KIRINJI 20th Anniv. 堀込高樹に訊く、キリンジとKIRINJIの「19982018」

インタビュー | 2018.11.08 20:00

──アルバムは1年に1枚で、さらに『3』の時はシングル4枚を出してからのリリースという、すごいペースでしたね、当時は。

やっぱり成長するタイミングだったんじゃないですか。泰行の書く曲も、『アルカディア』があれば『サイレンの歌』みたいな曲もあって、彼のソングライティングも変わったのかな、わからないけど。負荷がかかると成長するって言いますもんね、何事も(笑)。でも、とにかく常に悩みながら作ってるという感じはずっと続いていましたね。当時、10万枚ぐらい売れたいっていう願いがあって。10万枚売れるとセルアウトしたかんじもしないし、アーティストとしてちゃんとした活動も丁寧にできるようなイメージがあった。お金をちゃんとかけてレコーディングやライヴができて、なおかつ好きなものを作れるラインが10万枚かな、みたいな。誰を見て言ってるんだって話なんですけど(笑)。でも、10万枚に達することなんてなくて、いつもせっつかれる感じで、焦りながら作っていましたね、その頃は。

──1枚目、2枚目は助走期間で、『3』でジャンプして着地という、今俯瞰してみるとキリンジ第一期的なまとめ方ができますよね。

うん、そうかもしれないですね。でも、とにかく常に悩みながら作っているって感じが続いていましたね。結果的に好きに作っているんですけど、常に晴れ晴れしい気持ちで作っている感じはまったくなかった、その頃は。今もそうかもしれないけれど。

──2002年になるとピチカート・ファイヴを皮切りに、松任谷由実さん、はっぴいえんどのトリビュートに参加しました。

東芝EMIに移籍しての最初のレコーディングがユーミンの「曇り空」だったんです。当時打ち込みが好きになっていて、全然ユーミンぽくないポスト・ロックみたいなアレンジでやって。ピチカートの「陽の当たる大通り」は、ジャズっぽいコーラスを重ねたり。これはいうまく行ったなと思ったし、小西さんにも喜んでいただけたみたいです。あと、はっぴいえんどの「夏なんです」もポスト・ロックみたいな感じで作り始めたんですけど、なんか最終的にはスティーヴ・ガッドみたくなった。たまに聴き返すと、これはこれでかっこいいトラックだなと思うんですけど。

──そのポスト・ロック的なアプローチに表れている、今までとは違うキリンジの像を見せたいという姿勢は、先ほどお話されていた焦燥感の裏返しでもあったんでしょうか?

あったんじゃないですかね。セールス的なこととは別に、ダサい存在になっていくんじゃないかっていう怖さを当時抱いていた。数年前の言葉で言うと、オワコン。ポスト渋谷系みたいなのが出て来て、「エイリアンズ」でちょっと注目されて、そのあとそんなにセールスも伸びなかった。そして、そういうポスト渋谷系みたいな音楽も下火になりつつあった。まだボーダー着てんの? みたいな風潮になりかねないなって。今またボーダー流行ってるけれど、当時は一回しまいましたからね(笑)。キリンジの存在をかっこよくしたいということではなく、キリンジを聴いているのをダサいって言われないようにしたいっていう気持ちの方が強かった。まだキリンジなんて聴いてんの? みたいな風にはなりたくなかった。次の世代の人たちも出てくるし、正念場でもありましたね。

──今回の20周年記念ライヴは、まさにその頃のキリンジがよみがえるわけですが。

泰行のパートにも千ヶ崎くんと楠さんが参加するんですよ。ふたりは出ずっぱりで大変だろうな(笑)。気持ちとしては、今のKIRINJIを見て欲しいっていう気持ちのほうが僕は強いけれど、お客さんは兄弟が5年ぶりに共演することへの期待が高いのもわかっています。同窓会みたいな雰囲気にもなるそんなアーリーキリンジのコーナーもありますけど、今の堀込泰行、今のKIRINJIをそれ以上に楽しんでもらえるようなステージを見せたいですね。

KIRINJI『愛をあるだけ、すべて』アルバム・ダイジェスト映像

PRESENT

「KIRINJI 20周年記念グッズ」を1名様に!

受付は終了しました

公演情報

DISK GARAGE公演

KIRINJI 20th Anniversary Live「19982018」

[L→R] KIRINJI、兄弟時代のキリンジ、堀込泰行

KIRINJI 20th Anniversary Live「19982018」
2018年11月9日(金) [大阪]Zepp Osaka Bayside SOLD OUT
2018年11月15日(木)16日(金) [東京]豊洲PIT SOLD OUT

出演:KIRINJI / キリンジ / 堀込泰行
■スペシャルゲスト:冨田恵一(キリンジ – Key)
■サポートメンバー:矢野博康(KIRINJI – Per/Manip)/ 伊藤隆博(堀込泰行・キリンジ・KIRINJI pt1 – Key)/ 真城めぐみ(堀込泰行・キリンジ – Cho) / 松江潤(堀込泰行 – Gt)

RELEASE

『愛をあるだけ、すべて』

13th ALBUM

『愛をあるだけ、すべて』

(Universal Music)
※初回限定盤】(CD+DVD)、通常盤(CD)の2携帯
2018年6月13日(水)SALE

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デビュー20周年を記念して、各社復刻盤、紙ジャケット盤など続々リリース!また、「レコードの日」にKIRINJIのオリジナル・アルバム3枚がアナログLPで一斉リリース!

●「エイリアンズ」(ワーナーミュージック・ジャパン) ※完全生産限定
2018年11月3日(土)SALE
●20th企画盤「キリンジ Melancholy Mellow I – 甘い憂鬱- 19982002 (LIMITED EDITION)」「キリンジ Melancholy Mellow II -甘い憂鬱-20032013 (LIMITED EDITION) (ワーナーミュージック・ジャパン)
2018年11月3日(土)SALE ※通常盤は11月7日 SALE
●「キリンジ SINGLES BEST ~Acchives 完全版」(CD+DVD)2018年11月7日SALE
●コロムビアからリリースされたキリンジ、馬の骨、堀込高樹のオリジナル作品が紙ジャケ仕様で20周年記念再発決定。
2018年11月7日(水)SALE
●Blu-ray「KIRINJI TOUR 2003 / LIVE at BUDOKAN」(Universal Music)
2018年12月5日(水)SALE

SPECIAL

期間限定コラボカフェ
『KIRINJI CAFE CHRONICLE “19982018”』

会場:下北沢・monarecordsおんがく食堂
会期:2018年11月2日(金)~2018年11月18日(日)
>>>詳細はモナレコードツイッター(@monarecords)でご確認ください。

  • インタビュー

    油納将志

  • インタビュー写真撮影

    近藤宏一

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