reche、ソロファーストライブ開催!未発表曲や宇多田ヒカル、神田沙也加のカバーも披露

ライブレポート | 2023.04.17 17:00

reche gallery#101 on live 20230407 in Zepp DiverCity TOKYO
2023年4月7日(金)Zepp DiverCity(TOKYO)

アーティストのreche(リシェ)が2023年4月7日、Zepp DiverCity(TOKYO)[東京都江東区]で、ファーストライブ『reche gallery#101 on live 20230407 in Zepp DiverCity TOKYO』を開いた。recheは、EGOIST:楪いのりのボーカル『chelly』(チェリー)として2011年11月に始動、21年6月に『reche』としてソロ活動をスタートした。
会場では1枚目のアルバム『gallery#101』に収録した楽曲のほか新曲も披露。中盤には4月12日に誕生日を迎えたrecheのために、ファンが「ハッピーバースデー」を歌う場面もあった。運ばれてきたケーキを目にしたrecheは「サプライズには弱いんです」と感激した様子。「みなさんにお祝いしてもらったことが思い出になる。うれしいです」と喜んでいた。

会場のロビーでは、3月31日まで東京駅の地下通路で開催されていたパネル展『gallery#101 on real @ TOKYO STATION』を『on live x on real』として開催。『gallery#101』の世界を表現したアートパネル12点を並べたロビーでは、繊細で美しい作品を熱心に見つめたり、スマートフォンなどで撮影をするファンの姿があった。
(『gallery#101』特設サイト>>https://www.gallery101.online/ )

午後から雨が降り出した東京。開演時刻になると、舞台に設置された大小様々なサイズのスクリーンにも、しとしとと雨が降る映像が映し出された。ジーン・ケリーが歌った「雨に唄えば」のメロディーが流れる中、白い傘をさしたrecheがゆっくりとステージに登場。中央で傘を閉じると、「雨は上がった」という一声に合わせ、ピアノの演奏がスタート。スクリーンには青空が広がっていった。

始まった「imagination -after that-」では、美しく晴れ渡った空に合わせ、手にしていたサイリウムをブルーに染め揺れるフロア。曲の最後には、「その先の世界を見に行くんだ」という言葉にインスピレーションを得たという、イラストレーターの川上リョウが、虹に向かって坂道を下っていく少女を描いた作品が、スクリーンの真ん中に映し出されていた。

幻想的な演出に息をのむのもつかの間、2曲目の「Liar!」では躍動感あるイントロに会場が真っ赤に染まっていく。揺れるサイリウムは、recheとともに歌っているかのよう。ラストにrecheが「♪気を付けな背後」と叫ぶと、フロアから大歓声が起きていた。

最初のMCでは、コロナ禍で制限されていた観客の声出しなどが、解禁になったことをお知らせ。続いて「久々のあれをやりたいと思います」と提案したrecheは、「男子!女子! コンタクトの人!メガネの人!裸眼の人!」と客席に向かって声掛け。拍手と歓声を受け止めたrecheは「やったぁ。これをやりたかったんだよね」と笑顔を見せていた。

「夏を先取りしようと思います」と始まった夏シリーズでは、「IF」、「虹色の夏」、「あの夏の隠れ家」と続けた。MCではカバーした「虹色の夏」に触れ、「神田沙也加さんが歌っていました。ライブの準備をする期間、調子が悪かったときがあったのですが、急に歌がうまく歌えるようになったんです。何も考えずに歌える時間があって、これは(神田さんが)おりて来たのではと、泣きそうになりました。お力をいただけたという思いがありました」と神田さんへの思いを明かしていた。

続いてゲストを呼び込みたいと話したrecheは、この日がデビュー日という中国出身の新進気鋭クリエイター、philoi(フィロィ)を招き、philoiが作詞・作曲とボーカル参加した「前も晩」で共演。ダブルボーカルが日本語、英語、中国語で繰り広げる唯一無二の世界に、会場の熱が上がっていく。philoiの新曲『微醺(ビクン)』では、妖艶な雰囲気の中でrecheとともに声を合わせていた。

2曲パフォーマンスしたphiloiは「聴いてくれてありがとう」と感謝。さらに「自分のオリジナル曲を、recheさんと歌えてうれしいんです。微醺は、ほろ酔いの意味があるので、ほろ酔いの状態で(楽曲を)書きました」と秘話を語っていた。

ステージの下手に「ディーバクラブ リシェ」のネオン看板が灯った中盤は、お台場のライブハウスがスナックに変化。後ろに酒のボトルが並んだカウンターには、サポートバンド「cloud9band(クラウド・ナイン・バンド)」でバンドマスターを務めるベーシストの永田範正が、店のマスターとしてスタンバイ。酒を作るシェイカーの代わりに、楽器のシェイカーを振り、前半までコーラスを務めていたふたりの美女を出迎えた。

白い衣装から、真っ赤なストールを纏う姿に着替えた“ママ”のrecheは、歌の本を開いた美女から「今日も歌ってもらって良いですか?」とリクエストされると、うれしそうにうなづいた。準備万端のママに、「最初はこの曲…。にいく前に」と語った客は、「ハッピーバースデー」を歌い始めた。後ろのスクリーンにも「HAPPY BIRTHDAY」文字が。下手から見習いパティシエがケーキを持って現れると、recheは目を丸くしていた。

