HONEBONE、満員のLIQUIDROOMワンマン。最新アルバム『継承』の楽曲披露&テツandトモも出演!

ライブレポート | 2023.11.14 17:00

HONEBONE『NEXT STAGE 2023』
2023年11月4日(土) LIQUIDROOM

 3連休の中日である2023年11月4日(土)、恵比寿のリキッドルームにて、HONEBONEのライブ『NEXT STAGE 2023』が開催された。活動開始以降、HONEBONEの9年間の中で、もっとも大きな会場でのワンマンである。

客席は前方座席とフロア中央〜後方のスタンディングに分かれていて、座席はソールドアウト、スタンディングもびっしりと埋まっている。
この日、この会場限定で、ニューアルバム『継承』が先行販売され、リード曲として既にリリース済の「白紙」と「変身」を含む4曲が、その『継承』の中から披露された。

 自らの活動史を振り返るオープニング映像を経てスタートしたライブは、1曲目「港の唄」〜6曲目「祝祭」までがバンド編成で、野口紗依子(Key)・木下きえ(Ba)・脇山広介(Dr)と共に演奏。2曲目「満月こわい」では、満月さん(というキャラクター。写真参照)が登場する。
7曲目「ネロリ」からの3曲は、ボーカルEMLIYとアコースティック・ギターのKAWAGUCHI、メンバーふたりで聴かせていく。

10曲目「変身」からの4曲は、KAWAGUCHIはギターを置いてバックトラックを担当、EMILYはラップと歌。途中からKAWAGUCHIもラップする。12曲目「Fuyu Maji Samui」では、ダンサーで満月さんとyuuちゃん(EMILY曰く「初代スタッフで本日も物販」)が加わった。
「Fuyu Maji Samui」の次の「一点突破」のあと、10分の休憩が設けられる。その間、画面に流れるのは、物販紹介の映像。自称EMILYの友達のガッちゃん(4歳の女の子)のナレーションと、夢グループをパロった骨グループのテレビショッピングCMに(EMILYとKAWAGUCHIが出演)、フロアは終始爆笑だった。

本編の後半は、14曲目「汚れた場所でも」から、ラストの18曲目「ナマリ」までの5曲を、バンド編成で演奏していく。
アンコールでは、スペシャルゲスト=テツandトモが登場。HONEBONEが「いてえじゃねえか」(2019年)で、「なんでだろう」の一部を拝借した縁で交流が始まり、2022年4月にも共にライブをやったこの4人で、「いてえじゃねえか」と「なんでだろう」を、ミニコントも交えつつ生マッシュアップ。フロア、この日最大の爆笑で揺れる。

テツandトモ

テツトモが去り、バンドが加わって「サラバ!」。ダブルアンコールは、EMILY&KAWAGUCHIで「Reリスタート」と「生きるの疲れた」をプレイしてから、今日出演した全員を呼び込んで挨拶。全22曲のライブが終了した。
と思ったら、EMILY、満月さんとyuuちゃんにステージに残るよう指示し、KAWAGUCHIが説明を始める。段取りのミスがあった、途中で撮影OKコーナーを設けるはずだったのに言うのを忘れた、と。EMILY「こんな最高に人がいっぱいいるのに、拡散しないでどうすんの!」というわけで、オーディエンスにスマホを出させて、4人でもう一回「Fuyu Maji Samui」をやって、本当にすべてが終了した。開演から2時間40分が経っていた。
なお、そのあとふたりは、楽屋で身内や関係者に、手早く挨拶してから会場出口へ。FC会員全員をハイタッチで見送った。

 2時間40分立ちっぱなし、フェスの時みたいにウロウロしながら観ることもできない、というのは、自分のライブ生活の中でもけっこうしんどい部類に入るはずだが、この日はそのしんどさを全然感じなかった。終わって時計を見て「え、もうこんな時間!?」とびっくり、というような按配だった。

 先に書いたように、二部構成になっていて、間に休憩も設けられていたから。
バンド→ふたり→バンドというふうに、ステージ上の編成が変わっていき、それに伴って音楽性とかジャンルとかもブロックごとに変化していったから。
ステージ後方の壁が画面になっていて、オープニング以外にも要所で効果映像が使われていたから(「変身」と「27 CLUB」で効果映像、「Fuyu Maji Samui」でMV、「Reリスタート」でリリックビデオ)。
シリアスな曲が主だが、みんなで歌って盛り上がれるパーティーソングもあって、その振れ幅の大きさを楽しめるから。
あるいは、MCのたびに……いや、MCの時だけじゃないな、つまり楽曲以外のところで、何度も確実に大笑いさせてくれる瞬間があるから──。

 なぜ自分は飽きもせずダレもしなかったかの理由を考えると、そんなふうにいくつも思い当たるが、そんなふうに、オーディエンスを楽しませるための創意工夫に満ちたステージだったから、というだけではない気がする。
バンド編成の曲も、歌EMILY&アコギKAWAGUCHIの曲も、『継承』で本格的にトライしたバックトラック+ラップの曲も、一音一音、言葉ひとつひとつを、とにかく聴き逃したくない、隅々まで耳に入れて脳に送りたい、という気持ちになる、HONEBONEのライブに対峙していると。たとえ、自分がよく知っている曲であっても。で、1曲1曲そうしていたら、「え、もう休憩?」「あ、もう本編終わり?」となる、という感じなのである。
 特にラップの曲。HONEBONE的にはかなり大きなトライアルだったのでは、と思うが、生で観て驚いた、全然違和感がなくて。
でも、そうか、「伝えたいことが具体的」「言葉をいっぱい詰め込む」「メッセージ強い」「己を晒すことに躊躇がない」「音がシンプル」等の、そもそものHONEBONEの音楽性を考えると、本来的にヒップホップと親和性が高かったのかもしれないな。というようなことを考えた、聴きながら。

 あと、EMILYとKAWAGUCHIのふたりでプレイした、ダブルアンコールの2曲が、『継承』からの「Reリスタート」と「生きるの疲れた」だったの、完璧。これ以上の選曲はない、と思った。

 次は、『継承』の収録曲を軸にした、10曲全部やるくらいのライブを観たい。言わなくてもやるだろうけど。

SET LIST

01. 港の唄
02. 満月こわい
03. とりあえず、生!
04. 冷たい人間
05. 赤ちょうちん
06. 祝祭
07. ネロリ
08. 白紙
09. するめいか
10. 変身
11. 27 CLUB
12. Fuyu Maji Samui
13. 一点突破
14. 汚れた場所でも
15. チェイス
16. リスタート
17. 夜をこえて
18. ナマリ

ENCORE
01. いてえじゃねえか
02. サラバ!

W-ENCORE
01. Reリスタート
02. 生きるの疲れた

RELEASE

『継承』

New Album

『継承』

2023年11月8日(水)配信リリース

2023年11月29日(水)CD発売

≫楽曲視聴はこちら

NEWS

最新アルバム『継承』発売記念ミニライブ+特典会

20231129() ヴィレッジヴァンガード高円寺店

開演20:00

※観覧無料

 

>>その他ライブ情報

  • 兵庫慎司

    取材・文

    兵庫慎司

    • ツイッター
  • 撮影

    浅香郁絵

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