【長岡米百俵フェス ~花火と食と音楽と~ 2023】 3DAYSレポート(10/9)

ライブレポート | 2023.10.13 16:00

<10月9日(月・祝) DAY3をレポート>

 米どころの長岡。地元の名産などを味わえる飲食エリアは「米」に関連するものが充実していた。中でも米フェスのキャラクター、DJ米三郎が店長を務めるブースには、ふっくらと焚き上げた長岡市の新米コシヒカリに、すじこ、鮭など定番の具材から、越後の伝統的な甘辛みそ「神楽南蛮みそ」を握った珍しいものも。男女幅広い層が、おむすびとの相性抜群のアユの塩焼き、豚汁などと共にほおばっていた。うどんの人気店・つるとんたんが地元の大学生と企画したピリ辛麻婆のおうどんのほか、鰹出汁のカヌレ、カレーパンなどメニューに行列ができる時間帯も。このフェスでしか味わえないメニューは完売しているもの多数あった。スイーツを扱うキッチンカーもあり、初日に出演した長岡出身・在住のデュオ、ひなたとコラボレーションしたクレープの販売も行われていた。

オフィシャルサポーターの浜崎香帆(撮影:朝倉滉生)

撮影:朝倉滉生
オフィシャルサポーターの浜崎香帆(撮影:朝倉滉生)

 日本一の大河・信濃川が市の中央を流れる長岡には、16の酒造がありその数は全国2位を誇る。フードエリアの一角には、朝日酒造の「久保田」や吉乃川酒造の「吉乃川」など老舗の日本酒のほか、「越乃白雁」の中川酒造(長岡市)、「越の白鳥」の新潟第一酒造(上越市)など銘柄に「白」が入る県内にある6つの酒蔵が、それぞれの純米酒系をブレンドした「コシノロクハク」も。めったに味わえない逸品に舌鼓を打つ人の姿もあった。同エリアは今年からアスファルトに舗装され、雨でも足元を気にせず利用できるようになっていた。会場ではほか、公式の無料アプリを友達登録した人には、長岡産の新米コシヒカリを無料提供するサービスも。さらに長岡市のデジタル通貨「ながおかペイ」のアプリをダウンロードしている人には、入場時に1000円分の電子マネーがチャージできるサービスも行われていた。

撮影:朝倉滉生

CheChe

 最終日のオープニングは、米フェスのオーディション「COME100オーディション’23」を勝ち抜き、グランプリを手にしたインディーズ4人組バンド、CheChe(チェチェ)が担当。厚い雨雲を吹き飛ばすような軽快なサウンドで観客を盛り上げた。ボーカルのHaruhiは音に合わせて揺れていた客に向け「サンキュー。長岡楽しんでるかい。朝だよ。こんなでかいステージでやれると思っていなくて、うれしいですね。結構楽しんでいます。ハッピーです」と笑顔で呼びかけた。「その手拍子で新潟のみんなを起こして行こうよ」と誘った「SCARF」では、レインコート姿の聴衆と「ラララ」と声を合わせて楽しんでいた。

Liyuu

 中国・上海出身の歌手、Liyuuは、2人のダンサーを引き連れ、踊りながらハウスバンドの演奏で「TRUE FOOL LOVE」を披露。愛らしい歌声で魅了した。歌の合間には「おはよう、みんな」と右手を振る場面もあった。2曲を歌い終えたMCでは「雨ですね。みんな雨の午前中、ここに集まってくれてありがとうございます」とあいさつ。MC中に入ってきた客に気付くと、「遅れてたんですかー?」と手を振って語り掛けるなどしていた。長岡を訪れたのは初めてといい「昨日の夜、来ていたんですけど、1日目と2日目はすごい晴れてた感じがする。けど、(今日は雨なので)、ちゃんとカッパとか着て温かくして。私も寒いんですけど、ここからのLiyuuのパートを楽しんでいきたいと思います」と日本語で呼びかけていた。キュートな曲が続いた中盤には、「みんな盛り上がって行きましょう!」とアグレッシブなギターから始まる「Ambition」で会場をヒートアップさせた。コスプレイヤーとしての顔も持ち、世界にファンがいるLiyuu。そのパフォーマンスは、今年から世界で閲覧できるようになったライブ配信を活用し「韓国で見ています」とメッセージを寄せるファンもいた。

