最高の悪夢の始まり。ナイトメア結成20周年記念の復活ライブ「NIGHTMARE 20th Anniversary SPECIAL LIVE GIANIZM 〜再悪〜」をレポート!

ライブレポート | 2020.02.20 12:00

NIGHTMARE 20th Anniversary SPECIAL LIVE GIANIZM 〜再悪〜
2020年2月11日(火・祝) 横浜アリーナ

3年間、待ち望んでいた人たちの期待を上回る“復活”にふさわしいライブだった。NIGHTMAREが2月11日に神奈川・横浜アリーナで結成20周年記念の復活ライブ「NIGHTMARE 20th Anniversary SPECIAL LIVE GIANIZM 〜再悪〜」を開催した。昨年10月に5人のソロプロジェクトが集結し、Zepp Tokyoで行われたイベント「伊達漢祭」ではアンコールで予告なしにNIGHTMAREとして2曲を演奏。集まったファンを仰天させ、横アリでのライブが発表されたのは記憶に新しいが、ついに止まっていた時計の針が動き出した。

場内におなじみのSE「This is Halloween」が流れ、LEDスクリーンにイメージ映像と各メンバー写真が映し出され、最高の悪夢の始まりに高鳴りを抑えきれないオーディエンス。幕開けの曲は活動休止前のラストシングル「Awakening.」だった。歌い続けていくという揺るぎない意志を伝えるように客席にまっすぐに手を伸ばすYOMI。“目覚め”を意味する曲は彼らにこの日、演奏されるのを待っていたのかもしれない。レーザーが飛び交う演出の中、はじけるように放たれた「Can you do it?」では長く伸びた左右のスロープに咲人と柩が分かれてギターをプレイし、Ni~yaが前に出てベースを鳴らす。瞬く間に空白の時間が埋められていく。YOMIの「ただいま!」という挨拶に客席が大声で「お帰り!」と返したMCでは「みんな待っててくれてありがとう!今日は3年間たまったものを全部吐き出して帰りたいなと思います。俺たちの音楽でオマエたちをびしょびしょにしてやるよ!横浜アリーナ!飛ばしていくぞ!」と煽り、新旧織り交ぜたナンバーが次々に投下されていく。過去のヒストリーをなぞるものではなく、アップデートされたNIGHTMAREの“今”を刻み付けていく演奏とパフォーマンス。イントロで大歓声が飛んだのは代表曲のひとつ「東京傷年」。RUKAのタイトなドラミングに咲人とNi~yaのスラップが絡む「ジャイアニズム碌」もスリリングだった。休止期間に培ったスキルが押し引きが絶妙なバンドアンサンブルを生み出し、客席前方に伸びたスロープで咲人と柩がツインリードを響かせ、センターではYOMIとNi~yaが向かい合う。大会場でのライブ経験を積んできたバンドならではの華やかさはさすがだ。この5人でないと鳴らせない音楽という共通認識のもとの復活であることが言葉にせずとも伝わってくるアクトが繰り広げられていった。棘のある花のように艶やかでどこか不埒なNIGHTMAREならではのアッパーなナンバーのギラギラ感は当時のまま。一方、イントロのアルペジオに歓喜の声が飛んだ切なくも透明感のある名曲「Lost in Blue」から鍵盤とボーカルのみで始まり、途中からバンドサウンドに移行するアプローチで披露された「わすれな草」へ続いていく流れでは成熟を感じさせてくれた。

YOMI

Ni~ya

RUKA

咲人

「NIGHTMARE20周年迎えました!みんながいてくれたから20年頑張ることができました。本当にありがとう。一緒に新しい夢に向かって頑張りたいと思います。今日はみんながテンション上がる曲、たくさん用意してるから。準備はいいか!?」
YOMIが叫び、インディーズ時代のナンバー「dogma」ではスピード感とドライブ感あふれる演奏で客席を高揚させ、後半はNIGHTMAREの俺様精神に基づくおなじみの“ジャイアニズム”シリーズも連続投下。堂々としたパワフルなボーカルでバンドの看板息子として客席をひっぱっていくYOMI、空間に広がりを与えるプレイとトリッキーでエフェクティブなギターでスパイスを与える咲人、ヴィジュアルのみならずギターにもエッジがある柩、男っぽさと繊細さを兼ね備えたベースで支えるNi~ya、バンドのメロディを活かし、力強さを増したドラムを叩き出すRUKA。柩はこの日、“1×5が50にも100にもなるバンド”と表現していたが、3年ぶりに見た人はもちろん初めて見た人にもNIGHTMAREのいまのバンド力が伝わったのではないだろうか。終盤にはZeppでのイベントでも披露された“五つ子”を意味する「Quints」が場内を沸かせ、本編ラストは開放感に満ちた「VERMILLION.」。全員がRUKAのほうを向いて呼吸を合わせるエンディングで締めくくった。

アンコールではYOMIがWOWOWの生中継とライブビューイングが入っているため「下ネタを言わないように我慢している。もう大人なんです」と笑わせ、咲人は「ヤバイ!この歓声、この広さ、気持ちいいね!」と感動を伝え、YOMIのリクエストで贅肉ゼロのお腹を映されることに。Ni~yaは「よっ!ただいま。帰ってきたぜ!」と友達に話しかけるような、彼らしい挨拶。いつも通り寡黙なRUKAもYOMIに感想を催促され、「なんだろう……いいね」と喜びを伝え、柩はリスペクトするhideが同会場で叫んだ言葉「横アリはま〜な!」を連呼し、「これからもっとこのバンド、爆発させていくからついてこいよ!」と場内を沸かせた。YOMIが今後の予定について触れ、投下されたのは20周年アニバーサリーシングルとしてリリースされる予定の新曲「GIANIZM:RE惡T」だった。横アリはさらにエキサイトし、「極東乱心天国」は大合唱に。ダブルアンコールは「最後にみんなの声が聞きたいんだけど、いいかな?一緒に歌ってくれる?」と呼びかけ、銀テープが放たれての「Star[K]night」。みんなの歌う声が幸せな空間に溶けていき、ライブはYOMIがラップし、暴れ倒しての「自傷」で締められた。

ライブ中も終演後も「これからもついてこいよ!」と何度も叫んでいたNIGHTMARE。5月から全国を廻るツアー「NIGHTMARE TOUR 2020」が開催されることもすでに発表されている。

SET LIST

01. Awakening.
02. Can you do it?
03. ASSaulter
04. 東京傷年
05. ジャイアニズム碌
06. MASQUERADE
07. 惰性ブギー
08. the WORLD
09. Lost in Blue
10. わすれな草
11. Cherish
12. HATE
13. Dogma
14. DIRTY
15. mimic
16. ジャイアニズム究
17. ジャイアニズム天
18. Quints
19. VERMILION.

ENCORE
20. ジャイアニズム:RE惡T
21. My name is "SCUM"
22. ジャイアニズム死
23. 極東乱心天国

ENCORE2
24. Star[K]night
25. 自傷(少年テロリスト)

  • 取材・文

    山本弘子

  • 撮影

    宮脇 進(PROGRESS-M)

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