LiSA、11回目の日本武道館で迎えたデビュー13周年記念日!『LiVE is Smile Always〜i SCREAM〜』DAY2をレポート

ライブレポート | 2024.04.25 19:00

LiSA LiVE is Smile Always~i SCREAM~
2024年4月20日(日)日本武道館

LiSAがミニアルバム「Letters to U」でソロデビューしたのが2011年4月20日。そしてデビュー13周年を記念したライブ『LiVE is Smile Always〜i SCREAM〜』が4月19日、20日に日本武道館で行われた。MC中に「13周年というのは中途半端に思うかもしれないけど」と前置きしながらも、たくさんの想いや後悔へのリベンジと、エンターテインメントが詰まったステージだった。

 「i SCREAM」のタイトル通り、ステージにはLiSAらしい、「怖カワ」な文字で「i SCREAM」と書かれたピンクとスカイブルーのネオンサイン風の看板と古きアメリカのダイナーのような内装が施されたセット。開演すると、スクリーンには、英語の字幕の後、3DCGアニメで描かれた道路を走る一台の車。「No Screamの世界へようこそ」と書かれた標識や「No Scream」という文字が至る所に張り巡らされている。そして車はある場所に停まる。そこは「i SCREAM」というアイスクリームショップで、店内はすっかり寂れていた。

映像が終わると、ステージ正面には小さな子供が。かわいい声で「LiTTLE DEViL PARADE」を歌い始めると、ペンライトのピンク一色に染まった客席が歓声から一転ざわつき始めた。すると、ステージの上段にLiSAが登場。ボロボロの衣装を身にまといながら歌うのは敗者を意味する「LOSER」。彼女の周りには、黒装束の悪魔がまとわりつくように漂っている。ハードなロックナンバーで、「LOSER」を連呼する楽曲はパワフルながらもOPチューンっぽくなく、ダンサーなどの演出もネガティブな空気感さえ感じ、アウトロのバンドの演奏もおどろおどろしく。上段から降りてきたLiSAは装束を脱ぎ捨て、「武道館~!」と叫ぶと、アッパーの「ROCK-mode」のイントロのギターリフと共に客席から「Let’s go!」と「オイ! オイ!」の掛け声、そして手拍子。エネルギッシュなLiSAらしいパフォーマンスで武道館の沸点は一気に上昇。ラストフレーズの「さあ。次は何の曲?」で左腕を伸ばしてキメ!

最初にMCゾーンになると、「武道館2日目、ヤバいね。今日は大切な、大切な記念日です。叫び倒す準備はできていますか? ここは13周年にたどり着いたアイスクリーム屋さんです。愛と思いやりを大切にここにいるみんなで、最高に楽しんでいきましょう!」と叫んで、みんな一緒に指と声で「ピース!」。ここでタイトルが「アイスクリーム」と「I scream(私は叫ぶ)」が掛かっていることがわかった。

スピード感のある「ANTIHERO」を軽やかに歌いながらサビメロの「へろーへろーへろー」を合唱し、次の曲では左右の客席を指差して「アイスクリーム屋までドライブはいかがですか?」と「confidence driver」へ。「ワガママ通り 曲がりたいんです」や「マッハで駆け抜けろ」の歌詞のように気持ちよさそうに歌う。ドラムとキーボード以外のリズム隊メンバーもステージ前方に出てきて、客席と一緒に「オイオイ!」とコブシを振り上げる。間奏で「みなさんはどこに来たんですか? i SCREAMしに来たんじゃないの? もっと声聞かしてよ! OK?」とあおる。そして金属バットのようなアイテムを振り回したり、水平に何度もスイングしたり。何度も客席をあおった後は「素晴らしい!」とニヤリ。

スクリーンにLiSAがアイスデザートを何度も作っては食べる映像が流れた後にはギターを手にしたLiSAが現れ、「リスキー」を歌う。最初はミディアム調に優しく歌っていたが、途中から激しく歌声も演奏も。歌詞は甘えん坊でかわいい女子のラブソングなのに。そこがまたLiSAらしい。

次の「覚醒屋」では、スクリーンに「KAKUSEIYA」のネオンサインがいくつも映し出されて、お立ち台にのるLiSA。サビの「one,two,three」の後の「jump」ではお客さんが一斉にジャンプ、「みんなで歌いましょ」の歌詞に続いて、武道館中に「たらったらったらったったー」を響かせた。間奏に入ると、「オイ!オイ!オイ!」と叫び続けるLiSAッ子たちに、「もっとちょうだい!」と大きな声でおねだり。ラストは左手を水平に伸ばして、「はいそれでは またどうそ」。続く激しいロックチューン「L.Miranic」でも「Help me, help me」や「error?」など合唱パートが。ラストの「本当の犯人はit’s you」と歌い、カメラ正面を指差した。

