ラックライフ、ツアー完結!Wタイアップの新曲も披露

ライブレポート | 2022.11.26 12:00

ラックライフ Presents TOUR 2022〜TeToTeToTe〜 FINAL
2022年11月19日(土) Spotify O-WEST

“ラックライフ、ゲストバンド、観客の3つの手がぎゅっと重なるように”という思いがタイトルに込められた「ラックライフ Presents TOUR 2022~TeToTeToTe~」。彼らがリスペクトするバンドを招き、馴染みのあるライブハウスを回る全国10箇所のツーマンライブを経て、ファイナルシリーズとしてSpotify O-WESTにてワンマンライブを2days開催した。各日異なるセットリストで展開した2日間は、ツアーの充実やこれまでの歩み、2023年への意気込みなどが感じられる、等身大の彼らの実直さに圧倒される時間だった。
最終日となる11月19日。LOVE大石(Dr)、たく(Ba)、ikoma(Gt/Cho)、PON(Vo&Gt)の順にメンバーがステージへ登場すると、PONの弾き語りからバンドが入り「Ravers」でライブがスタートした。やわらかいメロディと豪快なバンドサウンドのコントラストは非常にフレッシュで、メンバー全員がその瞬間に心に湧き上がった熱量をクリアに音へと昇華していた。
その後も「初めの一歩」や「ブレイバー」と、10年以上のバンド人生が培ったプレイと荒々しさでフロアの心を掴んでいった。メンバーそれぞれの音の主張は強いにもかかわらず、それぞれがそれぞれの場所から自由に鳴らした音は一切の迷いなく華麗に“ラックライフ”という的の中心を射抜いていく。結成からメンバーチェンジも活動休止もなく歩み続けてきたバンドの結束力は伊達じゃない。

PON(Vo&Gt)

ikoma(Gt/Cho)

たく(Ba)

LOVE大石(Dr)

ライブハウスで磨き上げてきた筋力と感性は「リフレイン」、「赤い糸」などで血が湧きたつようなエネルギーを続々と生み出し、その姿と音色はフロアの感情もブーストさせていった。わずかな曲間でメンバー同士会話を交わしたり、PONはたくのベースソロをユーモラスに引き立てたり、ikomaのギターソロに対して観客に“大きな拍手を!”と呼び掛けるなど、非常に和気あいあいとした空気感。ライブという空間が生活にも身体にも染みついて取れない4人なのだと再確認させられるシーンだった。
PONがツアーを振り返り“ハピネスバズーカだよね!”と言うと、ikomaが“最近PONの言うてることようわからん”とクールにいなすという朗らかなラリーが繰り広げられると、PONは“しょうもないことばっか言うてるけど、音楽だけはまっすぐに。言いたいこと、守りたいこと、大切にしたいことを歌にしています”と語り、自分たちのスタイルを支持してくれる人々の存在に感謝を示した。その心意気がより明確に表れたのが「Naru」、「Over」、「風が吹く街」の3曲だった。歌詞の“放て”という言葉の強さ、心にねじ込んでくるような歌、正攻法のギターロックでしか出せない青々しくて前のめりで情熱的な音、まさに“あなたの心に刺さって抜けない歌を歌います”の体現だ。

たくが“PONがたまに人のライブを観たときに、ステージからキラキラが見えるって言うけど、仙台のライブで自分たちからそのキラキラが見えた。そんなん初めてやった。久しぶりに会ったバンド仲間がいて、久しぶりに来たライブハウスがあって、僕らとお客さんが一体になった瞬間やったと思う”と、PONが“ライブハウスで出会った名前も知らないあなたを家で思い出したりすんねんな。それくらい俺らの中にはライブハウスが流れてるんやと思う”話していたように、ラックライフの音楽は目の前にいる観客一人ひとりの心を目掛けているからこそ、ここまで高いエネルギーを放出できるのだろう。「君の匂い」と「僕ら」とロックバラードで繊細かつ力強い演奏と歌声でじっくりと曲の世界に引き込んだ後の「明日になれば」は、ライブハウスで出会った同志たちに笑顔で語り掛けるような、やわらかくて無邪気で大きなサウンドスケープだった。
PONは自分たちの音楽を必要としてくれているファンの存在を貴ぶと、“情けないダメ男みたいなこと言うけど、あなたに必要だと言ってもらいたい。あなたに喜んでもらえたらうれしいから、また頑張ろうって思える。こんなに強い関係ないと思うねん。この関係をずっと続けられるように俺らもかっこよくありたい。一生懸命心を込めて歌っていきます”と告げ、本編ラストは「Hand」。フロアに上がったたくさんの手が、彼らの音と思いをしっかりと受け取っていた。

