DAITAが停滞した世の中をGUITAR一本で斬り開く!ワンマンライブ「COUNTER ROCKETS」をレポート!

ライブレポート | 2020.07.06 17:00

COUNTER ROCKETS
2020年6月28日(日) 日本橋三井ホール
MEMBER:青山英樹(Dr) / BOH(B) / 山本哲也(Key & MANIPULATER)

「誰かが先陣切ってやらないと突破できないと思うんで」

ライブ後半、凛々しい表情で語ったDAITA。彼はこの日、停滞した世の中をGUITAR一本で斬り開くべく、強い意志のもとライブに挑んでいた。新型コロナの感染拡大を防ぐため、政府から「イベントの開催自粛要請」が出て3ヶ月半。収容人数などに制限はありながら、自粛要請が段階的に緩和されてライブイベントの本格再開が徐々に見えてきた中、ワンマンライブ「COUNTER ROCKETS」を開催したDAITA。本来はデビュー25周年を記念したライブの予定だったが、政府や自治体の要請に伴って予定していたタイトルやコンセプト、内容を急遽変更。「現在の停滞した世の中の気分や状況を少しでも打開すべく、『反撃の狼煙』を上げたいと思います」と意気込みを語り、覚悟をもってこの日のステージに挑んだDAITAの姿は実に勇ましく、その姿勢は最高にロックだった。

全国でも最速のタイミングで行われた、観客を入れてのホールライブ。イベント開催にあたってのガイドラインに沿った、会場の感染予防対策は万全。収容人数は50%程度に抑え、観客とスタッフはマスク着用を厳守。入場を待つ行列はしっかり距離を取り、入口では一人ずつ検温をした後、氏名と連絡先を記入したチケット半券を自らもぎって提出。会場内は席の間隔を十分に取り、着席形式での観覧。ライブという自由な空間にも関わらずルールだらけで、面倒かつ窮屈にも思えてしまうが、緊急事態宣言時に家からも出られなかった状況から考えると、いまこうしてライブが開催出来ていること、こうしてライブの現場にいられることだけで十分幸せだし、音楽業界的にも大きな前進だ。

開演時間となりSEが鳴り、メンバーがステージに登場。観客は歓声を上げることは出来ないので、拍手とSEに合わせた手拍子でDAITAを迎える。綺羅びやかなステージ、ライブが始まる緊張感と高揚感、オーディエンスの高まる期待。全てが嬉しいし、どこか懐かしい感じさえする。

1曲目「Singular Point」でライブがスタート。痛快なビートに乗せたDAITAのテクニカルなGUITARが歌うように感情豊かに響き、重厚なベースや効果的なキーボードのサウンドとのバンドアンサンブルが深みと奥行きをもって胸に迫ってくる。体に響く振動、脳天を直撃するGUITARサウンド。インストゥルメンタルだからこそ、痛快さと心地よさをより強く感じるバンドサウンドに、一気にテンションが上がる。やっぱりライブ最高! この日のライブのコンセプトにも通ずる「真実と闘争」、突き上げるビートにギターが唸る「WILD BLOOD」、着席したままのオーディエンスも手拍子を合わせて身体を揺らして全身でロックンロールを楽しんだ「Rock'n Roll Driver」と前半戦を一気に駆け抜けたDAITA。「今日は大変なさなかに集まっていただいて、ありがとうございます!」と感謝を告げると、「規制のある中ではありますが、みんなに元気が出る音を届けたいと思って開催しました」とライブへの想いを語り、湧き上がる拍手に笑みを浮かべた。

ライブ中盤は、昨年11月にリリースした最新アルバム『Melodicfall』の楽曲を中心に披露。ダイナミックなGUITARプレイに壮大な風景を想起した「Melodicfall」、ポジティブなエネルギーに満ちた「Reincarnation」など。ポップに激しく、勇ましく物悲しくとGUITAR一本で様々な感情や情景を表わし、めくるめく景色が描かれていく。熱気溢れる生演奏、楽曲を彩る舞台照明、会場をまとう独特の空気感……、自宅のPCで観る配信ライブも経験として素晴らしいが、様々な要素が相混じったライブの体験は何物にも代えがたい。ハードな曲調と超絶GUITARプレイで魅せた「Vulcan」でオーディエンスを魅了すると、ライブは早くも終盤戦。ヘヴィなロックンロールに心躍り、立ち上がって体を動かせないことが残念だった「Volcano High」は各メンバーの魅せる圧巻のソロパートに大きな拍手が起こり、本編ラスト「Zenith」は壮大な演奏で眩いほどの希望の光を放った。

約60分の本編を終えると、会場のドアが全て開けられて換気タイム。安心してライブを楽しめる環境が整ったところで、DAITAが再びステージに登場。独奏で披露した「Handroid」は指が16本くらいあるんじゃないか?と思うほどの圧倒的なGUITARテクで、オーディエンスを魅了。MCではメンバー紹介とこの日のライブにかける想いを語ると、「最後まで飛ばしていきたいと思います」とドライブ感ある「Triptych」で再び会場の熱を上げる。「Emphatic Line」でGUITARをギュンギュン唸らせ、ラスト「19 Boogie」のアグレッシブなプレイでこの日のクライマックスを生むと、会場中の鳴り止まない拍手に包まれてライブの幕を閉じた。

終演後、「25周年、新しい形でライブをしようと思ってたんだけど……」と少し残念そうに語っていたDAITAだったが、「ちょっとずつ努力することで、後に続く人に繋がるように先陣切りました」と内容やコンセプトを変更してでも開催することを決めた理由を語る彼に僕はすごい男気を感じたし、勇気と覚悟をもって足を踏み出したその姿勢が最高にロックだと思った。ライブイベントが本格再開し、ライブ会場に再び熱気が戻るその日に向けて。重要な一歩となるこのライブを目撃することが出来て、本当に良かった。

SET LIST

01. Singular Point
02. 真実と闘争
03. WILD BLOOD
04. Rock’n Roll Driver
05. Melodicfall
06. Reincarnation
07. Maillot Jaune
08. Dawn Valley
09. Vortex
10. Vulcan
11. Lucifer D
12. Volcano High
13. Zenith
14. Handroid
15. Triptych
16. Emphatic Line
17. 19 Boogie

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