ピコ、2023年の締めくくり&新しい一歩を踏み出した活動16周年記念ライブ@原宿RUIDO夜公演をレポート

ライブレポート | 2024.01.09 18:00

PIKO 16th Anniversary Live~人間賛歌~
2023年12月17日(日)原宿RUIDO
※1日2回公演。レポートは夜公演で実施

ピコが、昼夜異なるコンセプトで開催した活動16周年記念ライブをレポ。「2024年は新しいことにチャレンジしようと思います」

ピコが活動16周年を記念して『PIKO 16th Anniversary Live~人間賛歌~』を12月17日、東京・原宿RUIDOにて昼、夜、まったく異なるコンセプトで開催した。

2023年は赤ピコでも活動していたため、ピコ単独での完全体ワンマンはこれが久々となる。そのため、今回は昼と夜で共通していた曲はライブタイトルになっていた「人間賛歌」1曲のみ。それ以外はすべて演奏する曲目を変えるという、ピコの歴史を振り返ってもかなりチャレンジングな内容で挑んだ周年ライブとなった。

最初に行われた昼の部は、2023年をピコなりに踏襲したセットリストが組まれていた。2023年に流行ったAdo の「唱」のカバーを始め、4年ぶりに“死”をテーマに制作してオリジナル・ニューアルバム『柩-HITSUGI-』の中から、まだライブで披露したことがなかった「蒼穹に弔う」などをここでは初アクト。そこに「私は最強」、「絶望さん」、「Dream tale」、「Revive again」、「限界突破×サバイバー」などを加えて、かなり攻めた選曲でライブを展開してみせた。

それから数時間、激エモなセットリストにチャレンジした夜の部をここではレポートしていきたいと思う。夜のセットリストは、ピコ自ら昔の曲たちを改めてじっくり聴き直して、そのなかから曲を選び、セットリストを考えたものだった。サポートのバンドメンバーとともに、16周年の衣装を着たピコがステージに登場し、ライブは疾走感あるバンドサウンドの響きとともに「タナトス」で幕を開けた。歌詞とリンクするように、今日が日曜日というだけでオーディエンスのテンションはにんまり。曲中「さっそく声、聞かせてちょうだい」というピコの合図で、オープニングからいきなり“見上げた夜空に~”と観客が一丸となってシンガロングを場内に響かせると、そのすべてを受け止めたピコが“たとえ全て敵にしても守ってみせるよ”と胸に刺さる歌詞を歌い上げ、冒頭からピコとフロアが互いに熱い気持ちでつながっていく。そうして「闇色アリス」へ。せつないサビメロをクリアヴォイスを使ってソフトな歌声で歌い上げたあと、曲は超久々の披露となった「Run」へ。場内がざわめいたあと、イントロからフロアのあちこちで声にならない悲鳴があがり、和テイストなロックが放たれる。ピコのエモーショナルな歌唱を受け、フロアの体温もどんどん上がっていく。

「いや~、会いたかったぞ!ピコ16周年記念。ようこそお越しくださいました。夜の部のテーマは“マニアック”。初見殺しのセットリストです(笑)」と場内の笑いを誘ったあとは、「16周年だよ?“歌い手”さんでもここまでやっている人はほんの数人」といって、少しだけ感慨深そうな表情を浮かべる。考えてみれば、本当にここまで続けてきていることだけでもすごいこと。そんな長いピコの歴史のなかから、次はギターリフのイントロから始まる「Tears In」をチョイス。こちらも超久々の披露とあって、悲鳴をあげながらファンは「ウォイウォイ!」と大興奮しながらコブシを振り上げていく。そんなファンを射抜くように、ピコが“聴いてくれる君だった”とフロアにパーンと指を伸ばした瞬間が、なんともカッコよくてグッときた。そんなピコが“僕の声が聴こえていますか?”と歌で語りかけるように問いかけると、それに呼応するように“歌って泣いたよ~”と歌いだすオーディエンス。これが、ピコとファンが築き上げてきた16年間の証。そういわんばかりのコール&レスポンスをバッチリきめて、そのあとは、これまた懐かしのピコソングのなかから、メジャー3rdシングル「桜音」へと展開。キャッチーな和テイストなメロディーにのせて、桜の花びらのようにフロアに舞い散っていくピアノの旋律が、この曲の儚さを演出。さらに、ピコの歴史をさかのぼって、続いてはメジャーデビュー曲「Story」のC/Wに収録していたメランコリックな名曲「セピア」を、なんと10年以上ぶりにライブでパフォーマンス。ここまでいくと、イントロから場内には変な悲鳴があがり(微笑)、いまにも膝から崩れちそうなファンがあちこちで見うけられた。ピコの泣き成分をたっぷり染み込ませた歌唱で観客の胸を思いっきり締め付けていった直後、さらにそこに超久々の「Glorious Unseen」を投下。昔は無理して張って出していた高音パートも、いまは声を張らず、力まず歌ってみせるピコ。昔の曲を通して、キャリアとともに歌い方、曲の解釈が変化と、進化してきたことを、歌唱を通してオーデェンスに伝えていった瞬間だった。そうして場内が感慨深い空気に包まれたところに、どバラードの「傘」はなんともズルい選曲。観客は当然「ウギャー!!」という悲鳴と驚きのリアクションを見せた後、すぐさま「この曲の隅々まで聞き逃さない」という空気に切り替わり、ピコの歌唱に没入していった。

