「これが今のDragon Ashだ!」 どんな時も音を止めないバンドが挑んだ、初の二段階スタイルによる全国ツアーファイナル

ライブレポート | 2020.01.10 20:00

DRAGONASH TOUR 2019 “THE SEVENS” supported by Canva
2019年12月27日(金) Zepp DiverCity(TOKYO)

「自信を持って言わせてくれ。これが今のDragon Ashだ!」
 
ギターロックな「Viva la revolution」でライブが幕開けた直後、満杯のフロアに向かってKjがそう叫ぶ。楽器隊だけの5人体制“THE FIVES”と、ダンサーを含む7人のフルメンバーで挑む“THE SEVENS” という、初の二段階スタイルで開催された全国ツアー『DRAGONASH TOUR 2019 “THE FIVES" / “THE SEVENS” supported by Canva』。その計30本のツアーの最終日、Zepp DiverCity(TOKYO)に集ったオーディエンスは皆、笑顔と汗と涙と大歓声でKjの言葉に応える。どんな苦難の時も、音と歩みを止めることなくステージに立ち続ける道を選んでくれたDragon Ash。その姿は今までもこれからもずっと、我々の誇りだ。

観客の熱狂と歓声に応えるように、イントロのビープ音もバンドサウンドもドープに進化した「Fly Over feat. T$UYO$HI」が披露される。そのまま立て続けに、もはやDAの定番キラーチューンとなったhideの名曲「ROCKET DIVE」へなだれ込むと、会場の熱気も最高潮に。ステージではダンサーのATSUSHIが、hideを敬愛したオリジナルメンバーのベーシスト、IKÜZÖNEのアイコンカラーである赤と青の布をひるがえして踊っている。ダンサーのDRI-Vがデジタルポイで光を操ってみせた「Ode to Joy」→「光りの街」と続いたところで、改めて気づく。音を奏でる喜びと、それを誰かと分かち合える喜び。もしそれを失いそうになったなら、しがみついてでも取り戻す。ああ、これは今のDragon Ashのことだ。

「バンドマンのいちばんの希望はお前たちなんだよ!」

「光りの街」の途中、Kjが観客にそういい放つ。“THE FIVES”初日からメンバー全員が真っ白な靴を履いて臨んだ今回のツアーは、バンドにとって決して容易なものではなかった。サポートベースにT$UYO$HI(The BONEZ / Pay money To my Pain)を迎え、楽器隊だけでライブハウスを回った“THE FIVES”では、「それでも俺たちは音楽をやりたい」という思いをセットリストに込め、最高の音と演奏を真摯に観客にぶつけた。そしてツアー後半、フルメンバーで挑んだ“THE SEVENS” では、“THE FIVES”で掴んだ新たなバンドサウンドを、ツアー前半とガラリと変化したセットリストと演出で最強のDAショーを見せつける。

「当たり前のように横にあったモノや人がいなくなること……。2019年は俺たちにとってはとても過酷な一年ではあったけど……こうやって平日のライブハウスに来てくれる君たちがいてくれる。今の俺たちが音楽をやる理由を曲にしてきました」

KjのMCの後、今回のツアーから披露されている最新曲「ダイアログ」がフロアに響く。マイクだけを持ったKjが、<僕らは何かにしがみついていたいんだ>と観客に語りかけるように歌う。ライブ終盤戦は、Dragon Ashのライブアンセム「Mix it Up」を皮切りに、久々に披露される硬派な名曲「Aim High」などが続く怒涛のアッパーゾーンへ。本編のラストを飾った「Lily」の温かな余韻の中、フロアからの「Viva」コールに応えてアンコールに登場したメンバー全員が順番にその思いを赤裸々に語り始めた。

「つよぽん(T$UYO$HI)が、”俺でよければやらせてもらうよ”と言ってくれなければ、今日のこの光景は見れなかった。あの時バンドが止まってたらどうなってたかわかりません。この半年はヘヴィーだったけど、みなさんのおかげで本当に救われました」(桜井誠/Dr)。
「ステージにいる人数だけでなく、今日ここに来ることが出来なかった馬場さん、KenKen、スタッフ、お客さんも含めて、“THE FIVES”“THE SEVENS” と銘打った最高のツアーでした」(BOTS/turntable)。
「間違いとかいろいろあるけど、それは変えられないし、それぞれがその先どうするかだと思う。KenKenもJESSEもThe BONEZもDragon Ashも、来年はいい年になればいいと思います」(T$UYO$HI)。

滅多にMCをしないHIROKI(G)の、「俺らにしか出来ない”ライブという会話”をまたやろうよ」という言葉をなぞるように、「陽はまたのぼりくりかえす」が披露され、最後に「Curtain Call」がツアーの終わりを美しく告げる。歓喜の声を上げ、全身で音楽を楽しんでくれる目の前のオーディエンスたち。彼らにとってDragon Ashが誇りであるのと同様に、今回のツアーではいつにも増して、バンドにとってもオーディエンスの存在は希望、だった。希望がある限り、どんな苦難もきっと乗り越えられる。だから間違いなく、今のDragon Ashは最強だ。

SET LIST

Intro 威風堂々
1. Viva la revolution(paint the lily mix)
2. Run to the Sun
3. Fly Over feat. T$UYO$HI
4. ROCKET DIVE
5. Walk with Dreams
6. Ode to Joy
7. 光りの街
8. ダイアログ
9. Beautiful
10. Let yourself go,Let myself go
11. Mix it Up
12. For divers area
13. 百合の咲く場所で
14. Aim High
15. Jump
16. Fantasista
17. TIME OF YOUR LIFE
18. Lily

EN1. A Hundred Emotions
EN2. 陽はまたのぼりくりかえす
EN3. Curtain Call

PRESENT

ツアーTシャツを3名様に!
※S.M.Lサイズ各1名様
※ご希望のサイズを明記の上ご応募ください

受付は終了しました

  • 取材・文

    早川加奈子

  • 撮影

    TAKAHIRO TAKINAMI

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