LM.Cが時間を超えて輝き続ける楽曲たちとファンへの想いとともに15周年記念ライブを開催!

ライブレポート | 2022.10.13 18:00

LM.C 15th Anniversary Live "左耳のピアス。"
2022年9月25日(日)LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)

LM.Cの根底にある衝動と夢を見せてくれるエンターテインメント精神は何も変わっていない。そう思わせてくれたのが9月25日に「LM.C 15th Anniversary Live "左耳のピアス。"」と銘打って東京・LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)で開催されたライブだった。

SEの「NO.9」が流れる中、LM.Cのロゴマークがあちこちに映し出され、ステージの天井から吊られたLM.Cの衣装でおなじみの首輪をモチーフにしたオブジェは未確認飛行物体のようにも見える。“ここはLM.C惑星なのかもしれない”と妄想する中、赤と黒を基調にしたスタイリッシュな出で立ちのmaya(Vo)とAiji(Gt)が登場し、ライブはエッジの効いたキャッチーなロックナンバー「LET ME' CRAZY!!」で幕を開けた。ステージには吹き上げ花火がいくつも上がり、のっけから派手にかましてくれるのが、彼ららしい。今から12年前に発表されたこの曲には“左耳のピアスが揺れる  忘れないように見失わないようにと”というフレーズが出てくるが、ライブのタイトルにつけられた“左耳のピアス。”はウサギの耳についているもの。そしてLM.Cの原点とも言えるピュアな想いを象徴するものだ。

maya(Vo)

Aiji(Gt)

最新オリジナルアルバム『怪物園』に収録されている「Elephant in the Room」ではタンバリンとハンドクラップで客席と息を合わせ、Aijiのソリッドなギターリフが楽曲の世界に導き、「Virtual Quest」ではステッキを魔法の杖のように操るmayaのパフォーマンスから目が離せない。MCでも触れていたが、LM.Cにとって渋谷公会堂は(LM.Cとして立った時にはC.C.Lemonホールのネーミングだった)15年の歴史の中、10回以上も立ってきた思い入れのある会場だ。そして、やはり彼らにはホールが似合う。

「LM.Cです! ようこそお越しくださいました。15周年記念ライブ、お待ちしておりました。気づけばもう15周年以上、LM.Cとして生きてるんだなと感じております。今日はそんな気持ちを余すことなく、爆発させて楽しんでいきたいと思ってます。楽しむ準備はできてますか!?」

ヒストリーの中、発信してきた時間を超えて輝き続ける楽曲たちが新旧バランスよく配置された全22曲のセットリストもアニバーサリーならではだ。mayaの語りがフィーチャリングされた「In Future, New Sensation」から、諦める勇気など最初から持っていないと歌うパンキッシュな「ChainDreamers」、ライブで絶大な人気を誇るアドレナリン噴出チューン「MOGURA」では畳みかけるアッパーなボーカルと自由奔放なパフォーマンスで魅了し、Aijiが初めてステージの際まで出てギターを弾き客席の熱量を上げていく。

LM.C世界、いや、LM.C宇宙を加速させていったのが中盤のゾーンだった。Aijiがギターを持ち替え、アップライトベースとドラムで生音に近いサウンドが鳴らされたのは10周年のタイミングで発表されたシングル「レインメーカー」のカップリング「左耳のピアス。」。音源ではオーケストラアレンジだったが、今宵は大地や自然の強さと包容力を感じさせるアプローチ。生きていること、いつか死んでしまうことを“忘れてしまわないように ピアスが揺れる”という歌詞が刺さってくる。続いてステージセンターと左右に設置されたミラーボールのまばゆい光の中、演奏されたのは初期の名曲「meteorion」。星々の輝く遥か遠い世界に連れていかれるようだ。なんてLM.Cらしい演出。キラキラと輝いているものは切なくて儚いからこそ、そこに人は夢を描く。

大きな拍手に包まれる中、メンバーがいったんステージを去り、拍手はやがてハンドクラップへと変わっていった。
「活動開始から15周年。ありがとうございます。もうすぐ16周年ですけど。そう考えると20周年ってすぐかなと思うんですが、楽しんでますか? まぁ、ゆっくりいきましょうよ」。MCはmayaらしいマイペースな語り口。10代の頃からライブ映像で見ていた渋谷公会堂だったが、自分が立つことになったらC.C.Lemonホールに名前が変わっていたこと、その後に渋谷公会堂に戻り、改装してLINE CUBE SHIBUYAになった今、この場所に立っていることを振り返り、サラッと10月31日に白金SELENE b2でハロウィンライブを行うことを告知した。

