halca、初のバンドツアー完走!元気なコール&レスポンスが飛び交った、halca初のバンドツアーファイナル!

ライブレポート | 2023.05.12 19:00

LAWSON presents halca first tour 2023 “nolca solca culca”
2023年5月6日(土)Spotify O-WEST
ゲスト:北澤ゆうほ(the peggies)

今年アーティスト活動5周年を迎えるhalcaにとって、なんと今回が初めてのツアー。実は1stアルバム『Assortrip』をリリース後の2020年5月に、ツアー日程も場所も決まっていながら直前に世界的な新型コロナ感染拡大による緊急事態宣言とイベント自粛要請を受けて中止になっていた。そこからマンスリーライブへの挑戦や様々なフェスで経験を積み重ね、満を持して2ndアルバム『nolca solca』を引っ提げての1stツアーが決定。3年前のリベンジでもありながら、デビュー5周年を迎える5月に行われるのは運命的なものさえ感じる。しかも全曲フルバンド編成で行うのも初。halcaと、生音とバンドメンバーが融合してどんなライブ、ステージになるのか? という期待感が膨らむ。

ツアーは4月29日の大阪・Shangri-Laからスタートし、30日の愛知・SPADE BOXを経てのこの日のツアーファイナル。開演時間になるとオーバーチュアが流れ、数多くの楽曲の制作やアレンジをしてきたギターの川口圭太をはじめ、メンバー4人が入場。ドラムの早川誠一郎がスティックを大きく掲げて会場をあおったり、それぞれの持ち場に着いたところからテンションが高い。そのままイントロを演奏する中で、halcaが右手の人差し指を高く挙げて「どうも! halcaです!」と大きな声で叫び、客席も「おお~っ!」と元気に応えた。

サビ始まり&ハイスピードで激しいライブチューン「時としてバイオレンス」を笑顔で声を弾ませながら歌うと、会場も「オイ! オイ!」と元気に声出し。マスクを付けながらではあるが、これがhalcaがずっと見たかった光景。バンドと会場の雰囲気に引き上げられたhalcaはいきなりトップギアで、ワイルドに歌いながらもライブではお馴染みの振付や会場を左から次々に指差したり。その堂々としたパフォーマンスは既に昨年見たライブよりも数段レベルが上がっている気がする。
2曲目の「FIRST DROP」もロックチューンで、キュートな歌声が魅力なのに、バンドの演奏の激しさに負けないパワフルなボーカルで引っ張っていく。

最初のMCで客席を見渡し、「嬉しいです! 初めてのツアーなので、皆さんに聴いてほしい曲を詰め込もうと思って一生懸命セットリストを考えました」。そして「声出しOKのライブとなっています。みんなの声、聞かせて!」と手を広げながら絶叫して「LOVEして」。コレサワに「かわいく願望を伝える曲を」とお願いして作ってもらった曲は「ねぇってばぁ」など甘えた歌詞とポップなサウンド感に合わせるように、スカートのすそを持ち上げたり、両手を顔の横にもってきてニッコリしたりとガーリーな仕草を連発。1~3曲目まではアルバム『nolca solca』と同じ曲順で進行。

ポップなラブソングを歌い終わると、halcaはきりっとした表情になり、うつむきながら視線を床から上空に移す。東京公演限定の「Fuzzy Rain」はここまでのハッピーな曲と違って、恋の終わりを歌った曲で、歌っている最中は苦しくせつなそうな表情で、間奏でも物憂げ。アウトロでは急に笑顔になったかと思ったら不敵な表情に。「あれこれドラスティック」のぶっとんだパンキッシュな曲調と世界に入っていく。ラストでhalcaが大きく前へ足を蹴り上げると、バンドメンバー全員も両手を挙げてバンザイ。ツアー3カ所目なのにhalcaとメンバーの一体感がここまで熟成されていること、まだ5曲目なのにまるで終盤のような演者と会場のテンションにビックリ!
3曲目のアウトロから5曲目のイントロまでの表情や雰囲気の作り方にも感心。終演後にhalcaに話したら、「今日のステージで意識していたところでもあったので、そう言っていただいて嬉しいです」と語っていた。

2回目のMCゾーンになって、「ここでちゃんとしゃべろうと決めてたけど、笑いが止まらなくなるくらいしんどい(笑)」。halca史上一番ハードな前半だったのでは? バンドメンバーの紹介をしていき、最後に「ボーカル、halcaです!」と叫ぶも、なぜか頭をかきながら「どうもどうも」とでも言っているようなポーズ。そのギャップに会場から「かわいい!」の声が。そしてバンド名を「nolca solca yalca band」と紹介し、「いつもやる気満々、全力で、という意味を込めて付けました」。

