神はサイコロを振らない 最大規模のツアー終幕!デビュー2周年記念日にLINE CUBE SHIBUYAで感謝を伝える

ライブレポート | 2022.07.22 13:00

神はサイコロを振らない Live Tour 2022 「事象の地平線」
2022年7月17日(日) LINE CUBE SHIBUYA (渋谷公会堂)

神はサイコロを振らないにとって、結成から現在までの7年間の中で、最大規模のツアー(13都市・14公演)であり、ファースト・フルアルバム『事象の地平線』のリリース・ツアーである『神はサイコロを振らない Live Tour 2022「事象の地平線」』が、2022年7月16日(土)・17日(日)、LINE CUBE SHIBUYAの2デイズで、ファイナルを迎えた。2日目の7月17日(日)は、デジタルシングル「泡沫花火」でメジャー進出してから、ぴったり2年後にあたる。

SEが響く中、吉田喜一(Gt.)、桐木岳貢(Ba.)、黒川亮介(Dr.)、の3人がまずステージに登場、SEをそのまま引き継ぐ形で「タイムファクター」の演奏に入り、ボーカル柳田周作が現れ、歌い始める──というオープニング。
3曲目「クロノグラフ彗星」を終えると「この景色、すごいっすよ、ワンマンとは思えない。サクラじゃないっすよね? 僕らのファンの方で間違いないですよね?」と客席に問いかける。オーディエンス、笑顔でそれに応える。
神はサイコロを振らないは、つい4か月前に、ここよりキャパが大きい、日比谷野外大音楽堂を満員にしている。であっても、3階席までびっしり埋まった光景を、2日続けて目の当たりにする、というのは、また別の感慨があるんだろうな、ということが、彼のその言動から伝わってくる。「2階席も3階席も、いちばん後ろまで見えてるんで! 気ぃ抜いてたら、僕、ガン飛ばすんで! 一瞬たりとも目ぇ離さんでください!」。

柳田周作(Vo.)

吉田喜一(Gt.)

桐木岳貢(Ba.)

黒川亮介(Dr.)

「少年よ永遠に」のアウトロで、メンバーが「♪ララララ」とコーラスする部分では、柳田周作、「いつかこの歌、絶対一緒に歌おうね!」と呼びかける。「illumination」を経ての「泡沫花火」は、「僕らにとって大切な曲を贈ります。メジャー一発目の曲です。聴いてください」と紹介してから曲に入る。1曲1曲を、今ここにいる全員に、丁寧に届けようとしていることがわかる。
メンバーひとりずつのMCをはさんで、「今日、福岡から走って来てくれました!」という紹介で、ゲストのRin音が登場。6月3日にリリースされたコラボ・シングル「六畳の電波塔」を、初めて一緒に客前で披露する。
曲の頭のノイズと共に、ステージ後方のバックドロップに描かれたこのツアーのシンボル・グラフィックが、焼けるように光を放つ。そして柳田周作の「Clap your hands!」という叫びでイントロに入った瞬間に、バックドロップが落ち、ステージ上の光景が一変。Rin音は、ラッパーとシンガーの両面から、柳田周作と共に歌を形作っていく。

Rin音

「Rin音くんが上げてくれたボルテージを、我々ここからもう8段階ぐらい上げていってもよろしいでしょうか! みなさん踊る準備はできてますか!」と、ファンキーな「愛のけだもの」でオーディエンスの身体を揺らす神サイ。暗転〜SEをはさんでの「夜永唄」、そして「あなただけ」と、バラードをじっくり聴かせるゾーンでは、バック・トラックのピアノやストリングスが、バンドの生音と、柳田周作の歌と、溶け合うように響く。
インストゥルメンタルからの「イリーガル・ゲーム」では、LINE CUBE SHIBUYAの1階から3階までが、ハンドクラップを打つ腕で埋まる。さらに「揺らめいて候」の後半では、柳田周作、客席に「クラップ&レスポンス」を求め、黒川亮介がスネアでクラップを打つ→オーディエンスがそれに続く、という掛け合いが、だんだん難度を上げながらくり返される。