ここで「NO SCREAM」と侵入禁止の標識の中が唇になっているものがスクリーンに映し出され、サイレンが流れる中、警察官に扮したダンサーが「find out by yourself」と何度も繰り返すと客席も呼応。そして拡声器を持ったLiSAがステージ上段に登場。「PROPAGANDA」はほとんど英詞かつ観客が声を合わせるパートが多く、間奏でサイレンが鳴ったりと不思議な光景。

ギターの甘い音色に合わせて、黒いタイトな衣装のLiSAが階段で降りてくると、客席から歓声が。そしてラブバラードの「愛錠」のイントロが流れると、ピアノの上に横たわったり、セクシーに動きながら「愛してしまえば地獄」とせつなくも情熱的に歌うと、上段では同じ衣装を着たダンサーが舞う。ステージには3脚のイスが運ばれ、ダンサー2人とイスを使ったパフォーマンスはまるでマドンナみたい。

LiSAが去ると、サイレンの音と共にステージ上段にモップを手にした店内清掃人が2人。スクリーンには「No Scream」と書かれた警告標識。魔法のほうきにまたがるようにおどけたり、ギターを弾くマネをしたりおどけていると、突然後方の標識に向かって、モップでペンキをかけたり、遂には標識を割り始めた。壊し終わると2人はハイタッチ。その足で今度は下の店内セットにあったジュークボックスも元へ。沈黙していたジュークボックスを再び起動させ、軽快な音楽が流れると「ノンノン」のイントロからダンスメドレーに突入。

すると、ロリポップ風の衣装に、髪型はお団子2つのガーリーなLiSAが登場し、「みんな、踊るよ~!」。そこからチップチューンっぽいイントロの「エレクトリリカル」では左右に指全体をつつくような振りをしながら「ツンツン!」。「WiLD CANDY」「スパイシーワールド」と元気な4曲をメドレーでお届け。ここまでのカッコいいLiSA、セクシーなLiSAとは見た目も歌声もパフォーマンスも対照的にかわいく。お客さんも楽しそうに振りコピ。

「Go!Go!Go For it! Go Fight Win! Go! Let’sGo!」とチアガールの掛け声のようなフレーズが聞こえると会場も声を合わせる。「Rally Go Round」では、女性ダンサーもポンポンを持って踊る。Dメロの「楽しんだもの勝ちのゲームなんだ」を「楽しんだもの勝ちの2024年4月20日、武道館!」と歌詞変えも。ダンサーとラインダンスを見せるなど終始ノリノリのLiSA。「I’m a Rockstar」は軽やかなロックにのせてLiSAが歌手を志して進んでいく過程と想いを歌う。最後に「ただいま! 武道館」と叫んだ。

ジャズサウンドのインストが流れると、明るく、きれいになり、輝きを取り戻し開店した店の様子が映し出されると共にバンドとダンサーの紹介も。冒頭に少女(LiSAいわく「ミニLiSA」)が歌った「LiTTLE DEViL PARADE」のイントロと共に再び現れた少女とLiSA。LiSAが「アイ、自分自身、アイ、LOVE、アイ、悲しいとか全部全部叫んで、アイスクリームにして食べる準備はいいですか?」。曲名の頭文字からとった「LDP」コールを会場と何度も連呼し、どんどんBPMが激しくなっていくサウンドにのせて自分らしく生きる素晴らしさを歌った。笑顔のLiSAは各バンドメンバーのところに行って、1人ずつとたわむれる姿は素のままのLiSA。会場のレスポンスに「最高!」と言うと、「このまま行くよ」と「―斉ノ喝采」へ。2022年のサッカーワールドカップ中継のテーマソングになった曲で、大会を盛り上げたり、試合の激しさを描きながらも、この曲を作った2022年ではまだライブで声出しができなかったため、いつかライブでお客さんと一緒に喜び合い、声を出し合う日が来ることを願って作ったと語っていた。そしてその日がやってきた。LiSAは「Let’s get it.shout!!」と歌い、お客さんの手拍子やシンガロングが武道館中に響き渡る。熱狂再び。

