【ライブレポート】岸田教団&THE明星ロケッツ <REBOOT TOUR 2019>、「東方Only」のスペシャルセトリで再起動。ツアーへの期待が高まる渾身の幕開け!

ライブレポート | 2019.03.07 17:00

岸田教団&THE明星ロケッツ REBOOT TOUR 2019
弾幕祭/再起動 ~Re:boot and Carnival Bullet Time.
2019年2月28日(木)CLUB CITTA'(川崎)
!!セットリスト掲載あり!!

岸田教団&THE明星ロケッツの<REBOOT TOUR 2019>が2月28日、CLUB CITTA’(川崎)公演で幕を開けた。ツアー初日となったこの日の公演は“弾幕祭/再起動〜Re:boot and Carnival Bullet Time.”というサブタイトルがついていた。それに合わせて、ステージ後方にはichigo(Vo)が書いた“弾幕祭/再起動”と横断幕が掲げられていた。ステージ前方に立ち入り禁止のイエローのテープが張り巡らされたステージが暗転し、オンタイムでみっちゃん(Dr)、hayapi(Gt)、岸田(Ba)、サポートのT-tsu(Gt)、現れると、客席一丸となったものすごい大歓声が沸き起こる。もう待てない、という観客の期待感の高ぶりを表すように、オーディエンスは早くもクラップを始める。そんななかichigoが最後にステージに登場してスタンバイするや否や、ライブは「Speed grapher」で幕開け。しかし、冒頭からichigoのボーカルが聞こえないという予想外のハプニングに見舞われると、オーディエンスは激しいoiコールでichigoをサポート。スタッフが新しいマイクを手渡し、“光さすほうへ〜”というichigoの伸びやかな声が聞こえてくると、それを受けてチッタには“ウォー”と叫ぶ観客の声が響き渡る。

ichigo(Vo)

ステージのテープがパーンと剥がれおちたあと、「メイドと血の懐中時計」、ichigoの“踊ろうか”を合図に突入した「緋色のDance」では早速hayapiが歯ギターをフィーチャーしたパフォーマンスで観客を魅了。オープニングだけで会場の温度は驚くほど上昇している。だが、そんななか「ねぇ、なかったことにしてるけど、あれマイク間違えて持ってきたでしょ?」と岸田がニヤケながらichigoに突っ込むあたりは、このバンドならでは(微笑)。このあとアカペラで「Speed grapher」を歌ったらあの事故はなかったことにすると提案されたichigoが、一人で本当に熱唱するパフォーマンスが見られて、ファンは大喜び。“これがライブです(笑)。ここにしかない思い出、作ってくれよ!”とichigoが叫び、“聞いて欲しい歌がある”と歌う「宵闇鳥」、フロアが一斉に“通りゃんせ通りゃんせ”のシンガロングをする「シンデレラケージ」、次は“切に切に”の大合唱を巻き起こす「竹取飛翔」へとつなぐ。ユニークな掛け声が続くなか、岸田がまだまだとフロアを煽って「月まで届け、不死の煙」でさらに観客をあげていく。

ichigo(Vo)

岸田(Ba)

hayapi(Gt)

みっちゃん(Dr)

この日はとにかくエモいアッパーチューン連発で、オーディエンスを攻めまくる彼ら。それについてくる観客に向かって“のっけから熱苦しいセットリストだけど、みんなついてくるね”と感心するichigoは、ここで自分の衣装が過去のツアーの衣装のパーツをリメイクして作ったREBOOTものだと説明。そうなのだ。このツアーはそもそも、ニューアルバム『REBOOT』を引っさげてのツアーなのだ。だが、この日の彼ら、ここまでアルバムの曲はまったく演奏していない。それについて、これからREBOOTツアーに出るにあたって彼らはバンドそのものを1度REBOOTさせるために“やることは1つ。ここチッタで東方アレンジ!”とこのライブの意義を岸田が解説。

ichigo(Vo)

岸田教団&THE明星ロケッツは、メジャーレーベルでオリジナルCDを出しながらも、元々はリーダーである岸田が“東方Project”のアレンジCDやオリジナル楽曲を同人界隈で制作していたところからスタートしたバンドで、現在もその活動を続けている。この日は、バンドの原点となっている東方アレンジの楽曲のみを、自分たちが2008年に<Flowering Night>で初めてステージにたったこの場所、CLUB CITTA’でライブをやることで、バンドを根本からREBOOTしようという腹づもりだったのだ。だからか、この日の彼らはとにかく演奏の気合がすごかった。ステージングすべてから、このライブにかける彼らの気迫がひしひしと伝わってくるのだ。

ichigo(Vo)

この後も東方アレンジの曲がひたすら続く。「知ってる?魔道書は鈍器にもなるのよ」をオーディエンスが大声で歌うと“もっとカッコいいところみせて!”とichigoが煽って人気曲「U.N.オーエンは彼女なのか?」へ。エンディングでみっちゃんの華麗なドラムソロから「ルナ・ダイアル」に突入すると、バンドサウンドはさらにバースト。クラップ、oiコール、折りたたみで激しく応戦するフロアはいつの間にかカオス状態に。“まだ止まりませんよ”とichigoが声をかけ「Desire Drive」では観客全員が勢いよくタオルを回す。