また3年前のツアー中止を振り返り、「あの時はすごく悩んだけど、決断を下すのは早いほうがいいなと思って。あの時の選択があったから今日みんなと元気に会えているなと思ったら正解だったなと思います。そして長い間、お待たせしました」。
そして次に歌う曲「one another」について、「1stアルバムのリード曲で、あの時はライブでは一人でポツンとステージに立って、不安な気持ちと頑張ろうという気持ちが入り混じっていて。1人ぼっちで寂しいけど、目の前を見たら皆さんがいてくれる心強さも込めて初めて作詞しました。でも今回、頼れるバンドのお兄さんたちと一緒にやれることで、今後違った気持ちで歌えるんじゃないかと思って選びました」と語った。
halcaのライブに臨む不安や楽しさ、想いを綴った歌詞で、徐々にリズム隊の演奏が強くなっていき、歌声も力強くなっていくところは心境の変化とシンクロしているよう。ただ間奏中にニコニコしながら首でリズムをとれるのは、後ろにメンバーがいる心強さを感じているからなのでは? その点もこのツアー前とは変わっている気がする。「真ん中にひとりでももうこわくない」と歌っていた時とはこのツアーでは違うから。

続いても2ndアルバムで自身が作詞した「weather through」。以前のインタビューでhalcaは「活動を続けていく中で、しんどいなと思う時もあったし、少しリアルな自分の気持ちを入れつつ、きっとみんなもそういう日があるだろうなと思ったので、聴いてくれる方も自分も励ませる曲にしたくて」と語っていたが、歌詞や心地よいテンポ感で歌う姿から「このままでいいのかな」から「きっとこれでいい気がする」と思えるようになったhalca自身の心境の変化や成長があったのだろうなと感じた。

中盤に差し掛かろうというところで、「初めてのツアーということでアレも言っておかなきゃ。ただいま東京!」と叫ぶと会場も拍手と声援で応える。「今回初めてワンマンライブで大阪と愛知に行って……そういえばツアーファイナルというのも人生初の経験をしています。何でもかんでも初めてで嬉しいな」と回りながら大喜び。「ライブって何回やっても直前にはドキドキするし、ツアーはファイナルの頃には落ち着いてできるんじゃないかなと思うけど、今日はいつもと違うドキドキがありました。ヤバい、ヤバいって。『大阪のほうが~』とか、『愛知のほうが~』とか比べられたらどうしようという不安から来ているのかもしれませんが、halca的には全部の公演を最高でやっていますので安心してください!」。
またライブをした各地でおいしいものを食べたという話題から「もんじゃ焼きってどうしてもっとおいしそうに見えないんだろう?」と話すと、会場から「なんで~?」の声。「食べたらおいしいのにね」にまた「なんで?」。「どうしてここはみんな任せなんだろう?『なんで?なんで?なんで?』」と次の曲「なんで?なんで?なんで?」へ。ツア-前に挙げていたMCの次曲へのつなぎという課題も会場の協力で完璧にクリア!
ディスコチックなポップチューンで、halcaのキュートな歌声が映え、途中にセリフっぽく入る「なーーんーーーーでーーー????」もコミカルでかわいい。体を横に揺らしながら歌うhalca同様に、会場も揺れる。

続く「告白バンジージャンプ」は前山田健一の曲らしいスカパンクからポップ、Dメロは童謡っぽいなど様々な曲調やギミックいっぱいの曲を楽しそうに歌う。左右のお立ち台に移動したり、会場を指で作った銃で撃ち抜きまくり。ピョンピョン跳ねたり、ラストはこぶしを挙げてぐるぐる回ったりと終始大暴れ。
歌い終わると「激しかったですね。みんなが聴きたがっているであろう『告白バンジージャンプ』は日替わり曲でした。日替わり曲も初めてなのよ! 嬉しい! でもあんなに練習して1回しかやらないのと思ったし、メンバーからもクレームが入りました(笑)。テンポが近い曲を組み合わせたらこうなっちゃった」。
ちなみにこのブロックは大阪では「スターティングブルー」、愛知では「放課後のリバティ」が、またこの日の4曲目「Fuzzy Rain」も、大阪では「うそじゃないよ」、愛知では「Complexの事情」が演奏された。

