Psycho le Cému、東名阪ツアー終幕。20周年へと続く5人の強き結束で魅せた光り輝く物語

ライブレポート | 2018.12.25 15:00

2018年12月14日(金) FANTASIA ~勇気の幻想曲を探す物語~」Zepp DiverCity(TOKYO)

1つのメロディと1つの歌詞を3つの異なるアレンジで構築し、“恋、怒り、勇気”を表現した「FANTASIA」を会場限定CDシングルとしてリリースしたPsycho le Cému。彼らが東名阪ツアーのファイナル公演<FANTSIA〜勇気の幻想曲を探す物語〜>を12月14日にZepp DiverCity(Tokyo)にて開催した。

「FANTASIA〜恋の幻想曲〜」「FANTASIA〜怒りの幻想曲〜」「FANTASIA〜勇気の幻想曲〜」。この3つの幻想曲を集めると“現在、過去、未来”、どんな夢も叶えることができる。ロールプレイングゲームの手法を取り入れて、3つのアイテムを3つの公演で揃えるというライブの在り方はかつて『ドラゴンボール』の世界を表現していたこともあったPsycho le Cémuらしいザッツ・エンタテインメントなステージ。漫画に例えるならば『少年ジャンプ』の精神。加えてAYA(ダンス、ギター)が作曲し、DAISHI(ヴォーカル)が作詞した「FANTASIA」には、2019年に結成20周年を迎えるPsycho le Cémuからファンに向けたリアルなメッセージが込められている。DAISHIが起こした過ちをきっかけに2006年に無期限の活動休止というバンド活動最大の難局を経て、2014年に復活。そして、現在に至るが、「FANTASIA」はDAISHIが過去の自分に正面から向かい合い、途中で途切れてしまった夢、未来を掴む勇気を取り戻すという意志を明確にしたナンバーでもあるのだ。

DAISHI(ヴォーカル)

ライブは物語の始まりのナレーションで幕を開け、紹介されたのは “この世界に散らばった不思議な力を持つ3つの幻想曲を探すべく旅をする伝説の勇者たち”。
幻想曲コレクターのハート族の姫『AYA(ダンス、ギター)』。
過去に犯した罪により天界を追放され、神に許しを乞うために幻想曲を探している「ダイア神」に仕えるエルフ『YURAサマ(ダンス、ヴォーカル、ドラムス)』。
幻想曲に関わるミッションには必ず参加しているという噂の異国の地「スペード」の暗殺者『Lida(ギター)』。
膨大な魔力を得るために自らを魔人と化した元ホモサピエンスで、幻想曲を探すのではなく、自ら作り出す方法を研究中の魔法王国「クローバー」の大神官『seek(ベース)』。
幼き日に母に聞かされた子守唄こそが最高の幻想曲だと信じている剣士で神々が集う52の国を股にかける「ジョーカー」の剣客『DAISHI(ヴォーカル)』。

勇者たちが歓声の中、次々にステージに姿をあらわし、オープニングナンバーはハンドクラップで盛り上がる中、5人が歌い、踊るおなじみの「BLADE DANCE」だ。DAISHIが歌い、4人の振りも楽しい「DANCE II HEAVEN」へと。カラフルなブレスレットの光の輪が浮かび上がるフロアの光景も幻想的。オーディエンスも物語の参加者たちである。

AYA(ダンス、ギター)

AYA「おっはー!この<FANTASIA TOUR>は幻の曲を探す物語なり。それにしても幻の曲はどこにあるなりかな?(フロアを見渡し)おっ!今日もべっぴんがたくさんいるなりな?まぼろし〜!」

IKKO風のイントネーションでAYA姫が場内を沸かせ、「変えろ未来を」と歌う開放感たっぷりの「You&Me」に突入。ボンボンを振っていたAYAがギターを持ち、最新アルバムより「妄想グラフィティー」を奏で、再始動第1弾シングル「あきらめないDAYS」では4人がステージをぐるぐる走るパフォーマンスも。会場に笑顔があふれた。