川崎鷹也

 Liyuuから、ハウスバンドを引き継いだシンガー・ソングライターの川崎鷹也は、ポップな「カレンダー」でライブをスタート。歌い終わると「誰かのためではなく、あなたのために届けにきました」と観客に手を伸ばした。ファルセットが美しいメッセージソング「愛の歌」では、「君に届け」と愛のエネルギーを1人、1人に向けて発信した。ピックを飛ばして始まったMCでは「みなさん、足元は…。いい感じにぐずついてます?」とジョークで
心を掴むと、普段のライブはアコースティックギター1本の弾き語り構成で進行することが多いが、この日はハウスバンドが支えてくれていると笑顔。川崎は「心強く、うれしい。最悪オレが弾かなくていいんだもん。普段ならオレが弾かなければ、無音になるじゃん。今日は安心して歌を届けられる」と重鎮たちに感謝していた。MCでは、18歳で栃木から上京後、「ライブをやっても、お客さんはゼロ。グッズを販売しても誰も買ってくれなかった時期を長く経験した」と下積み時代を振り返り、「その思いを忘れてはならない」という思いを込めて制作した「魔法の絨毯」について説明。「一生忘れない。忘れてはならなくて。だからこそ、マイクの前に立つ意味を。あなたたちの前で歌を歌う意味をよく分かっていると思います」と明かし、弾き語りで熱唱。思いを受け取った客から大きな拍手が送られていた。ラストには「人生はうまく歩けないことも、笑えないこともある。でもせっかくなら楽しんだ方が良い」とハッピーオーラ全開の「ほろ酔いラブソング」で一体になっていた。貴重なバンドスタイルと、弾き語り両方を楽しめる見応えがあるライブに、拍手が鳴りやまなかった。

 ステージ転換の合間には、新潟を拠点にするバスケットボールチーム「新潟アルビレックスBB」のキャプテン・大矢孝太朗選手と、長岡出身の笹井幹太選手が来場。10月7日に開幕した「2023-24 B2リーグ」は黒星発進となったが、大矢選手は「開幕2連敗したが。ここから挽回して、いい結果を残したい」と意気込んでいた。笹井選手は「(米フェスには)今日初めて来たんですけど、とっても楽しいので、また来たい」とうれしそうだった。

松下洸平

 登場する1時間ほど前から、韓国や台湾から配信ライブを見ているファンからハングルや日本語でメッセージが集まっていた松下洸平。拍手に迎えられ、ステージに颯爽と現れると本間らと始めた頭上クラップに合わせて、島田が鍵盤でメロディーを奏でていった。笑顔が広がったゲレンデに向け「♪さぁ、笑っていこう」と歌い始めた「MUSIC WONDER」では「♪雨音もリズムにして」と柔らかい歌声を届けていた。最初のMCでは「みなさんこんにちは。あいにくの雨ですけど、みなさん楽しんでいますか。今日楽しかったよって言う人は、実はツアーがあって、来年1月27日に新潟に戻って来るので、遊びに来て」とアピール。“出会いと別れ”をテーマにした「さよならの向こうに」をライブで披露するのは今回が初めてで少し緊張してると歌いはじめる。力強いバンドサウンドに乗せて、未来に向かう人に寄り添うような温かい歌声を響かせた。「島田さんのピアノ1本のみで歌いたい」と始めた「体温」は別れた恋人を思うラブソング。その切ない心情を歌と悲しげな表情で表現していた。「大事な発表がある」と明かしたMCでは、大好きなR&Bを軸に、12月13日にフルアルバム『R&ME』をリリースすることも公表。ファンから「買うよー!」と声を掛けられていた。何度も大歓声が沸き起こったステージ。配信を見ていた人たちからも「嬉しい発表もありがとう」「選曲も良かった。全部いい」などたくさんのメッセージが届けられていた。

