OWl、COPES、Jacob Jr.、ライブハウスを賑わす注目バンドが集結!「The Cub’s Den」vol.2をレポート

ライブレポート | 2023.10.06 18:00

DISK GARAGE LIVE「The Cub's Den」vol.2
2023年9月8日(金)Spotify O-Crest

ディスクガレージ主催による、次世代を担う未来ある“牙”を持つバンドが集うライブイベント「The Cub's Den」vol.2が、渋谷O-Crestにて行われた。コンサートプロモーションを手掛けるディスクガレージの中でも、ライブハウスが大好きで、ライブバンドを愛する若手スタッフが集結したチームで企画制作している、このシリーズイベント。今年6月に同会場にて、トンボコープ、Fusee、CASANOVA FISH(体調不良で出演キャンセル)というラインナップで開催された第1回に続く、2回目の開催となった今回も、OWl、COPES、Jacob Jr.と、ライブハウスを賑わす若手バンドが集結! 新型コロナによるライブの規制も緩和され、ライブハウスに新たなシーンが生まれているのを感じる昨今。次世代を担うバンドが牙を剥く!

トップバッターとして登場したのは、長野県上諏訪発のロックバンド・Jacob Jr.(ジェイコブ ジュニア)。個人的に同郷で、結成直後の7~8年前からよく知ってるこのバンド。良いことばかりじゃなかったのも見てきたので、今年、新メンバーの岡 秀一郎(Gt)が加入して、最新ミニアルバム『FANFARE』を完成して。現在はリリースツアーの真っ最中と絶好調の彼らのライブが、こういった場所で見れるのが本当に嬉しい。

ステージ上で円陣を組み、気合い十分で始まった1曲目は「エンドレスサマー」。ど頭からハイテンションな演奏と上島大季(Vo&Gt)のエネルギッシュなボーカルで<夏が来たな>と告げ、まだ夏が終わらないことを宣言した彼ら。初めて観る人に自己紹介をするように疾走感あるライブ定番曲「BIGMOUTH」を披露すると、ファストナンバー「NANTENE!!!」を叩きつけ、いたずらな笑顔を浮かべる。

現在ツアー中であることを告げた短いMCから、「早い曲が続いたので、メロウな曲を」と始まったミディアムチューン「1994」の重厚な演奏と歌声で会場の空気を変えると、最新作収録の「光」を披露。植松拓也(Ba)のスラップや岡の巧みなプレイなどのプレイ面の魅せ場や全員でシンガロングする胸アツパートもあるこの曲は、ライブアンセムとして成長していきそうな予感。

「俺たちの大事な曲です」と気持ちを込めて演奏した「PACKRAT」は、結成初期から歌い続けてる原点的な楽曲。MCではコロナ禍で活動休止していたことを話し、「活動再開して良かったと思います。いまのライブハウス、マジで最高だと思ってます」と、現在の充実ぶりを話した上島。コロナ禍でもルールを守って、自分たちの信じた場所=ライブハウスを守り続けたからこそ、いまがあることを語り、「自分たちが信じたことが一番だったじゃん!」と始まった曲は最新曲「FANFARE」。<間違えなく今が最高さ>と胸張って歌う姿はたくましくカッコ良かったし、彼らの存在が誇らしくも感じた。

ラストは彼らの代表曲「Gun's Shy」。渾身の歌と演奏に、初めて観るであろう観客からも拳が上がる。贔屓目もあるが、彼らの熱い想いとその存在を観る者に焼き付ける、実に良いステージだった。

続いての登場は、2021年2月始動、東京発男女ツインボーカルメロディックPOPバンド・COPES(コープス)。カメイナナコ(Gt&Vo)にスポットが当たり、ギターアルペジオに伸びやかで透明感ある歌声を乗せた弾き語りから1曲目「Restart」でライブが始まると、ツービートの激しく疾走感ある演奏でど頭からフロアを掻き回す。しいなゆうき(Ba&Vo)のリードボーカルで始まった「daily」でバンドの違った表情を見せると、カメイが加わってのツインボーカルで楽曲に大きな広がりやドライブ感や求心力を生み、二人のユニゾンやハーモニーに楽曲世界が壮大に広がっていく。

イベント開催に支障は無かったが、関東には台風が上陸していたこの日。「台風、大丈夫でしたか?」という話題で始まったMCでは、地方のライブで豪雨に遭遇した際、冠水した道路で泳いで怒られたエピソードを語り、「最悪だよ!」とカメイに怒られたしいな。二人の仲の良さも伺える会話に続き、「このイベントが続いた先、一番最高だったんじゃないか?って思われるように、力を貸してください」と観客に告げ、エッジィなギターリフで始まった曲は「beautiful」。「will」、「killer」と続くアップテンポな曲に、観客が手拍子を合わせ、軽快なスカのビートで踊りだすと、ファストナンバー「flower」に拳と歓声が上がる。

