NEMOPHILA、5人で夢を叶えた初の武道館!バキバキのセトリで会場を揺らす

ライブレポート | 2024.02.27 19:00

NEMOPHILA 5th Anniversary
~地獄のゆるふわ LIVE at 日本武道館~
2024年2月17日(土)日本武道館

国内外でのライブ、音源制作/レコーディングなど、ハードスケジュールとも言える精力的な活動で2023年を駆け抜け、バンドとしての強度を格段に高めたNEMOPHILA。5人にとって初の日本武道館公演「NEMOPHILA 5th Anniversary ~地獄のゆるふわLIVE at 日本武道館~」は、その躍進の結果が最大限発揮された一夜だった。

会場にはバンドのシンボルマークの絨毯が敷かれたメインステージと両方向にサイドステージが設置され、3枚のバックドロップが飾られる。照明以外に華美なセットはなく、ライブハウスを思わせる景色だ。それもそのはず、この日は去年11月から開催された「ワンマンツアー~おしくらまんじゅう押されて笑おう~」のツアーファイナルでもある。全国11箇所のライブハウスで培った一体感がこの日本武道館でも花開くことを予感させた。

SEに乗せてメンバーが登場すると、「RISE」で勢いよく火蓋を切る。mayu(Vo)のスクリームで幕を開けるや否や、特殊効果の爆発音とともにSAKI(Gt)、葉月(Gt)、ハラグチサン(Ba)、むらたたむ(Dr)も猛炎のような音を打ち鳴らし、会場を圧倒した。mayuのハイトーンと荒々しいギターソロが昇竜のごとく天高く舞う「鬼灯」、5人がステージをフルに使いパフォーマンスした「雷霆-RAITEI-」、レーザーによる視覚効果が曲の個性をより引き立てた「ZEN」と、爽快感と屈強さを併せ持ったサウンドスケープでもって会場の隅々まで巻き込んだ。

mayu

saki

葉月

4曲立て続けに披露すると、mayuは「まさか“鬼灯”のイントロで、“行くぞ武道館!”と言える日が来るなんて思ってもみなかった」と、この日を迎えることができた感慨に浸る。「わたしたちらしいバキバキのセトリでございます。ぜひ汗だくになって、とことん暴れ倒してほしいです」と笑顔を見せた後は、最新アルバム『EVOLVE』から4曲を畳みかけた。

新作の中でもユーモアが効いた「Enigma」「AMA-TE-RAS」「OSKR」は、リズム隊のスキルがなくてはまず成立しないだろう。しなやかな緩急と抜き差しで楽曲をドラマチックにドライブするむらたたむのドラムと、リズムとメロディを巧みに馴染ませるハラグチサンのベースは、客席を心地よく躍動させた。「Justice」では一転、観客に切っ先を突きつけるような硬派なアプローチを展開。この後のMCでmayuは「『EVOLVE』のレコーディングは手こずった。大変だった」、葉月は「レコーディングだけじゃなくてライブも大変」と笑わせたが、この5年でアレンジ力や演奏力が格段に上がっていることを堂々と提示するセクションだった。

むらたたむ

ハラグチサン

ポップパンクナンバー「Waiting for you」から、ライブでお馴染みの楽曲が続く。メンバー全員がサングラスを着用する「Night Flight」は、逆光ライトとレーザーの中でのパラパラ風ダンスがどこか神々しくもあり、武道館ならではのスケールで楽しませた。「STYLE」「徒花-ADABANA-」と重厚感のある音色、クリーンとスクリームを巧みに使いこなすボーカルで曲の奥深くに引きずり込むと、クライマックスとなったのは最新アルバム収録曲の「ODYSSEY」。ソウルフルで壮大なバラードとmayuの熱を帯びたハスキーな歌声に触発されるように、観客はスマートフォンのライトをつけてステージを照らす。NEMOPHILAがバンドとして新しい扉を開いたことを強く印象付ける、象徴的なシーンだった。

「Seize the Fate」では楽器隊4人が見目華やかなプレイで耳目を引き付け、「Hammer Down」では全身を振り絞るように声を張り上げるmayuの姿が印象に残った。あらためて『EVOLVE』収録曲の難易度の高さを実感するが、曲のたづなをしっかりと握りプレイ、歌唱する5人の姿は落ち着いた緊張感に富んでおり、より高みを目指す様子がうかがえた。定番曲でも最新曲でも、おしなべて今のNEMOPHILAの凛々しさが混じりけなく出ているのも、バンドが健康体である証だろう。

「SORAI」ではのびのびとした演奏を響かせ、「YELL ~軌跡~」は歌詞の一つひとつがピュアに響き、あたたかい音色にいざなわれるように客席からはシンガロングが起きる。本編ラストの「REVIVE」ではmayuがステージの端から端までを何往復もしながら歌い切り、終盤で打ちあがった銀テープも祝祭感を美しく彩った。

