ClariS、初の冬のコンセプトコンサート、2人のクリスタルボイスでクリスマスムードを演出

ライブレポート | 2022.12.23 17:00

ClariS HALL CONCERT 2022〜Let's Snow Parade!〜
2022年12月16日(金)TOKYO DOME CITY HALL 

2010年に中学生女性デュオとしてメジャーデビュー、素顔を明かさず活動を始めたClariS。当時、中学生でありながらも魅力的なクリスタルボイスとミステリアスな雰囲気、そしてタイアップ曲のヒット連発により、一躍注目を集めた。2014年にオリジナルメンバーのアリスが卒業し、クララと新メンバーのカレンという現在の2人になり、2017年よりライブでは素顔でパフォーマンスするように。そんなClariSの2022年はフジテレビ「MUSIC FAIR」など地上波番組への出演、ドキュメンタリー番組「ClariS『新章』」の放送、そして「THE FIRST TAKE」に初登場と飛躍の年となった。そんな2022年の締めくくりとなるのが12月16日(金)、17日(土)に行われた「ClariS HALL CONCERT 2022~Let’s Snow Parade!~」。12月7日(水)にリリースされた冬をコンセプトに、新曲とカバー曲で構成されたミニアルバム『WINTER TRACKS -冬のうた-』を軸に、クリスマス&パーティムードと2022年を振り返る盛りだくさんのライブになった。

暗転すると、20世紀FOXの映画が始まる前に流れるようなファンファーレが高らかに鳴り響くと、今度は「It’s showtime!!」とイントロと共にクララとカレンの「LADY&GENTLEMAN! BOYS&GIRLS! WELCOME TO ClariS HALL CONCERT! LET’S ENJOY TOGETHER! ARE YOU READY?」とサーカスの前口上のようなセリフが聴こえたらステージ左右に分かれて2人が登場。後方のカーテンの色と同じく深紅のドレスでアダルトに。刻むステップも軽やかで、二人が奏でるハーモニーも美しく。女性ダンサー6人もドレス姿、男性ダンサー2人はタキシード、女性コーラス3人もシックな衣装で、ステージ上はまるでパーティ会場。まるでテーマパークのショータイムを見ているかのよう。「おいでShall we dance? Sing a song!一緒に!」と会場のお客さんを誘いながらも「Ah ずっとずっと会いたかったキミに 会えた 会えた Happy!」とたくさんのお客さんと会えた喜びも表現したような歌詞でピッタリ。

続く「Fairy Party」も秘密の夜会へ誘うような曲で、「ようこそ」と手を広げるポーズや足を交互に跳ね上げるチャールストンダンスも披露。雷鳴が響き渡り、モニターに洋館が映し出されると「Sweet Holic」。上空には赤い月の下、かわいい幽霊が漂う妖しさがあり、歌詞も「Trick or treat?」とハロウィンのような雰囲気。ポップな曲調といろいろな効果音が交じり合うオケ、そして二人の歌声にどこかせつなさを感じる不思議な曲。ダンサーと共に両手を前に出すお化けポーズを見せた後、アウトロではダンサーたちが前に倒れるという演出にもビックリ。ここまでライブというより2人が主役の外国映画やミュージカルを見ているような気分に。

ダンサーがはけて、2人きりになるとスカのリズムのかわいいポップチューンの「ヒトリゴト」で、笑顔満面になり、振付も大きく、元気に。いつものクララとカレンが見られてちょっとホッとしたような。次の「Prism」ではキラキラ感あふれるイントロにのって、「やっと会えたね 二つの軌跡におめでとう」という歌い出しで手をつなぐと、その後も何度か手をつなぐ振り付けがある。サンリオの「リトルツインスターズ」とのコラボ曲で、キキとララ同様に、クララとカレンが出会えた軌跡や喜びを歌っているため、二人の仲良しぶりが顕著に。後方のモニターにはクララのイメージカラーのピンクとカレンのイメージカラーのグリーンの帯が現れ、交わると素敵なツリーになって、トナカイやプレゼントボックス、雪の結晶などが飛び交うファンタジックな映像が華を添えた。

鈴の音が鳴ると、2人と入れ替わるようにシスター姿に着替えたコーラスの3人が入場し、「きよしこの夜」や「ホワイトクリスマス」、「ジングルベル」などクリスマスソングのメドレーを披露。その後、青一色のドレスに、頭にティアラを付けたクララが現れるとクララのソロバラード曲「ウソツキ」。悲恋のラブソングらしく、クララは終始せつない表情で、歌声も悲しい。モニターには時計の数字がバラバラに浮かび、長針を短針が追いかけるもずっと追いつかない。曲のラストで、クララが「ウソツキ」とつぶやいて去ると、やっと長針と短針が重なった。

