Nothing’s Carved In Stone “By Your Side Tour” Zepp Tokyoをレポート!

ライブレポート | 2020.01.19 12:00

"By Your Side Tour 2019-20"
2020年1月9日(木)Zepp Tokyo
THANK YOU SOLD OUT!!

昨年9月に発表された最新10thアルバム『By Your Side』に伴うレコ発ツアー「By Your Side Tour 2019-20」。ツアー21本中16本は各地でゲストを招き、しかもSuspended 4th、teto、WOMCADOLE、SIX LOUNGE、Age Factoryなど積極的に新進気鋭のバンドと対バンを重ねてきたNothing's Carved In Stone(以下ナッシングス)が、ワンマン・シリーズに突入。その初日にあたる東京公演を観てきたが、以前と比べてバンドの存在感やオーラは桁違いにレベルアップしていた。

村松拓(Vo/Gt)

生形真一(Gt)

日向秀和(Ba)

大喜多崇規(Dr)

19時6分、SEが流れると、村松拓(Vo/Gt)、生形真一(Gt)、日向秀和(Ba)、大喜多崇規(Dr)のメンバー4人が紗幕ごしに姿を現し、「Who Is」が始まるやカーテンが落ちると、会場は興奮状態に包まれていく。威風堂々たるバンド・サウンドを鳴らした後、「行こうぜ!」と村松は声をかけ、次は「In Future」へ。爽快なメロディと骨太のグルーヴで一気に攻め立てると、大勢の観客が拳を突き上げてノッていた。その右肩上がりの高揚感に「Blow It Up」を見舞うと、ウォーウォー!の大合唱で早くも会場を一つに束ねていた。

蛍光色の照明がステージ後方から照らされる中、「The Poison Bloom」が放たれると、アップテンポな曲調も相まってフロアはさらに激しく揺れ動く。また村松もハンドマイクでステージ上を右へ左へと動き回り、観客とコンタクトを取りながら力強く煽動していく姿は頼もしい限りであった。日向のスラップ・ベースが火を吹き、緊張感溢れるアンサンブルで迫る「The Savior」を経て、ここからテンポをグッと落とした「Still」を披露。新作の中でもディープな雰囲気を醸し出し、聴き手の心に波紋のごとく広がるヴォーカルがとても魅力的な1曲だ。その流れを汲んで村松はアコギを持つと、「シナプスの砂浜」に繫ぐ流れも良かった。大喜多のドラミングを含めて、繊細な楽器陣のアプローチも冴え、生形のコーラス・ワークも楽曲に深い味わいをもたらしていた。

そして、「One Thing」におけるストレートなサビは確実に観客の心を射抜いていたし、続く「Milestone」もライヴで一段と映え、熱狂度は高まるばかり。大人びた雰囲気の「Alive」でクールダウンさせた後、村松は少し長めのMCで語りかけた。「10年かかってようやく作れた『By Your Side』……みんなのそばで音楽を奏でたい。大マジメに話すのは恥ずかしかった。このツアーでみんなのそばに行ける気がする」と。そんな赤裸々な告白からもナッシングスは今、音楽を通して誰かの生きてる糧やエネルギーになれたらという気持ちが強くなっているのだろう。今日の会場の盛り上がりを見ても、その意志はしっかり伝わっているようだった。

後半は「Spirit Inspiration」を皮切りに躍動感溢れる演奏を叩き付けていく。新作の中で異彩を帯びていた「Kill the Emotion」も強力な破壊力を魅せ、大勢の観客がジャンプする壮観な景色が広がっていった。間髪入れずに「Out of Control」に移行した後、本編ラストは「Music」を披露。「僕らが鳴らすミュージック いつか誰か救えるような」と歌詞にある通り、ストレートな思いを託した曲調はライヴでも圧倒的なパワーを放出。この曲はナッシングスの新たなアンセムであり、心のど真ん中を震わせる名曲と言っても過言ではないだろう。

アンコールに応えると、再び村松はアコギを持ち、「Bridges」をプレイ。歌を引き立たせたシンプルな演奏が効果的で、たくさんの人たちが曲の世界観に浸り切っていた。そこから熱量の高い最終曲「Beginning」へ繋げ、またここから振り出しに戻るような気迫漲る演奏を解き放ち、全21曲に及ぶワンマンは盛大に幕を閉じた。そう言えば、ライヴ中に新曲を作りたいという発言もあったけれど、2020年のナッシングスはますます精力的に動いてくれるに違いない。近いところでは、2月27日に新木場Studio Coastにてスペシャル・ワンマン・ライヴと題した1stアルバム『PARALLEL LIVES』全曲再現ライヴも予定されている。これはデビュー時から観ていたファンにはたまらない企画であり、途中から好きになったリスナーにとっても必見のライヴと言えるだろう。ナッシングスの快進撃はこれからだ。そう思わせてくれる最高のショウだった。

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