このあとも、東方アレンジの名曲たちが次々とプレイされるたびに、オーディエンスは“うぉー”、“キター”と絶叫し、みんなで熱狂し続けたこの日のライブ。岸田はこの日“このバンドを結成することに影響を与えたロックバンドが、先日再結成しました”と同じ地元出身であるNUMBER GIRLについて名前を出さずに触れたあと“福岡市博多区からやってきました。岸田教団&THE明星ロケッツです”と自己紹介した。そうして“ドラムス、みっちゃん”といって、みっちゃんの力強いドラムから「夢は時空を超えて」へバンドイン。hayapiの“ワン、ツ、スリー、フォー!”のカウントでぶち上がる「SuperSonicSpeedStar」、そこからも圧倒的なパワー、演奏力で「YU-MU」、さらにはフロアがどよめいた「彼岸帰航」などをアクトし続けた彼ら。

終盤、ichigoは12年前に初めてこのステージに立ったときのことを回顧して“そのときは東方のことも知らなくて。でも、ステージに立ったらただただびっくりで。えっ、みんなこんなに盛り上がるの?聞いてないよって。あのときは本当に悔しくて、みっちゃんと‘もっとやれたよね’っていって、すぐに岸田に‘来年もやろう’っていったんです”と当時のことを振り返った。そうして、ここまでバンドを続けるなかで“バンドよりも私、みんなのことを先に好きになってたの”と思いを告白。“初めてだったの。こんなにピュアに気持ちをぶつけてきてくれるお客さんに出会ったのは。私はこういう人たちに向けて歌いたかったんだって分かって…(涙声になる)嬉しかったんです(フロアから拍手が起こる)。今日、12年越しにあのときのリベンジが果たせそうな気がしてるので、12年前、このステージで最後にやった曲を”とichigoがいい、ライブは「Lotus Love」でichigoのMCでテンションが上がった岸田がベースの弦がきれるほど激アツなパフォーマンスを見せ、感動的に終幕。

ichigo(Vo)

岸田(Ba)

熱烈なアンコールを受け、今度は岸田がマイクに近づく。“12年前、ここでライブをやったときは、このいけ好かないヤツらとCD1枚作って終わりゃいいかと思ってたのに、何の因果か12年も続いて。12年っていうのは俺がどうとかっていうレベルじゃないんです。みんなと僕ら、そこになにかがあったんじゃないかと。じゃないと12年も続いてません”と熱い思いをファンにぶつけた。そうして“最後にこのバンドの始まりの曲をやって、そこから僕たちはREBOOT TOURを始めようと思います”と伝え、「明星ロケット」を披露してこの日のライブを締めくくった。

この日のREBOOT、再起動を通して、12年前から確実に進化した自分たちを身をもって確認したであろう彼らが、次のライブから最新作『REBOOT』をどう表現していくのか。初日を見届けた人にも、ぜひとも見てもらいたい。

SET LIST

01. Speed grapher
02. メイドと血の懐中時計
03. 緋色のDance
04. 宵闇鳥
05. シンデレラケージ
06. 竹取飛翔
07. 月まで届け、不死の煙
08. 真空のメランコリー
09. 霊知の太陽信仰
10. 知ってる?魔道書は鈍器にもなるのよ
11. U.N.オーエンは彼女なのか?
12. ルナ・ダイアル
13. Desire Drive
14. CROWN PIECE
15. ピュアヒューリーズ
16. 夢は時空を越えて
17. SuperSonicSpeedStar
18. YU-MU
19. 彼岸帰航
20. ネクロファンタジア
21. Lotus Love
ENCORE
22. 明星ロケット

<REBOOT TOUR 2019>の意義を熱く語った、Ba 岸田インタビューを近日公開!

公演情報

DISK GARAGE公演

REBOOT TOUR 2019

2019年3月8日(金) 大阪・梅田BananaHall
2019年3月10日(日) 福岡・DRUM Be-1
2019年3月17日(日) 仙台・LIVE HOUSE enn 2nd
2019月3月21日(木・祝) 名古屋・Electric LadyLand
2019年3月23日(土) 東京・EX THEATER ROPPONGI
チケット一般発売日:2019年2月2日(土) ※ファイナルの東京公演のみ2月9日(土)

ROCKETS REBOOT ASIA TOUR 2019 IN TAIPEI
2019年6月15日(土) 台北・角落文創展演空間Corner House
チケット一般発売日:2019年3月9日(土)

RELEASE

「REBOOT」

4th アルバム

「REBOOT」

2018年12月5日SALE
※アーティスト盤[CD+特典BD]と通常盤[CD]の2形態あり
「COMPACT DISK」

「REBOOT」2018年冬コミ 東方アレンジ

「COMPACT DISK」

  • 東條祥恵

    取材・文

    東條祥恵

    • ツイッター
  • LIVE PHOTO

    フクシ アヤミ

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