澄んだ冬の空気感とキラキラ感のあるイントロと共にカレンが「eternally」を歌いながら登場し、次のフレーズではクララも登場。二人共、おそろいの白いドレス姿で、2本指を立てたり、横に揺れるステップなどまるで鏡写しのような振り付け。オーディエンスもピンクとグリーンのペンライトを振りながらステージ上の2人を優しく見つめていた。

「ひとつだけ」はクララがステージ左、カレンが右に分かれて歌い出し、徐々に中央に歩み寄っていき、大サビで二人が横に並んで上方を見上げた。そしてラストフレーズでは見つめ合いながら歌った。「想いはただ一つ」と。「グラスプ」では、モニターには月がまだ出ている早朝から雪が降り出し、時に吹雪になったり刻々と変わる風景が映し出され、二人の振り付けも雪が降る様子などを表現。しばらくバラード&ミディアム曲が続き、二人のクリスタルボイスとハーモニーの美しさ、あふれ出る情感を堪能。

ここでリリースされたばかりの『WINTER TRACKS -冬のうた-』の新曲「スノーライト」。軽やかなクリスマスソングで、コーラスやハモりも多く、楽しいナンバー。二人も楽しそうに体を揺らしたり、ステップを刻んだり、曲途中で目を合わせてニッコリするシーンも。サビではオーディエンスと一緒に曲に合わせて手を左右に振った。

「ここからはカバー曲コーナーです。ペンライトをオレンジにしてくださ~い!」とお願いすると「WHITE BREATH」(原曲:T.M.Revolution)。この曲を女性2人で歌っているのを聴く機会がないので新鮮。クララとカレンの歌と振付はオケの熱さに負けず劣らず。男性ダンサー2人が登場し、オレンジのペンライトを両手に持ち、オタ芸よろしく激しく踊りまくりながら振るのがおもしろく、2人が歌い終わるとバタっとうつ伏せに倒れた。「White Love」(原曲:SPEED)のイントロが流れると会場のペンライトが真っ白になり、より幻想的なムードに。オリジナルは女性4人組だが、2人で歌うことで交互にソロパートをとることで変化が感じられる。2番手前の吐息もしっかり表現、サビの「果てしない」のニュアンスもバッチリで、フレーズに合わせて振られるペンライトも美しい。「ORION」(原曲:中島美嘉)も2人のさわやかな歌声から元からデュエット曲だったように思えるほどしっくりときた。ステージに一人残ったクララが歌うのは「サイレント・イヴ」(原曲:辛島美登里)。四方からのピンスポットが集中する中、優しく歌い上げる。

90年代から2000年代のJ-POPの名曲たちをカバーしているが大胆にアレンジするのではなく、原曲の良さをそのままながらもClariSらしく歌うことで、今の曲として聴けて、更にウインターソングとClariSの相性の良さを発見できた。

清らかな空気が漂う会場に、和笛や琴の音が鳴り響くと和装束に身を包んだカレンが。ここまでの衣装と雰囲気とのギャップに驚き! 和テイスト曲「Butterfly Regret」のカレンソロバージョンで披露。男性ダンサー2人がキツネ面をつけて、バックには鳥居や和風屋敷の絵が映し出される中、扇子を手に華麗に舞う。曲が終わった後も和楽器のインストぬのって扇子を手に、足を垂直に上げたり、カレンのキレのあるダンスで会場を魅了。

男性ダンサー2人によるヒゲダンス(志村けんさんと加藤茶さんのお笑いレジェンドによるコンビ芸)で盛り上げた後、それぞれイメージカラーのドレス、そしてシュシュ、ペンライト持った2人が「皆さん後半戦も行きますよ!」、「踊るよ!せーの!」と歌い出したのはアッパーナンバーの「Brave」。テンポが速い曲を歌いながら、振付も激しいのにそれを事もなげにやってのけるすごさ。しなやかなクララ、ダイナミックなカレンと違うタイプのダンスで魅せる。そして「border」のイントロが聴こえた瞬間、会場のクラップはより速く、大きく。サビになるとエモさが炸裂、お客さんの頭や方の揺れが激しくなった。「again」、「STEP」、「コネクト」とライブのキラーチューン&人気曲のラッシュで会場の一体感は最高潮。

