucy Dogの活動ポリシーを訊いた。
とにかく、今までどおりライブするだけかな
──デビューしてからじゃなくて、それ以前からライブの本数がとにかく多いバンドなんですよね。
石原慎也はい。ライブが活動の中心で、ライブしかしてないぐらい。今までも……MASH A&R(現在の所属レーベル兼マネージメント)に入るまでも、月10本、13本くらいやってたので。ずっとツアーしてるというか。
『カントリーロード』(2017年5月23日リリース)のひとつ前に、『あしあと』っていうライブ会場限定の1st EPを出して(2016年8月2日リリース)、そのツアーを回ってた時は、使っていいおカネは1ヵ月に20,000円までって決めて。炊飯器を持ってツアーに行って、自炊して、みたいな。
そういうのをするのも経験かなって思ってたし、そういう生活が僕は楽しくて。3人とか、片手に収まるくらいしかお客さんいない時もあるんですけど。
『カントリーロード』(2017年5月23日リリース)のひとつ前に、『あしあと』っていうライブ会場限定の1st EPを出して(2016年8月2日リリース)、そのツアーを回ってた時は、使っていいおカネは1ヵ月に20,000円までって決めて。炊飯器を持ってツアーに行って、自炊して、みたいな。
そういうのをするのも経験かなって思ってたし、そういう生活が僕は楽しくて。3人とか、片手に収まるくらいしかお客さんいない時もあるんですけど。
──その頃のツアーのブッキングは、自力で?
石原そうですね、僕がやってました。僕がお手本にしたのは、My Hair is Badのツアー・スケジュールを見て、「この人たち、こんなにツアー回ってるんだ」と思って、これを超えないとダメだなと思って……結局超えられてはないんですけど。どのハコをどの時期に回ってるとか全部調べて、ライブハウスの電話番号を書き出していって、一軒ずつ電話して、「この時期に回りたいんですけど」って言って。
「Saucy Dog? 知らない」って言われて、「ライブハウスのサイトのアドレスに音源を送らせてもらうので、聴いてください」ってお願いして。そうすると、ほとんどのハコの方は、音源をちゃんと聴いてくれて、出してくれたんですよね。
「Saucy Dog? 知らない」って言われて、「ライブハウスのサイトのアドレスに音源を送らせてもらうので、聴いてください」ってお願いして。そうすると、ほとんどのハコの方は、音源をちゃんと聴いてくれて、出してくれたんですよね。
──じゃあ音源がよかったんでしょうね。
石原ありがたいですね。「聴きました、よかったです」って言ってもらえるたびに、作ってよかったなと思ったし。間違えて10日間連続ライブみたいなブッキングしちゃった時もあったんですけど、メンバーもそれに付いて来てくれたし。あとで「あん時はつらかった」って言われましたけど(笑)。
ライブが終わったあとの打ち上げも、20,000円の中から出すみたいな感じだったんで、水だけ飲もうとしてたら、店長さんが「俺が出すから」ってカンパしてくれたりとか。だから、人に恵まれてましたね。
ライブが終わったあとの打ち上げも、20,000円の中から出すみたいな感じだったんで、水だけ飲もうとしてたら、店長さんが「俺が出すから」ってカンパしてくれたりとか。だから、人に恵まれてましたね。
──じゃあデビューして変わったのは、炊飯器を持って行かなくなったことぐらい?
石原いや、オーディションを受けて、ちゃんと事務所に入ったのが2017年の1月15日だったと思うんですけど、そのあとも……夏に大阪から東京に出て来たんですけど、それまでは、炊飯器を持って回る生活は続いてて。ただ、ネカフェに泊まるようになりました、それまでは車中泊だったんですけど。「ちゃんと屋根のあるところに泊まってくれ」って言われて(笑)。
だから、とにかく、今までどおりライブするだけかなっていう。俺らができることってライブをちゃんとすることだし、それでたくさんの人に伝えることが今までの目標でもあったから、それを変えるつもりはなかったですね。今も月10本ぐらいやってますもんね。
だから、とにかく、今までどおりライブするだけかなっていう。俺らができることってライブをちゃんとすることだし、それでたくさんの人に伝えることが今までの目標でもあったから、それを変えるつもりはなかったですね。今も月10本ぐらいやってますもんね。
一曲一物語かもしれないです……一曲ひとりかもしれない
──そういう生活の中で、曲はいつ、どんなふうに作るんですか?
