相思相愛、互いの愛と想いとリスペクトが溢れまくった、ニューロティカとフラワーカンパニーズの対バン!新宿LOFT298回目の最高な夜をレポート!

ライブレポート | 2021.10.01 18:00

武道館deロックバカ やれるもんならやってみろ!
ニューロティカ 新宿LOFT出演300回 カウントダウンシリーズ 298回目
(ゲスト:フラワーカンパニーズ)
2021年9月26日(日) 新宿LOFT

2022年1月3日(月)に初の日本武道館ワンマン『ニューロティカの『心燃会』 ~俺たちいつでもロックバカ!!~』を控えたニューロティカが、すでに武道館を経験している“武道館のパイセン”を招いて行う対バンシリーズ『武道館deロックバカ やれるもんならやってみろ! ニューロティカ 新宿ロフト出演300回 カウントダウンシリーズ』。ロフト298回目のステージとなり、シリーズ最終戦となる対バンは、2015年12月に『フラカンの日本武道館 ~生きててよかった、そんな夜はココだ!~』を開催したフラワーカンパニーズ! 初対バンは2001年7月@渋谷eggman。2006年頃から一緒にツアーを回ったり、コラボDVD『Live Shock Loft ニューロティカ×フラワーカンパニーズ』をリリースしたりと、交流を深めていったロティカとフラカン。2018年、Zepp Tokyoでの“ニューロティカ通算2000回ライブ”を目前に行った、対バンシリーズ『Way to 2000 2 MAN SHOW』1994回目でもツーマンライブを実現しており、両組の相思相愛ぶりと相性の良さはお墨付き! 「2000回ライブに客を寄せるためには、パンダを出せばいい」というフラカン・鈴木圭介のアドバイス?を真に受けて、ロティカのライブにパンダが登場するという前科を持つ、この二組によるツーマン。この夜は一体、なにが起きたのか、そしてどんな最高な夜になったのか!?

「1、2、3、4!」のカウントでドガシャ~ン!とバンドサウンドが響き、プヒ~!とブルースハープが鳴り、「マイ・スウィート・ソウル」でけたたましくライブが始まった、先攻のフラワーカンパニーズ。グルーヴィーな演奏で観客の体を揺らし、圭介とグレートもお茶目にステップを踏んだ「DO DO」、竹安が豪快に掻き鳴らすギターに小西が正確で力強いビートを刻んだ「パンクはうまく踊れない」と、精魂込めた歌と演奏で観る者を序盤から圧倒すると、<いつだって今しかない>と熱いメッセージを込めた「いましか」を熱唱。<変えてゆける 今しか>と確認するように圭介が歌うと、壮大な演奏が果てしない道を想像させ、自らを奮起させるように叫ぶ<WooWoo>の吠え声に合わせて、観客が高く拳を突き上げる。聴く者の心を沸騰消毒させるフラカンの熱いステージと真っ直ぐなメッセージで、ロフトが煮え立ち浄化されていくのが分かる。

鈴木圭介(Vo)

「武道館おめでとうございます。あと100日、切った! 楽しみです」と始まったMCでは、YouTubeでロティカがカバーした「この胸の中だけ」の話題に触れ、「あの完成度がものすごく高くて、完全に原曲を食ってる(笑)。ありがとうございました!」と感謝の言葉を告げた圭介。さらに「驚いちゃったよ。途中、会話のところであっちゃん、「僕は君の髪の毛なんだから!」って自分と髪の毛が会話してるからね!?(笑)」と感想を語ると、「解釈はそれぞれだからね。そこがカバーの面白いところですよ!」と笑うグレート。圭介は「僕らも微力ながら、全力で応援させていただきます!」と力強く宣言した。