「まだ半分も歌っていないのにこんなに会場が熱くなってみんな大丈夫?」と心配しながら「次の曲はこのセットリストの中で最後のやすらぎポイントなので、うっとりと聴いてもらえたら……と言いつつ壮大な曲が来るんですけど」と笑いながら、ミディアムなラブソング「ロマンティックマニフェスト」へ。ピアノのイントロと共に、ピンスポットの中でしっとり歌い出す。サビになると頭上のミラーボールが回り、光の玉が四方に拡散し、歌声もエモーショナルに、時にこぶしを強く握りながら想いを込めるように。
「センチメンタルクライシス」はその雰囲気そのままにピアノソロにのせて、優しく歌うと、イントロからバンド演奏も激しく熱く。「ロマンティックマニフェスト」はアニメ「かぐや様は告らせたい」の挿入歌、「センチメンタルクライシス」は同アニメのED曲という作品繋がりの選曲だった。

ここでスペシャルゲストのthe peggiesの北澤ゆうほを呼び込み。アニメ『彼女、お借りします』で、the peggiesがOP曲「センチメートル」、halcaがED曲「告白バンジージャンプ」を担当することになってから仲良くなったそう。北澤は最初、お客さんとして観に来る予定が「せっかく予定を空けてくださっているなら」と思って、halcaがゲストにお願いしたとのこと。2ndアルバムで北澤が作詞作曲した「BUZZER BEATER」を一緒に披露。halcaと北澤のツインボーカルも豪華で超貴重。北澤は歌ったり、ハモったり、ギターを弾いたり、クラップでお客さんをあおったりと大忙し。まさに歌詞の「歓声が今 二人を包む」状態。時折、二人で視線を合わせると笑顔に。さすがのギターボーカルとパフォーマンスで、halcaも歌の後「カッコいい」と興奮気味。

更にhalcaがthe peggiesを知るきっかけになった曲「君のせい」でもコラボというエモい展開も。「君に狙い撃ちするのさ」のフレーズでは一緒に客席上方を撃ち抜いたり、間奏で寄りかかったり、肩を組んだりと息がピッタリ。普段から一緒にカフェに行ったり、相談したりと交流があることで安定したコンビ感が。北澤のギタープレーもカッコいい。北澤を送り出したhalcaは「めちゃめちゃいい特等席で見させていただきました(笑)。歌も曲もビジュアルも好き。初めてのゲストがゆうほちゃんで良かった。最高の夜をありがとう!」とまだ興奮冷めやらない様子。

「A・WA・WA・WA」から後半戦に突入するが激しさを増す。高速BPMの曲を歌いながら前傾姿勢でヘッドバンまで繰り出し、会場も「ハイ! ハイ!」と垂直ジャンプの連続。「もういいや。」では真っ赤な照明に染まるステージに、白井アキトがショルダーキーボードを持ちながらフロントに。halcaは吐き出すように荒々しく歌いながら、メンバー一人ひとりに寄りかかったり、向き合ったりと絡んでいく。これもきっとhalcaが憧れていたシーンだったのでは?
そのロッククィーンのようなパフォーマンスに、会場から「halcaかっこいいぞ!」の声が飛ぶ。すると「カッコいいって言って! かわいいも言って!」とおねだり。そのおちゃめさも魅力的。

「1stツアーということを意識してセットリストを作りましたが、まだミニアルバム(『White disc +++』)の曲を歌っていません。1stツアーだからデビュー前に作った曲がいいかなと思ったし、halcaの始まりには欠かせない曲かなと思って選びました」と紹介して「曖昧グラデーション」へ。今のhalcaチームで初めて作った曲であり、バンドアレンジで歌えるということで想いもひとしおなのかいっそう歌声は強く。

そしてhalcaにとってターニングポイントとなった曲という「キミがいたしるし」はそれまで歌ったことがなかったシリアスさとせつなさを感じさせつつエモーショナルな曲。以前のインタビューで「ふいに泣けてくるロックチューン」で「人の心を揺さぶるのはバラードやミディアムチューンだけではないんだなと改めて気付いた」と言っていたが、会場もリズムに身を委ね体を強く揺らす人、じっとhalcaを見つめながらうなづくよう聴いたり、思い思いの形で受け止めている。リリースから約2年経って、すっかり、いやむしろhalcaにとってなくてはならない曲になっているんだなと実感した。
そして本編ラストの「誰彼スクランブル」も「譜割はキツく、音域は広く、スピードは速く」というアーティスト生活で一番ハードルが高かったと語っていたが、今では会場と体温を最大に上げるライブに必須のキラーチューンに。客席との掛け合いパートやバンドの高速ビートで体力を削りまくりなのに、みんな汗だくになりながら顔はニコニコ。halcaの進化とアーティスト力を存分に感じられた終盤。そしてこの曲で宣言していた通り『nolca solca』の収録曲すべて歌唱を達成!