一昨年の「泡沫花火」、昨年の「初恋」に続く「夏唄の第三弾」として、このライブの2日前にデジタル・リリースしたばかりの「カラー・リリィの恋文」も、プレイされた。僕らが元気をもらっている、勇気をもらっているのは、ここにいるみなさんからだ、だから僕ら4人がラブレターを書いた──柳田周作は、そんなふうに、この曲を紹介した。
バンドは生き物だから、コロナ禍でたくさんの仲間が道を外れて行ってしまった、でも神サイはありがたいことに作品を作らせてもらえている。こんな幸せなことはないと思う反面、日々プレッシャーが大きくなっていって、時折それに押しつぶされそうになった。でも、ここにいるみんなのおかげで、僕ら4人は音楽をやれている。その感謝を伝えるためのツアーでもありました。心がどうしても悲しくなった時、心がどうしてもつらくなった時、僕らの音楽がみんなのそばにいたらと思います。どうか生きてください、生きていたらまた会えます、僕らのメッセージはそれだけです──。
という言葉から、本編ラストの2曲、「未来永劫」と「僕だけが失敗作みたいで」へ。「未来永劫」では、柳田周作、「いつか絶対一緒に歌おうね!」とオーディエンスに呼びかける。この日二度目だ。
『事象の地平線』の全20曲でも最後に置かれている「僕だけが失敗作みたいで」では、ステージ後方の画面に歌い出しのリリックがカタカタと打ち出されてから、それをなぞるように、柳田周作が声を放ち始めた。

アンコールは、柳田周作曰く「大昔の曲」3曲と、『事象の地平線』からの「LOVE」「巡る巡る」の2曲。
昔は内省的で閉鎖的な音楽ばかり作っていた、それが、気がついたら、世界中に愛と平和が広まってほしいと思うようになっていた──という言葉が、その過去の3曲と現在の2曲の間にはさまれた。
全20曲、約2時間のステージを終え、去り際に、次のアクションとして2023年1〜2月に、全国5都市のZeppツアー『雪融けを願う飛行船』を行うことが、発表になる。
「飛行船」は、Zeppの元ネタになっている飛行船ツェッペリン号から取ったことと、その頃にはみんなで歌えるようになっているんじゃないか、という気持ちをこめて「雪融けを願う」と付けたことを、柳田周作はオーディエンスに伝えた。

SET LIST (本編)

01. タイムファクター
02. 1on1
03. クロノグラフ彗星
04. 少年よ永遠に
05. illumination
06. 泡沫花火
07. 六畳の電波塔 with Rin音
08. 愛のけだもの
09. 夜永唄
10. あなただけ
11. イリーガル・ゲーム
12. 揺らめいて候
13. カラー・リリィの恋文
14. 未来永劫
15. 僕だけが失敗作みたいで

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公演情報

DISK GARAGE公演

神はサイコロを振らない Zepp Tour 2023『雪融けを願う飛行船』

2023年1月15日(日) 福岡・Zepp Fukuoka
2023年1月21日(土) 愛知・Zepp Nagoya
2023年1月22日(日) 大阪・Zepp Osaka Bayside
2023年1月29日(日) 北海道・Zepp Sapporo
2023年2月5日(日) 東京・Zepp Haneda(TOKYO)

【チケット最速先行受付情報】
<申込期間>2022年7月31日(日)23:59まで受付中
<申込URL> ローソンチケット:https://l-tike.com/st1/kamisai2023ticketsns

RELEASE

「カラー・リリィの恋文」

New Digital Single

「カラー・リリィの恋文」

2022年7月15日(金)SALE

NHK Eテレにて放送中のアニメ『アオアシ』第2クールEDテーマ
  • 兵庫慎司

    取材・文

    兵庫慎司

    • ツイッター
  • 撮影

    Viola Kam (V'z Twinkle)

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