STANCE PUNKS結成20周年!「見に来てくれた人たちの顔を見るのがバンドを続ける一番の糧」20年を振り返るロングインタビュー!

インタビュー | 2018.10.28 11:00

──結成20周年を迎え、9月22日(土)には自身主催の『火の玉宣言フェスティバル』も大成功。まずはフェスを終えての感想からお聞きしたいのですが?

TSURU(Vo)

正直、そんなに達成感とか無かったです(笑)。イベントとしてすげぇ良かったし、感動もしたし。俺、ステージが4つあったんですけど、全バンド見たんですよ。全部で22バンド出たのかな?せっかく出てくれたしと思って、何時間も歩き回って全部見たんです。そしたら、ライブ前に疲れちゃって(笑)。大丈夫かな?と思ったし、ああいう大きなイベントで最後にやるとろくなことないんですけど、あの日はすごく気持ちよく出来ました。
──うん、トリを飾るスタパンのライブは、見ててすごく痛快でした!

川崎テツシ(Ba)

僕は前日、雨の中でみんなで設営とかやって。みんなが頑張ってくれてる姿を見て励みになったし、俺らに出来ることは当日、ライブを盛り上げて良いフェスにすることだと思って。その時、初めて「良いフェスにしよう」って実感が湧いてきたんです。いざ当日になったら本当にあっという間に終わっちゃったけど。出演してくれたバンドが快く出演して、良いライブをやってくれてるのを見たら、「これだけみんなが良くなるように作り上げてくれてるんだから、あとはそこに乗っかるだけだ!」と思って気負いも無くなって。結果、最高のライブが出来たと思うし、久しぶりの人にも良いライブが見せられたし。みんなで作ったフェスだったんだなというのを、終わった後に実感しましたね。

「STANCE PUNKS × SOUND GARDEN presents 火の玉宣言フェスティバル2018 NAGOYA」より
Photo by 齋藤タカヒロ

──みんなに祝福してもらうことで、20周年ってものにも実感が湧いてきました?

TSURU

そうですね。改めてCD棚とか見ると、いなくなっちゃったバンドも多いし(笑)。長くやるって難しいなっていうのは思います。俺らも「新しいことをやった方がいいのかな?」と思うこともあるし、人間だからただやってるだけの時期もあって。重要なのはその時、どう面白くしていくか? ってことなんですよね。元々、パンクやロックって「つまんないから、面白いことをやりたい」ってところから始めてるから。つまんないと思ったら何かやろうと思うんだろうけど。俺らはリリースも遅いし、放っておくと何もしないし。
──わはは。今回、20周年を迎えて、8枚目のアルバムです。

TSURU

特に最近がヒドくて、ここ9年で2枚しか出してないですからね(笑)。若い頃は「自分が書きたい曲が自然発生するまで書かない!」とか言ってたけど、もしかしたら発破かけてくれる人がいた方がいいかも知れない。若い頃とはモチベーションの形が違うから、どうやって保っていくかってのもあるし。
──火の玉宣言フェスのMCで、TSURUくんがバンドを20年続けてきたことに対して「やっちまった!」って言ってたけど、あれも半分本音ですよね?(笑)

TSURU

そうですね、「将来どうしよう?」って感じです。若い頃は「サラリーマンとかなりたくねぇ」と思ってたけど、今はなりたくてもなれないでしょ? 絶対無理ですよ、俺らなんてゾッとするくらい何も出来ないですから(笑)

テツシ

そしたらもう、自分の持ってる武器を研ぎ澄まして、広げていくしかないよね。そこで音楽があるのはデカイけど、それで通用しなかったらアウトですよ。

TSURU

「どうしよっかな?」って考えるのも面白いけどね。「いつ朽ち果てるか?」と思いながら音を鳴らしてるのも、良い刺激になると思うし。ただ、バンドが好きすぎて、「別の道に進んでたらどうだったかな?」って考えることもないですけどね。
──20年やってきて、音楽って一生を賭ける価値のあるものだと思えます?

テツシ

一生できるものだと思うし、一生賭けていきたいとは思います。大きい意味の音楽ってところでは、一生出来るものだし、それに値するものだと思うし。

TSURU

音楽なんて誰でも聴くじゃないですか?そこで何かの拍子に衝撃を受けて、音楽を初めてってことだと思うんですけど。最初にどんだけデカイ衝撃を受けるかで、どんだけ続けていけるかも決まると思うんですよね。最初のインパクトが弱かったら、気持ちもすぐに消えちゃうけど、それが途方もなくデカかったらいつまでたっても消えないし、消えないどころか膨張する太陽みたいにどんどん大きくなってくことだってあるし。

テツシ

この年になっても聴いたことない音楽もたくさんあるし、底なし沼だよね。

TSURU

ただ、俺は音楽がっていうより、ライブがやりたかった感じかな? そんな技術はないけど、スタジオミュージシャンとかだったら、音楽はやってないかも。いろんなバンドマンと話すと全然音楽聴かない人もいれば、レコードを買い続けてる人もいて、いろんなタイプの人がいるけど、俺はライブが一番ですね。
──ライブをやったら待っててくれる人、喜んでくれる人がいるわけですしね。

TSURU

そうですね。やって喜んでもらえるのが何よりですね。俺は昔から自分がいいライブ出来たってことより、見に来てくれた人が喜んで帰ってくれたってことに満足するから。それによって、自分がいいライブ出来たかどうかが決まるってところが、俺は結構大きいです。結局、いいライブをやらせてくれるのもみんなだし、いいライブをやればみんな喜んでくれるし。そこで細かいことはどうでもいいんです。だから、見に来てもらえなくなったら、俺は音楽を辞めます。音楽が好きな人はそれでもやり続けるのかも知れないけど、俺は見に来てもらえない音楽はやっても意味がないんで。

テツシ

理解してもらえないこと前提で、音楽をやってる人もいるしね。でも実際、自分の心情とかを出して、誰かに共感してもらって、そこにエネルギーが生まれるのが音楽だから。それが無くなって、無になってしまったら終わりだとは僕も思います。
──そこで諦めてしまったり、惰性になってしまって、こっちがエネルギーを発していなければ、そこに何の反応も生まれない、まさに無になってしまうわけですからね。

テツシ

特にウチらがやってる音楽はガチのぶつかり合いがお互いを刺激し合ったりしているわけですから。ぶつかり合えなくなったら終わりですよね。

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