GOOD4NOTHING、4人体制ラストライヴは涙を吹き飛ばす灼熱パンクで大疾走!

ライブレポート | 2019.03.06 14:00

「BURN SOUL DOWN vol.19」
2019年2月28日(木) 渋谷 CLUB QUATTRO

心のどこかでU-tan(Vo&Gt)、TANNY(Vo&Gt)、MAKKIN(Ba&Cho)、SUNE(Dr)のメンバー4人は半永久的に続く不動のラインナップだと信じて疑わない自分がいた。特にここ数年は小さなライヴハウスだろうと、大型フェスだろうと、盤石のパフォーマンスで観客を盛り上げる“無敵感”に漲っていたから。ゆえに2019年2月28日、渋谷CLUB QUATTROでの自主企画『BURN SOUL DOWN vol.19』をもってTANNYが脱退するニュースを知った時は、何かのジョークだろうと本気で思った。“そんなことがあるわけがない”と。

4人体制ラストとなるGOOD4NOTHINGを見届けようと会場は立錐の余地もないほど観客で埋め尽くされ、開演前から異様な熱気に満ちあふれていた。19時5分に登場SE「河内のオッサンの唄」が流れると、U-tan、MAKKIN、SUNE、最後に段ボールの被り物を付けたTANNYが登場。「It's My Paradise」で幕を開けると、凄まじい大合唱が一気に広がる。次の「FOUND」でTANNYが“ジャンプ!ジャンプ!”と煽ると、会場は俄然ヒートアップ!

煌びやかなライトハンドで始まる「Turning」の演奏中、U-tanがシャツをめくり上げて顔に被せる。するとTANNYがU-tanの乳首をいじったりと、いつもと何ら変わらない彼らがそこにいた。「WALK A WINDING ROAD」を披露した後、“MAKKIN、20年ヘルプやったな”とU-tanが話しかけ、なぜかMAKKINが辞めるかのような流れになり、“TANNYが辞めるんやで!”とMAKKINが言い返すコントみたいなやりとりも会場を爆笑に包み込む。

“TANNY、俺らも今日が始まり!”とU-tanが言うと、矢継ぎ早に楽曲を畳み掛けていく。「J.C.」でTANNYとU-tanが交互にリードヴォーカルを分け合う場面では、“この瞬間はもう二度と戻って来ないんだな”と胸に深く刻むようにステージを凝視する自分がいた。そんなこちらの感傷的な気分を吹き飛ばすようにフルスロットルで突き進んでいく彼ら。パワフルなエネルギーを撒き散らす演奏に後ろ向きの要素は微塵も感じられず、“今この瞬間を楽しむべきだろ?”と問いかけられているような気持ちになった。

“行けー!”とTANNYが雄叫びを上げ、観客をグイグイと引っ張り、フロアーの熱も急上昇していく。そして、今回の4人体制ラストライヴの場所に大阪と東京のCLUB QUATTROを選んだ理由について、“チケットもソールドして、なぜQUATTROなの?と聞かれて…俺とU-tanは(大阪の)QUATTROによく外タレを観に行ってたし、そこでALLISTERともつながったりして…俺らにとってQUATTROは神聖な場所だから、ここを選んだ。最後にわがままを言わせてもらった”とTANNYが丁寧に説明。さらに“去年20周年で最後の発表が…”とU-tanが言うと、“俺の脱退や!”とTANNYが返し、“笑えないよ!”と観客から鋭い突っ込みが入る場面もあった。

後半、“超懐かしい曲やるわ”とTANNYが告げると、「DECIDE」がここで炸裂。デビューシングル「LET'S MAKE THE FUTURE」の冒頭を飾るナンバーで、伸びやかなTANNYのハイトーンヴォーカルが映え渡る一曲に胸が熱くなるのを抑えられなかった。バンドはここから怒濤のスパートをかけ、「Never Too Late」を披露した後の会場からは“楽しいー!”“最高やー!”と歓喜の声が上がり、しんみりムードは皆無。

本編を「Cause You're Alive」で締め括り、バンドがステージ袖に引っ込むと、GOOD4NOTHINGを求めるアンコールの声は止まない。その歓声に応えると、一発目にショートチューンアルバム『It's shoooort time!!』収録の「Wait here」をTANNYが弾き語りで披露。それから初期曲「LET'S GO」を織り込んだりと、本編に負けない爆走ぶりで駆け抜け、その勢いのままWアンコールに突入。会場を見渡すと、目の周りを手で拭うファンの姿が。今日二度目になる「It's My Paradise」をプレイした後、“ほんまは「It's My Paradise」で終わりやったけど、さよならは言わへんで!”とTANNYが言うと、ハローを61回言い尽くす最終曲「HELLO 61」で鮮やかにフィニッシュ!全30曲、2時間10分に及ぶライヴは一瞬で過ぎ去ったような感覚であった。

GOOD4NOTHINGはラスト1曲まで、いつものGOOD4NOTHINGのままだった。どこまでもカラッと晴れ渡る西海岸の青空みたいなショーを観て、TANNYと、これから3人体制で始動するGOOD4NOTHINGの未来は明るいと確信するほど、ここには前に突き進もうとするポジティブな空気しか存在していなかった。

SET LIST

01. It's My Paradise
02. FOUND
03. STOMPING STEP
04. Turning
05. WALK A WINDING ROAD
06. THIS SONG'S TO MY FRIEND
07. J.C.
08. Flying high
09. GETTING NOWHERE
10. ON THE LINE
11. IN THIS LIFE
12. BE FREE
13. Maximize
14. BROKEN RADIO
15. DECIDE
16. UNDER THE SAME BLUE SKY
17. LOVE SAVES ALL
18. PASSAGE OF TIME
19. 27
20. Never Too Late
21. RIGHT NOW
22. Can You Stop Everything?
23. One Day I Just
24. Cause You're Alive

ENCORE
1. Wait here
2. KEEP YOUR FACE UP
3. STUPID WORLD
4. LET'S GO

ENCORE2
1. It's My Paradise
2. HELLO 61

公演情報

DISK GARAGE公演

ONION ROCK FESTIVAL 2019 -CHIBA DE CARNIVAL-

2019年5月18日(土)19日(日) 稲毛野外音楽堂
※GOOD4NOTHINGは18日(土)に出演

そのほか、最新の出演情報はオフィシャルサイトをご確認ください。

  • 取材・文

    荒金良介

  • PHOTO

    半田安政

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