akugi初単独公演をライブレポ。コドモメンタルINC.のオールスターズが集結した豪華なお遊び

ライブレポート | 2021.07.08 19:00

akugi 1st Mini Album “ Playplay ” Release Party〜悪戯プレイ〜
2021年7月2日(金)clubasia

ぜんぶ君のせいだ。を筆頭にグループ、バンドを含め個性派メンバーが多く所属するコドモメンタルINC.がイタズラ心満載、真剣に音楽で遊ぶユニットとして音楽シーンに新しく仕掛けてきたakugi(読み:あくぎ)が7月2日、初の単独公演「1st Mini Album “ Playplay ” Release Party〜悪戯プレイ〜」を東京・渋谷 clubasiaにて開催した。こちらはakugiの1st mini AL 「Playplay」リリース記念として行われたもの。コドモメンタルINC.内のクリエーター陣がソングライティング、トラックメイクに参加し、各グループのメンバーも歌唱に加わるなど、まさに社をあげて遊びに取り組んだ渾身の1作となった「Playplay」。ラップとダンスに特化して、エレクトロニックなサウンドを主体とした今作をライブでどう表現するのか。1DJをバックに、“言葉”担当のmarikoyu(KAQRIYOTERRORの心鞠 )、“踊り”担当のまるあうま(星歴13夜の天まうる)、nainotokanon(TOKYOてふてふの十叶のんの)のakugiメンバーと、「Playplay」に参加したフィーチャリング・ゲストが曲ごとに現れ、コラボステージを繰り広げ、ジェットコースターのようなスピーディーな展開で、贅沢かつ衝撃的なアクトを繰り広げていった本公演のレポートをお届けしよう。

marikoyu(akugi)

まるあうま(akugi)

nainotokanon(akugi)

akugi初の単独公演ながらも、チケットは堂々の完全SOLD OUTを記録。コドモメンタルINC.の遊び心がふんだんにつまった「Playplay」を、豪華フィーチャリング・ゲストたちを交えながらどんな“悪戯”を仕掛けて、楽しませてくれるのか。そのパフォーマンスに期待で胸が高鳴るなか、場内へ。舞台に目を向けると、バックは潔くDJセットのみだった。赤色灯が回転する中、DJの鳴らすホーンが高らかなファンファーレとなり、まるあうま、nainotokanon、marikoyuとヤマコマロが勢いよくオンステージ。挨拶も手ふりもなにもなく、いきなり「r u serious? feat.ヤマコマロ」でライブは幕開け。バキバキのダブステップがフロアに突き刺さり、DJが「踊れ!」といわんばかりに勢いよくakugiのタオルを回す。4人は、それぞれのグループにいるときとはまったく別人のようで、終始クールな表情で淡々とこの曲をプレイしていく。これが、サウンドの世界観にあってて、すこぶるカッコイイ! マロは挨拶もなく曲が終わるとすぐにステージをはけ、次はアルバムのなかで唯一akugiだけで歌っていた「CC」へ。3人でフォーメーションを組んでガシガシ踊るなか、ヘッドセットをつけたnainotokanon、marikoyuが“シーッ”とする場面はこの曲最大の見せ場。この仕草で、場内の空気をピタッとフリーズさせたところは背中がゾクゾク。続けて、今度はいきなりの新曲「BNZK feat.如月愛海、もとちか襲」投下。冒頭から攻めてる! 曲は治安悪そうなヒップホップチューンだった。舞台に出てきてmarikoyuと視線を交わした如月は「お前ら、手あげて楽しんでいけや!」とフロアを煽る言葉までいかつくなっていて、怖そうな雰囲気をビシバシ飛ばしまくる。ミラーボールに照らされ、鮮やかな光を放つパープルヘアのもとちかだけそのまま残って、「addict feat.もとちか襲」の英詞を歌い出すと、フロアの雰囲気はガラッと変わる。高速ダンスビートがガンガン鼓膜を刺激するなか、4人はシンクロしながらハードなダンスアクトを叩きつけ、心地よいレイヴ感を巻き起こしていく。そこにすべりこむようにmarikoyuのフロウが重なり、穏やかにテンポダウンしていったところで、フロアを包み込むような歌唱を投入していくもとちか。想像以上に、フロア映えする1曲だ。

如月愛海(ぜんぶ君のせいだ。)

