「MUSIC MONSTERS -2019 winter-」2/23(土)@渋谷 総括レポート!

ライブレポート | 2019.03.06 18:00

MUSIC MONSTERS -2019 winter-
2019年2月23日(土)
TSUTAYA O-EAST・O-WEST・O-Crest・O-nest・duo MUSIC EXCHANGE

2012年から毎年夏と冬の年二回、渋谷O-EAST・O-WEST・duo・O-Crest・O-nestの5会場で行われてきた、ディスクガレージ・プレゼンツのサーキット・イベント『MUSIC MONSTERS』。今年2019年の冬は、2月23日(土)に36組のアーティストが集結、開催された。あ、O-EASTのトリ前に出演するはずだったSUNNY CAR WASHは、残念ながら岩崎優也(Vo./Gt.)の体調不良のため出演キャンセルになったことが、開催前日に発表にされたので、正しくは35組です。ウェブ上にも会場のあちこちにも、そのキャンセルのお知らせが出ていたのに、それらをすべて見逃し、その時刻にO-EASTで「おかしいなあ、始まらないなあ、それになんでこんなにガラガラなんだろう?」と不思議に思いながらしばらく開演を待っていたマヌケは私です。ステージ上の楽器のセッティングが4人編成のそれであることに、もっと早く気づけよ、SUNNY CAR WASH、3人なんだから。と、自分で思いました。

さて。このような、複数のライブハウスにまたがったサーキット型のイベント、いろんな都市で行われているし、東京だと渋谷・新宿・下北沢などで頻繁に開催されている。さらに言うと、この「O-EAST・O-WEST・duo・O-Crest・O-nest全部借りる形式」、いくつものイベンターがやっていたりもする。
それらの中で『MUSIC MONSTERS』がどんな特徴を持っているかというと、ジャンル・キャリア・形態問わず……いや、出る側だけでなく、お客さんも含めて、いや、制作側も含めて、「ライブハウスの現場で生きている人たち」で作り上げられているイベントである、ということだ。それ以外の人がほぼいない。開演から終演まで参加して、改めてそう感じた。特にお客さん。とにかくみんな、ずっといる。「このバンドを観に来ました、これが終わったら帰ります」みたいな空気がない。いや、そりゃあ中にはそういう人もいただろうし、途中から来た人も途中で帰った人もいただろうけど、イベントの中心になっているのは、マメにハコを移動しながらとにかくずっといる、好きなバンドも気になっているバンドもよく知らないバンドも含めてとにかく1組でも多くライブを観たい、という貪欲な人たちだった。「あ、さっきduoにいた子だ」「2時間前にCrestにいた人だ」ということが本当に多かった。あと、そのように、どんどん移動して観ることが可能なようにタイムテーブルが組んであるのも大きいと思うが。
とにかく、そのお客さんたちの貪欲さにあおられて、自分も観れる限り観ました。全部観たのが11、途中まで・途中から観たのが2、計13アクトです。では、以下、それらをひとつずつ、短くレポートしていきます。

<11:30 duo> Omoinotake

キーボードを弾きながら歌いまくるボーカルにベースとドラムがハモリをつけまくり、さらにサポートのサックスがからみまくる、メロディの洪水みたいなポップ・バンド。ダンス・ミュージック感があるのもいい。という魅力が徐々に浸透し始めているみたいで、朝イチなのにけっこうな数のお客さんが集まっていた。「朝11時半から普通来ないよ? こんなに来てくれて感謝感謝感謝!」と、MCで喜びを伝えていた。

<12:10 O-Crest> ひかりのなかに

オーディション優勝経験もある現役高校生の3ピース、ボーカル&ギターとベースが女の子でドラムが男の子。初めて観た。びっくりした。演奏及びアレンジはいかにも高校生バンドっぽい「速くてかき鳴らしっぱなし」な感じだし、演奏技術もないんだけど、むしろそれらも武器になるくらいの「伝えたい!」「吐き出したい!」という気持ちの放射っぷり。ヤマシタカホ(Gt./Vo.)ってすごいかも。「感情過積載バンド」と呼びたい。