MCゾーンに入り、「今日はみんなにたくさんたくさんスクリームしてもらおうと思って、いろいろねりねりしました。超大作でしょ? 本日、13周年を迎えました。でも13って中途半端じゃない?」と言うと、会場から「そんなことないよ!」の声。「もちろん、みんなとのデートは毎日が記念日ですけど。いろいろなことがあって、叫べるようになった武道館でリベンジしたいなと思いました。前回の武道館(2022年4月19、20日「LiVE is Smile Always〜Eve&Birth〜」)では叫べなくて、みんなの声が聞こえなくて、すごく悔しかったじゃないですか。私の曲はみんなの声が一緒になって、やっと完成する曲ばかりなんです。それはみんなと一緒にライブで作ってきた曲ばかりだから。みんなと積み上げてきた歴史があって曲が完成しているものばかりだから。そんな悔しい気持ちやお祝いの気持ちとかいろいろなものを詰め込んで、叫んでもらうために『i SCREAM』というライブをご用意しました」。そしてステージの横から後方近くまでの客席の人を「店員さん」、それ以外の客席の人は「大行列さん」と呼んでいることを明かし、「今日は1万人が入れるアイスクリーム屋さんです。声出す準備はいい? 行けるか! 武道館! 最後まで叫んでいって」と「REALiZE」に。「見極めろ 自覚しろ」と激しく自分を奮い立たせる曲で、ラップパートもカッコよくキメた。続いて「オイ!オイ!オイ!」や「Woo~YEAH!」と何度もコール&レスポンスを繰り返してから「一緒に行こうか。『Psychedelic Drive』。情熱的な愛を歌い、2Aの彼氏を狙っている女性に対して「キライ」を連呼するフレーズは、言うたびに客席を指差し、差されたお客さんは大喜び。Dメロでは上段に立ち、赤い扇子を振り回し、ラスサビに入ると「バン!」と爆音の火薬の特効。

「まだまだ叫びたいですか? 叫びの歌、新曲やります」と、5月22日発売の『魔法科高校の劣等生』第3シーズンオープニング主題歌の「Shouted Serenade」。疾走感あふれるパワフルなナンバー。まだ発売前だというのに、お客さんの合いの手やコールが完璧でビックリ。歌い終わるとそのまま「歌って~!と絶叫し、バンドの演奏が止まる中で「オオオオオオ」と1万人のシンガロングが響く。そのうち、バスドラもゆっくりとリズムを刻んでから一転してスピードナンバーの「ADAMAS」。曲中にLiSAも太鼓の前に立ち、髪を振り乱しながら打ち鳴らす。サビフレーズの「Shiny sword my diamond」に合わせるように、スクリーンには真っ赤に輝くダイヤモンドの映像。

そして本編ラストはハイタッチを意味する「Hi FiVE!」。手のひらをかざしたり、左右に振ったりアクションしながら歌う。間奏に入ると「初めてこのステージに立ったあの日、悔しくて悔しくて泣いたあの日、それから倍返しにして武道館を仲間にしたあの日、それからたくさんのお祝いの日をこの日本武道館で過ごしてきました。いつだって、みんなと過ごす最高な日、最高な未来を思い描きながら13年、このステージに立ってきました。今日は13周年のお祝いです。ありがとう」と感謝の言葉を述べた。そして「まだまだ走り続けるからついてきて!」の声に、会場中が賛同の「オオ~!」の声と手が挙がった。アウトロになり、「この声が続くまで、この命が続くまで、最後の最後まで沢山遊び続けよう。今日はありがとうございました!」。そして会場と一緒に「ピース!」。

アンコールの声と手拍子に応えて、一人でステージに現れたLiSAはピアノのイスに座って、「HELLO WORLD」を弾き語り。青いピンスポットが当たる中で、歌う姿は神秘的。2コーラス目からはバンドの演奏も加わる。スクリーンには歌詞が映し出される。歌い終わるとすがすがしい笑顔で、会場中の大きな拍手を体で受け止めた。

「初めて武道館に立ったあの日(2014年1月3日『LiVE is Smile Always〜今日もいい日だっ〜』)、またここに立っている景色は思い描けていませんでした。今日は11回目の日本武道館です。13年前、デビューした4月20日、この日本武道館で11回もみんなとデートできる未来は思い描けてはいませんでした。私は今、最高の未来に立っています。今日は本当にどうもありがとうございます。でもまだまだ叫びたいこと、歌いたいこと、叶えたい夢がたくさんある、LiSAという歌手人生をとても幸せに思います。まだまだついてきてくれるひとまず今日は『ルート13』のアイスクリーム屋さん、最高でした!」。そしてバンドメンバーとダンサー、ミニLiSA役の少女も再び呼び寄せて、客席を背に記念撮影。シャッターの合図はダンサーのyUkAの「LiSAさん、13周年~」の声に、全員で「おめでとう」。

記念撮影が終わると、名残惜しそうに横にいたバンドメンバーに「これ、2日間のライブじゃなくない? ツアーでやりたかったですよね。今日のセットリスト、しんどいです。パンパンです」。そしてお客さんへ「でもライブが最高過ぎたから、今年これだけじゃね。まだ遊びたい?」と問いかけ、2024年アリーナツアーの発表をすると場内大歓声!「だって、アイスクリーム食べたら飲みたくない?」ということでタイトルは『LiSA LiVE Smile Always〜COCKTAiL PARTY〜 [SWEET&SOUR]』に。9月14日の大阪城ホールから始まるツアーは各会場2DAYあり、1日目は[SWEET]、2日目は[SOUR]と内容が変わるかも? 「期待しかしないでね!」。