DAISHIが「叫べ!」と煽った「ノスフェラトゥ」ではYURAサマのドラムがフィーチャーされ、ここからアッパーなナンバーを投下。seekのラップがスパイスを効かせる「one day」などバンドサウンドの醍醐味が味わえる曲が披露されていく。再始動後のライブを観るにつけ、改めて思うことだがテンポが速かろうと遅かろうとPsycho le Cémuの曲はどれもメロディが際立っている。その旋律をストレートに活かすDAISHIの声の質感も魅力だ。
DAISHIが「ガンガン行こうぜ!」と叫び、ヒット曲「激愛メリーゴーランド」ではミラーボールの光が回り、ステージの上のバルコニーでAYAとYURAサマがパフォーマンスで盛り上げた。

seek(ベース)

ナレーション「Zepp王国にたどり着いた5人の夢は叶うのか? 彼らこそ恋、怒り、勇気の幻想曲を求めて旅をするPsycho le Cémuの勇者たちなのだ!」

再びナレーションが響き、お芝居のセクションでは5人が神様に挑むという展開に。それぞれの勇者が各自の作戦を口にすると、なぜかレベルアップするゲームミュージックが流れ、場内苦笑。「神様に追放されるなんて何かマズいことしたんやろ?」と追求されるYURAサマがAYAに「オレンジ髪にするぐらいやったら、俺、天使やめたるわ!とか神様に言ったなりか?」と聞かれ、「ごめん。今もオレンジ髪にしてくれているLida、ありがとう」と過去の自らの発言を謝罪したりと笑いに包まれる中、神様の声が鳴り響いた。

神様の声「この中に真の勇者がいれば勇気の幻想曲を授けよう。」

立候補して自己アピールするメンバー(YURAサマはオレンジ髪で登場)だったが、みんな神様から「オマエ、苦手」「アホか?」などのダメ出しを次々に食らい、最後の勇者、DAISHIはマイクの前に立ち、メンバーへの手紙を読み始めると、場内からは「うぉぉぉ」という歓声が。

DAISHI(ヴォーカル)

DAISHI「Psycho le Cémuのメンバーへ。僕は家庭環境が複雑で両親や妹と暮らせなかったからメンバーが家族のようなもので、おかんの料理はあまり食べられなかったけどメンバーとはたくさん美味しいものを食べました。この5人でこうしてライブをしているのがいちばん楽しいです。」

そして1人ひとりにメッセージも。
YURAサマには「世界一ウマいドラマーじゃないけど、世界一個性があるダンスボーカルドラマーです」。
細やかな性格ゆえに昔はロックじゃないと内心思っていたseekには「あんなに几帳面で少し女の子みたいな性格だったseekが、今はダイブばっかりするいちばんのロック野郎になりました」。
AYAには「あなたの発想とステージングのカッコよさについていけないときがあります。大好きです」。
3才からの幼馴染で20才でバンドを組んだLidaには「2人で夢を描いたことが少し叶ったりもしました。まだまだ手が届かない夢もたくさんあったけど、これからもPsycho le Cémuをひっぱっていってください」という言葉が届けられた。

DAISHIからの気持ちの込もった手紙が神様の心を動かし、5人は最後のアイテム「勇気の幻想曲」を手に入れることになった。

Lida(ギター)

物語の流れからの最終章の曲「FANTASIA〜勇気の幻想曲〜」では、DAISHIのボーカルから始まり、Psycho le Cémuが重ねてきた山あり谷ありの冒険の日々がフラッシュバック。「聖〜excalibur〜剣」は、DAISHIが聖剣ビバーチェからレベルアップした聖剣エクスカリバーを持って歌い、振り切れるゾーンに突入。seekが「ぶちあげていこうぜ!かかってこいよ!」と煽り、メタリックなナンバー「Revenger-暗闇の復讐者-」を拳が上がる中、投下し、場内が声をあげて歌う「LAST EMOTION」ではseekがベースを置き、DAISHIとツインボーカルで攻めに攻め、フロアに2回もダイブする暴れっぷり。熱い速弾きをかますLidaにDAISHIがキスする場面も飛び出した。

本編ラストに贈られたのは、「FANTASIA」の歌詞にも登場するPsycho le Cému最大のヒット曲「愛の唄」。最後までステージに残ったYURAサマは「まさか“LAST EMOTION”がツインボーカルになると思ってなかった」とメンバーも知らなかったサプライズであったことを明かし、おなじみの「ロケットバイビー!」の挨拶に加え、「バイラブユー!」と投げキッスとともに愛を告げて去っていった。

