「この4人でまた野音へ。」ラフィンノーズ『渋谷 CLUB QUATTRO “FINAL 2019 ワンマン”』へ向けたツアー4本目をレポ【横山シンスケのライブオアダイ】連載:第24回

ライブレポート | 2019.10.31 15:00

「冬のワチュロウ・パーティ」
2019年10月20日(日)下北沢SHELTER

ラフィンノーズは現在毎年恒例の"冬のワチュロウ・パーティ"のツアー真っ最中である。オリジナルメンバーであるCharmyもPonも、もう50歳をとうに超えているが、ラフィンは今年に入ってからも既にハンパじゃない本数のライブをこなしながらニューアルバムやDVDも新たに出し続けている。結成から40年近くが経つのにラフィンはそんないまだ現役バリバリのパンクバンドなのだ。世界的に見ても稀有な存在のパンクバンドだと思う。本当に信じられない。

去年末にドラムのKI-YANがサポートメンバーを終了し、新たにロリータ18号などで叩いていた女性ドラマーのちーちゃんが正式加入した。最初は「ラフィンに女性メンバー?大丈夫?」などと勝手に不安に思ってたんだが、いざ6月のクアトロのライブを見たら、その不安が一瞬でふっ飛ぶくらいちーちゃんのドラムが凄くて、しかも女性メンバーが一人いるだけで今までに見た事のないような新生ラフィンノーズに生まれ変わっていて、意表を突かれたというか、ラフィンがここにきてまた新たなバンドマジックとチャーミングなヴィジュアルも手に入れて進化している事に僕はとても興奮したのだった。

いま真っ最中の"冬のワチュロウ・パーティ"ツアーの下北沢シェルターでのライブを見に行った。大きめのハコでのラフィンのライブは見ていたが、シェルターみたいな小さめのハコでラフィンを見るのは本当に久し振りだった。ロック人口が異様に多い下北という街の雰囲気。そして地下の密室へのドアを開けると立ち込めてくる酒やタバコが交じり合ったライブハウス独特の匂い。スタートを待つモヒカン男や刺青を入れた筋金入りの老若男女のパンクス達。そんなそこにある全ての要素が、ラフィンのライブを初めて見た自分がティーンエイジャーだった頃に一瞬でタイムスリップさせ、今でも胸をドキドキさせてくれる。
スタート時間になり、客電が消え、大歓声が上がる中、いつもの「オープニング(SE)」が流れる。ラフィンのライブのオープニングSEは昔からずっとこの曲なので、ライブはまだ始まってないのだが、ラフィンファンみんながいきなり一番テンションがアガる場面のひとつとなっている。
メンバーが登場し、最後にCharmyが現れハーモニカを手に、いきなり大好きなヒットナンバーからスタート。ステージ前は早速暴れまくりのスゴい事になる。

その後もラフィンファンにはお馴染みのライブ定番ナンバーから最新曲、そして昔からのファンも驚くほどライブで聞くのは超久し振りな人気ナンバーなどが惜しみなく続々と披露されていく。新加入したちーちゃんがやはり凄くいい。ドラムもほんとパワフルで上手いし、可愛いコーラスもガンガン入れてくる。そのせいかラフィンのたたずまいが初期のポップな雰囲気の頃の感じをまた取り戻している。同じく今年に入り正式メンバーとなったLINAのギターもずっと前からオリジナルメンバーであったかのような抜群の安定感で、そのバンドサウンドをグイグイ引っ張っていく。そしてPonとCharmy。もうすでに24年も前のラフィン再始動からはずっと不動のこの二人だが、やはり改めてこの二人の2ショットは昔からホント何ひとつ変わらないまま、フォトジェニックでオシャレでカッコよくて、こんな風に今もライブで10代の頃からの自分のヒーローを間近で見ていると、たまに現実味がなくなってしまう程に興奮する。

新旧の人気ナンバーからライブでは初披露となる昔の隠れた名曲まで、僕も思わず途中で「お見事!」と叫んでしまった程、素晴らしいセットリストで(昔ながらのとぼけた感じのMCも随所に挟みつつ)ライブはず~っと盛り上がったまんまで続いていき、本編最後はテッパン曲のオンパレードでライブは一度終わったが、それからアンコールに応えて出てきたラフィンは何とそこから更に10曲以上を演奏したのだ。本編で20曲以上演奏してるのに、アンコールをほぼライブの第2部のようなノリで本編そのままの勢いで最後まで全部で2時間以上もブッとばしたのだ。何度も言うが、結成して40年近く経ってるのにライブが昔よりパワフルになり、しかもどんどん長くなってるパンクバンドなんて世界中見てもマジでラフィンノーズだけだと思う。
要するにラフィンノーズとはそういうバンドなのだ。見ていて圧倒されたというか、本当に感動した。

盛り上がりまくったアンコールの最後の方、CharmyはMCで今のこの4人のメンバーに対する信頼や自信を語りながらおもむろにこう言った。
「この4人でまた野音へ行く。」
それを聞いた瞬間、僕は泣いてしまった。
新しいファン達はもう知らないかもしれないが、32年前の野音でのラフィンのコンサートで悲しい大きな事故が起こり、僕らリアルタイムのファン達にとってそれはいまだに忘れられない深い影を落としている。それから十数年後、ラフィンは野音で再び感動的なライブを2度見せてくれた。僕らラフィンファンのみならず、日本の古いロックファンにとっても「ラフィンと野音」というのはあまりに特別な意味を持つ。ラフィン自身も野音の事を「戻ってくる場所」と言っていた。その野音にCharmyはこの今の最高のメンバーで再び行くと僕らファンの前で宣言してくれたのだ。

ラフィンはこれからロングツアーの折り返しで、12/15の渋谷QUATTROでツアーファイナルを迎える。イベントやフェスなども含めるとすでに物凄い数のライブをこの4人でこなしてきた後の今年最後のワンマンライブなので、メンバーも新旧のファン達もきっと最高のコンディションでこのライブを迎える事になるだろう。新旧織り交ぜた見事なセットリストも更に進化するに違いない。そして、いつかはまだわからないがその先にはきっと「戻ってくる場所」の野音が待っているのだ。
そんな今最高のラフィンノーズのドラマチックなストーリーの目撃者になるなら今しかないぜ。

■LAUGHIN’NOSE - Film NEGATIVE_ラフ・クリップ

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