アコギを背負った圭介が真っ直ぐな歌声で聴かせる「履歴書」で始まった中盤戦。いなたいビートに乗せた、悲痛な歌声が胸をぶっ刺した「東京タワー」に続き、「僕が高校2年の時、ミスター小西と組んでたバンドでカバーしてた曲です。さも自分たちの曲のようにやってて、「あの曲いいね」「だろ?」なんて言ってたんだけど。1個上の先輩には、バレてました(笑)」と思い出を語り始まった曲は、2010年リリースのトリビュートアルバム『ピエロとスイカと88ライダー』に参加した際にカバーした、ニューロティカ「青いお空に」。竹安のアコギに哀愁あるブルースハープを重ね、たっぷり気持ちを乗せた歌声を聴かせた鈴木。ゆったりとした曲調のアレンジも温かみあるフラカン・サウンドにぴったりで、もう、フラカンにあげても良いんじゃないか?と勝手に思うくらいのハマりの良さ。最高! 原曲とも全く印象の異なるフラカンのカバーを聴きながら、MCでグレートが言っていた「解釈はそれぞれ。そこがカバーの面白いところですよ!」の言葉を思い出す。しかもこの曲をカッコ良く歌い終えた瞬間、マイクにカツンと歯をぶつけて「痛っ!」と声を上げる天然ぶりを見せた圭介。そんなとこまで、あっちゃんに似せなくて良いです!(笑)

竹安堅一(Gt)

MCでは「ここ1年半くらい? コロナで鬱々としてるところに武道館の発表があったから、夢のある話だなと思って。なんだか薄っすらと幕みたいなのが張ってたんだけど、気持ちがパーン!と抜けました」とロティカの武道館発表に力を貰ったことを話した圭介。一人ずつメンバー紹介し、それぞれがロティカへのエールを送ると、グレートが「ある意味、武道館よりすごいのがロフトで298回ライブをやってること! バンドなんてその前に解散しちゃったりするから、どの場所でも同じ会場で300本もライブするバンドなんて、どこにいるんだ!? って、声を大にして言いたい。新宿ロフトにニューロティカあり!」とロフト300回を目前としたロティカを褒め讃え、観客から大きな拍手が起きる。

グレートマエカワ(Ba)

ミスター小西(Dr)

「メンバーチェンジなし! 活動休止なし! ヒット曲なし!」の決め台詞から、竹安のギターがギュンギュン唸り、ヘヴィにスリリングに聴かせた「ピースフル」で始まった後半戦は、圭介の煽りに会場中が手拍子を合わせた「終わらないツアー」をぱっと打ち上げ、明るい未来を願うように祈るように爆音を鳴らした「YES, FUTURE」で最高潮の盛り上がりを生む。フロアにたくさんのピースマークが上がる中で、「YES, FUTURE! 武道館楽しみにしてます!!」と圭介が叫び、ライブはフィニッシュ。熱く優しく魂こもったフラカンの魅力が凝縮されながら、ロティカへの愛とリスペクトもしっかり感じるステージだった。

後攻はニューロティカ。カタルの「YES, FUTURE!」ならぬ、「YES。ニューロティカ!」の叫びで飛び出したあっちゃん。「メンバーチェンジあり! カタルとナボちゃんが入って、この曲でニューロティカが救われました!」と、フラカンの決め台詞を真似た曲紹介で始まった1曲目は「絶対絶命のピンチに尻尾を高く上げろ!」。結成32年のフラカン同様、結成37年の歴史は決して順風満帆でなく、消えぞこないとなるピンチも何度と訪れたが。<絶対ピンチをチャンスにここで変えてやるのさ>と、どんな時も明るく楽しくパンクロックを鳴らして逆境を乗り越えてきたロティカ。現在の世の状況や人気を考えると、いまもチャンスではないけれど、この曲を聴くと諦めない気持ちと前向きなパンクロックがピンチをチャンスに変えてくれると本気で思ってしまう。「両手を上げ~い!」と始まった曲中の“ニューロティカコール”では、あっちゃんが「昔からやってるキャッチ&リリース(?)で、もっともっと一人ひとりが幸せになれますように」と願いを込めた<もっともっと!>のコールで、会場中で手を打ち合わせて士気を高める。

勢いそのまま始まった「ア・イ・キ・タ」では、「いつもより多く回っております!」とばかりにぐるぐる回りながらベースを弾くカタル、強烈なシンバルキックにシンバルがすっぽ抜けたあっちゃんと、異常なほどテンションの高いパフォーマンスを見せつけたロティカ。早くもクライマックスのような盛り上がりを見せる中、「新宿ロフトはハーレムさ!」と「…To be HARLEM」とを投下して前半戦を全速力で駆け抜けると、MCでカタルが「最初のブロックから終わりみたいな始まり方だよね」と呟き笑う。