wacci

 初回から米フェスに参戦している5人組バンド、wacciは、昨冬発表された「第64回 日本レコード大賞」で優秀作品賞を受賞したラブソング「恋だろ」でこの日のライブを幕開け。直前までステージに立っていた松下洸平が出演したドラマ「やんごとなき一族」(フジテレビ系)の挿入歌としても知られており、松下のファンも気持ち良さそうにその音色に合わせて、肩を揺らしていた。ボーカル・ギターの橋口洋平はMCで「昨日はイナズマロックフェスで滋賀に行っていて、僕らの出番から雨が降っていたんですけど…。あれ? 今日はやんでいます」と空を見上げ、声を弾ませた。中盤には「大切な音楽仲間」と川崎鷹也をステージに招き入れると、橋口は「シュッとしたメガネ(川崎のこと)と、比較的丸顔のメガネ(橋口自身のこと)でコラボしたいと思います」と明かし、wacciの代表曲「まばたき」で共演。1番は因幡始のキーボードに合わせて、川崎が悲哀ある歌声をゲレンデに響かせた。2番は橋口の歌を軸に、サビなどで川崎が声を合わせる、米フェスだけの特別な演出で聴衆を魅了。親交を重ねて来たからこそ実現した奇跡の歌声に、多幸感が満ちあふれていた。雨が強くなった会場に視線を向けた橋口は「ちょっと身体を温めて行きませんか」とマイクとタオルを手に、ステージ左右に伸びた花道へ一歩踏み出して行く。橋口の誘いに応え、手にタオルを持ったファンがポップな「フレンズ」のメロディーに合わせ、水色やオレンジ、赤など色鮮やかなタオルの花を咲かせていた。村中慧慈のギターソロでも、タオルを振り回し続け、“どこにもない物語”をファンと作り上げていった。大盛り上がりになった会場には、「アンコール!」の声も飛んだ。拳をあげる観客に向け橋口は「ホールツアーやるんで、アンコールはそこから始めたいと思います」と再来を約束していた。

Base Ball Bear

 リハーサルから気合いをみなぎらせていたBase Ball Bearは、堀之内大介のドラムカウントで「BREEEEZE GIRL」を投下。“晴れバンド”の勢いに驚いたのか、3人の演奏が始まると雨はピタリとやみ、ボーカル・ギターの小出祐介の伸びやかな歌声が、オーディエンスを引っ張っていった。テクニカルな堀之内のドラミングが光った「海になりたい part.3」など、3人が生み出す奥行きがあるサウンドにじっくりと耳を傾ける人の姿もあった。「こんにちは、Base Ball Bearです」と小出が語り掛けたMCでは「僕は親友が長岡出身なので、ここ(東山ファミリーランド)にも遊びに来たことがあるんですけど、仕事では初めて。光栄です」と続けた。コロナ禍は長岡に来られなかったといい、「いつも長岡花火を観に来たときは、原信(ハラシン)で総菜を買って、土手に座って花火を観ながら食べた」と長岡を中心に展開するスーパーを愛用していることを告白。地元民のようなエピソードで驚かせていた。久々の来県では本番に備え、前日に長岡入りしていたが小出は「どっかに食べに行けば良いのに、総菜を買ってホテルの部屋で食べました。スルメのやつ、うまいですよね」と原信への思いを再燃させていた。全員でボーカルをとった「ポラリス」では、ベースの関根史織が艶っぽい歌とグルービーなベースで魅惑的な時を刻んでいた。小出がルーパーエフェクターを駆使した「Endless Etude」から間髪を入れずに始まった「The Cut」では、ど頭から小出のラップがさく裂。進化し続けるバンドの多彩な面を見せた。

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