初めて観る人も自然と心と体が躍り、気付くと拳を上げていてと、巧みなライブ運びで観客を沸かせ、会場中を味方にしたCOPES。MCでは「“Cub's Den”ってどういう意味があるのかな?って調べてみたら、“牙を持つバンドが集う場所”みたいな意味合いがあって。今日出演する3バンドがそれぞれの持つ牙を活かして、未来に向かって頑張って行こうという企画なのかな?って思います。そんな場にCOPESを呼んでいただいて、本当にありがとうございます」と感謝を告げ、「期待する未来を歌った歌です」と「sugar」を披露。願うように歌う美しい歌声とメロディが胸に迫るミディアムなナンバーが、ここまでの楽曲ともまた違ったCOPESの表情と魅力を映す。

ライブ終盤、「一緒に歌おうか?」と始まった曲は、6月にリリースした3rdデモ『SUN』のリード曲「popcorn」。さらに代表曲である「winner」を畳み込んでフロアを沸かすと、ラストは<叫べ僕らの歌>と「songs」を投下。様々な表情を持つバンドの魅力と、ライブバンドとしてのスキルの高さ、そして音楽に込めた想いや願いがしっかり伝わってくるステージだった。

「The Cub's Den」vol.2のトリを務めたのは、2018年結成、東京発の3ピースメロディックパンクバンド・OWl(アウル)。KABUKUN(Dr&Cho)のタイトなビートに、ザクザク刻むたいよー(Gt&Cho)のギターリフ、リコ(Ba&Vo)の重厚なベースと力強く伸びのある歌声で始まった「Morning」でライブをスタートすると、気概溢れたステージングにだんだんと熱を帯びていくフロア。「寝てんのか!?」とリコが挑発して始まった「Dazzling」と続き、攻撃的なサウンドとアグレッシブなステージングに、フロアから熱い拳が上がる。

「踊ろうぜ!」と始まった「Ham」のスカビートで観客を踊らせて、「Run」のエモーショナルな歌とメロディが胸を締め付けてと、めくるめく展開でバンドの個性や魅力を放ち、前半戦を駆け抜けたOWl。MCでは「“Cub's Den”って“野獣の子の住処”なんだって。ウチら野獣の子らしいんで、全力でバチバチのライブをしていけ!ってことだと受け取ったんで。バチバチのライブして、このO-Crestを住処にしていきたいと思います!」と、リコが意気込みを語ると、「Remember」でさらにギアを上げて後半戦へ突入。

スリーピースならではのシンプルさで3人の個性や存在感をしっかり主張しながら、ダイナミックかつ強靭なバンドサウンドで魅了するOWlのバンドサウンド。ラウドにヘヴィにポップにと、どんな曲調にも映えるリコの力強く表現力豊かなボーカルも、このバンドの強い武器。「Navel」に続き、「声出したいヤツ、どれだけいるんですか!?」と始まった「Road」に観客が歌声を重ねて会場に一体感が生まれると、ライブはいよいよクライマックス。

ラストは今年2月にリリースされた、配信EP『IJigen』収録の「Endless Freedom」。楽曲に込めた思いや高ぶる感情がひしと伝わってくる熱いステージに、観客が掛け声を合わせて拳を突き上げて応える。互いに想いをぶつけ合い、予告通りのバチバチのライブで締めくくると、興奮冷めやらぬ観客の「もう一丁!」のアンコールの声に「1曲だけやらせて下さい!」と「Punks」でフロアをぐちゃぐちゃに掻き回してフィニッシュ。その美しい光景にライブハウスの熱気と興奮が戻って来た喜びを感じたと同時に、次世代を担うバンドたちによる新たな時代がすでに始まっていることを実感。明るい未来を指し示す、このイベントのトリに相応しいライブだった。

「The Cub's Den」は、今後も継続的な開催を予定。公式SNS等で開催予定や出演者をチェックして、次世代を担う未来ある“牙”を持つバンドのライブを生で体感して。令和のライブハウスシーンの最前線を目撃して欲しい。

SET LIST

==Jacob Jr.==
01.エンドレスサマー
02.BIGMOUTH
03.NANTENE!!!
04.1994
05.光
06.PACKRAT
07.FANFARE
08.Gun's Shy

==COPES==
01.Restart
02.daily
03.beautiful
04.will
05.killer
06.flower
07.sugar
08.popcorn
09.winner
10.song

==OWl==
01.Morning
02.Dazzling
03.Ham
04.Run
05.Remember
06.Navel
07.Road
08.Endless Freedom

Encore
En.01.Punks

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