やなぎなぎの10周年+αの音楽人生を紐解く10カ月連続ライブがスタート! Vol.1はセレクションアルバム『Roundabout』の楽曲を軸に、アコースティックテイスト強めなステージに

ライブレポート | 2022.03.28 18:00

『やなぎなぎ 10周年記念ライブ-Roundabout-』Vol.1
2022年3月21日(月・祝)SHIBUYA PLEASURE PLEASURE
※昼・夜 1日2回公演
※ライブレポートは昼公演で実施

2022年2月29日にメジャーデビュー10周年を迎えたやなぎなぎ。ファン投票を元に選曲し、表題曲「Roundabout」など収録したセレクションアルバム『Roundabout』のリリースをはじめ、様々な10周年記念プロジェクトを発表! その一環が2022年3月から12月までの10カ月連続となる『やなぎなぎ 10周年記念ライブ -Roundabout-』の開催。
その幕開けが3月21日に行われたSHIBUYA PLEASURE PLEASUREでのライブ。200曲以上のレパートリーがある彼女が、10カ月連続ライブの記念すべき1回目にどんな曲たちを選ぶのか?

会場が暗転するとピアノの音色が流れる中、やなぎさんがステージへ。ピンスポットが当たるとライトグリーンの若葉のような春らしい衣装が映える。1曲目に歌うのは10周年記念セレクションアルバムの表題曲「Roundabout」。オリジナルは疾走感があるポップナンバーながら、この日はピアノの演奏のみでBPMも落としたバラード調でゆったり。音楽人生の歩みを歌詞として綴っている曲を、かみしめるようにしっとりと。歌い終わり、薄っすらとブルーの照明に照らされながら、ゆっくり頭を下げた。

澄んだ空気感と余韻の中、最初のMCで、「これから毎月開催されるライブの記念すべき第1回です。デビューしてから10年間歌ってきた楽曲はもちろん、先日リリースしたセレクションアルバムでデビュー前の10年以上の活動もまとめているので、そこからもお届けしていこうと思っています。今日はゆっくりと最後まで楽しんでください」。

ギター、ベース、ドラム奏者も入場してバンド形態になって「あなたはサキュレント」。オリジナルアレンジはソフトなサンバ風、でもこの日はBMPを落としておしゃれ感のあるボサノバ風に。やなぎさんは小さく、ゆっくり揺れながら歌い、南国のそよ風が肌をなでるような感覚。

次は一転してドラムも激しいアッパーなイントロになり、「飛べない魔法使い」。歌声も力強く弾み、ファルセットボイスを響かせる。やなぎさんの動きも右腕を広げたり、前に手を伸ばしたり、大きく激しく。曲が終わり、「キャメルバックの街」になるとクラップを促すバンドメンバーに応えて会場が一体に。バンドの演奏とお客さんのクラップが刻むリズムにのって、やなぎさんも気持ちよさそうにハツラツと。体をタテやヨコに小刻みに動かしつつ、大サビの「足で空を蹴り飛ばしながら」では前に蹴り出す仕草まで。

続く神秘的なクリスタルボイスの歌い出しから始まった「escape from boredom」では、ダンサブルなイントロになったと思ったら、Aメロでテンポが落ち、またBメロで上がったりと変拍子の曲を表情豊かに歌いこなす。「あなたはサキュレント」からここまで、やなぎさんの変幻自在ぶりを感じるブロックに。

MCパートでは「飛べない魔法使い」についてのエピソードも披露。「メジャーデビュー前に歌ったゲームの曲で、セレクションアルバムで初めて知った方もいたと思いますが、昔から人気の曲だったみたいで。10周年になる前に皆さんに推し楽曲を教えてもらう企画をやったらたくさん投票を入れていただきましたが、14年前の曲でボーカルが初々しすぎて、自分で聴いていると『キャーッ!』となるんですけど(笑)。せっかくセレクションアルバムに収録したので、今日は歌わせていただきました」。

