そらる、デビュー15周年イヤーに相応しい有明アリーナで豪華ゲストに新曲発表、3年ぶりの声出しOKライブを敢行!

ライブレポート | 2023.01.16 19:00

SORARU ARENA LIVE 2023 -クリスタリアルスカイ- ナイトグロウ
2023年1月8日(日)有明アリーナ

そらるが2023年1月7日(土)・8日(日)に、有明アリーナ(東京都江東区)でワンマンライブ「SORARU ARENA LIVE 2023 -クリスタリアルスカイ-」を開いた。7日は“青空”をテーマにした「スカイライト」。2日目は“夜空”をイメージした「ナイトグロウ」と題し、各日ごとに異なる豪華なゲストが登場。記事では8日にあらき、うらたぬき、Sou、luzを招いて開催したステージの様子をレポートする。

有明アリーナでワンマンライブを行うことを公表したのは、昨年の11月3日。そらるの誕生日を記念して行ったYouTube配信の中で明かされたサプライズにファンは歓喜した。溢れる期待を示すように、用意されたチケットは全席ソールドアウトし、会場では開演前から青く輝く“はんぺんらいと”が揺れていた。

バンドメンバーが定位置に着くと、最後にそらるがステージの中央へ。「10」から始まったカウントダウンが終わると、にじむようなギターが印象的な「銀の祈誓」でライブが幕を開けた。

舞台の足下から天井まで背後一面に設置されたスクリーンには、星が銀河の中を駆け抜けていくような新規映像が映る。疾走感あふれる楽曲に乗せて、そらるは気持ちよさそうに身体を揺らしながら想いを届けている。

躍動感ある冒頭から一転。「♪さよならはあなたから言った」と歌い出した「シャルル」では、力強い歌声で聴衆をくぎ付けに。ステージの真ん中に置かれたソファーに腰かけて歌った「burnable」ではメロディアスな演奏に乗せ、伸びやかな歌声を響かせた。

最初のMCでは「昨日も来てくれた人も多いと思うんですけど、楽しかったね、昨日は。今日は昨日よりもさらに楽しませるつもりでフルスロットルで頑張るんでよろしく!」と気炎。満員の客席を見渡すと「12月31日に筋トレをしていたら、腰と首を痛めて、4日ぐらい立つことができず、丸まって過ごしていました」とつらい年末年始だったことを明かした。「昨日は死ぬほど腰が痛くて、今日が心配だったけど、昨日お客さんからパワーをもらったので絶好調です!」と笑顔に。デビュー15周年イヤーの走り出しにふさわしい盛りだくさんのライブを見せたいと意気込んでいた。

そらるの背中を押すように、割れんばかりの拍手で始まった「コールボーイ」から、会場に闇が広がっていく。「♪とぅ とぅる とぅ とぅ とぅる」と毒気をにじませた「神っぽいな」では「♪かっけえ…」とシャウト。続く「マダママゴト」ではイントロから頭上クラップを求め、会場とひとつになっていた。
2度目のMCでは「一旦ちょっと座りましょうか」と呼びかけ、「今年でそらるは15周年になります。長くやれたのは、みんなのおかげ。結婚15周年目の『水晶婚式』にかけて、(ライブタイトルを)『クリスタリアルスカイ』としました。夢みたいな現実をという意味を込めました」と説明。さらに3年ぶりにライブでの声出しを解禁したことにも触れ、「オンラインライブも良いけど、やっぱりみんなの声を聞くことで安心して歌うことができるって気付きました。みんなの顔を見て演るライブが最高」と観客とのやり取りが少しずつ緩和されていることを喜んでいた。

コロナ禍の2021年9月に4枚目のアルバム「ゆめをきかせて」をリリースしたそらる。「みんなで声を出せるようになったら歌いたいと思っていた曲をやります。分かる人は一緒に歌って」と、アルバムに収録した「ぼくを叱って」を熱唱。会場に集まったファンに「♪大丈夫」と語りかけるように歌った最後には、声が届いたという気持ちを体現するように、左手を胸に置き愛おしそうに客席を見つめていた。

「五線譜のタイムマシン」ではト音記号などの音符が五線譜の中を軽やかに舞う新規映像が流れた。時折り瞳を閉じるそらるの姿は、歌いながら15年間を回想しているようだった。美しいファルセットで酔わせた「366日」の後は、ステージの前に長く伸びた花道へと歩き出し、センターステージへと移動。スクリーンに七色の星が輝く中で「愛言葉Ⅳ」を歌うと中盤には、「♪ヤダ」「♪タダ」「♪バカ」とそらるの声にオーディエンスがかけ合う場面もあり、大盛り上がりになっていた。

