LUNKHEAD “そこには空間を超えた確かな強い繋がりがあった” 20周年ツアーファイナル「無限観客配信ライブ」

ライブレポート | 2020.03.16 18:00

LUNKHEAD「20th Anniversary final stage『ALL TIME SUPER TOUR』」
2020年3月12日(木) TSUTAYA O-EAST

誰もいない客席に向かって演奏するバンドと、スマホやPCの画面を見つめる僕らの間にコミュニケーションは成立するのか?結論から言おう、そこには空間を超えた確かな強い繋がりがあった。ランクヘッドの20周年ツアー「ALL TIME SUPER TOUR」ファイナル@渋谷TSUTAYA O-EASTの“無限観客配信ライブ”。新型コロナウィルスが引き起こした緊急事態が、ずっと忘れられない記憶へと昇華する、それは想像を超えるドラマチックな体験だった。

無音の会場に爆音が轟く。「地球のみなさん、ランクヘッドです!」、小高芳太朗(Vo,Gt)が叫ぶ。オープニングは「ギグル」。音響、照明はもちろん、メンバーのパフォーマンスも通常のライブとクオリティは変わらない。誰も見ていなくても合田悟(Ba.)はくるくる回り、ステージを走る。YouTubeの視聴者のカウントが1500、1600人とどんどん増えてゆく。複数のカメラを駆使した映像のスイッチングも素晴らしい。「プリズム」「月光少年」と、ラウドでエモい曲を連ねてぐんぐん飛ばす。

小高芳太朗 / Vo,Gt

合田悟 / Ba.

「俺らにはみんなのことが見えとるし、みんなの声が聞こえとるよ。今日は楽しい夜にしましょう」

結成20周年ツアーのファイナル、こういう形になったからこそ、みんなで作り上げた今日に意味がある―――。小高の言葉に、悔いや恨みはまったく感じられない。カメラ越しだからこそ一対一の迫力が増す、眼力がすごい。音がクリアなぶん、山下壮(Gt)の正確な指使いやコーラスがはっきり聴こえる。桜井雄一(Dr)と合田が鬼気迫る絡みを見せる「WORLD IS MINE」から「体温」「決戦前夜」を経て「シンドローム」へ。20年を凝縮したベスト盤『ALL TIME SUPER BEST』を中心に、惜しげもなく代表曲を繰り出す最強セットリスト。視聴者はいつのまにか2000人を超えている。

山下壮 / Gt.

桜井雄一 / Dr.

「三月」「夏の匂い」「桜日和」。中盤には優しくメロディアスで情緒豊かな曲が並ぶが、新曲「アス」はその列に連なりつつ、ランクヘッドとファンとの絆を歌う誓いの歌だ。歌い終えた小高が、長年所属した事務所を離れて新たに会社を設立したこと発表する。これは俺らの覚悟です、これからもランクヘッドをよろしくお願いします―――。チャット欄に喜びと励ましの言葉が溢れる。「US」と「明日」をかけた「アス」は、バンドとファンが共に迎える新たな旅立ちにふさわしい、はじまりの歌だ。

「お茶の間ー!」と小高が叫ぶと、それは怒涛の後半戦スタートの合図。「白い声」「インディゴ」「アウトマイヘッド」と、これがブチあがらずにいられるか。「飛び跳ねろ!」という小高の無茶ぶりに、どこかの部屋で飛び跳ねている誰かを想像するだけで、愉快な気持ちになる。小高がギターを置いてマイクを握り、カメラに噛みつく勢いで「はじまれ」を歌ってる。「僕らは生きる」では無人のフロアに飛び降り、聴こえないコーラスに耳を澄ましてる。それはただのソラミミではなかったはずだ。「ららら~」の大合唱で埋まったチャット欄の向こうでは、いま確かに2000人が歌っているのだから。

小高芳太朗 / Vo,Gt

「俺らに出会ってくれてありがとう。これからもどうぞよろしく!」本編ラストは「スモールワールド」。20年間のどこを切っても代表曲が存在する、これがランクヘッドの底力。喜びと辛さが相半ばする20年だったと思うが、彼らは絶対に諦めなかった。20年前も10年前も去年も区別はない、この日披露した全ての曲がその答えだ。

そしてアンコール。心のどこかで期待し、でも無理だろうと思っていたことが現実になった。10年前にバンドを脱退した石川龍と桜井のツイン・ドラムによる、5人編成のランクヘッド。桜井が満面の笑顔でリズムを合わせ、合田と山下が寄り添うように龍のドラムのすぐそばに来る。そのシーンを見るだけで、泣き笑いのような不思議な感情が湧き上がるのを抑えられない。曲は「カナリアボックス」と「前進/僕/戦場へ」。バンドの過去、現在、未来が一つに繋がった。

「世界中が大変な時期ですが、頑張って楽しい日々を取り返しましょう」―――少し照れながら、しかし小高の言葉は明るく前向きだった。視聴者のピークは、アンコールで2300人を超え、ライブ全体で延べ2万人近く。O-EASTのキャパは1300人だ。「20周年ツアーのファイナルはソールドアウトで大成功を収めた」とここで書くことは、決して嘘ではない。

そしてライブ配信の最後に、今後のスケジュールが発表された。題して「21周年もよろしくね!東名阪二重人格ツアー」。4月18日の下北沢GARAGEを皮切りに、全箇所でメニューの異なる昼夜二回公演を行う三大都市ツアーだ。まだまだやりたいことも新しいアイディアもたくさんある。バンドとファンが共に生き共に進む、21年目のランクヘッド。叩けよさらば開かれん。諦めないバンドにこそ明日は開けている。

SET LIST

01. ギグル
02. プリズム
03. 月光少年
04. ENTRANCE
05. シューゲイザー
06. きらりいろ
07. WORLD IS MINE
08. 体温
09. 決戦前夜
10. シンドローム
11. 三月
12. プルケリマ
13. 夏の匂い
14. 桜日和
15. アス
16. 白い声
17. インディゴ
18. アウトマイヘッド
19. はじまれ
20. 僕らは生きる
21. スモールワールド

EN1. カナリアボックス
EN2. 前進/僕/戦場へ

公演情報

DISK GARAGE公演

21周年もよろしくね!東名阪二重人格ツアー

2020年4月18日(土) 下北沢GARAGE
【~遅い編~】※昼公演
【~速い編~】※夜公演

2020年5月9日(土) 名古屋ell.SIZE
【~光公演~】※昼公演
【~闇公演~】※夜公演

2020年6月20日(土) LIVE SQUARE 2nd LINE(大阪)
【~青編~】※昼公演
【~赤編~】※夜公演

小高芳太朗生誕40周年記念大感謝祭アコースティックワンマン〜真昼の野内〜 ※昼公演

2020年4月19日(日) 渋谷7thFloor

RELEASE

「アス」

NEW SINGLE

「アス」

2020年3月12日(土)昼12:00より予約受付開始
※「ALL TIME SUPER TOUR」ブックレット付き
※amazon/オフィシャルストア限定盤
※2020年3月21日(土)頃より順次発送予定

≫ 詳細はこちら
  • 宮本英夫

    取材・文

    宮本英夫

  • 撮影

    佐藤早苗

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