ZIGGY、会場に満ちた鳴り止まない熱い拍手「ライブをやれること自体が今の俺らにとって最高に幸せです!」

ライブレポート | 2020.07.16 19:00

ZIGGY TOUR 2020 「NEWS SIDE BEACH!!」
2020年7月10日(金)新横浜NEWS SIDE BEACH!!

4月より開催予定だった、ZIGGY TOUR 2020『NEWS SIDE BEACH!!』。新型コロナ拡大防止のため、全公演が延期となっていたこのツアーだが、政府や自治体のイベント自粛要請の緩和により7月10日(金)横浜NEW SIDE BEACH!!にて、振替公演が敢行された。会場には振替公演を待ち望んだファンが多く集い、会場前のしっかり距離を保った行列からは期待が溢れていた。

入場時には一人ずつ手指の殺菌と検温が行われ、会場内ではマスク着用の上、広く間隔が取られた椅子席で着席して観覧。「公演中は席を立たない、大きな声を出さない」と、開演前にアナウンスで注意が喚起され、感染対策は万全。たとえライブハウスとは言え例外は無く、ガイドラインをしっかり守った上で公演を行うことが重要。ようやくライブハウスに戻って来れたのだから、今はこの場所を死守するためにもルールの厳守が重要なのだ。

開演時間となり、緊張と期待の入り混じったライブハウス独特の空気が会場を包む中、照明が落ちてSEが鳴る。観客は歓声を上げられない分、とびきり大きな拍手でメンバーを迎える。飛び出すようにステージに登場した森重樹一(Vo)のシャウトから、「WASTED YOUTH」で激しく勢いよくライブがスタート。全身が痺れるビートと爆音に、やっぱりライブハウス最高!と一気にテンションが上がる!! 森重は「Clap Your Hands!」と手拍子を煽り、立つことも声を上げることも出来ない不自由な状況からも、会場に一体感を生み出す。

「928」ではCHARGEEEEEE…(Dr)の突き上げるビートに座ったままの状態で体を揺らし、拳を上げる観客に森重が嬉しそうな表情を浮かべ、「I CAN'T STOP DANCIN'」では耳に手を当てて心の声でのコール&レスポンスを促す。ダンサブルな「I WANT YOUR LOVE」へとライブが続くと久しぶりのライブハウスを思い切り楽しみ、前半戦からキレッキレの歌と演奏、パフォーマンスで魅せる5人。歓声こそ無いが、会場に満ちた熱気や鳴り止まない熱い拍手から、観客の興奮もビンビン伝わってくる。

ライブ中もMCごとに換気を行い感染予防を徹底する中、「世間の評判や自らの健康を顧みず、集まってくれてありがとう!」と森重がニヤリ。「ライブをやれること自体が今の俺らにとって最高に幸せです!」と喜びを語り、Toshi(Ba)の重厚なベースで始まった「この夜の向こうへ」、派手やかな演奏とステージに狂喜した「ROCK SHOW」と、全てぶちまける全開ROCK SHOWが続く。「休業した期間は決して無駄じゃなくて、バンドの底力がアップしたと思うし。ちょっとそこらのバンドに負けないくらいギュッとまとまったから」とMCで森重が語ったように、「La Vie en Rose」、「WHISKY,R&R AND WOMEN」と続くロックンロールナンバーのグルーヴィーな演奏からも、バンドの充実ぶりが見てとれる。

カトウタロウ(Gt)のブルージーなギターで始まった「STARTIN' AGAIN」で、森重が切なくも力強い美声を聴かせて会場の空気を変えると、「JUST A ROCKIN' NIGHT」、「月が昇る頃には」とバンドの底力が見えるどっしりしたナンバーが続き、<俺はまた走り出す>と決意表明するように「AGAIN」を力強く歌い上げ、ライブは終盤戦へ。6月に現メンバーと再録、通販限定リリースした名盤『HOT LIPS』収録の「HOT LIPS」、ZIGGYの最新型と言える「I STAY FREE FOREVER」、「WONDERFUL FEELING」と続き、「今夜のラストナンバー、一緒に歌ってくれるかい?」と「TEENAGE LUST」で本編を締めくくる。お前が傍にいる喜び、こうしてライブが出来る喜びを噛みしめるように、たっぷり気持ちを込めた歌と演奏はガツンと響いたし、会場を包む一体感にシンガロングする会場中の声が聴こえた気がした。

鳴り止まない拍手に再びメンバーがステージに登場。「みんなのおかげで最高に楽しい夜になりました。また普通にライブがやれるようになるまで、こんな機会に会えたら嬉しいです」と森重が感謝を告げ、「GLORIA」で始まったアンコールは、佐藤達哉(Key)の跳ねる鍵盤に心弾む「STEP BY STEP」、どしゃぶりの雨の向こうに希望の光が見えた「I'M GETTIN' BLUE」と名曲を惜しみなく披露し、ライブをフィニッシュ。終演後、「危険を冒して、また会いに来て下さい」と笑う森重。

密閉、密集、密接と、三密こそが最大の魅力であるライブハウスが原状復帰するにはまだ少し時間が掛かりそうだけど。こうして再びライブハウスに集うことが出来て、ルールの中でも自由に楽しみ、心を開放出来ることが嬉しいし、この状況下で果敢にライブハウス公演に挑み、厳しい条件の元で最高のパフォーマンスを見せてくれたZIGGYのステージが観れたことが本当に嬉しい。

SET LIST

01. WASTED YOUTH
02. 928
03. I CAN'T STOP DANCIN'
04. I WANT YOUR LOVE
05. この夜の向こうへ
06. 銀のバレット
07. ROCK SHOW
08. La Vie en Rose
09. WHISKY,R&R AND WOMEN
10. STARTIN' AGAIN
11. JUST A ROCKIN' NIGHT
12. 月が昇る頃には
13. AGAIN
14. HOT LIPS
15. I STAY FREE FOREVER
16. WONDERFUL FEELING
17. TEENAGE LUST
EN1. GLORIA
EN2. STEP BY STEP
EN3. I'M GETTIN' BLUE

  • フジジュン

    取材・文

    フジジュン

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  • 東 美樹

    撮影

    東 美樹

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