アツシ(Vo)

「パンクバンド始まって以来のペンライトを使った曲で、楽しみたいと思います」と始まった「SHIBI DE BABI DE BOO!」でフロアが色鮮やかに輝き、「気持ちいっぱいビンビンビン!!」で会場中がタオルを回して熱風を生み、しっかり一体感を生み出した中盤戦。YouTubeで色んなバンドの曲をカバーしてきたという話から、舞台袖を横目でちらちら見ているあっちゃんが「次は武道館センパイの曲を行きたいと思います」とフラカンのカバーの披露を匂わすと、そのあまりに緊張した面持ちに「本人が見てるからってドキドキしてるけど、その前にお客さんも見てるんだけど!?」とツッコむナボ。「じゃあ行きますか!」と気を取り直して始まった曲は、フラワーカンパニーズ「この胸の中だけ」のカバー。

ナボ(Dr)

ゆったりした演奏に乗せて、丁寧に慎重に歌い進めるあっちゃん。「おい、おっさん! いったいなんでそんなところでピエロの格好してるんだい?」と始まった、子供の頃のあっちゃんと現在のピエロの会話を描いたセリフパートは、「実は8年前から、プロペシアって毛生え薬を飲んでるんだ。頭のてっぺんが埋まったよ」と毛生え薬の情報が挟まれたり、「しっかりしろよ、ピエロ!」と自身への叱咤激励があったりしながら、長尺で熱演を見せる。しっかり笑いも取りながら感傷的で郷愁感ある歌を聴かせて、フラカンファンからも大きな拍手を受けたあっちゃん。あまりの緊張に歌詞が飛んで、一度やり直したことはここだけの話にしておく(笑)。

「武道館のパイセンの対バンシリーズ、ピーズさんから始まり、コレクターズさん、バースディさん、怒髪天さん、そして今日、フラカンさん! ありがとうございました!! みなさんに力を貰って、武道館まで行っちゃうぜ!」と対バンシリーズに参加してくれたバンドたちへの感謝を叫んで「翼なきもの達」を届けると、いよいよライブは終盤戦。

カタル(Ba)

RYO(Gt)

「おいカタル、ケツは俺が持つからよ。走れ 走れ!」と始まった「ロックンロールクレイジーラン」ではステージを所狭しと走り回り、「俺たち死んでもニューロティカ!」と力強く宣言。ラストは「永遠ピエロ」でピエロがピエロであり続けることの覚悟を真摯に歌い、RYOの魂込めた情念のギターで始まった「飾らないままに」で、感謝や覚悟や願いや誇りといったあっちゃんの想いの全てを届ける遠吠えにも聴こえた咆哮でライブを締めくくった。

……と、ここで終わればカッコいいのだが。「一生懸命頑張りました! いい汗かいたか? バカになったか?」と始まる、お約束のセリフで決めていたあっちゃんが、足をかけていたモニタをステージ下に落として、そのままフロアに転落。カッコいいまま終わることが出来ず、最後にずっこけてしまったあっちゃんは、カッコ悪いやら気恥ずかしいやらでステージに突っ伏してしまい、そのままライブが終了。ステージに一人残されたあっちゃんは気まずそうに立ち上がると、「そろそろ僕は行かなくちゃ……」と「この胸の中だけ」の台詞を小声で呟き、ステージを去った(笑)。

アンコールでは楽器隊がスタンバイし、「歌い手さん呼ぶ? 今日最後だし、ゲストもいるらしいよ」とカタルが呼び込むと、鈴木圭介に手を引かれてパンダが登場(笑)。あっちゃん不在のまま、「武道館で会おうぜ!」と「チョイスで会おうぜ」が始まる。圭介とモゴモゴ歌うパンダが、ツインボーカルで披露したこの曲。途中、フラカンの残りのメンバーも登場して、「チョイス! チョイス!」と大騒ぎ。はちゃめちゃな展開の中、楽しく賑やかにこの日のライブ、そして対バンシリーズを締めくくった。

