G-FREAK FACTORYが、ともに歩んだファンたちと迎えた結成25周年記念ワンマンライブ@日比谷野音をレポート!

ライブレポート | 2022.10.31 18:30

G-FREAK FACTORY 25th ANNIVERSARY ONE MAN LIVE
2022年10月23日(日)日比谷野外大音楽堂

G-FREAK FACTORYが、日比谷野外大音楽堂にて結成25周年記念ワンマンライブ『G-FREAK FACTORY 25th ANNIVERSARY ONE MAN LIVE』を開催。2018年7月21日、初の日比谷野音公演以来、約4年ぶりにこの地に立つ。前回は渡部“PxOxN”寛之(Dr)が加入してまもないタイミングだったし、また、地元群馬の上原梅弦(三味線)やラッパーのNAIKA MCがゲストで駆けつけるなど、賑々しい雰囲気の中で行われた。何より茂木洋晃(Vo)自身が「挑戦」という言葉をライブ中に掲げていた通り、挑み戦う姿勢が滲み出ていたように思う。

しかし、二度目の日比谷野音公演は違った。特にゲストを招かず、茂木、原田季征(Gt)、吉橋伸之(Ba)、“PxOxN”のメンバー4人(*サポートの鍵盤奏者あり)だけでステージをやり遂げ、地に足をつけた威風堂々たる佇まいが印象に残った。しかも今日は完全ソールド・アウトを果たし、ステージに熱いリアクションを送るオーディエンスの歓喜と興奮は前回を優に上回るものであった。

ライブは2nd MINI ALBUM『Northern Light Tribe』収録曲で、オリエンタルな雰囲気を放つ6分台の「大地の勇者たち」でスタート。両手を広げて、観客を迎え入れる壮大なオープニングである。「SOMATO」に入ると、演奏は一気に激しさを増し、重厚なグルーヴと軽快なスカリズムで焚きつけていく。吉橋のスラップベースが火を噴く「乞え-KOE-」を経て、三味線を導入した「REAL SIGN」では地元色の強い歌詞とお経風のヴォーカルで観客の心を揺さぶっていた。

茂木洋晃(Vo)

吉橋伸之(Ba)

「気づいたら25年やってたみたい。残ったから強いんだろ!」と叫ぶと、「日はまだ高く」へ。闇に包まれた日比谷の夜風は気持ちよく、G-FREAK FACTORYの心地いい演奏と溶け合っている。それから1st MINI ALBUM『mi-roots』収録曲で、5th ALBUM『S.O.S』でも再録された「SOUL CONNECTION」に雪崩れ込む。人気曲ゆえに観客の熱狂ぶりも半端ではない。「懐かしい曲やります」と前置きすると、「WHEN THE COUNTRY WAS YOUNG」をプレイ。これも先述した1st MINI ALBUM収録曲だ。この作品はサブスクにないため、CDでしか聴くことができない貴重音源。「20代の頃に作った曲」と説明していたが、豊かな歌心に溢れた曲調は今聴いても全く古さを感じなかった。

原田季征(Gt)

渡部“PxOxN”寛之(Dr)

そして、「チャンダンの香るこの部屋から」を演奏中に「霞ヶ関に向けて、こんな曲がやれるとはね!」と茂木は毒づき、反骨心を忘れない鋭いメッセージ性を帯びた歌詞を熱く歌い上げる。さらに「EVEN」、「Unscramble」、地元の先輩にあたるROGUEに捧げた「アシアトカゼノオト」と繋ぐ流れも良かった。「気持ちいいなあ。野音ってこんなに気持ち良かったっけ」と茂木。前回も天気に恵まれていたものの、今日はTシャツ一枚で過ごせるほど温かく、そこで浴びるサウンドは最高以外の何者でもなかった。

最新シングル表曲「Dandy Lion」はスローテンポのピースフルな曲調で、オープンエアの場所にも抜群にマッチ。「らしくあれと」、「HALF-DONE」をやり終えた後、「25年やってきたけど、通過点でしかない。あっという間の25年、今も辞める理由が一つもねえ!」と力強く宣言。その熱い気持ちを注いだ「Fire」ではスケールのでっかい歌を霞ヶ関に響かせていた。その後に続く「Too oLD To KNoW」、「ダディ・ダーリン」の2連打は、今日のハイライトと言っていい。バンドとファンの心が一つに重なり、抑えの効かない感情の高ぶりが会場を満たす。特に後者は明るい未来を希求するメッセージ性を孕んだ楽曲になっている。前回との大きな違いは親子連れの観客が詰めかけており、曲間に小さな子供たちの声が聞こえることも多々あった。G-FREAK FACTORYと同時代を過ごしたファンが25年の間に人の親となり、子供と一緒にライブを楽しんでいるのだ。彼らの音楽が世代を跨ぎ、引き継がれ、愛されているという事実。そうした景色も、座席指定の日比谷野音だからこそ観られた光景かもしれない。とても素敵なことだなと感じた。

「いつかあの子たちが日比谷に立ったら、俺たちも立たせてもらおう(笑)。サンキュー、日比谷!」と告げ、本編を「GOOD OLD SHINY DAYS」で締め括った。演奏が終わると、すぐさまアンコールを求めるハンドクラップが起きていた。それに応えてメンバー4人が再び現れると、最新シングルから「STAY ON YOU」を披露。ラストは「島生民」、「Sunny Island Story」と畳み掛け、観客は一人残らず、天に両手をかざしてノッていた。満杯に埋まった日比谷野音が、まるでお花畑状態と化す様はちょっと感動的だった。前回も同じ気持ちだったけれど、今日のステージもずっと忘れないだろう。またいつか、3度目となる日比谷野音公演を是非やってほしい。

SET LIST

01. 大地の勇者たち
02. SOMATO
03. 乞え-KOE-
04. REAL SIGN
05. 日はまだ高く
06. SOUL CONNECTION
07. WHEN THE COUNTRY WAS YOUNG
08. チャンダンの香るこの部屋から
09. EVEN
10. Unscramble
11. アシアトカゼノオト
12. Dandy Lion
13. らしくあれと
14. HALF-DONE
15. Fire
16. Too oLD To KNoW
17. ダディ・ダーリン
18. GOOD OLD SHINY DAYS

ENCORE
01. STAY ON YOU
02. 島生民
03. Sunny Island Story

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