伊東歌詞太郎と会場がひとつに!興奮と歓喜渦巻く圧巻のツアーファイナル!

ライブレポート | 2023.05.10 19:00

伊東歌詞太郎 ワンマンLIVEツアー2023 「Storyteller ~Let there be light~」
2023年5月5日(金・祝)Zepp DiverCity(TOKYO)

伊東歌詞太郎がワンマンツアー「Storyteller」のファイナル公演「Storyteller ~Let there be light~」をZepp DiverCity(TOKYO)で開催した。
2月から始まった今回のツアーは3種類のセットリストで行われてきたが、ファイナル公演はまったく違うセットリストを準備。AIが描く絵と楽曲による「Storyteller」シリーズの楽曲(「Storyteller」「senseitoseito」「Virtualistic Summer」「STARLIGHT」)を軸にした圧巻のステージを繰り広げた。

ライブは“「Storyteller」シリーズの表紙”と位置付けられた「Storyteller」からスタート。「本当のSTORY もう離さない」というフレーズを高らかに響かせ、ライブの開幕を鮮やかに彩った。続くアッパーチューン「惑星ループ」では左手の人差し指を突き上げ、グルグルと“ループ”させながら観客とコミュニケーションを取る。さらに「S.O.S」では、目の前の観客に向けて“SOS”を送るようなパフォーマンスで会場全体の一体感を生み出してみせた。楽曲の世界観を増幅させるムービー(アニメ、イラスト、CGなど)も素晴らしい。

「今日は満月なんですよ。満月になるとテンションが上がるんだって!」「ZeppDiverCity、なかなかできないですよ。今日この瞬間のライブを最高のものにするので。楽しんでいってください!」という感極まったMCの後は、「senseitoseito」へ。起伏に富んだメロディ、言葉数が詰まった歌詞などボーカリストにとってはきわめて難易度が高い楽曲だが、伊東は完璧に(しかも、すべてのフレーズがしっかり聴き取れるように)歌いこなしてみせる。“会いたい”という切実な思いをシリアスに表現した「TEL-L」、雨をモチーフにした映像とともに披露された「夕立のりぼん」とのつながり、そして、「ありがとう。今日も降りてきてる、音楽が」という伊東の言葉も心に残った。

「今日は、“Storyteller”という表紙の本を3つ(3曲)しっかり読んでもらおうというコンセプトでやってます」という説明、異なるセットリストをリハーサルも無く見事に表現してくれたバンドメンバーやライブスタッフに対する感謝を伝えた後は、「Virtualistic Summer」。メタバースにおける夏の恋愛シーンを映し出す楽曲によって、観客のテンションはさらに引き上げられた。さらに「真夏のダイヤモンド」「Calc.」と夏モードの楽曲を連発。「Storyteller」シリーズの楽曲を軸にすることで、伊東歌詞太郎の多彩な音楽性を体感できたこともこの日のライブの収穫だったと思う。

切なさをたっぷり含んだバラードナンバー「さよならだけが人生だ」を挟んで披露されたのは、「ひなたの国」(TVアニメ「夜は猫といっしょ」主題歌)。伊東の愛猫との別れをきっかけに作られたこの曲は、〈静かに眠る君を/ずっと抱きしめたいよ〉というラインがじんわりと響くミディアムチューン。涙を浮かべながら、ひとつひとつの言葉に感情を与えていく伊東のボーカルに強く感情を揺さぶられてしまった。

さらに「王道のラブバラードです。曲の世界を楽しんで」という言葉に導かれた「革表紙」(TVアニメ「虫かぶり姫」エンディングテーマ)、“伝えたい言葉が伝わると信じ、歌い続ける”という決意を歌った「真珠色の革命」(TVアニメ「ディープインサニティ ザ・ロストチャイルド」エンディングテーマ)へ。そして「STARLIGHT」も今回のライブのポイントだった。“ダークな世界においても、希望の光を忘れない”という思いが込もったこの曲は、現在の洋楽のメインストリームと重なる構成の楽曲。サビのパートで音数が減り、声の力でクライマックスを生み出す「STARLIGHT」がライブでしっかり機能したことは、伊東歌詞太郎自身にとっても大きな収穫だったと思う。

この日がフルバージョンの初披露となった「猫猫日和」(TVアニメ「夜は猫といっしょSeason2」)からライブは後半に突入。“Oh~Oh!”という大合唱が生まれた「絆傷(キズナキズ)」ではとことんアグレッシブな意志を突き立てるような歌が響き、会場全体の熱気をグッと引き上げる。言葉のひとつひとつを観客の胸に投げるような歌いっぷりにも心を打たれた。さらに「スプリングルズ・サワークリーム」(TVアニメ「幼なじみが絶対に負けないラブコメ」挿入歌)では観客がタオルを回しまくり、「声が聴こえるって、いいね!」という声にリードされた「I Can Stop Fall in Love」でもコール&レスポンスが発生。そして本編ラストは「magic music」。〈また会いたい あなたにまた会いたい〉というフレーズを力いっぱい叫び、大きな感動を引き寄せた。伊東はフロアに飛び降り、オーディエンスの間近で目を合わせる。最後は「東京なので、23回!」と叫び、23回ジャンプ。興奮と歓喜が渦巻き、会場のテンションは最高潮に達した。

アンコールでは、まず「今日も音楽が素晴らしい。ありがとうございます!」と挨拶。一緒にツアーを回ったチームのメンバーに改めて感謝を述べた後、「いまやっと希望が見えてきました。今のチームでやっていたら、必ずもっと大きな場所に行けると思うんですよね。がっかりはさせないんで、よろしくおねがいします!」と語り掛けると、会場から大きな拍手が巻き起こった。

この後、新曲「ヰタ・フィロソフィカ」(TVアニメ「わたしの幸せな結婚」エンディング主題歌)を初披露。さらにポジティブなパワーを放つ「パラボラ~ガリレオの夢~」を歌い上げ、ライブは大団円を迎えた。
これまで以上に幅を広げた音楽性、そのなかに込められた豊かなストーリー、そして、技術と表現力をさらに向上させたボーカル。現在の充実ぶりとこの先の進化をはっきりと感じさせる素晴らしいステージだったと思う。

SET LIST

01. Storyteller
02. 惑星ループ
03. S. O. S
04. senseitoseito
05. TEL-L
06. 夕立のりぼん
07. Virtualistic Summer
08. 真夏のダイヤモンド
09. Clac.
10. さよならだけが人生だ
11. ひなたの国
12. 革表紙
13. 真珠色の革命
14. STARLIGHT
15. 猫猫日和
16. 絆傷(キズナキズ)
17. プリングルズ・サワークリーム
18. I Can Stop Fall in Love
19. magic music

ENCORE
01. ヰタ・フィロソフィカ
02. パラボラ~ガリレオの夢~

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