相思相愛、互いの愛と想いとリスペクトが溢れまくった、ロティカとフラカンの対バン。相性の良さは分かっていたが、両バンドが入り混じった時に生まれる楽しさや興奮やはちゃめちゃさは想像以上だった! タイプやジャンルの異なる5組の武道館のパイセンたちとツーマンライブを行ってきた、この対バンシリーズ。怒髪天・増子が言ってたように、持ち前のヘヴィ・メンタルで、どんなバンドが相手でも明るく楽しいパンクロックをハイテンションに貫き続けたニューロティカ。このシリーズではその圧倒的強さをまざまざと見せつけられたし、日本武道館でも必ず自身のスタイルを貫き、ロティカにしか出来ない武道館ワンマンを見せてくれることを確信した。

ニューロティカは10月2日(土)名古屋CLUB UPSETより、全国ツアー『武道館deロックバカ「ニューロティカから皆様へ最後のお願い(汗)」』がスタートする。昔はファンだったけど何年もライブに行ってない人、ライブを一度も見たことがない人、そして、ずっとロティカを応援し続けている人! さらに全国にいるロティカ関係者各位(笑)は、対バンシリーズで力を蓄えて、武道館に向けて順調に仕上がってる現在のロティカを是非見て欲しい。そして何より2022年1月3日、日本武道館のステージに立つニューロティカの勇姿を是が非でも目撃して欲しい。

ニューロティカ「フラワーカンパニーズ・この胸の中だけ」をカバーしました

SET LIST

フラワーカンパニーズ

01. マイ・スウィート・ソウル
02. DO DO
03. パンクはうまく踊れない
04. いましか
05. 履歴書
06. 東京タワー
07. 青いお空に(ニューロティカカバー)
08. ピースフル
09. 終わらないツアー
10. YES, FUTURE

ニューロティカ

01. 絶対絶命のピンチに尻尾を高く上げろ!
02. ア・イ・キ・タ
03. …to be HARLEM
04. SHIBI DE BABI DE BOO!
05. 気持ちいっぱいビンビンビン!!
06. この胸の中だけ(フラワーカンパニーズカバー)
07. 翼なきもの達
08. ロックンロールクレイジーラン
09. 永遠ピエロ
10. 飾らないままに

ENCORE
01.チョイスで会おうぜ

公演情報

DISK GARAGE公演

フラワーカンパニーズ

「月刊フラカンFEVER 2021 vol.10」〜井の頭線ワンマン2デイズ・2日目〜
2021年10月4日(月) 新代田 LIVE HOUSE FEVER
※会場観覧チケット、配信視聴チケット(アーカイブあり)

フラワーカンパニーズ presents 「DRAGON DELUXE 2021」
2021年10月16日(土) 名古屋 DIAMOND HALL
出演:フラワーカンパニーズ、田島貴男(Original Love)

「フォークの爆発2021 ~座って演奏するスタイルです・おくのさんといっしょ〜」
2021年10月23日(土) 日本橋三井ホール

「祝!新装開店 長野闘気オレリンピック 2021 〜シン・オレリンピック お前の金メダルかじってやろうか(名古屋のヤツの) 〜」
2021年12月19日(土) 長野CLUB JUNK BOX
出演:怒髪天/フラワーカンパニーズ

詳細はオフィシャルサイトをご確認ください

武道館deロックバカ「ニューロティカから皆様へ最後のお願い(汗)」

2021年10月2日(土) 名古屋 CLUB UPSET
2021年10月3日(日) 大阪 堺Fandango
2021年10月10日(日) 仙台 FLYING SON
2021年10月16日(土) 沖縄 output<延期>
2021年11月6日(土) 福岡 graf
2021年11月13日(土) 札幌 Sound lab mole
※上記公演一般発売中

2021年12月12日(日) 新宿LOFT (出演回数300回目)
※一般販売 2021年10月20日(水)18:00~

ニューロティカの『心燃会』~俺たちいつでもロックバカ!!~

INFO

ニューロティカ公式YouTube内「あっチャンネル」にアフタートーク動画を後日公開! お楽しみに!

  • フジジュン

    取材・文

    フジジュン

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    撮影

    たたみ

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