俳優・福士誠治と音楽家・濱田貴司によるユニット“MISSION”の「one-man live SECOND」をレポート!

ライブレポート | 2019.08.27 18:00

MISSION ONEMAN LIVE「SECOND」
2019年8月10日(土)新宿 ReNY

「まさか 自分だけは死ぬ筈がない。そんな風に信じていたのかい? ロウソクの残りは日が出るまで。泣こうが喚こうが笑おうがそれまでの人生。そう決まっていたんだ。……君を迎えに来たんだ」

俳優の福士誠治と音楽家の濱田貴司によるユニット“MISSION”のONEMAN LIVE「SECOND」 。タイトル通り二度目となるワンマンライブは、フードを目深にかぶり、光る球体を手にした福士による冒頭のセリフから始まった。のちのMCで濱田が「前回はSeijiにいかに気持ちよく歌ってもらえるかを考えていた」と語っていたように、ファーストワンマンライブは福士のヴォーカリストとしての一面に焦点を絞った、ロックバンド然としたストレートなライブとなっていたが、今回は役柄(冒頭では何者かを名乗っていない)を与えられ、映像や照明の演出も加わり、サポートメンバーの衣装も統一され、全10曲と少ない曲数ながらも二部構成のような作りにもなっていた。

ライブの前半は2月にリリースされた1stミニアルバム『ONE-NESS』の収録曲を立て続けに披露した。ラウドなミクスチャーロック「二律背反-antinomie-」で<只 赤裸々 産まれた日のまま>と叫ぶと同時にフードを剥ぎ取ると、フロアからは大きな歓声と拍手が巻き起こった。スリリングかつカオティックなサウンドスケープの中で<何の為 誰の為に 産まれ堕ちてきたのか/生き永らえたいのか>と問いかけ、続くドラマチックなロックバラード「ゴースト」では “死”といういつかの終わりがもたらす“刹那の今”の切なさと愛おしさを伸びやかに歌いあげた。

「みんなと素敵な時間を過ごしていきたいと思います。心の扉を閉じてるとあっという間に終わりますよ。どうぞよろしくお願いします」という挨拶を経て、ゴーストならぬ“ゆうれい”が白い闇の中に消えるハートウォーミングなフォークバラード「大停電の夜」を歌い終えると、再び、フードかぶり、「泣こうが喚こうが笑おうがそれすらも人生。そう決まっていたんだ。……君を迎えに来たんだ」という冒頭のセリフに続いて、一瞬で声色が変わり、光る球体を手に「どうせ自分なんて、それが口癖で、ずっと忙しくて、それが言い訳。最後の1日まで変わらないのか。最後の1秒まで人のせいなのか——最期のこの1日に誰より生きて、最期のこの1秒、誰より咲いて——死を告げるまで気付けない僕たちは、生が死をかすめる頃、目を醒ますだろう」と問いかけた。そして、続く楽曲のサビの歌詞である<何の為に産まれたの? 何の為に生きているの? 正解でなくていいから/か細いその声で聞かせてよ>というフレーズを引用し、「人として、時として、花として。」へとつながっていく。“生きること”と“歌うこと”が密接につながっているMISSIONの楽曲は、聴き手にもまた、「何の為に生まれたのか?」という命題を常に投げかけてくれるが、この曲では「誰かのために、生きてくよ」という1つの答えを提示しているように思う。

前半の最後の曲は福士の初監督作品『おやぢるどれん』のEDテーマであるロックンロールナンバー「僕の始まりと終わり」。アウトロでは紙袋から冒頭とは別の光る球体——福士曰く「皆さんの思いを吸収する球」を取り出して観客に手渡し、客席を回すように指示。ここでフードをかぶって、「今日は人ではない者なので、人生のアドバイスをあげようと思う」と語り、彼の「ストップ」という合図で止まった時に球を手にしていた人にアドバイスを与えるというコーナーが始まった。「今日は疲れてるから帰りはタクシーで帰ってよし!」「世界一のコミュニケーションは笑顔です」「今日のラッキーカラーはブルー」「深夜のラーメンはあり」と、バンドの演奏に合わせてテンポよく次々と朝のテレビ番組の占いコーナーのようなアドバイスを繰り出すと、フロアからは笑い声が上がり、楽しい空気で包まれた。

「宇宙の歌を聴いてください」と紹介したピアノバラード「Over the Galaxy〜愛が聴こえる〜」から始まった後半では、前回のライブでも演奏した3曲に加えて、「このライブのために作った」という新曲2曲が初披露された。福士が「ちょっと大人にならないとわからないことが歌詞に含まれている」と語り、「深いというか、精一杯のメッセージを込めた」と続けた「自転と光点」はアコギのアルペジオとバイオリンが<今日、新たに生まれた僕>を引き連れてくるアップテンポながらもメランコリックなロックナンバーとなっており、「シニガミ」では、ついにフードをかぶり、光る球体を持った“何か”が“死神”であることが明かされた。ここで再び冒頭のセリフや「人として、時として、花として。」のイントロのセリフが繰り返されるが、福士はバンドに向かって「自分自身で決めなければ意味がない!」と叫び、生命の躍動を感じる歌声で、自分の人生は自分で決めていこうというメッセージを投げかけた。そして、観客のクラップを誘う「Black –夜闇の向こう-」、全員が1つになった「Born to be」では早口の歌詞のコール&レスポンスで盛り上げ、 「幸せでした! みんな最高です!」と感謝の気持ちを伝え、セカンドライブの幕は閉じた。

アンコールに登場した二人は「本当に素敵な時間を過ごさせていただきました。いつかはアンコールで曲をやるんだろうなと思ってますが、うちら、アンコール曲やらないです。本編でフルセットを組んだので」と苦笑し、秋にニューシングルをリリースすることを発表。また12月28日は大阪でライブを開催することをアナウンスし、最後に小声で「君を迎えにきたんだ……」という言葉を残して、ステージを後にした。二人が去った場内のビジョンには赤い文字で<シニガミ>という文字が映し出されていた。福士が扮する “シニガミ”は、人の命を奪い取っていく死神ではない。死を想わせることで、一人一人の“生”をより一層輝かせ、花を咲かせ、時には生まれ変わったくらいの再生を促すことこそが、彼らの最大のミッションであるのだろう。この日、彼の口から発せられた台詞の数々は全て、「シニガミ」の歌詞に集約されていた。一刻も早く、歌詞カードを読みながら聴いてみたいと願うばかりだ。

SET LIST

01. 二律背反-antinomie-
02. ゴースト
03. 大停電の夜
04. 人として、時として、花として。
05. 僕の始まりと終わり
06. Over the Galaxy〜愛が聴こえる〜
07. 自転と光点
08. シニガミ
09. Black-夜闇の向こう-
10. Born to be

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