オルゴールの音が鳴ると「今日は素敵な冬の想い出をありがとう」「来てくださって本当にありがとうございます」とお礼を述べて「カラフル」に。終盤に来ても2人はエネルギッシュかつエモーショナルにパフォーマンス。後方のモニターには雪のツリーや結晶が浮かび、最後はスノードームの中に2人のシルエットが映し出された。

アンコールではまずステージを盛り上げてくれたダンサー&コーラスを紹介。パフォーマンスだけでなく、このコーナーで紹介役を担当したダンサーの熊谷拓明さんは『シルク・ド・ソレイユ』出身、コーラスには松任谷由実さんや久保田利伸さんなどのライブのコーラスを担当していたAMAZONSから大滝裕子さん、吉川智子さんの2人に同じく松任谷由美さん、鈴木雅之さん、浜崎あゆみさんのコーラス、振付を担当した濱田Peco美和子さんらが参加するなどそうそうたるメンバーと知って驚き。紹介が終わると「みんな、もうそろそろ会いたいでしょ? 最後に紹介します。我らのClariS!」と叫ぶと「仮面ジュブナイル」のイントロが流れ、口から上を覆うウサギと猫のマスクを着けたクララとカレンが再登場! ジャジーになったり、ブギになったりと曲自体がミュージカルのような楽曲にのって、ライブ前半の時のように13人そろってのにぎやかかつ、華やかなパフォーマンス。元気で大きな渕付で2人のチェックのスカートも大きく揺れる。2人のマスクの下からのぞく口元を見るだけでも楽しそう。アウトロになると2人で笑顔で見つめ合いながら「カレンだったらどこでも楽しい!」「じゃあこれからも新しい景色一緒に見ようね」と掛け合い、そして客席に視線を移すと声を合わせて「みんなも一緒についてきてね!」と誘う。

歌い終わってメンバーを送り出すと、なんとこの日最初となるMC。「冬をコンセプトにしたステージをやったことがなかったので、今までとは違う私たちを見ていただけたのかなと思います」(クララ)、「この会場はイベントで来たことがあるけど、ワンマンでは初めてで。近くないですか? 3階まで届きそう。そんなに手は長くないですけど(笑)」(カレン)。そしてさらにクララは客席を見渡し、「皆さんマスクをしていても笑顔でいてくれるのがわかるんです。そんな時間を共有できて嬉しかったです」。カレンは「このコンサートはClariSとしては今年最後の公演になるんですけど、それにふさわしいステージになったんじゃないかなと。過去最大の人数でステージをお届けしました。カレンは事前に『今回はワーっていうコンサートになるよ』と言っていましたが皆さんに伝わりましたか?」とお客さんに尋ねると大きな拍手が起き、「嬉しい!ありがとうございます!」。続いてクララが「ショーやパレードみたいな楽しい時間を提供したいな。笑顔になれるステージを作りたいなと思って、ステージを作ってきました。私たちが『歌のプレゼントをするね』と言っていたけど、逆に皆さんから笑顔のプレゼントをもらって、改めて最高の1年だったなと思っています。ありがとうございます」と言うと2人そろって深々と頭を下げた。

そしてこのコンサートの衣装のアイデアはクララが考えたそうで、各衣装のコンセプトも自身でご紹介。更にクララが「ここ2、3年はコロナであまり活動できていなかったけど、久しぶりに有観客ライブができたり、いろいろなことに挑戦できた1年でした。濃い1年だったからみんなと一緒に2022年を振り返ってみたいなとこんなものを用意しました!」と言うと、モニターには2022年にClariSの活動を示した表が! 見ながらそれぞれを振り返っていく2人だがどれも想い出深く言葉が尽きない。スライド3枚に渡るボリュームでその充実ぶりが改めてわかる。

そしてこれからのClariSの初出し情報も! まず今年8月にスマッシュヒットを記録した「ALIVE」の完全生産限定盤が2023年2月8日にリリース! そして2023年のワンマンライブ一発目となる5月6日、7日にZepp Hanedaにて開催決定!「過去いちくらいしゃべったんじゃないかな」とクララが話すくらいのMCゾーンが終わって、最後に歌うのは「今後も大切に歌っていきたい」と語っていた「ALIVE」。エモーショナルな歌声とダンス、会場のペンライトもブルーに染まって大きく激しく揺れた。歌い終わると「ペンライトきれい。ブルーなのは私が言ったこと覚えていてくれたのかな?」(クララ)と感動。そして「今日は素敵な想い出をありがとうございました!」と再び頭を下げる。ステージを去っていく途中、お互い笑いながら、後ろ脚で蹴りあうおちゃめな仕草に会場から笑いも。いよいよ2人の姿が見えるギリギリのところで、「せ~の! メリークラリスマス!」のクリスマスメッセージを届けて、ライブは終わった。演奏曲を紹介する映像が流れた後にも2人の直筆メッセージも映し出された。

