ASH DA HERO Zepp Tokyoで圧巻のLIVE。ソロプロジェクトからロックバンドへ進化

ライブレポート | 2021.09.07 14:15

ASH DA HERO LIVE 2021“THE SHOW MUST GO ON”
2021年9月4日(土) Zepp Tokyo

ASH DA HEROが9月4日(土)にZepp Tokyoでワンマン・ライブ<ASH DA HERO LIVE 2021“THE SHOW MUST GO ON”>を行なった。これはASHにとって最大キャパでのワンマン・ライブだ。ライブ・タイトルの意味は、直訳すれば“ショーは続けなければいけない”というもの。ロック・ファンなら、フレディ・マーキュリーが死期の迫る中で“なにがあっても歌い続ける”と不屈の魂を示したQueenの楽曲としてもご存じかもしれない。ともかく、尋常ならざる覚悟でASHが挑んだライブだ。

開演時間が近づく中、会場に流れるBGMに合わせて、歓声の代わりに起こり始めたファンのハンドクラップ。徐々に大きな音となって、熱気も生まれていく。そしてBGMからSE「Doomsday」に切り替わると同時に会場が暗転。スクリーンに映るイメージ映像と点滅する照明群。そのステージにおなじみの赤いフラッグを振り回しながらASHが登場。力強さと勢いの炸裂する「HERO IS BACK2」でショーは始まった。ところがAメロの途中、ASHの合図で演奏がストップ。ちょっとした音ズレが生じたからだった。

「オープニングからハプニング。だけどこれが生のライブ。こういう場所が人生にとって活力になる、道しるべになる、そういうものを作っていこうと思います。よろしくな。俺ら、全員からもらったパワーを跳ね返して、そしてオマエのパワーに。ASH DA HERO、Zepp Tokyo公演、仕切り直しでよろしく。さあ、いこうか! ド派手にやろうぜ!!」
ラップのように歯切れよく言葉をたたみ掛け、勢いを一切止めることがない。トラブルも軽々と乗りこなすあたり、さすが、ライブで培った実力者だけのことはある。そして「HERO IS BACK2」から再スタートすると、マイクをガシッと掴み、気合いと力のこもった表情で歌い、吠えるASH。いきなり振り切った攻めっぷりに、ファンは一気に覚醒されていった。

今年4〜5月にトリオ編成で<ASH DA HERO TOUR 2021“NEW ERA”>も行なったASHだが、このライブにはそのツアーにも参加したマルチプレイヤーの宮田“レフティ”リョウとWANI(Ds)に加え、Sato(B)とNarukaze(G)を加えた編成。彼らの作り出すバンド・サウンドがえげつないほどヤバい。それを全身で浴びながら歌うASHもロック・モード全開。様々な楽曲が激しく呼吸しながらパワーとエネルギーを放ち続けていく。

「やっとこのZepp Tokyoに辿り着くことができました。でもこのZeppは最終目標でもなんでもない。リスペクトをこめて踏み台にさせてもらう。そして、さらに上の上のステージへ。死ぬまでロックン・ロールし続けようぜ」
そう言いながら初期からのナンバーはもちろん、今年に入って連続リリースした作品からのナンバーも次から次へと聴かせる。激しく攻め立てるばかりでなく、心を酔わせてとろけさせるバラードもあれば、R&Bやヒップホップも飲み込んだハイブリッドなナンバー、全身を激しくグルーヴさせるナンバーも。

また曲のイントロ中に何度となくASHが口にしたのは、Zepp Tokyoに自分の足で帰ってきた、ということ。ファンならご存じだろう。2015年11月、ASHが初めてこのステージに立ったことを。そのときASH DA HEROとして活動をスタートさせてまだ1年目。憧れや夢を抱く大きな会場でのライブだった。しかし自力で立ったというよりは、VAMPSのオープニング・アクトで呼ばれて立たせてもらった、というのが当時の彼の正直な思い。だったら次は自力で夢を現実にさせなければいけない。ある種の使命感も抱きながら、自身を鼓舞させ、歌にもライブにも磨きをかけ続けてきた。そしてあの日から約6年、ASHはここに戻ってきた。あのときは観客のごく一部しかASHのことを知らなかったが、今、自分の目の前にいるのはASHの歌と曲に勇気をもらい、ASHと共に歩んでいる仲間しかいない。

しかしASHは、嬉しさやテンションの高さで空回りすることなく、歌いながらフロアにいるファンの一人ひとりと視線を合わせ、互いの気持ちや情熱でも会話して、ライブする。その瞬間ごと、ファンの中で熱いものが駆け抜ける。これこそが生のライブの醍醐味であり、ASH DA HEROの魅力だ。
「ここを超えて、さらに次のステージへ。さらに未来へ。誰一人欠けることなく、全員連れて行きたいと思います。付いて来いよ、オマエら! この世界に居場所がないというなら、俺が作ってやるぜ!!」
ライブ中の汗なのか、ここまでの6年間が「Prologue」の詞と重なってなのか、目をうるませて歌い続けるASH。そして曲のエンディング、「明日から笑顔で頑張れよ!」と最高の表情を見せながらメッセージを叩きつけた。

課題を残した6年前のステージに、全身全霊を込めてお礼参りを果たしたASH DA HERO。また夢を現実にしたからこそ、野望に満ちた男は新たな夢も抱くもの。ライブの最後、スクリーンでそれが発表された。それは今日でソロプロジェクトが完結したこと、これからの旅路は仲間と共に続くこと、そして新バンド“ASH DA HERO”の始動である。メンバーはASH(Vo)、Narukaze(G)、Sato(B)、WANI(Ds)、Dhalsim(DJ)。11月には<ASH DA HERO THREE DAYS LIVE 2021“NEW STARTING OVER”>を、11月18〜20日にTSUTAYA O-WESTで行なうのも決まった。
「このたびソロプロジェクト“ASH DA HERO”から、ロックバンド“ASH DA HERO”になります! 最高の仲間たちと共に、この先の未来を思いっきり届けて、オマエらを最高の地に連れて行こうと思います!」

SET LIST

00. Doomsday
01. HERO IS BACK2
02. BREAK THE CHAIN
03. DAIDARA
04. SOCIAL DIS DANCE
05. からっぽの街
06. 未完成ストーリー
07. NEW ERA(SE) 〜 Rockstar
08. Black Swan
09. NO WAY
10. XIMERA
11. Nonfiction
12. Gatekeeper
13. 反抗声明
14. YELLOW FEVER DANCE
15. Get Away
16. Everything
17. PARADE
18. Prologue

新バンド ASH DA HERO 始動Movie

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