Nothing’s Carved In Stoneが2年ぶりに日比谷野外大音楽堂ワンマンライブを開催!バンドと観客が心と心で繋がった夜をレポート!

ライブレポート | 2021.09.29 18:00

Nothing's Carved In Stone "Live at 野⾳ 2021"
2021年9月19日(日) 日比谷野外大音楽堂

「よく来たね、みんな。この時をずっと待ってました!」と村松 拓(Vo/Gt)はライブ中に喜びを露わにしていた。それはここに集まった観客も同じ気持ちだろう。その相思相愛関係はライブが進むにつれ、強固に結び付く熱いライブが展開された。

Nothing’s Carved In Stoneが2年ぶりに日比谷野外大音楽堂にて、『Live at 野音 2021』を開催。台風14号の影響で前日は大雨状態だったが、この日は見事快晴となり、天候まで味方に付けた彼ら。SEが流れると、村松、生形 真一(Gt)、日向 秀和(Ba)、大喜多 崇規(Dr)のメンバー4人がゆっくりとステージに登場。万雷の拍手で観客に迎えられると、「Assassin」で本編は始まった。ミドル・テンポの曲調で丁寧に音を届けた後、激しいドラムのカウントと共に「You’re in Motion」と畳み掛ける。すると、ステージ上は噴出するスモークと共に赤いライトが煌めき、バンドの演奏は一気に加速する。大喜多のパワフルなドラムも野音の空に響き渡り、気持ちいい高揚感に包まれていった。

村松 拓(Vo/Gt)

ヘヴィなリフを合図に「Spirit Inspiration」に入ると、観客も体を動かし、演奏にただ身をまかせるのみ。中盤に日向の強烈なスラップ・ベースから生形のギター・ソロにバトンを渡し、華やかなインスト・パートにも惹きつけられた。軽快なデジタル音に導かれると、次は「Bog」をプレイ。ベースが楽曲を牽引しながら、そこにヘヴィなギターが絡み合い、ダイナミズム溢れる躍動感を叩きつける。しかも村松はハンドマイクでジャンプして歌い上げ、開放感溢れるライブ感に観客も興奮状態に陥っていた。

日向 秀和(Ba)

クラップで熱い一体感を生み出した「Who Is」から「Words That Bind Us」へ繋げた後、今年3月に出た配信シングル「Wonderer」がここで炸裂。デジタル調のイントロからドラマ性の高い展開に入り、歌を押し出したポップ性もアピール。後半のリズミカルなドラムもユニークで、大勢の観客を巻き込む求心力を発揮。それと同時に横から吹き付ける夜風がやけに気持ち良く、改めて野外でライブを観る醍醐味を肌で感じた。

キャッチーな「きらめきの花」においては観客も頭上で右手を横に振り、エフェクティヴかつ大人びた作風で迫る「Prisoner Music」をプレイする流れも最高。彼らの持ち曲の中ではちょっと毛色の違う曲調だが、ショウにいいフックをもたらし、日比谷野音に違和感なく馴染んでいたのも興味深かった。

ミドルテンポの「Everlasting Youth」を挟んで、すっかり日の沈んだ闇夜に赤い照明が幻想的に浮かび上がると、「Red Light」へ。鼓膜を引っ掻くようなギターリフと共に、メロディアスなヴォーカルが制限なく広がっていく。その流れをメロウかつディープな雰囲気をたたえた「Diachronic」で引き継ぎ、「Milestone」に移行。蠢くベース・ラインに加え、サビで頂点に上り詰める爆発力は圧巻であり、ナッシングスの威風堂々たる王道感を叩きつけてくれた。

生形 真一(Gt)

「最高、ありがとうございます!届いてますか? マスク越しだけど、みんないい顔してる。心を自由に、全部開放して!」と村松が明るく声をかけ、ゴリゴリのラウドなベースを幕開けに「TRANS.A.M」を披露。ライブも佳境に差し掛かり、演奏のボルテージはますます上がっていく。インダストリアルかつオルタナティヴなグルーヴを放つ「In Future」は観客を一人残らず飲み込むアリーナ・ロック的なスケール感を誇示。その後に「Music」、「Beginning」と放ち、「日比谷、今夜だけは最高の夜にしようぜ、踊ろう!」と煽ると、「Out of Control」をプレイ。インスト・パートで盛大に焚きつけると、ラスト1曲を残すのみとなった。

大喜多 崇規(Dr)

「あっという間ですね、駆け抜けちゃいましたけど・・・みんなの名前を呼ぶようにこの曲を歌えたら・・・」と告げると、今年9月に出た配信シングル「Beautiful Life」を見舞う。華やかなヴォーカルとわかりやすいサビを用い、包容力に長けた柔らかな曲調が印象的だ。最新曲にもかかわらず、ここに集まった観客と深く気持ちを通わせる伝達力に優れたナンバーに、新たなナッシングスの表情が刻まれていたように感じた。

そして、アンコールに応えて、再びステージに姿を見せると、バンドにとって大切な曲「November 15th」へ。ファンにも愛されている人気ナンバーゆえ、多くの人たちが歓喜していた。トドメの最終曲「Perfect Sound」までバンドと観客が心と心で繋がるハートフルなショウを魅せ、全21曲約2時間に及ぶライブは終了した。

11月15日には恒例のワンマンライブ“Live on November 15th”を初のアコースティック・セットでBillboard Live TOKYOで開催。また、12月1日には待望の11thアルバムのリリース&ツアーも発表と、嬉しいニュースが続いた。デビューからペースを落とさず、闇雲に走ってきたナッシングス。どんな状況だろうと、常に前進し続ける彼らの姿勢がファンにとって希望の光となる。それを痛感した野音公演であった。

SET LIST

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