ClariSの音源を聴くとクリスタルボイスの歌声のクオリティにアーティスト然としたイメージを抱いていたが、ライブではダンスなどのパフォーマンスが想像以上に激しいことに驚いた。しなやかでクールなクララと元気でダイナミックなカレンというのはダンスパフォーマンスからもわかったが、MCでもその特色が出ていたのもおもしろかった(クララが意外に天然なところも)。
 このライブと『WINTER TRACKS』からClariSの歌声が冬の楽曲ととても相性がいいことを再確認(なんと言っても2人の歌声はクリスタルだから)。そしてライブを見ないと本当のClariSの魅力の100%は伝わらないと。「今日は冬の想い出を皆さんと作れて素敵な時間になりました」(クララ)、「忘れられない冬になったと思います」(カレン)と2人は言ってくれたが、一足早いクリスマスを楽しませてもらいつつ、2023年は更に翼を広げるであろうと予感させるステージだった。

SET LIST

12/16(金)、12/17(土)「ClariS HALL CONCERT 2022 〜Let's Snow Parade !〜」
@TOKYO DOME CITY HALL

01. Itʼs showtime!!
02. Fairy Party
03. Sweet Holic
04. ヒトリゴト
05. Prism
06. ウソツキ
07. eternally
08. ひとつだけ
09. グラスプ
10. スノーライト
11. WHITE BREATH
12. White Love
13. . ORION
14. サイレント・イヴ
15. Butterfly Regret
16. Brave(※17日 昼公演のみ「blossom」)
17. border
18. again
19. STEP(※17日 昼公演のみ「irony」)
20. コネクト
21. カラフル

ENCORE
01. 仮面ジュブナイル
02. ALIVE

公演情報

DISK GARAGE公演

ClariS Spring LIVE 2023 in Zepp Haneda

2023年5月6日(土) Zepp Haneda(TOKYO)
開場 17:00/開演 18:00 (予定)
2023年5月7日(日) Zepp Haneda(TOKYO)
開場 16:00/開演 17:00 (予定)

1F立見 8,000円(税込)
2F指定 8,500円(税込)

LIVE出演情報

リスアニ!LIVE 2023
2023年1月28日(土)29日(日) 日本武道館

29日(日) SUNDAY STAGE
開場14:00/開演15:00(予定)

出演:ASCA/angela/内田真礼/ClariS/KOTOKO/JUNNA/Who-ya Extended/fripSide
MC:青木佑磨/冨田明宏(日替わり)

イベント詳細はこちら

オダイバ‼︎超次元音楽祭-ヨコハマからハッピーバレンタインフェス2023-
2023年2月11日(土)12日(日) ぴあアリーナMM

15:00開場 / 16:00開演

11日(土) 出演:angela、入野自由、大橋彩香、畠中 祐、宮野真守、ミュージカル『刀剣乱舞』 刀剣男士、R3BIRTH

12日(日) 出演:藍井エイル、内田真礼、ClariS、GRANRODEO、三森すずこ、Morfonica、山下大輝、Liella!

MC(両日):バナナマン

イベント詳細はこちら

RELEASE

『ALIVE』(完全生産限定盤)

シングル

『ALIVE』(完全生産限定盤)

2023年2月8日(水)SALE

▼ご予約はこちら
https://claris.lnk.to/ALIVE_kanzenbann_pkg

<商品情報>
完全生産限定盤 3,080(税込) VVCL-2178 ~ VVCL-2179
[CD]
1. ALIVE
2. ループ
3. 忘れてもいいよ
4. ALIVE -TV MIX-
5. ALIVE LycoReco Version
6. ALIVE - From THE FIRST TAKE

[DVD]
TVアニメ「リコリス・リコイル」ノンクレジットオープニング映像

<完全生産限定盤スペシャル特典>
※TVアニメ「リコリス・リコイル」描き下ろしLPサイズ大型ジャケット仕様
※2つ折りオリジナル「リコリス・リコイル」ポスター同梱
※ピクチャーレーベル仕様
『WINTER TRACKS -冬のうた-』

ミニアルバム

『WINTER TRACKS -冬のうた-』

2022年12月7日(水)SALE

ClariSが贈る季節をテーマにしたコンセプトミニアルバム第3弾冬編!
※通常盤、初回生産限定盤
  • 永井和幸

    取材・文

    永井和幸

  • 撮影

    平野タカシ

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