マスターが「4月12日は、recheママの誕生日」と話すと、recheは「まだ早いから」と返したが、マスターに「今日やらないわけにいかないでしょ」と諭されると笑顔に。アルバムジャケットのイラストやいちごなどのフルーツが施されたケーキには、ろうそくがなかったが、マスターが「サイリウムという名のろうそくを持っていますよね。recheママが(サイリウムでできた)ろうそくの火を吹き消すと素敵なことが起こります」とファンに呼びかけると、手にしていたサイリウムが、赤色に変化。

「3、2、1で行きます」というrecheの声に合わせ、フロアに息を吹きかけると、サイリウムの灯りがパッと消え、まるでろうそくの火を消したよう。息がぴったりと合った観客に目をやったrecheは「サプライスには弱いんだよね。みなさんにお祝いをしてもらったことが、思い出になる。うれしいです」と語ると、ケーキを見つめ「あとで、食べて良いですか?」とスタッフにおねだりし、会場を笑わせていた。

大きな拍手に包まれ、少し早い誕生日を祝った後は、ママとしての本領発揮。久保田早紀の「異邦人」、かぐや姫の「なごり雪」、松任谷由実の「春よ、来い」など昭和から平成を彩った楽曲を、豊かに表現し楽しませていた。

カバーで魅せた後は、諫山実生からの提供「クロイモリ」に続き、同じく諫山実生による「3253212」、Nozによる「Collage」などの新曲を熱唱。本編ラストを飾った「Amazing Grey」では五線譜の中を泳ぐように軽やかに歌うrecheを支えるように、白やグリーン、ブルーのサイリウムが会場で揺れていた。曲の最後には会場の上空を無数のシャボン玉が行き交った。照明で彩られたシャボン玉は動くたびに色を変え、魔法にかかったようだった。

アンコールで舞台に戻ったreche。大好きだという宇多田ヒカルの「桜流し」を歌うと、歩く人が提供した「花言葉」、ca(+nn)が書き下ろした『101 bells ring』とここでも新曲を聴かせ、会場をざわつかせた。

recheは最後の1曲を残し、「次が本当に最後の曲」と会場をゆっくりと見渡した。「寂しいですけど、楽しい時間はあっという間。またみんなに会えるように、ツアーもいつかやれたらいいなと思います」と語ると、メンバー紹介をした後に、「最後の『♪ラリラリラ』は、みんなで一緒に唄いましょう。それでは聞いてください。『足跡』」と前に一歩踏み出して行く。

森の中で佇んでいる少女が、力強く進んでいる映像を目の前で体現するような演出に、息をのむフロア。終盤には会場も力強い歌声で、少女を鼓舞していた。

約2時間半で、新曲4曲を含む全22曲を歌ったライブは後日、ブルーレイ『reche gallery#101 on live 20230407 in Zepp DiverCity TOKYO』の発売が決定。映像には本編はもちろん、ライブに向けたリハーサルの様子などドキュメンタリー映像も収められる。さらに、カバーアルバムのリリースも決定。未発表の楽曲も収録される予定という。詳細は後日発表される。

SET LIST

01. imagination -after that-
02. Liar!
03. IF
04. 虹色の夏(original:神田沙也加)
05. あの夏の隠れ家
06. 前も晩(reche ft. philoi)
07. 微醺(original:philoi) ※未発表曲
08. There Is Still Wonder Left To Behold
09. 榛摺
10. 異邦人(original:久保田早紀)
11. なごり雪(original:かぐや姫)
12. 春よ、来い(original:松任谷由実)
13. クロイモリ
14. 月のワルツ(original:諌山実生)
15. 3253212 ※未発表曲
16. RAKUEN
17. Collage ※未発表曲
18. Amazing Grey

ENCORE
01. 桜流し(original:宇多田ヒカル)
02. 花言葉 ※未発表曲
03. 101 bells ring ※未発表曲
04. 足跡

NEWS

『reche カヴァーアルバム』
『reche gallery#101 on live 20230407 in Zepp DiverCity TOKYO』
LIVE Blu-ray リリース決定!

詳細は後日発表。オフィシャルサイトをご確認ください。
>> https://www.c-take.online/news/

RELEASE

【レギュラー盤】gallery#101 (Sl:2400s)

【レギュラー盤】gallery#101 (Sl:2400s)

NOW ON SALE!!

<収録曲>
01 imagination -single ver.-
02 Amazing Grey
03 前も晩 (reche ft. philoi)
04 IF
05 There Is Still Wonder Left To Behold
06 RAKUEN
07 クロイモリ
08 Liar!
09 榛摺
10 足跡
【受注生産BOX盤】gallery#101 (Sl:2648s/253s)

【受注生産BOX盤】gallery#101 (Sl:2648s/253s)

NOW ON SALE!!

<収録曲>
01 overture : rain
02 imagination -after that-
03 IF
04 Liar!
05 interlude I : deep forest
06 クロイモリ
07 榛摺
08 前も晩 (reche ft. philoi)
09 RAKUEN
10 interlude II : departure
11 There Is Still Wonder Left To Behold
12 Amazing Grey
13 足跡

【配信盤】gallery#101 (Sl:2400s)
※収録楽曲はレギュラー盤と同一

>> ご購入はこちら
  • 翡翠

    取材・文

    翡翠

  • 撮影

    藤井拓

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