アンコールでは東名阪札を回るツアー“ラックライフ Presents TOUR 2023 「Because of you」”を発表。ファイナルのEX THEATER ROPPONGIは結成15周年記念日の開催となる。“2023年は結成15周年やし、いろいろありますよ!っちゅう話です!”という大石の言葉に続き、PONも“皆さんと一緒にわくわくバンドができたらなと思っています”と述べると、フロアからは歓迎の拍手が湧いた。
2023年1月にリリースされる両A面シングル『しるし / ℃』について“これからライブで大切に歌っていきたい2曲”と語ると、前日の「しるし」に続きこの日は「℃」を初披露。“触れ合うことで自分のことやあなたとの違いがわかる。あなたがいてくれるから、俺たちはいろんなことを感じられる”という思いが込められた楽曲をエネルギッシュに届け、持っているパワーをすべて放出するように「サニーデイ」へ。ツアーの締めくくりとしてバンドとファンの未来を誓うような、全身全霊の演奏を届けた。
これだけ感情を焚きつけるようなライブを繰り広げられて観客の熱は冷めるわけもなく拍手が鳴りやまない。ダブルアンコールはなかったもののPONとたくが挨拶のためステージに戻り、“来年リリースもツアーもありますんで、またライブハウスでお待ちしてます。みんな元気で生きていってくれ、ありがとうな~!!”というPONの言葉で2ヶ月にわたるツアーの幕は閉じた。
次のツアータイトルの“Because of you”は、“あなたのおかげで”と“あなたのせいで”のふたつの意味を持つ言葉。PONはMCで“あなたのおかげで続けてこれたし、あなたのせいで続いてしまった”と笑っていたが、バンドが15年続くということは、目の前にいる観客と真摯に向き合ってきた証でもあると思う。名前も知らない“あなた”との時間で様々なことを感じ続けられるからホットな新曲が生まれ、成長を求め続けるからフレッシュなライブを実現できる。自分たちが考える“かっこいい”を貫き続けるラックライフに、多大なる勇気をもらった夜だった。

SET LIST

01. Ravers
02. 初めの一歩
03. ブレイバー
04. リフレイン
05. 赤い糸
06. MUSIC STAR
07. フールズ
08. けんけんぱ
09. Naru
10. Over
11. 風が吹く街
12. Hug
13. 君の匂い
14. 僕ら
15. 明日になれば
16. 幸せであれ
17. Hand

ENCORE
01. ℃
02. サニーデイ

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公演情報

DISK GARAGE公演

ラックライフ Presents TOUR 2023 「Because of you」

2023年2月17日(金) 心斎橋 BIGCAT ※ワンマンライブ
2023年2月25日(土) 名古屋 ボトムライン ※GUESTあり
2023年3月4日(土) 札幌 SPiCE ※GUESTあり

ラックライフ Presents 15th Anniversary 「Because of you」

2023年3月15日(水) EX THEATER ROPPONGI

チケット一般発売日:2023年1月28日(土)10:00〜 各プレイガイドにて発売

【オフィシャル先行】

受付期間:12/3(土)18:00~12/20(火)23:59 受付URL:https://eplus.jp/lucklife-2023hp/ ※お申し込みには会員登録が必要となります。

共鳴レンサ「DISK GARAGE presents 共鳴レンサツアー 〜アニメスペシャル〜」

2023年1月5日(木) UMEDA CLUB QUATTRO
2023年1月6日(金) 名古屋CLUB QUATTRO
2023年1月16日(月) 渋谷CLUB QUATTRO

出演:FLOW/ラックライフ/BURNOUT SYNDROMES

チケット一般発売日::2022年11月26日(土) 12:00~

RELEASE

「しるし / ℃」【文豪盤】

「℃ / しるし」【ツルネ盤】

2023年1月25日(水)SALE
TVアニメ「文豪ストレイドッグス」第4シーズンのED主題歌「しるし」・ TVアニメ「ツルネ -つながりの一射-」OP主題歌「℃」を収録。【文豪盤】【ツルネ盤】の両A面2形態、両シングルBD付き
詳細⇒https://lantis.jp/artist/lucklife/news.html
  • 沖 さやこ

    取材・文

    沖 さやこ

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  • 撮影

    佐藤広理

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