「meteorion」に“10年後の僕達はなにを見てる?って歌詞があるんですけど、10年前の9月30日には渋谷公会堂でライブをやっていてーー。10年後もこうやって同じ場所でライブができるって嬉しいなとさっき歌っていて思いました。ありがとうございます。いろんなハードルを超えてこうやって集まってくれる気持ちを受け取りたいし、とにかく一緒に楽しみたいなと思います」

「Be STRONG, Be POP.」で始まった後半のセクションはLM.Cのライブでおなじみの巨大なLM.Cの電飾ロゴが目の前にあらわれ、再び、吹き上げ花火が上がるど派手な演出。ハッピーなバイブレーションに会場が満たされていった。ダンスチューン「Avocado」では赤と緑のレーザーが飛び交い、スタンダードなメロディとAijiのギターソロが艶やかな「DREAMscape」では青く染まる照明とスモークが幻想的な風景を描き出す。思うように歓声を送れないコロナ禍だからこそ、モノクロームになりがちな気持ちに鮮やかな色をペイントしてくれるようなLM.Cの心意気、ショーアップされたステージングが嬉しい。

新型コロナウイルスで世界中がパンデミックとなった2020年、終わりに向かっているような空気の中、そういう空気に決着をつけたいと思って書いたとmayaが曲紹介をした「End of the End」、間奏で「また一緒に歌おうぜ!」と叫んだ「JUST LIKE THIS!!」も届けられた。

「みなさん、いろいろなタイミング、いろいろな場面で出会ってくれたわけで今日、来れなかった人もそうだし、もしかしたら、LM.Cが存在しない未来で、今日のライブの映像にたどり着いて見てくれる人がいるかもしれない。そんな人も含めて、改めて、この曲を! trust me!」
“あの星をつかまえて 君にあげるよ”と歌うLM.Cのファンタジックで少しシニカルで大切なメッセージが今もキラキラと光る初期のナンバー「LIAR LIAR」からの終盤戦は天井のオブジェがついに下に降りてきた「The LOVE SONG」、仏教をモチーフにみごとにハイブリッドなロックに昇華した「The BUDDHA」、mayaが「ネクストソング! LM.Cの志!」と叫んだ「PUNKY ♥ HEART」までハイにならずにはいられない展開。上手、下手で揺れるフラッグや2015年8月8日の渋谷公会堂でのメッセージ入りの垂れ幕までステージに登場し、アニバーサリーにふさわしいパーティ感マックスのエンディングだった。

結成以来、いつものようにアンコールはなしの潔さ。一言も喋らなかったAijiは「どうもありがとう。あと9日で16周年、ギリギリです。会場にどうしても来られなかった方がいらっしゃるので、それだけが心残りですが、そんな人たちが来られるような未来、ツアーで俺たちが逢いにいければと思っております。お友達とか来られない人がいたら、よろしくお伝えください。この2年間ぐらいカオスな中でみなさん生きていらっしゃって、我々も必死でやれることを模索してきて、15周年にたどり着いたわけですが、mayaが言ったようにこのままいくとすぐ20周年が来ちゃう気がして、その時に今日、来られなかった人もまた来てほしいと思うし、LM.Cらしいライブをまたできたらいいなと思っております」と感謝の言葉を。mayaは「この人生で、このLM.Cでよかったなと思います」と伝え、拍手はいつまでも鳴り止まなかった。

SET LIST

01. LET ME' CRAZY!!
02. Elephant in the Room
03. Virtual Quest
04. GaMuShaRa
05. In Future, New Sensation
06. ChainDreamers
07. Panic Time
08. MOGURA
09. No Emotion
10. 左耳のピアス。
11. meteorion
12. Be STRONG, Be POP.
13. Ah Hah!
14. pOlyLifE
15. Avocado
16. DREAMscape
17. End of the End
18. JUST LIKE THIS!!
19. LIARR LIARRR
20. The LOVE SONG
21. The BUDDHA
22. PUNKY ♥ HEART

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