歌い終えたピコはひと呼吸置いて「バリ、エモない?」とフロアに話しかける。そうして「ピコのライブに初めてきた人、意味分かんないよね」と前置きしたあと、今回の夜の部のテーマは「スーパーマニアック」だったことを自ら説明。「その分、お昼はめっちゃキャッチーだったので、今日はずっとこんな感じでいきます」と伝えた。そうして、このあとバンドメンバーやお客さんまで交えて、誰にも理解してもらえない変な癖についての面白トークを展開。そのなかで、ピコ自身は新しい靴を履くとき、おばあちゃんに靴の裏に唾をつけられていたこと(←ピコはこれが「本当に嫌だった」と告白)。さらに、ライブ前は全然眠れず、今日も朝7時まで眠れなかったこと(だが、その30分後には起床したそう)、実家に帰るとかならず発熱してしまうことなどをあかした。

そうして「ここから後半戦」とピコが叫んだあと、「Don't say "Lazy"」というピコのタイトルコールに「うぎゃー」とものすごい大歓声が上がったところから、ライブは再開。こちらも超久々の披露だったが、誰もが知っている曲のパワーでフロアには熱狂がすぐさま広がっていく。そこに「タオルある人は回して下さい。ない人は手でもいいよ」とピコが伝えて、始まったのは「Maker÷Breaker」。タオル回し、ドラムに合わせての一斉ジャンプで、はちゃめちゃに盛り上がり、驚喜するフロアにピコはこのあと、トドメの一発となる和ロックチューン「天樂」をドロップ。“oiコール”が響き渡る場内に、この曲をピコは熱唱。魂の高ぶりを感じさせる熱量たっぷりの歌でフロアを圧倒していく。「最後はみんなが絶対に知っている曲だから」といって、本編の最後は爽やかなロックチューン「ブラック★ロックシューター」を高らかにパフォーマンス。熱風が激しく吹き荒れていたフロアにこの曲の歌唱で心地よい風を呼び込んでいったところで、本編は終了した。

アンコールの声に答えて出てきたピコは、ここで公演のタイトルに掲げた自身の最新曲でもある和ホラーな最新曲「人間賛歌」を歌唱。
その後ピコは、まず「今日初めて来てくれた方もいらっしゃって。中堅さん、常連さん、古参、すごい素敵な空間になったことを感謝しています」と今日ライブに訪れてくれたファン全員に、心からお礼を述べた。続けて「僕は歌ったり、お芝居をしたり、配信をしたり、いろんなことをするじゃないですか。自分がこうやって発信するものが、受け取った人のなにかのきっかけになる。それが、人生の1番の幸せ」であることを示し、そうして「2024年は新しいことにチャレンジしようと思います」と2024年の抱負を高らかに宣言した。そして「今後18周年、19周年、ピコ生命が1秒でも長く続くようにみなさんも応援よろしくお願いします」と挨拶を締めくくり、最後は「Make My Day!」でステージもオーディエンスも1つになって盛り上がり、場内が祝祭感に包まれたところでピコの16周年ライブは幕を閉じた。

ここから、ピコの17周年に向けての活動はスタート。2024年は3月10日、東京・豊洲PITにてピコ主催のフェス『PIKO fest 2024~最強すぎる歌い手デッキ組んでみたwwwwwwwww~』を大開催。こちらはピコとともにあらき、+α/あるふぁきゅん。、un:c、luzに加え、神谷玲、skip-A(すきっぱ)、ましゅーの参加が現在までに決定している。ピコを筆頭に最強の歌い手たちが一堂に集まる大型フェスとして、大注目のイベントになること間違いなしなので、ぜひとも会場に足を運んでみて欲しい。

SET LIST

01.タナトス
02.闇色アリス
03.Run
04.Tears In
05.桜音
06.セピア
07.Glorious Unseen
08.Just Be Friends
09.傘
10.Don't say "Lazy"
11.Maker÷Breaker
12.天樂
13.ブラック★ロックシューター

ENCORE
01 .人間賛歌
02. Make My Day!

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