halcaがステージ袖に下がると「アンコール」の大合唱。そして「halca」コールに迎えられて再登場。終盤のロックゾーンの次はさわやかに。デビュー曲でかわいいラブソングの「キミの隣」では澄んだ歌声を響かせ、右人差し指をくるくる回したり、ガーリーな仕草や表情を見せる。この日はいくつの表情を見たのだろうか?
ツアーTシャツを着たhalcaは「東京でもやっとアンコールの声が聴けました。ありがとうございます」。そして5周年を迎えるデビュー日の5月30日、RED°TOKYO TOWERにて『halca 5th Anniversary event in RED°TOKYO TOWER』と題したトーク&ミニライブを行うことを発表。

名残惜しいけどライブもあとわずか。「みんなの声が聴けて、みんなの笑顔が見られて良かったよ! 最後はみんなのクラップを聴かせて!」と叫ぶもイントロが始まらず。どうやら段取り違いか。「行くぞ!」の声で「キミの隣」のカップリング曲「サカナイトデイズ」の演奏が始まり、halcaは自分の頭のぽかぽか叩いて、頭をペコリ。あんなにすごいパフォーマンスをしていたのに。このギャップがhalcaらしい。「手拍子お願いします!」と叫ぶと、halcaの「ちゃっ!ちゃっ!ちゃちゃちゃん♪」の掛け声とバスドラのリズムに合わせて会場全体で大クラップ状態。そして、このツアーを締めくくるのは2ndシングルのカップリング曲「HORiZON」とアンコールの3曲は初期の曲というのがエモい。デビューした頃をファンと共に振り返りつつ、ずっと望んでいたツアーが終わることへの寂しさ、ファンへの感謝などいろいろな感情が混ざり合い、この日一番の熱くパワフルな歌声に、会場のこぶしも一層強く、高く。最後は全員でジャンプ。

全曲演奏後に客席をバックに記念撮影。撮影後、「ずっと憧れていたアレをやりたいと思います」。バンドメンバーと手をつなぎ、halcaがマイクなしで「ありがとうございました!」と叫ぶのと同時に深くお辞儀をした後、つないだ手を大きく挙げた。1曲目の「時としてバイオレンス」のインストが流れるとふいに歌い出すhalcaにつられて手拍子を始める客席。このままもう1周しそうな勢いの中、バンドメンバーを送り出すと「カッコよかったでしょ? ずっとみんなに見せたくてたまらなかった。みんなの前で直接、音を聴かせることができて嬉しかったです。最後までついてきてくれてありがとうございます」。そのままステージを右から左に移動しながら、手を振りながら何度も何度も「ありがとう!」と叫んだ。
ステージ袖にたどり着くと「最高のライブができました。また会いましょう!」と叫んで、名残惜しそうに去っていった。

初ツアー中止から3年越しのリベンジを果たしたhalca。様々なタイプの楽曲を歌いこなし、パフォーマンスする姿は着実に成長・進化を見せてくれた。
この後、5月25日には2回目となるサウジアラビアでのイベントに出演。30日には5周年記念イベントも開催予定とステージは続いていく。6年目に突入するhalcaがどんなパフォーマンスを見せてくれるのか。「one another」で歌った「何度も何度も夢見たこのときめき」を今後も届けてほしいと思った。

SET LIST

01. 時としてバイオレンス
02. FIRST DROP
03. LOVEして
04. Fuzzy Rain
05. あれこれドラスティック
06. one another
07. weather through
08. なんで?なんで?なんで?
09. 告白バンジージャンプ
10. ロマンティックマニフェスト
11. センチメンタルクライシス
12. BUZZER BEATER(with 北澤ゆうほ)
13. 君のせい(with 北澤ゆうほ)
14. A・WA・WA・WA
15. もういいや。
16. 曖昧グラデーション
17. キミがいたしるし
18. 誰彼スクランブル

ENCORE
01. キミの隣
02. サカナイトデイズ
03. HORiZON

▼プレイリストはこちら
https://halca.lnk.to/23tour.setlist

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