【ライブレポート】DAIGO、ルーツと向き合い、光り輝く「歌」を華麗に届けたソロデビュー15周年記念ツアーファイナル公演

ライブレポート | 2019.01.08 15:00

DAIGOソロデビュー15周年記念ライブツアー "Deing" 神田明神文化交流館こけら落とし公演
2018年12月24日(月・振休) 神田明神ホール[SOLD OUT]

T-BOLAN、ZARD、WANDS、大黒摩季など1990年代に大ヒットを記録したBeingの名曲をカバーしたアルバム『Deing』をひっさげてのDAIGOの東名阪ツアー<DAIGO ソロデビュー15周年記念ライブツアー>のファイナルライブがクリスマスイブの12月24日に神田明神ホールで行われた。

平安時代に創設された歴史ある神田明神の敷地内にある同ホールは12月15日に誕生したばかりの多目的スペースだ。DAIGOのライブも東名阪ツアーの千秋楽であり、こけら落とし期間の公演として開催されたものだ。いろいろな意味でスペシャルだった当日の模様をレポートする。

15周年にちなんで15色に変わるハート型ペンライトがフロアに揺れる中、フォーマルな装いにサングラスをかけて登場したDAIGO。ライブは当時、中学生だったDAIGOが夢中になり、Beingの楽曲にハマるキッカケとなったWANDSのヒット曲「もっと強く抱きしめたなら」で幕を開けた。続いて披露されたのはZYYGのデビューシングル「君が欲しくてたまらない」。思春期の頃から聴き、カラオケで歌っていたという曲たちを想いを込めてほとんど動かずに歌う姿はBREAKERZともソロライブとも趣が違う。

「“Deing”ツアーにようこそ!みなさん、メリークリスマス!平成最後のクリスマスイブにここにいて大丈夫ですかね?(笑)」

この問いかけに笑わずにはいられない場内。さらには神田明神境内にあるホールということで「お参りしましたか?」と質問。挙手の状況を見て「俺もしたかったんだけど、並んでてできなかったので」と本殿のある方角を向いてファンを巻き込み、“二礼二拍手一礼”でライブの成功を祈願。前半戦から予想外の展開(笑)となった。

「それじゃみなさん“CET!” クリスマスイブ楽しもうぜ!」

おなじみのDAI語で煽り、DAIGO自身のMCの言葉を借りるならば、まさに和洋折衷のシチュエーション。平成最後のクリスマスイブと神田明神という組み合わせも特別感があるが、GLAYのTAKUROがDAIGOのために書きおろしたソロデビュー15周年シングル「真夏の残響/今夜、ノスタルジアで」を披露した以外、すべての曲がカバーで構成されたセットリストだったのもスペシャルだ。

ミリオンセラーを記録したFIELD OF VIEWの「突然」やREVの疾走感のあるロックナンバー「甘い Kiss Kiss」をセクシーなパフォーマンスでシャウト気味に歌うなど、ボーカリストとしていろいろな表情を見せてくれたライブ。今年7月に中野サンプラザで開催されたソロ15周年記念ライブでT-BOLANの森友嵐士と共演、アルバムでもデュエットしているバラード「離したくはない」をひとりで歌い、40歳になった現在進行形のDAIGOならではの哀愁を帯びた歌をしっとり響かせたと思えば、“宝物のような曲”と表現したZARDの大ヒット曲「永遠」やアーバンなアプローチの倉木麻衣の「Secret of my heart」を男女の性別を超えた柔らかで繊細な表現で届けるなど、衣装ではなく歌い手としての七変化で楽しませてくれた。

後半で「ペンライトを持っていない人は誰よりも目を輝かせてぜひステージを照らしてください」と沸かせ、平成最後のクリスマスメドレーを披露したのも特別な1日ならでは。スタンダード中のスタンダード「White Christmas」で始まり、ワム!の「Last Christmas」、GLAYの「Winter,again」、山下達郎の「クリスマス・イブ」など時代を超えて愛されるクリスマスソングのカバーを次々歌い、後半のB’zの「いつかのメリークリスマス」や桑田佳祐の「白い恋人達」、サザンオールスターズの「いとしのエリー」では持ち前のエンターティナーっぷりを発揮せずにはいられなかったのか、モノマネモードに突入し、場内大爆笑。

大黒摩季のカバー「あなただけ見つめてる」で華やかに盛り上げ、この季節にピッタリの中山美穂とWANDSのコラボシングル「世界中の誰よりきっと」で大合唱となり、本編が終了。

そしてアンコールでは、さらなるクリスマスプレゼントが。カバーアルバムを作ったことであらためて聴き継がれていくような名曲を作りたいと思ったというDAIGOがツアーの合間に書いたという未発表の新曲(名古屋公演で初披露)が届けられた。「DAIGOサンタから贈りたいと思います。曲名はBeingを意識した長いタイトル(90年代は長い曲名が多かった)になってます。聴いてください」と告げられたタイトルは「愛してるなんて口が裂けても言えはしない」。真剣に受け止めていいのか、笑っていいのか、やや混乱気味のファンであったが、歌い始めるとスタンダードなサビのメロディが秀逸な切ないバラードにみんな陶酔。「陽の目を見るかわからないですけど」というDAIGOに「えーっ!?」という落胆の声が上がり、「大人たちに相談してみようかな」と好リアクションに顔をほころばせた。

そしてMCでは近況報告。映画『ニセコイ』が公開中で、2019年には映画『フォルトゥナの瞳』にも俳優として出演。2019年4月6日にはBREAKERZとしてのライブを開催(DAIGO曰く、おそらく自分のバースデイライブ)するなど、バラエティ番組を含め、引き続きマルチに活動し、ジョーク交じりに「すべてを音楽に繋げていく男」と宣言して盛り上げた。

「15年前、この曲があったおかげで今こうやってステージに立つことができて、みんなと出会えたと思います。大事な大事な1曲。DAIGO☆STARDUSTの曲をカバーしたいと思います」

そう前置きし、歌ったのは氷室京介が楽曲提供したデビューシングル「MARIA」。ラストナンバーを『Deing』の最後の曲でもある「果てしない夢を」で締めくくった。

クリスマスイブをみんなと過ごせたことや、少年時代に憧れていたアーティストとコラボできたことに感謝し、ライブ本編で「みなさんもいろんな人生を送っていると思います。でも、希望を持って毎日を過ごしていってほしいなと思います。僕もみんなの人生が明るくなるようにこれからもイルミネーションのごとく照らしていきたいなと。ともに人生を明るく過ごしていきましょう!」とメッセージしたDAIGO。2019年もキラキラした光を放つ存在として、未来を照らしていってくれるに違いない。

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