奥田民生、3年ぶりのバンドツアー「MTRY TOUR 2021」がスタート!ツアー初日をレポ

ライブレポート | 2021.02.03 19:00

奥田民生「MTRY TOUR 2021」
2021年1月31日(日) YCC県民文化ホール(山梨県立県民文化ホール)

2021年1月31日(日)、山梨県YCC県民文化ホール(山梨県立県民文化ホール)を皮切りに、奥田民生のホール・ツアー『MTRY TOUR 2021』がスタートした。この日からファイナルの2月26日(金)東京・府中の森芸術劇場どりーむホールまで、11本を回るスケジュール。ドラム湊雅史・ボーカル&ギター奥田民生・ベース小原礼・キーボード斎藤有太の、奥田民生ソロのバンド=MTR&Yで回るツアーとしては、3年ぶりになる。

2020年11月に行った6本の弾き語りのツアー『ひとり股旅2020』は、全箇所で生配信も行われたが、もともと奥田民生は、『ひとり股旅』の時は、事前に曲目を決めず、毎回違うセットリストでライブをやる、だから全箇所生配信が可能である、と思われていた……というか、僕はそう思っていたのだが、この『MTRY TOUR 2021』も、バンドでのツアーであるにもかかわらず、全ヵ所生配信ありで、なんと、全箇所セットリストを変えるという。
「なので、初日のレポも曲名書いちゃっていいです」と、事前に知らされて、そのことを知りました。びっくりしました。では以下、配信を観て書いた、その日のレビューです。

2012年にサッポロビールのCM曲になった「拳を天につき上げろ」で、ライブはスタート。次は「カイモクブギー」、そして「解体ショー」と、OTならではの、そしてMTR&Yならではの、でっかいタイム感のグルーヴを堪能させてくれる曲が続くオープニングである。
「カイモクブギー」は2008年発表の曲だが、「あたりまえみたいな顔してろ でないと今をのりきれないぞ/いまや何もかんもゼッするぜ まさにこれ小説よりキナリ」というあたりのラインは、新型コロナウイルス禍の今聴くと、より切実な意味を持って響くように感じる。
……と、『ひとり股旅2020』でこの曲が歌われた時も、書いた気がする。確認しました。書いていました。こちらです。
奥田民生がひとりで回るツアー「ひとり股旅 2020」ファイナルをライブレポート

ギターを赤いテレキャスターから、白いフライングVに持ち替えながら、ここで最初のMC。ひとりずつ自分の衣装に言及しながら、メンバー紹介をする。
サイケデリックな「人間2」と、淡々と美しい「人間」という、ソロ初期(『30』と『29』)からの名曲2曲を経て、OT随一のラブソング「The STANDARD」をじっくり聴かせる。
「でもさ、(一席飛ばしで)空けて座って、あんまり騒げない状況で、こんな空気になってるなあ、みたいな感じに思ってるかもしれないけど、前からこうですよ。 前から皆さん、どう言っていいかわからず、次の曲、みたいな」とOT。MCに斎藤有太が「そうだった、そうだった」と頷き、客席に拍手と笑顔が広がる。
というMCをはさんでから、開放感に満ちた「近未来」(ただし、2000年発表のこの曲のリリックも、今聴くと示唆的だ)と、ヘリの音から始まるハード&ストレートな「イナビカリ」で、バンドのギアをトップに入れる。そして、「イージュー★ライダー」へ──という、フェス出演時だったらこれで終わってみんな大興奮&大満足、という展開。この曲終わりで、場内の換気のための休憩時間になる。

本人による「RAMEN CURRY MUSIC SHOPPING」(グッズ宣伝)の映像が流れた休憩時間が終わると、『ひとり股旅』のコーナー。「羊の歩み」と「エンジン」を、弾き語りで披露する。ただし、普段の『ひとり股旅』とは異なり、OT、立って歌った。
その間、背後のグリーンバックに、山梨の景色が映し出される。事前にTwitterのハッシュタグ企画『民生に届け! ご当地自慢写真選手権』で、ファンから投稿された写真である。『ひとり股旅2020』の時は、OT本人が写真を撮って使ったが、今回はファンにも参加してもらおう、というものだ。

『ひとり股旅』では歌詞以外は別の曲と化した3コード・バージョンも披露していた「マシマロ」を、本来の形で演奏し、歌うところから(といってもグルーヴィーにリアレンジされているが)バンドでの後半がスタート。
2020年にアニメ『ハクション大魔王』の主題歌として書き下ろした「サテスハクション」、OTにはめずらしいダンス・ビートの「御免ライダー」、ロックンロールの基本中の基本な曲構成だが、このバンドがやるとめったやたらと輝く「MTRY」、と、聴くとアガるしかない曲が、連打されていく。
画面の横の、配信を観ている人たちによるTL、「最高!」「跳んでるよ!」等のコメントが、すごいスピードで流れていく。続く「快楽ギター」で、そのTLのスピードは、さらに速くなった。4人の演奏、かっこいいとしか言いようがない。

ギターをちょっと鳴らしてキーを確かめ、ステージ・ドリンクをひと口飲んでから「月を超えろ」。そして、ギターをギブソン・エクスプローラー(OTが弾くのはめずらしいと思う。白いフライングVはたまに弾いていた気もするが、赤いテレキャスターも、MCで「めずらしいでしょ、前から持ってたんだけど」と言っていた。)に持ち替えて、弾きまくった「まんをじして」。
「これから、いろんなところに行こうと思っています。ちゃんと行けるといいなと思いながら、行こうと思います。また、いろんな形でかもしれないですけども、いろんなことをやりますので、そこんとこよろしくお願いします」
という挨拶を経てイントロのギター・リフを奏で始めた本編ラストの曲は「最強のこれから」だった。曲が進むほどにヘヴィに荒れ狂っていく3人のプレイも、最後のサビのOTの「♪これからー!!」のシャウトも、そのあとのギター・ソロも、そのソロに挑むような湊雅史のドラムも、もう何もかもがすさまじい。

アンコールでは、OTと小原礼、ベースとギターのダブルネック・モデルを持つ。OT、「要するに何がしたいのかというと、ベースとギターが入れ替われるんですね」。
そして「丑年にふさわしい曲を」と披露されたのは、ソロ・デビューした頃からプレイされ続けている「BEEF」。曲が始まるとステージ後方に、RAMEN CURRY MUSIC RECORDSのキャラクター、ヘロさんのバルーンが現れる。
後半で曲がブレイクした後、「ではここで、今年古希の男の、ギターソロをお願いします!」(OT)と、小原礼が長尺のソロを聴かせる。斎藤有太のピアノソロ、湊のドラムソロと続き、最後はOTがギターソロで締めくくった。
なお、このツアーは、それぞれの公演の終了から、1週間後まで見逃し配信あり。見逃し配信期間中のチケット販売も、行われている。

(見逃し配信はこちら LINE LIVE-VIEWING:https://ticket.line.me/events/6135

  • 兵庫慎司

    取材・文

    兵庫慎司

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  • 撮影

    三浦憲治

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