鳴りやまぬアンコールに応えて登場した5人は、まず「Life」を披露する。観客のシンガロングを丁寧に演奏で包み込み心を通わせると、あらためてそれぞれの思いを口にした。

ハラグチサンはバンドに打ち込んだ自身の人生を語りながら「ひとつのことに夢中になる大事さを知りました。まだまだ足りないところばっかりだけど、目の前のことに全力で向き合ったのが今日につながったのかなと思っています」とこの日に至るまでを回想し、SAKIは照れ笑いをしながら「個人的な重たい話をしてもいいですか?」と前置きをすると、前日が実母の命日であることを明かす。そして「亡くなった母親の運ももらったから、日本武道館に立てたのかなと思いました」「今日初めて、関係者リストに母親の名前を入れたんです。でも気付いてないかもしれないから、皆さんに“SAKI”と呼んでもらってもいいですか?」と呼び掛けると、客席からは彼女の名前以外にも様々なメッセージが湧きおこった。

SAKIの告白や、我が子を育てるmayuとたむがそれを受けて涙を流す様子を見ながら「言おうとしたことを忘れてしまった」と笑わせる葉月は、今年中に島根県での凱旋ライブがしたいと未来への願望を語る。たむは自分たちの演奏から何かを感じ取ってもらうことが自分にとって意味のあることだと告げると、「この景色を観たわたしたちが感じたことは、これからのNEMOPHILAにつながっていくと思っています。これからも信じてついてきてくれたらなと思います」とさらなる意欲を見せた。

そしてmayuは高校時代に教師から「音楽の道なんて絶対無理だから」と言われたことを振り返り、「その先生の言ったことを信じなくて本当に良かった」と満足げな表情を浮かべる。「もっともっとみんなと上に行きたいし、もっと多くの人に自分らの曲が届いたらいいなと思います」「また新しい目標に向かっていくので、もっとNEMOPHILAを好きになってもらって、ついてきてくれたらうれしいです」と熱い眼差しを見せると、会場からは拍手と歓声が沸いた。

「武道館をもっとNEMOPHILAカラーに染めてぐちゃぐちゃにしたいです!」と告げると、キラーチューンである「DISSENSION」と5人が思い思いに暴れ倒した「OIRAN」の2曲でこの日を締めくくった。その勇ましい姿は、日本武道館という目標を追いかけるなかでさらなる高みを見つけたことを物語っていた。未来に食らいついていくような、いい意味での欲が5人の音にも佇まいにもほとばしっていたのだ。武道館を感動の涙で染めなかったところにも、その気合いが見て取れる。結成5年目、まだまだ伸び盛りだ。夢を叶えた5人のさらなる野心は、今後さらに多くの人々を巻き込んでいくだろう。

01.RISE
02.鬼灯
03.雷霆 -RAITEI-
04.ZEN
05.Enigma
06.AMA-TE-RAS
07.OSKR
08.Justice
09.Waiting for you
10.Night Flight
11.STYLE
12.徒花-ADABANA-
13.ODYSSEY
14.Seize the Fate
15.Hammer Down
16.SORAI
17.YELL ~軌跡~
18.REVIVE

ENCORE
01.Life
02.DISSENSION
03.OIRAN

RELEASE

『EVOLVE』

2024年1月17日(水)SALE
アルバム収録曲「ODYSSEY」が『映画おしりたんてい さらば愛しき相棒(おしり)よ』のキャンペーンソングに抜擢!3/20公開!

【通常盤】CD ※全10曲収録予定
1.Enigma
2.RISE
3.OSKR
4.AMA-TE-RAS
5.ODYSSEY
6.ALIVE
7.Night Flight
8.Justice
9.Hammer Down
10.YELL ~軌跡~
品番:DDCZ-2303
価格:3,300円(税込)


【初回限定盤A】CD+Blu-ray
<Blu-ray内容>
公演名:NEMOPHILA 4th Anniversary -Rizing NEMO-
開催日:2023.7.30
会場:神戸国際会館こくさいホール
品番:DDCZ-9076
価格:6,600円(税込)


【初回限定盤B】CD+Blu-ray
<Blu-ray内容>
公演名:NEMOPHILA U.S. TOUR 2023「Seize the Fate」
開催日:2023.3.12
会場:HOUSE OF BLUES ANAHEIM(SAN DIEGO, CA)
品番:DDCZ-9077
価格:6,600円(税込)
  • 沖 さやこ

    取材・文

    沖 さやこ

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  • 半田“H.and.A”安政

    撮影

    半田“H.and.A”安政

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