DI:GA ONLINEでは全公演の中島卓偉本人によるセルフレポを掲載いたします！
Version 1 BIG SUNSHINE & GREATEST SONGS
2023年4月8日(土)昼公演 東京 Veats Shibuya
ファンクラブ限定トーク&ライヴ「BIG ENCORE」
2023年4月8日(土)夜公演 東京 Veats Shibuya
4月8日 渋谷VEATS 2DAYS初日
8日と9日で4公演。埼玉公演から3週間空いてのライヴ。喉の回復にはありがたかったのですが、バンドグルーヴを覚えたままにするには空き過ぎる。この渋谷2DAYSの初日は何が大変だったと言ったら、まず前日にyouさんのマネージャーの原さんの機材車から、僕がレンタカー屋で借りてきたハイエースに、このツアーの機材とグッズを全部移し替えて、そのまま自宅近くのパーキングに一晩停める。(原さん、機材の積み下ろしありがとうございました！)ライヴ当日は朝7時半起床。8時半に家を出てまずレンタカーで会場へ。スタッフとメンバー全員10時入りではあったのですが、そこから機材を下ろしてレンタカーを返しに行き、また自分の車で会場に向かうというスケジュール。それだと道の混み具合によってはリハーサルに参加出来ないかもしれない。スタッフにわがままを言って、9時半入りで機材の積み下ろしをさせていただくことに。空になったハイエースで自宅近くのレンタカー屋にハイエースを返却。そこから自宅まで徒歩で20分。いや、歩いてたら間に合わねえなと判断し荷物を抱え走る。汗だくで自分の車に乗り換えいざ２度目の出発。歌詞を覚えながらひたすら運転。ここで奇跡的に信号がほとんど青。都内でこんなことってあるのか！と自分でびっくり。親父の命日と同じナンバープレートの車を3台も見た。これは親父がやってくれたのかなと思いました。4日前に墓掃除をしたばかりでした。おかげでリハーサルは自分だけ40分欠けただけで参加出来ました。埼玉公演から3週間空いたことで色々と感覚を確かめたいこともあり、これまた結構歌ってしまった。これがかなり消耗。こういうペース配分が難しいです。
ライヴはステージ上の空調の調節が上手くいかず、汗はかくがずっと寒い状態。乾燥もあり、後半戦のハイライトで声が枯れてしまった。中盤でイヤモニの中に汗が流れ込み、全く自分の声も聴こえない。イヤモニを浮かして外の音を聴きながらやる羽目に。おかげでどれくらいの声量で歌ったら良いかわからなくなり声を必要以上にパワープッシュしてしまいました。歌いやすい環境、枯れない環境を作るのにはまだまだ試行錯誤が必要です。永遠のテーマであり、答えのない、正解のない作業、そして準備と言えるかもしれません。
もちろん良いこともあり、今回は自分のアンプをやっと持って来れました。修理に出していたこともあったし、グッズがたくさんあってアンプが機材車に乗らなかったということもありました。久しぶりに鳴らした自分のMATCHLESS DC-30はやはり最高の音でした。少ない摘み。(僕は摘みの多いアンプは好きじゃありません)シンプルなブラックのコンボタイプのアンプ。購入してもう20年になります。ギターを弾きながら背中から聴こえるアンプの音が本当に気持ち良かったです。
この日に来てくれたオーディエンスはマスクが4割、素顔が6割という感じ。このツアーでは必ず最初のMCで「マスクしている人、していない人、お互いに否定し合うのだけはやめてくれ。自分の判断が全て。間違いなんてありません。外したくなったら外してください。マスクをしたくなったらしてください。どうあろうが楽しもう。声出しOK、みんなで歌いましょう」そう伝えています。お互いに否定するのは論外。そんなことで争う時代じゃない。ロックンロールは自由の名の元にあると僕は信じています。ライヴが進むにつれて4割が2割に、6割が8割になっていきました。前半は遠慮があったのかな。何度もほぐすようなMCをしたことでいつもの、今までの中島卓偉のライヴになりました。