「次の曲はバンド演奏で歌ったことがないのでは?」と紹介した「melee」と「Rainy veil」とバラードナンバーが続く。「Rainy veil」ではピアノ伴奏のみでとつとつと歌っていたが、2コーラス目に入ると他の楽器も加わり、やなぎさんの歌声も強く、ハッキリと。やなぎさんを照らすライトも青白い照明からラストは明るくなり、歌声と演奏、照明などすべてがドラマチック。アコギの音色とシンセの浮遊感のあるサウンドが相まった「color capsule」では「数え切れない色の詰まった箱」や「色づく世界」のフレーズ通りにやなぎさんの歌声や表現もフレーズごとに変わりながら、後方から照らすバックライトもブルーやイエローなど刻々と変化。

「三つ葉の結びめ」になると導入の神秘的な空気感からバンドの演奏も激しくなり、オレンジ色のライトに包まれたやなぎさんの歌声もエモーショナルに。「砂糖玉の月」はカホンの刻む大陸的なリズムにのって歌い上げるやなぎさん、終盤にカホンからドラムに変わった時の「さよならまであなたを見ていたい」のフレーズにせつなさの中に強い想いも伝わってくる。現実と宇宙を行き来するような「オールトの夢」はウイスパー気味にせつせつと歌い、アウトロで薄くなるとずっとうつむいている。まるで歌いながらエチュードを演じているよう。様々なドラマを垣間見たような中盤だった。

MCパートで「『オールトの夢』をはじめ、デビュー前の10代に書いた曲は記憶に残っているものが多くて。『深遠』とか。ただ入手しにくかったため、セレクションアルバムに収録しました。先日、ファンの方と1対1でトークできる機会がありましたが、『聴き始めた頃は中学生だったけど、社会人になりました』とか『子供が生まれました』というお話を聞いて、皆さんそれぞれに10年の時間が流れていて、その近くに私の音楽があったんだなと実感しました」と語ったやなぎさん。そして「今日は歌わなかったなという曲があるかもしれませんが、1年かけてお届けしていこうと思っています。隔月で新曲をリリースしていきますし、10年は通過点と思って、20年、30年に向けてここから頑張っていこうと思います」。

本編ラストの2曲は「宝石の生まれるとき」と「芽ぐみの雨」のバラードナンバー。共にバンドメンバーのコーラスが入り、やなぎさんも時折笑みを浮かべながら優しい表情に。シンプルなアコースティック演奏でやなぎさんの澄んだ心地いい歌声に、じっと見つめる人、頭で軽くリズムをとる人、思い思いに楽しんでいた。

アンコールの手拍子に応えて。ライブTシャツに着替え、笑顔でステージに再登場したやなぎさんは、すっと「メルト 溶けてしまいそう」と「メルト 10th ANNIVERSARY MIX」をアカペラで歌い出し、そしてアイコンタクトすると、ピアノ演奏に合わせてその1サビの続きを歌い始める。1サビを歌い終わるとこの日一番の音量と音圧の演奏がスタート。「メルト」はsupercellのryoさんの楽曲で、やなぎさんもカバーし、一気に注目を集め、彼女にとってもファンにとっても大切な「エモい」曲。ピンクのバックライトも点滅を繰り返す中、ポップロックを広いオクターブを駆使して歌いこなす。歌い終わった瞬間、会場を揺るがすような大きな拍手。

そして「皆さんに出会えた曲であり、この10年間大切に歌ってきた曲を、今回はしっとりバージョンで」と紹介してソロ・メジャーデビュー曲「ビードロ模様」へ。オリジナルとは違い、バスドラが刻むリズムやストリングス風のシンセの音色にのせて、じっくりと大切に歌うやなぎさん。まるで10年の歩みを振り返るように。オリジナルとは違う魅力に感動も。  