「まだまだ叫びたいか? 武道館~!」と声を上げて、パンキッシュな「halo-halo」。「我愛 CINTA LOVE AMOR」という各国の愛の言葉や「OLA HELLO 你好」というあいさつを、速いリズムでみんなと歌うパーティチューン。ステージを移動しながら歌い、上段に上がると、ダンサーがLiSAの頭上に細かく刻まれた銀紙を振りまき、キラキラ輝くLiSA。そして武道館2DAYSを締めくくるのは「Rising Hope」。自身が作詞した曲で想い入れ深い曲。最高の盛り上がりで、「武道館、最高!」。アウトロで、バスドラが13回リズムを刻んで改めて「13周年迎えました! ありがとう!」。

メンバーを見送って、「楽しかったですか? 思い切り叫ぶって最高じゃない? これからもいろいろな想いをたくさんたくさん、みんなと叫ぶ歌にします。また一緒に遊ぼうね」。そして最後は恒例の「今日もいい日だっ! ばいちー!」と叫んで、会場中に笑顔とキスの雨を降らせながら去っていった。

今回のライブは、ミュージカルのようなストーリーを感じさせる凝った構成と演出、チームLiSAもすっかり円熟・完成していて、ここまで全国を回っていたかのようなステージ。
LiSA自身が言っていたように、2日間ではもったいないと思ったが、次のアリーナツアーにどう繋がるのか、はたまた繋がっていないのか、楽しみ。

思い起こせば13年前、ソロデビューミニアルバム『Letters to U』を控えたLiSAにインタビューした時、元気で人懐っこい笑顔が印象的な女の子だった。それからここまでの間に、応援するファン、LiSAッ子の輪は日本を飛び越し、世界中に広がった。今会っても彼女は変わらない。だた状況や環境が変わっただけで、音楽と歌うことが好きで、いたずらっぽい笑顔も。「HELLO WORLD」で「やりたくないことしてる暇はない」と歌っているように、やりたいことが尽きない。永久燃料を積んだバスに、たくさんのLiSAッ子たちを乗せて、「楽しい」を探して走り続けるのだろう。

SET LIST(4/20公演)

00.LiTTLE DEViL PARADE
01.LOSER
02.ROCK-mode
03.ANTIHERO
04.confidence driver
05.リスキー
06.覚醒屋
07.L.Miranic
08.PROPAGANDA
09.愛錠
10.ノンノン/エレクトリリカル/WiLD CANDY/スパイシーワールド
11.Rally Go Round
12.I’m a Rockstar
13.LiTTLE DEViL PARADE
14.一斉ノ喝采
15.REALiZE
16.Psychedelic Drive
17.Shouted Serenade
18.ADAMAS
19.Hi FiVE!

ENCORE
01.HELLO WORLD
02.halo-halo
03.Rising Hope

「LiVE is Smile Always~i SCREAM~」Day2のプレイリストを各ストリーミングサービスにて配信中!
詳細

公演情報

DISK GARAGE公演

ソニー銀行 presents
LiSA LiVE is Smile Always~COCKTAiL PARTY~ [SWEET&SOUR]

2024914()15()大阪城ホール
2024921()22()ポートメッセなごや
2024年9月28日(土)29日(日) 横浜アリーナ
20241019()20()真駒内セキスイハイムアイスアリーナ
2024113()/4(月祝)マリンメッセ福岡A
20241116()17()セキスイハイムスーパーアリーナ[宮城]
2024年11月30日(土)12月1日(日)国立代々木競技場第一体育館
2024年1214()15()サンドーム福井

DAY1SWEETDAY2SOURとなります。

RELEASE

「Shouted Serenade」

LiSA 21th Single

「Shouted Serenade」

【TVアニメ『魔法科高校の劣等生』第3シーズン オープニング主題歌】
(SACRA MUSIC)
作詞:LiSA、田淵智也 作曲:田淵智也 編曲:堀江晶太
>>配信中
CD発売:2024年5月22日(水)
>>CD予約
「拝啓、わたしへ」

配信Single

「拝啓、わたしへ」

2024年4月24日(水)0時配信開始
作詞:高橋 優 作曲:高橋 優 編曲:江口 亮
※中日ビル開業記念イメージソング
>>配信中

Information

4月20日(土)開催「LiVE is Smile Always~i SCREAM~」公演をTBSチャンネル1でTV初独占放送!

■放送日時
2024622()午後900分〜(TBSチャンネル1
>>詳細

  • 取材・文

    永井和幸

  • 撮影

    Viola Kam (V'z Twinkle)

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