<12:45 O-WEST> KUZIRA

これは途中まで観た。確かまだそんなに活動歴長くないし、本拠地も岐阜(レーベルは名古屋)なのにすでに東京でも注目されていることが、人の集まり方と盛り上がり方でよくわかる。気持ちいいくらい王道でど真ん中なメロコア3ピース、特にスパーンと歌を耳に突き刺してくるハイトーンなボーカルが魅力でした。MCでギターとベースが同時に違うことをしゃべり始めてわけがわからない、というのをやっていて笑ったけど、これ昔どっかでやってるバンド観たことがある、POLYSICSだったっけ、違ったっけ……と思い出せなかったりもしました。あと「後悔したくなくても絶対しちゃう僕達の歌です」という曲紹介も、何かよかった。

<13:10 O-nest> Mellow Youth

80年代のAORやシティポップの匂いがして、中には「寺尾聰?」なんて思う曲もあったりするんだけど、でありながら「懐かしさ」と「新しさ」で言うと圧倒的に後者の比重が高い、そんな不思議に心地いい音を出すツイン・ボーカルのバンド。観たの二回目だけど、二回くらいではまだ解析できない底の深さを感じた。

<13:25 O-EAST> FINLANDS

途中から観た。ライブ観たの、初めて。なので「そうかこのバンド名だからサポート・メンバー含めてみんなファーの襟巻だったりコートだったりするのか」などと、素朴なことを知ったりしました。音源よりもぶっとくてふてぶてしい鳴りのバンド・サウンドだったところと、歌っている時・演奏している時の、感情を読みきれない表情に好感を持った。

<14:10 O-nest> Laura day romance

「ギター・ポップ!」とか「ネオアコ!」とか「初期渋谷系!」とか言いたくなったし、男女ボーカルがハモらずユニゾンで歌う感じ(たまにハモるけど)と、ふたりとも「ボーカリストな声」じゃなくて「普通の人っぽい声」なところにスーパーカーを思い出したりもしたが、そんなふうにレッテルをベタベタ貼っても決して負けない強さが、メロディにも、メンバー5人の佇まいにもあると思う。曲がとにかく瑞々しい。

<15:15 duo> THE LITTLE BLACK

元WHITE ASHののび太&彩のバンド、ってもう書かなくてもいいか。音が攻撃そのものみたいなヒリヒリしたギター・サウンド、ただそのヒリヒリ感と同じくらい楽しそうな感じや勢いづいている感じも伝わってくるのがいい。初めてライブを観た時は、ドラム:マットの個性的にもほどがあるプレイにびっくりしたけど、3人の演奏がなじんだせいか、こっちの耳が慣れたせいか、たぶん両方だと思うが、今回は心地よく自然に楽しめた。

<16:10 O-Crest> w.o.d.

ボーカル&ギターのサイトウタクヤ、声もツラも目つきもギター弾きながら歌っている時の全身のフォルムも含めて、すんごいカリスマ性ある。「ロック・スターがいる!」という感じ。NIRVANA直系の爆音ギター・サウンドに、普通に、自然に日本語がのっかっている感じも、とても好ましい。

<16:30 duo> THURSDAY’S YOUTH

前身バンド、Suck a Stew Dryから今のこのTHURSDAY’S YOUTHに変わってからもう2年、ライブを観たことがなかったんだけど、しまった! もっと早く観るべきだった、こんなにいいんなら! と、後悔した。端的に言うと、暗い。そこがいい。なんで。真実だから。というバンドだと思った。前身バンドの頃から暗かったといえば暗かったけど、メロディや言葉のチョイスによって、より「人に届く暗さ」「人に刺さる暗さ」になった気がした。特に、最後にやった曲が強烈。「どうして笑顔じゃないといけないの」で始まって「涙がないといけないの」「言葉がないといけないの」「気持ちがないといけないの」「優しくないといけないの」「楽しまないといけないの」「同じじゃないといけないの」と続いていく。Spotifyで調べたら、「なかまはずれ」という曲でした。