「今日はakugi初の単独公演です」とここで初めてmarikoyuが口を開く。続けてnainotokanonが今日2曲目に披露した「CC」がアルバムのなかで「お気に入り」なのだといい「これはakugiだけでやってる曲なんです」と好きな理由を解説。まるあうまは「さっきも初出しの曲をやっちゃったんですけど」と前置きした上で「まだまだ新曲あるんで。最後まで盛り上がっていきましょう」と伝え、ライブは「ナイトウォッチ 个喆 with akugi」から再開。イントロのピアノが、夜と个喆を場内に呼び込む。白いタイトなワンピできめた个喆の歌声で場内はたちまちムーディーなクラブに。かわいく頭上を片手で叩いてクラップを求めるmarikoyuの仕草で、手拍子をするオーディエンスたちの表情もやわらいでいく。そのなかで、まるあうまとnainotokanonのダンスは、曲調に合わせどんどん妖艶さを増し、まるあうまに至ってはいままで見たことがないような大人の色気を漂わせる。ここで大人にふりきったakugiのプレイをたっぷり堪能したあとは、まるあうまとnainotokanonがコートをパッと脱ぎ捨てる。フロアをつんざく狂暴的なインダストリアルなビートにのせて、marikoyuが低音ラップを繰り出す「origin feat.如月愛海、たかりたから」が始まった。そこからハードなドラムンベースに合わせてたかりたからがハイトーンで声を飛ばし、世界を突き抜けたあとの如月愛海のポエトリーリーディングの刹那。これが、たまらなくきた。脳と身体と心を激しく揺さぶられるような陶酔感から、次の「WEEKEND feat.甘福氐 喑」がいい感じでナチュラルモードな体温感へと引き戻してくれる。“笑う門には福来る”というフレーズに引っ張られるように、ここではメンバーの表情にも笑顔が浮かぶ。そうして、次に迎えたのはミディアムテンポのメロウな歌もの「with u feat.セツナウイネ」。後半パート、セツナウイネの優しく包み込みこむようなボーカルとmarikoyuのフロウが並走していく場面では、2人が視線を合わせ、共演を楽しんでいる様子が伝わってきた。そうして、ライブは「Over Drive Days feat.のなめら、楪おうひ」から終盤戦へ。2MCが両サイドに広がって構え、違うスタイルのラップで異種格闘するそのど真ん中で、楪おうひが滑らかなボーカルを響かせるという立体感なコントラストが気持ちいい。その流れで突入した「period feat.メイユイメイ」。浮遊感ある前半の心地よさを打ち消すようなメイユイメイのスクリーモで、曲はブレイクダウン。そこから闇へと引き摺り込まれるようにダウナーへと展開し、メイユイメイとmarikoyuが互いに頭を掴んで引き寄せあい、キスをするというMV通りのスリリングなパフォーマンスに、場内はハッとさせられる。そうして、最後に残されていたあの曲、「デイドリームスピーカー feat.色とわ」が会場いっぱいに広がっていく。観客たちは吸い込まれるように曲に没入。オープニングからここまで生み出してきたakugiのプレイ。それらすべてを引き連れ、一瞬にして天空へと浄化させていくようななんともいえない感覚に包まれたところで、ライブはフィニッシュ。みんな自由に解き放たれていてすべてがとにかくカッコイイ、もっと観たい。そんな欲求がすぐに脳裏を襲った。

个喆(ぜんぶ君のせいだ。)

たかりたから

甘福氐 喑(ぜんぶ君のせいだ。)

セツナウイネ(TOKYOてふてふ)

楪おうひ(TOKYOてふてふ)

のなめら

メイユイメイ (ぜんぶ君のせいだ。)

メイユイメイ、marikoyu

色とわ(星歴13夜)

終わってみれば、ゲストも入れて総勢14人。いわばコドモメンタルINC.のグループのオールスターズが集結したライブでもあった。そんな彼女たちがグループから解き放たれ、そこでは楽しめないようなサウンドやアクトを、豪華なお遊びとして体現していったakugiの今回のライブ。いまはまだここはコドモメンタルINC.の遊び場止まりだが、今後はこの噂を聞きつけたクリエーター、アーティストが遊びに来るようになって、さらにakugiはアップデートし、拡大していく。そんな可能性が見えたライブでもあった。

なので、またやりましょう。社長!

SET LIST

01. r u serious? feat. ヤマコマロ
02. CC
03. BNZK feat. 如月愛海, もとちか襲
04. addict feat. もとちか襲
05. ナイトウォッチ 个喆 with akugi
06. origin feat. 如月愛海, たかりたから
07. WEEKEND feat. 甘福氐 喑
08. with u feat. セツナウイネ
09. Over Drive Days feat. のなめら, 楪おうひ
10. period feat. メイユイメイ
11. デイドリームスピーカー feat. 色とわ

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