YURAサマ(ダンス、ヴォーカル、ドラムス)

アンコールの幕開けは、Psycho le Cémuとファンの未来を照らすような応援ソング「ファイティング!」で盛大なコール&レスポンス。YURAサマが弓をバイオリンのように弾いてみせたり、メンバーの武器を楽器代わりにするパフォーマンスも楽しく、一点の曇りもない曲なのにジーンとさせられるのはすっかり5人の魔法にかかってしまっているせいか。

MCでは1人ひとりから感謝の言葉も届けられた。Lidaの長いしゃべりをDAISHIが「おもろない」と止めたり、ダイブしていたseekが別人のように真面目に「各会場で3部作を届けましたが、やっぱりPsycho le Cémuの芯はDAISHIさんの声なんだなと感じています」と語るなど、それぞれが今、感じている実感をーー。復活後、メンバーにずっと遠慮していたというDAISHIはBARKSのほかのメンバーのインタビューを読んでふっきれたと語り、「20周年は守りではなく昔のDAISHIで攻めていこうと思っているから、ついてこいよ!」と宣言した。これぞファイナル公演で勇気を手に入れたPsycho le Cémuが辿り着いた1つの答え。

“スペシャルな日だからこそ”とバラード「祈り」が届けられ、「STAR TRAIN」ではカラフルな照明の中、ハンドクラップとジャンプで盛り上がり、ライブに欠かせない「Murderer・Death・Kill」ではメンバーがリレー形式で歌い、フロアも振り切れまくり。

ここで完全燃焼と思いきや、物語はまだ終わらなかった。幻の旋律を手に入れたのにまだ何かが足りないと口々に話す5人。DAISHIが「そうか。やっぱり、あの日に戻らないといけないんだ」「神様へ。もう1度だけ空へ羽ばたかせてよ」「時間を戻してよ」とお願いし、スクリーンには時計が巻き戻る映像とPsycho le Cémuの過去のライブシーンが映し出される。そして発表されたのは2019年5月12日に<エピローグ〜もう一つの未来へ〜>と題して中野サンプラザでライブを行うというニュース。
活動休止最後のライブ会場が中野サンプラザで<エピローグ〜語り継がれる物語>と題されていたこと、もっとさかのぼるとサンプラのインディーズラストライブのことを思い出した人もいるだろう。場内が嬉しさに沸く中、最後の曲は「REMEMBRANCE」。

そして報告はこれだけではなかった。終演後のスクリーンにはPsycho le Cémuの20周年プロジェクト「TWENTY STORY」の一部が発表。結成記念日のライブやイベントなど、2019年は周年にひっかけて20ものイベントが予定されている。勇者たちが夢を手にいれる物語はこれから始まるのだ。

▼セットリスト
01. BLADE DANCE
02. DANCE Ⅱ HEAVEN
03. You&Me
04. 妄想グラフィティー
05. あきらめないDAYS
06. ノスフェラトゥ
07. one day
08. Liberty, babies
09. 激愛メリーゴーランド
-芝居-
10. FANTASIA~勇気の幻想曲~
11. 聖~excalibur~剣
12. 摩天楼カオス
13. Revenger -暗闇の復讐者-
14. LOVE IS DEAD
15. LAST EMOTION
16. 愛の唄

EN
01. ファイティング!
02. 祈り
03. STAR TRAIN
04. Murderer・Death・Kill
-芝居-
05. REMEMBRANCE

公演情報

DISK GARAGE公演

Psycho le Cému 20周年プロジェクト「TWENTY STORY」

-第1章-
「Psycho le Cému 20th Birthday Party~ぼくらの成人式~」
2019年5月3日(金・祝) 品川インターシティホール

-第2章-
エピローグ ~もう一つの未来へ~
2019年5月12日(日) 中野サンプラザホール

-第3章-
PLC Home Party
2019年6月25日(金) 新宿BLAZE
出演:Psycho le Cému、SiXX、MIMIZUQ、Dacco

・・・-第20章-まで続く!

チケット一般発売日:2019年2月17日(日)

  • 取材・文

    山本弘子

  • カメラマン

    青木早霞(アオキサヤカ)

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