この日は夜公演にファンクラブ会員限定ライヴを企画。なんだかんだこういうのは初めてだったように思います。
10代の頃、外タレのライヴに行くと、終演後ファンクラブ会員はこの後も特別公演が用意されていて、DJイベントとか、メンバーと直接会える企画があったり、何より会員だけで引き続きライヴをやる。これ良いなあと当時からも思っていました。行った友達に聞くと、レア曲満載だったという話。1本のライヴが終わり、ファンクラブ会員だけに残ってもらい、本ツアーでやらないレア曲をプレイ。これ僕もやりたかったわけです。福岡では椅子に座って観てもらいましたが、ありがたいことに椅子が足りないほどの応募をいただき、急遽スタンディング。お詫びに1曲増やしました。終演後はお見送りで、握手、ハグ、この日だけ配布する特別限定映像のDVDとファンクラブオリジナルピックの手渡し。更にちょっと遅いホワイトデーってことでチョコレートも。業者で箱買い。溶けない場所に保管するのが大変でした(笑)直接ファンの方と握手とハグが出来て本当に嬉しかったです。こういう企画は毎回ツアーで1本でも2本でもやれたらなと思います。感謝の意味を込めたサンキュー3,900円のチケット。独立したからにはとにかくファンの方に喜んでもらえることをしたい。それがセットリストに現れ、ニューアルバムの壮大なバラッド、「STONE,ROLLIN’」SOULナンバーの「I remember you」などはこのツアーではここでしかやらない。youさんと制作した「虚像を」SHINGOさんのドラムと僕の歌だけで演奏したバージョンの「想い出にすがらずに」久しぶりの「流星歌」特別感があって本当に楽しかったです。
余談ですが、今回ハイエースを運転した時、10代の頃バンドで機材車で移動していたことを思い出しました。自分達でカンパして購入し、楽器や機材を詰め込み、都内はもちろん日本全国を走り回ったあの頃。バンド出身の人間として決して忘れてはいけない思い出。青春と言える日々。このハイエースより性能も燃費も悪かった。26～27年前から車もこんなに進化するんだなとハンドルを握り思いました。そもそも僕が乗るイギリス車はブレーキは効かないし、エンジンはブレるし、エアコンの効きは悪いし、何より燃費が悪い。ウィンカーとワイパーが逆なので何度も曲がる時にワイパーを出してしまいました(笑)ライヴ当日に7時半に起きて、会場まで2往復しなければならないことは独立した以上仕方のないこと。自分で出来ることは全部自分でやるのが独立。体力的にはきつくても心は全く苦じゃありませんでした。むしろ関わるスタッフが僕を心配してくれた。この運転の後に2ステージ、明日も入れたら4ステージ、卓偉さん大丈夫ですか？と。その気持ちが嬉しかったし、だからこそ弱い自分など出したくないし、よっぽど卓偉が本気だということをわかってもらえた気がします。
終演後は片付けや精算などで最後に会場を出ます。これも独立の責任。先に帰ることはありません。関わる全ての人がいてくれて僕はライヴが出来る。帰りの運転で今度は明日の2公演のセットリストを聴きながら。歌詞で頭が混乱。やっぱり今回の本ツアーセットリスト3パターン。これは完全なタスクオーバー。マジで今回限りじゃないともう無理(笑)、吸入とストレッチをして睡眠薬を飲んで12時に寝ました。さあ明日も2公演。寝ないと声は戻らない。声枯れからいろんな責任やプレッシャーを感じますが、寝れなかったから声が出ない、それはプロ失格。こういう時は眠剤に頼ってでも寝ないとです。良いライヴだったからこそアドレナリンが上がってなかなか寝付けないのです。ステージに立つミュージシャンあるあるですね。
次回は翌日の2DAYS 2日目。4月9日の2公演について書きます！
中島卓偉