石原僕ね、ほとんど家から出ないんです。ライブとスタジオと打ち合せ以外は。家で映画を観て、「あ、ここのフレーズ、こういう言い方があるんだ?」みたいなとこから歌詞を考えたり。曲はほとんど自分の実体験なんですけど、「こういうモヤモヤをどう言ったらいいんだろう?」っていうののヒントを、映画からもらったりしてると思います。
あと、Googleのシソーラス(類語辞典)を見て「あ、こういう言い方もできるんだ?」とか。それから、自転車に乗ってる時もわりと浮かびますね。スタジオまで自転車で行くんですけど、いつも。
あと、Googleのシソーラス(類語辞典)を見て「あ、こういう言い方もできるんだ?」とか。それから、自転車に乗ってる時もわりと浮かびますね。スタジオまで自転車で行くんですけど、いつも。
──でも、家とスタジオとツアーだけの生活だと、今はいいけど、今後、曲になるような実体験が増えていかなくないですか?
石原そうですね、今のところ、恋人がいないので。
──(笑)。
石原前は、恋愛の歌詞が多かったんですけど、だから、次のミニ・アルバムでは──もうできていて、5月23日に出るんですけど──恋愛の歌詞が減って、自分に向けての歌詞の曲が増えてると思います。『カントリーロード』と逆の割合ですね。だから、いろいろと経験するのは大事ですね、やっぱり(笑)。
──その、自分に向けての歌というのは、どんな思考から曲になるものですか?
石原「今自分がこうなってるのは、なんでなんだろう?」とか、そういうところから考えていって。ある種、歌詞を書くことで完結させたいっていうか。歌詞を書いて、物語を、筋道を通したい、みたいな部分があって。それができてない時もあるんですけど。
だから、物語っぽくなってしまうんですよね、昔から。一曲一物語かも知れないです……一曲ひとりかも知れない(笑)。「この人はこの曲」みたいな。かも知れないです。
だから、物語っぽくなってしまうんですよね、昔から。一曲一物語かも知れないです……一曲ひとりかも知れない(笑)。「この人はこの曲」みたいな。かも知れないです。
──ステージで「だから自分たちはこんなにライブをやっているんだな」って実感できる瞬間というのは、どういう時ですか?
石原やっぱり、会場がひとつの生き物みたいになってる時っていうか。お客さんの温度が伝わってきて、俺らもそれに返そうとして……その会場自体がひとつの心臓だとして、右心房と左心房って一定のリズムで動いてるじゃないですか。その掛け合いがちゃんとできてるな、って思った時ですね。
基本、自分のことだったり、だらしない自分を歌ってる曲が多いんですけど、それにお客さんが共感してくれることによって、ひとつになれればな、っていう時がすごい楽しいです。涙してくれたり、笑ってくれたり。で、そういうライブになる時もあるし、そうじゃない時もあるから、よけい楽しいっていうか。
ただ……自分の中だけの感覚なんですけど、歌がきっちり歌えてないと、「めちゃくちゃ気持ちいい!」っていうライブにはなれなくて。歌に命を懸けてるぐらいの気持ちなので、それがお客さんにちゃんと真っ向から伝わってるなって思えたら、すごい気持ちいいっていうか、やめられないって思っちゃうんですけど。ドーパミンがバーッて出るというか。いかに毎回のライブでそうなれるかっていうのを、いつも探ってるところですね。
基本、自分のことだったり、だらしない自分を歌ってる曲が多いんですけど、それにお客さんが共感してくれることによって、ひとつになれればな、っていう時がすごい楽しいです。涙してくれたり、笑ってくれたり。で、そういうライブになる時もあるし、そうじゃない時もあるから、よけい楽しいっていうか。
ただ……自分の中だけの感覚なんですけど、歌がきっちり歌えてないと、「めちゃくちゃ気持ちいい!」っていうライブにはなれなくて。歌に命を懸けてるぐらいの気持ちなので、それがお客さんにちゃんと真っ向から伝わってるなって思えたら、すごい気持ちいいっていうか、やめられないって思っちゃうんですけど。ドーパミンがバーッて出るというか。いかに毎回のライブでそうなれるかっていうのを、いつも探ってるところですね。
PRESENT
サイン入り色紙を2名様に!
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