最後のMCパートで「いつもはみんなと手を振り振りするのが楽しくて。この曲がデビュー曲でよかったなといつもしみじみ思います」とやなぎさん。そして「今日はピアノと歌で始まったライブなので」とピアノ以外のバンドメンバーを送り出して、ラストナンバーとして歌ったのは「CorLeonis」。やなぎさんがメジャーデビュー前に音楽活動をしていたサイト名であり、活動が1周年を迎えた時にアニバーサリーソングとして作られた曲。「しし座の一等星」を表すタイトルにふさわしく青白い照明の中、白いピンスポットが照らされたやなぎさんのウィスパーボイスに歌う姿は、まるで銀河に漂う歌姫のよう。

歌い終わると優しく笑みを浮かべて「ありがとうございます。10周年のスタートを切るライブに来ていただけて、一緒に素敵な時間を作っていただけて嬉しく思っています。まだ発表していない企画もありますので、この10周年イヤーを一緒に駆け抜けて楽しんでくださると嬉しいです」。そして何度も手を振りながらステージを後に。

10周年記念&10カ月連続ライブの初回は、セレクションアルバムの楽曲たちを様々なアレンジで披露しつつ、デビュー前から現在までの道のりを振り返るステージに。またやなぎさんのクリスタルボイスによって紡がれた様々な物語をたっぷり堪能できた。

なお4月30日に同所で行われる『やなぎなぎ 10周年記念ライブ -Roundabout-』Vol.2にはTHE SIXTH LIEがゲストに。「ちょっとバンド寄りな感じでいこうかなと思っています」。そして5月22日開催のVol.3には南條愛乃さんがゲスト出演することも発表。過去に「一切は物語」という楽曲で、南條愛乃feat.やなぎなぎの形でコラボ共演しており、ライブでどんな共演を果たすのか期待大!

やなぎさんにとって、この日はその一端をお見せしただけ。まだまだ歌いたい曲もたくさんあるはずだし、リスナーも聴きたい曲がまだまだある。そしてオリジナルアレンジでいくのか、はたまた別のアレンジなのか、更にコラボがあるのか? 楽しみは尽きない。まだやなぎさんのクリスタルボイスを体感していない人もぜひこの機会に、やなぎさんの音楽旅の「道連れ」に。

SET LIST

01. Roundabout
02. あなたはサキュレント
03. 飛べない魔法使い
04. キャメルバックの街
05. escape from boredom
06. melee
07. Rainy veil
08. color capsule
09. 三つ葉の結びめ
10. 砂糖玉の月
11. オールトの夢
12. 宝石の生まれるとき
13. 芽ぐみの雨

ENCORE
01. メルト 10th ANNIVERSARY MIX
02. ビードロ模様
03. CorLeonis

公演情報

DISK GARAGE公演

やなぎなぎ 10周年記念ライブ -Roundabout-

Vol.2
2022年4月30日(土) 渋谷PLEASURE PLEASURE
ゲスト: THE SIXTH LIE
チケット一般発売 2022年3月13日(日)10:00

Vol.3
2022年5月22日(日) 渋谷PLEASURE PLEASURE
ゲスト: 南條愛乃
チケット一般発売 2022年4月9日(土)10:00

※各日、昼・夜 1日2回公演

2022年5月22日(日)公演チケットのOFFICIAL HP先行予約受付中!
期間:2022年3月28日(月)12:00〜4月3日(日)23:59まで ローソンチケットにて

以降の公演詳細は順次、オフィシャルサイトにて公開!
Vol.4:2022年6月26日(日)
Vol.5:2022年7月31日(日)
Vol.6:2022年8月27日(土)
Vol.7:2022年9月19日(月・祝)
Vol.8:2022年10月23日(日)
Vol.9:2022年11月27日(日)
Vol.10:2022年12月23日(金)

  • 取材・文

    永井和幸

  • 撮影

    近藤宏一

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