復活!ART-SCHOOL、3年半ぶりのライブ。2022・8・24 LIQUIDROOMをレポ!

ライブレポート | 2022.09.02 18:00

ART-SCHOOL LIVE 2022 「Just be here now」
2022年8月24日(水)LIQUIDROOM

2022年8月24日(水)、東京・恵比寿のLIQUIDROOMにて、ART-SCHOOLがワンマンライブ『ART-SCHOOL LIVE 2022「Just be here now」』を開催した。
ART−SCHOOLがライブを行うのは、2019年2月24日(日)の『F.A.D YOKOHAMA presents THE SUN ALSO RISES vol.62 (振替公演)』出演時以来、3年半ぶり。このブランクに関しては、すでに各所のインタビュー等で本人が言葉にしているので、ここではくり返さないが、本当はもう少し早く復帰できる状況になっていたのに、コロナ禍でそれを阻まれた、というところも大きかったようだ。
本日の公演に先駆けて、新作『Just Kids .ep』のリリース日である7月13日(水)に新代田FEVERで、木下理樹と戸高賢史による、ART-SCHOOL Mobile有料会員限定のライブが行われた。ふたりでのアコースティック・ライブであると事前に告知され、前半はそのとおりだったが、後半でベースの中尾憲太郎とドラムの藤田勇が加わってバンドのライブになり、集まったファンを狂喜させた。このLIQUIDROOMの前に、プレ・ライブのようなことを、やっておきたかったのだと思う。

そしてこの日。定刻の19:00ぴったりに、まず木下理樹がステージに現れ、他のメンバーも続いて登場。持ち場につくが、左から中尾憲太郎、女性ギタリスト、木下理樹、戸高賢史が一列に並び、後方にドラムの藤田勇という、ひとり増えたフォーメーションになっている。
ライブは、メジャー・デビュー・アルバム『REQUIEM FOR INNOCENCE』の1曲目「BOY MEETS GIRL」でスタート。1曲ごとに木下理樹の「ありがとう」もしくは「ありがとうございます」という一言をはさみながら、「real love/slow dawn」「Promised Land」「ウィノナライダーアンドロイド」「BUTTERFLY KISS」の5曲を一気に演奏したところで、木下理樹、「こんにちは、こんばんは、ART-SCHOOLです」と挨拶する。
そして、「びっくりしてる人もいるかと思うんです。今日ギターをサポートしてもらってる、NITRODAYから、やぎひろみさんです」と、紹介。「では、楽しんで帰ってください」と曲に入り、その曲=「ステート オブ グレース」では、両手でマイクをつかんで歌う。
続いて「YOU」「MISS WORLD」「乾いた花」の4曲を演奏し終えたところで、トディ(戸高)がMC。「こんばんは、ART-SCHOOL、約4年ぶりのLIQUIDROOMです。正直もう、ここでやることもないかなと思ってました、本気で。戻って来れてよかったです」
フロアからの大きな拍手を受けながら、「では、新作からやります」と、『Just Kids .ep』収録の2曲へ。
ギター・サウンドも言葉も鋭利な「レディバード」、繊細なギターと思いリズムに明快なメロディが乗る「ミスター・ロンリー」の2曲を聴かせたあと、トディ、理樹(木下)に「どんな気分なんですか?」と問いかける。黙る理樹に「ギター、放棄してますよ。まさかのピンマイク」とたたみかけるトディ。「ちょっとね、あの、集中して歌いたいなあと思って」と理樹は答えたが、本当にそうなんだろうな、だからやぎひろみの力が必要だったんだな、と、素直に思えた。曲が進むごとに、ギターは提げたままだが弾かずに、一心不乱にマイクに声を注ぎ込む曲が増えていたので。