ゲストを招いた後半戦。最初に呼び込まれたうらたぬきは、ソファーに座っていたそらるの膝に乗る“ボケ”も見せたが、「けが人!けが人!かさぶたになってるらしいから」と慌てたそらる。様子を見たうらたぬきはニヤニヤしながら「よちよち」と腰をさすって慰めていた。初詣で引いたおみくじが「小吉だった」と語ったうらたぬき。そらるが「身長運は?」とつっこむと、“コンパクト”なうらたぬきは「ねぇよ。バカだろ!」とそらるをにらみつけていた。コンビのようなかけ合いを見せたふたりは、歌い始めた「金星のダンス」でも息ぴったり。「♪金星のダンスでオーデオーナイ!」とあおると、会場は一気にヒートアップした。

2人目は「あまり呼びたくないんですが…」と紹介したluz。まさかの展開に「ちょっとひどくないですか?」とそらるに迫ると、そらるはluzのiPhoneがあり得ないくらい壊れていることに触れ、「いつ壊れたの?」と質問。「気づいたらああなってました」と答えたluzに「怖い。不気味。人の形をした何か…」と目線をそらしていた。luzの天然ぶりにペースを乱されていたそらる。うなだれた様子を見たluzは「そらるさんが女の子だったら、絶対結婚したい」とまさかの告白。そらるは「絶対いや。見た目がホストだし」と拒否していた。

MCではかみ合わない両者だったが、共演した「カーシィマーシィ」では、迫力満点の歌声で聴き手を異世界に引き込んでいく。ふたりが描かれたMVが映し出される中で、おどろおどろしい空間を生み出していた。

歌い終えたそらるは「怖かったですね。ちょっとしたホラーでした」とluzを見送ると、「歌い手界隈ではトップの常識人。しゃべって心を落ち着けたい」とあらきを舞台に招き入れ。「来てほしかったけど、あんまり一緒に歌いたくない…。歌うまお化けなんだもん」と下を向きつつ、「ボッカデラベリタ」とタイトルコール。そらるの「ぶちかまして行って下さい」の呼びかけに頷いたあらきは、耳をつんざくようなハイトーンボイスを会場に響き渡らせていく。歌でバトルするような緊張感。お互いを称え合うように、歌唱後は拳を合わせて満面の笑みを見せていた。

「歌がうめえ!」とあらきを見送ったそらるは、「僕は15年間かけて少しずつうまくなって来たので、80歳くらいになったらあらきさんぐらいうまくなれてるんじゃないかと思う」と自分に言い聞かせるようにコメント。「殺伐とした空気を柔らかく戻したいな」と最後のゲスト、Souを呼び込んだ。7年ぶりに共演すると語ったSouとは「ベノム」を披露。かけ合いも見せ、ほんわかとした空気で会場を包んでいた。

「次が最後の曲」と口を開くと、観客席から「えー‼」と落胆した声。そらるは「えー‼」が聞けるのもうれしいとしながら、「かの有名な作曲家・まふまふさんがこのライブのために、曲を書き下ろしてくれました。『そらるが歌ったら最高になる曲』とリクエストして、最高に良い曲が届いた」と満足そうに話し、完成したばかりの「テレストリアル」を歌唱。寒い冬の日、大切な人を思う主人公の心情を、しっとりと表現していた。

アンコールでは「15周年の今年は、何かしらめずらしいこともやっていきたい」と呼びかけたそらる。「彗星列車のベルが鳴る」を歌った際には、残り少ない時間、少しでもファンの側へという気持ちを表すように、ステージの下手から、上手へと移動。客席をしっかりと見つめ、言葉を手渡すように歌っていた。

再びゲストを呼び込むと、観客を背景にバンドメンバーを含めた10人で記念撮影。「新年早々力を貸していただいて、ありがとうございます」と頭を下げ、「最後は自分で書いた曲をみんなと歌いたい」とお願い。luzは「人生で聴いた中で、一番難しい曲。楽屋でSouくんがめっちゃ教えてくれた」と肩をすくめると、そらるは「いま覚えたの?」と目を丸くしていた。

そらるの心配をよそに奏でられた「ワンダー」では5人が美しい歌声を響かせ、ファンを歓喜させた。花道やセンターステージをめぐりながら歌う5人を、大きな拍手が包み込む。そらると並んだあらきとうらたぬきは「♪肩を組みながら」と声を合わせると、歌詞を同じように肩を組み仲睦まじい姿を見せていた。

約2時間40分で20曲を届けたステージ。最後はそらるが「ありがとう!」と生声で叫び、夢のような時間を締めくくった。

SET LIST

01. 銀の祈誓
02. シャルル
03. burnable
04. コールボーイ
05. 神っぽいな
06. マダママゴト
07. ぼくを叱って
08. 五線譜のタイムマシン
09. ゆめをきかせて
10. 366日
11. 愛言葉Ⅳ
12. 金星のダンス(そらる/うらたぬき)
13. カーシィマーシィ(そらる/luz)
14. ボッカデラベリタ(そらる/あらき)
15. ベノム(そらる/Sou)
16. ひともどき
17. ユーリカ
18. テレストリアル

ENCORE
01. 彗星列車のベルが鳴る
02. ワンダー(そらる/あらき/うらたぬき/Sou/luz)

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