<17:10 O-Crest> ニトロデイ

もう見るからに、あからさまに、生きづらそう。今のこの社会に居場所がなさそう。だからってそんなにがっちりと両耳をヘッドホンで覆ってライブやらなくても。昔のカール・ハイドかきみは。と言いたくなるボーカル&ギター小室ぺいのキャラクターにまずやられた。大好物です。声のヌケがよくて歌詞がすぱっと耳に入ってくるのも武器。あとメンバー全員見事に統一のとれた衣裳だったのは、いつもなんだろうか、そう決めているがゆえのことなんだろうか。「部屋着以外NG」というドレスコードがあるのかと思った。

<17:45 O-WEST> ハンブレッダーズ

人気者! 台風の目! みたいなことに早くもなってるんだなこのバンドは、ということがよくわかるライブだった。フロアの熱狂っぷりも、ステージの上の4人のいきいきっぷりもそう。バンドがブレイクへの階段を二段飛ばしで駆け上がっていくさまを過去に何度か見たことがあるが、まさにその感じ。無敵だと思う。「ハンブレッダーズ」と「無敵」ってなんか矛盾してる感じだけど。「ムツムロアキラ」と「無敵」にすると、更に矛盾している感じになります。

<19:05 duo> 新しい学校のリーダーズ

クリエイティビティが炸裂しているものを目の当たりにするとワクワクする。この4人で、この衣裳で、このダンスで、この音楽性で、この歌詞で──ということを考えついた時、そして実際にそれを形にできた時のカタルシス、相当なものだったんではないかと思う。観てるこっちにとっても相当なものなので。と書くと、そもそものコンセプトを考えた人が偉い、みたいに思えるかもしれないが、そのコンセプトが「この4人だから生まれた」という必然があることと、それを実行するのがこの4人じゃないと不可能なことが、観るとわかる。

<19:50 O-EAST> WOMCADDLE

さすが大トリ、と唸りたくなる大熱演、O-EASTのフロアだけじゃなく2F後方の天井あたりまでステージから放たれるエネルギーが達している感じ。そもそも、スネアもタムもシンバルも角度をつけずに床と平行にセットしていて、それを左腕を耳の後ろまで振り上げて叩きまくるのがいちばんかっこいいドラマーであって、そんなドラマーがいるバンドがかっこよくないわけがないのだった。そこを基準に誉めなくても。と自分でも思うが、すみません、個人的にそこかなり大事なんです。

なお、最初に書いたように、2012年から夏と冬に開催されてきたこの『MUSIC MONSTERS』だが、2019年の夏はお休み、次回は2020年の冬になることがアナウンスされた。ちょっと先だけど楽しみに待ちたい、発見だらけのイベントであることがよくわかったので。

MUSIC MONSTERS -2019 winter-

■日時・会場
2019年2月23日(土)
TSUTAYA O-EAST・O-WEST・O-Crest・O-nest・duo MUSIC EXCHANGE

■開場 / 開演
TSUTAYA O-WEST・duo MUSIC EXCHANGE 11:00 / 11:30
TSUTAYA O-EAST・TSUTAYA O-nest・TSUTAYA O-Crest 11:40 / 12:10

■出演アーティスト(計36組)
アイビーカラー / 新しい学校のリーダーズ / Wienners / WOMCADOLE / EVERLONG / All Found Bright Lights / Omoinotake / KUZIRA / GOOD ON THE REEL / GRASAM ANIMAL / Cloque. / kobore / THURSDAY’S YOUTH / The Cheserasera / さなり / SUNNY CAR WASH / the shes gone / The 3 minutes / w.o.d. / ニトロデイ / Half time Old / ハンブレッダーズ / ひかりのなかに / FINLANDS / Bentham / Maki / マッチョ 29 / MINAMI NiNE / moon drop / Made in Raga-sa / Mellow Youth / THE LITTLE BLACK / LUCCI / ravenknee / RöE / Laura day romance

  • 兵庫慎司

    TEXT

    兵庫慎司

    • ツイッター

SHARE

関連記事

イベントページへ