トディ「よかったですね、こんなにたくさんの人が観に来てくれて」理樹「ありがとうございます。楽しんで、帰ってくださいね」トディ「ほんとに気の利いたことが言えないんですね」というやりとりで笑いと拍手を巻き起こした後、2007年リリースの4thアルバム『Flora』からの2曲「アダージョ」「SWAN DIVE」と、最新作からの「柔らかい君の音」の3曲を披露する。2007年の2曲と2022年の1曲が、違和感なく、美しく、つながっていく。
「いやあLIQUIDROOM、約4年半ぶりぐらいですね。ほんとに、自分がここに戻って来れたんだっていうのが……僕に関わってくださったすべての人に、感謝をします。そして今日観に来てくれたお客さん、どうもありがとうございます」と、感謝を伝える木下理樹。
そして、拍手を受け、しばし黙った後。
「みんなMC、どうしてんだろうね」
笑ってしまった。自分は正直、今日のライブに関しては、どこまでちゃんと歌える状態に戻っているんだろう、ライブ1本をかつてのように歌いきれるんだろうか、ということが、もっとも心配だった。その不安は、頭の1〜2曲できれいに払拭されたので、MCが覚束なくなっていることに関しては「別にいいじゃん、なんだったらしゃべらくなっていいんだし」くらいにしか思っていなかったのだが、ご本人は気になっていたんですね。
「クロエ」をはさみ、「ありがとうございます、では新曲をやります」と、新作のタイトル曲「Just Kids」から始まり、「スカーレット」「ジェニファー’88」「ロリータ キルズ ミー」と必殺曲を並べた本編最後のゾーンでは、オーディエンスの腕が上がりっぱなしになる。ラストの「ロリータ キルズ ミー」の間奏では、トディのギター・ソロをかき消しそうな勢いで、フロアにハンドクラップが響いた。

アンコールで、再び感謝の言葉を口にする木下理樹。
「僕は、この瞬間すべてが、エモーショナルに映ります。本当にありがとう。思えば、倒れた時から、約4年。またステージに立てたらいいなあって思ってましたけど、想像以上に時間がかかってしまい、やっと今日を迎えました。メンバーとスタッフと、それから、支えてくれたお客様に、感謝を述べます。ありがとう。アンコール、全力でやりますので、受け取ってください」
と、曲に行こうとするが、トディに止められる。「告知があるんですよね? さっき裏で告知の話の段取りを決めたのに」「このタイミングだっけ?」「いつ言うんだよ、じゃあ」というやり取りに、オーディエンス、大笑い。
そして、グッズの宣伝をし、次のライブが決まっていることを告知する。12月20日(火) Shibuya WWW Xと、24日(土)梅田シャングリラ。「『ずいぶん間が空くじゃん』と思ったと思うんですけど、その間は、アルバムを作りましょう」と理樹に言うトディ。「もっとよくなって、もっとみんなを満足させてあげたいなと思ってるんで、よろしくお願いします」。
そして「シャーロット」「あと10秒で」「FADE TO BLACK」と、初期の名曲を、いや、ART-SCHOOL屈指の名曲を3曲、オーディエンスに贈った。
鳴り止まない拍手に応えて、ダブル・アンコールで「ニーナの為に」を歌う前に、木下理樹は言った。「なんか言い忘れたこと、ないかな、と思ってたんですけど、ただいま、と言うのを忘れました。ただいま」
この日、何度も何度も巻き起こったフロアの拍手が、最大ボリュームを記録したのは、この時だったかもしれない。

SET LIST

01. BOY MEETS GIRL
02. real love/slow dawn real love/slow dawn
03. Promised Land
04. ウィナノライダー アンドロイド
05. BUTTERFLY KISS
06. ステート オブ グレース
07. YOU
08. MISS WORLD
09. 乾いた花
10. レディバード
11. ミスター・ロンリー
12. アダージョ
13. SWAN DIVE
14. 柔らかい君の音
15. クロエ
16. Just Kids
17. スカーレット
18. ジェニファー’88
19. ロリータ キルズ ミー
EN1. シャーロット
EN2. あと10秒で
EN3. FADE TO BLACK
EN4. ニーナの為に

★ART-SCHOOL LIVE 2022 「Just be here now」のセットリストプレイリストをApple Music / Spotifyにて公開!

セットリストプレイリストはこちら

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