ASH DA HERO、令和最強のロックバンドが『A.V.E.S.T』で強烈なオリジナリティを魅せる

ライブレポート | 2023.03.09 19:00

Zephyren Presents A.V.E.S.T project vol.17
2023年3月4日(土)club asia

「今日、ここを選んだお前ら一人ひとり。全員の胸にガッツリ刻みつけにやって参りました。俺たちが令和最強のロックバンド、ASH DA HEROです!」

ステージに登場したASH(Vo)が、彼らのライブを初めて見る人も多いであろうフロアに向けて力強く告げる。3月4日(土)に渋谷のライブハウス6会場を舞台に開催された、サーキットイベント『Zephyren Presents A.V.E.S.T project vol.17』。この日のチケットはソールドアウトで、開演前に会場となるライブハウスが隣接する円山町に到着すると、どの会場も長蛇の列! その光景に驚くと同時に、「俺たちのライブハウスが戻ってきた!!」と嬉しくなりながら、会場のひとつであるclub asiaに向かった僕。全50組のバンドやアーティストが出演し、渋谷の街を音楽で染めたこの日。club asiaステージのトップバッターを務めたのは、ASH DA HERO。

21年9月、バンド編成の現体制で始動。昨年8月に1stアルバム『Genesis』をリリースして初の全国ツアーを行い、今年2月に最新シングル「Judgement」をリリースしたばかりのASH DA HERO。現在、アニメ『ブルーロック』のOP主題歌である「Judgement」が話題となり、ロックファン以外からも大きな注目を集めている彼らのライブ。開場したばかりのclub asiaに、熱心なファンに加え、「ちょっと見てみよう」といった感じの人も、続々と集まり始める。SEが鳴り、堂々とステージに登場したメンバー5人。WANI(Dr)のカウントから、Narukaze(Gt)の痛快なギターで始まった1曲目は「Avengers」。

ASH(Vo)

WANI(Dr)

Narukaze(Gt)

強い存在感とメッセージ性を放つボーカルで観客との距離を一気に詰めると、跳ねるビートにジャンプを合わせるフロアに「渋谷のブチアガり方ってそんなもんだっけ? かかって来いよ!」と挑発し、会場の熱を上げていくASH。間奏ではWANIの軽快なビートとSato(Ba)の踊るようなベースにDhalsim(DJ)のスクラッチが気持ちよく重なり、Narukazeが心躍るギターソロで魅せてと、メンバーそれぞれが個性を放つ。<希望の光なき この世界を さあ 変えてやろう>と、渋谷に降臨したアベンジャーズたちのたくましいステージに大きな拍手と歓声が起きると、間髪入れずに打ち鳴らすWANIのビートに自然と手拍子が起き、「WARAWARA」へ。

Sato(Ba)

Dhalsim(DJ)

アッパーなパーティーチューンに体を揺らすフロアに、「全員まとめてぶん回せ!」とASHが煽り、笑顔でタオルをぶん回す観客。トップバッターに相応しい、攻めのステージで会場を沸かせた前半戦は、疾走感ある曲調と激情的なサウンドで胸に迫る「Merry Go Round」、ASHのリアルな言葉がビシバシと響く「自分革命」と続き、初めて観るであろう人の心もガッツリ掴む。するとフロアの熱気が外まで届いたのか、ライブ中も続々と観客が入場してきて、気がつくとフロアは超満員になっている。

「レーゾンデートル」でしっかりと曲を聴かせ、感情豊かなボーカルとどっしりしたサウンドでバンドの強靭さを見せると、彼らの強い武器であるDhalsimのDJプレイとASHのラップで魅せ、そのまま「エゴイスト」に突入。軽快なサウンドに乗せて痛烈なメッセージを放つこの曲で観客の気持ちを惹き込むと、ASHが「全員しゃがめ!」と観客に指示し、「みんなひとつになって、『A.V.E.S.T』盛り上げていきたいと思います」と、3カウントでジャンプを合わせる。初めて観る人も自然と巻き込む求心力や、強烈なオリジナリティと魅力、バンドの実力やライブスキルの高さがよく分かるセトリやライブ運びは本当に素晴らしく、もっとたくさんの人にこのライブを見せたいと心から思った。

MCでは、TVアニメ『ブルーロック』のOP主題歌「Judgement」の話題から、「キッズとオタクって、あんま変わらんよね? 俺たちはオタクだ! 俺たちはキッズか!? なんでもいいけど、俺たちはロックバンドを愛してるよな!? 渋谷、ブチアゲに行こうぜ!」と観客を煽り、始まった曲は「Judgement」。「待ってました!」とばかりに歓声と拳が上がると、突き上げるビートにフロアが一気に熱を上げる。スリリングで疾走感ある曲調に体を揺らし、手拍子や掛け声を合わせて盛り上がる観客の反応から、この曲への待望感と浸透度がよく分かったし、現時点での彼らの代表曲となったこの曲で、時代か世界か、聴き手の意識か、バンドを取り巻く状況か? とにかく何かが大きく変わるような予感がした。

ライブ終盤、「最強のエンドロール」でバンドの強い意志と希望を鳴らすと、「3年間、戦ってきたんだ。俺たちの大好きなライブハウス、ライブシーンのために。マスクをしたって、声が出せなくたって、お前らがその一挙手一投足でステージに返してくれたんだ。今度は俺たちロックバンドが返す番だ。4月8日Zepp DiverCity(TOKYO)、ASH DA HEROのライブは声出し解禁です。でっかい声で一緒に歌って、一緒に泣こうぜ!」と、熱いメッセージを送ったASH。ラストは精魂込めた熱い演奏に、ステージから身を乗り出したASHが観客一人ひとりに向けて歌を届けた「世界をぶん殴れ」で、短いライブをフィニッシュ。コロナ禍でバンドが誕生し、規制下のライブハウスでスキルを鍛え上げたASH DA HERO。4月8日に控えたワンマンで、令和最強のロックバンドが世界をぶん殴る瞬間をぜひ見届けて欲しい。

SET LIST

SE. Super Dinosaur
01.Avengers
02.WARAWARA
03.Merry Go Round
04.自分革命
05.Rain on the roof
06.レーゾンデートル
07.DJ solo~エゴイスト
08.Judgement
09.最強のエンドロール
10.世界をぶん殴れ

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