いれいす、初のベルーナドームで2Daysワンマン!悔しさを胸に新たな目標を誓う

ライブレポート | 2024.12.06 17:00

いれいすOne Man Live in ベルーナドーム「The Progress of Dice」
-Memory- / -Future
<Day2>2024年12月1日(日)ベルーナドーム

「イレギュラーな毎日を、君と」をコンセプトに活動する6人組2.5次元歌い手グループ・Irregular Dice(いれいす)が、2024年11月30日(土)、12月1日(日)に『いれいす One Man Live in ベルーナドーム 「The Progress of Dice」 -Memory- / -Future-』を開催した。

2022年までの初期曲を中心とした初日の「-Memory-」、2023年以降の楽曲を中心とした最終日の「-Future-」の2日間で、リスナー投票により選ばれた各日10曲を交えて全曲異なるセットリストを組み、計59曲をパフォーマンス。名実ともに今公演のコンセプト“過去と未来をつなぐ”をやり遂げた。このレポートではDay2「-Future-」の模様をお届けする。

ベルーナドームの天井が夕陽でオレンジに染まるなか、冬めいたゴージャスなステージのモニターにオープニングムービーが流れる。「君に誓った、僕らの未来」という文字が映し出されると、それぞれのダイスナンバーがあしらわれた正方形のオブジェの前にメンバーが登場。会場から大きな声援が巻き起こるなか、Ifが「来て良かったと思えるように楽しませるから、思い切り盛り上がっていこうぜ!」と叫び、華々しくこの日の幕を開けた。

今年2月に開催した日本武道館公演のテーマソング「星降るフェアリーテイル」、いれいすの第2章をスタートさせた楽曲「Promise」、未来を歌った「Brave」と、序盤から新しい世界に羽ばたく楽曲を堂々と届ける。ドーム規模の会場でものびのびとした様子で笑顔を浮かべる6人は、夏のツアーからさらに頼もしさが増していた。

3曲を立て続けに披露すると、6人は日が暮れるにつれてベルーナドームが冷え込むことを気に掛けて、自己紹介に「会場がぶち上がる一言」を添えて観客のハートをあたためる。和気あいあいとしたMCからスマートに「学級崩壊☆ですとろいやー」につなぐと、続いての「言いたいことがあるんだよーーー!!」含めて観客とコール&レスポンスを楽しみ、10月末に公開したばかりの-hotoke-作詞の新曲「愛してるじゃ足りないもん!」をライブにて初披露し、会場を大いに盛り上げた。

いれいすのライブの恒例となる幕間映像は『鍋の約束』。鍋を行う権利と食材を取り合うゲームを恋愛リアリティショーのように展開する、昨年8月に開催された“いれいす Summer Tour 2023 「えびばでぃ -夏- Summer !!」”の幕間映像『肉の約束』の続編的内容だ。ただ今回は出てくる具材が卵、漬物、肉、お酒、麺、米とトリッキーなものばかり。理想の鍋を実現させるべく、駆け引きを仕掛けるメンバーの姿に会場も大いに沸いた。

『鍋の約束』の前半が終わるとソロ曲のセクションへ。りうらはマイクスタンドをしっかりと握りピアノロックバラード「一等星」を切なくも力強く歌い上げ、-hotoke-はヘッドセットマイクをつけてダンスをしたり観客にウェーブを求めるなどコミュニケーションを取りながらキュートで爽やかなポップソング「超次元♡理論→→→」をパフォーマンスする。初兎は魔王さながらの立ち振る舞いでダークなラップ曲「Xos」をクールかつエネルギッシュに届け、ないこはキャッチーなメッセージソング「メンヘラホイホイ」を歌い、同じように踊る観客の姿を見て「みんなできてるじゃん!」と笑顔を浮かべた。Ifが全身を振り絞るように「Sky Blue」でストレートな熱いボーカルを響かせると、悠佑はすがすがしい表情で「DIVE!!」を歌い、男気に溢れた立ち振る舞いで会場を魅了。メンバーそれぞれが自身のキャラクターを発揮した。

りうら

-hotoke-

初兎

ないこ

If

悠佑

続いてはいれいす総選挙1位を獲得した各メンバーのセンターソングのセクションへ。初日の「-Memory-」では第3回までの楽曲をパフォーマンスし、この日は第4回以降の「逆境STORY」「ONE」「恋星エトワール」の3曲を披露した。ソロ曲のセクションと各メンバーのセンターソングを立て続けに観て、あらためていれいす6人はまったく異なる個性を持ちながらも、全員が同じ熱量でメンバー同士を尊重し合っていることを実感する。センターを務めるメンバーを引き立てるためにしっかりと支える5人の様子は、仲睦まじいファミリーのような安心感があった。

-hotoke-が「次の曲は君の近くまで行きます! いれいすの春夏秋冬をお届けします」と言うと、メンバーは二手に分かれてトロッコに乗り込み「春は麗し舞え桜吹雪」を、センターステージにたどり着くとタオルを回して「よっ!夏大将!LOVE紫外線」を、本格的に夜になる会場のリアルタイムなシチュエーションとリンクさせて「ジダンダーナイト」を、再びトロッコに乗り込んでメインステージに戻りながら「Luminous」を披露する。いれいす流の四季折々のカラフルな情景を描いた後は『鍋の約束』の後編が放映され、それぞれの思いが成就した結末に観客も拍手と声援を送った。

「Paparazzi」「百鬼夜行」「Place to be」「零番街」と妖しげで挑発的なパフォーマンスを繰り広げると、「世界はそれでも進んでいく」「メテオライト」と歌詞を一つひとつ噛み締めるように情熱を込めて歌い上げる。本編ラストの「僕らが描いた夢のその先に」は、ファンの一人ひとりにメッセージを贈るような誠実さがボーカルに溢れ、最後のサビで銀テープが舞い上がった様子は6人の純粋な気持ちを象徴するようにきらめいていた。

アンコールで「ACROSS DIMENSIONS」と「Never & Roll」の2曲をスケール大きく届けると、メンバーを代表してリーダーのないこが思いを言葉にする。今回の2daysライブはいれいすが東京ドームでのワンマン実現を見据えて初めて挑戦したドーム規模の公演であり、過去最高人数の観客を前にライブができた喜びや観客が振るペンライトの美しさに感動を示すと同時に、初のドーム公演に向けて力の限りを尽くしたものの会場を満席にできなかったことへの悔しさをあらわにする。「今日の公演が失敗だとは思っていません。皆さんのペンライトと笑顔がまばゆいぐらいに輝いて、こんな景色を見せてくださってありがとうございます」と告げ、東京ドームのワンマンライブを行うという目標に加え、それを満席で迎えることを誓った。

「こんな綺麗な景色を見せてもらった僕らの最後が“ごめんなさい”なんて、そんな悲しいライブ嫌ですよね。今日僕たちが最後に伝えたい言葉は“ありがとう”。今日のこの景色と味わった悔しさ、みんなに同じ悔しさを味わわせてしまったこと、僕たちは絶対忘れない。今日はこんな綺麗な景色を見せてくれてありがとう」とないこが言うと、6人は「愛をありがとう」を歌い出す。悔しさを乗り越えて、未来をしっかりと見据えて歌う姿が印象に残った。

ライブはこれで終わるかと思いきや、モニターにはこの2日間のダイジェスト映像が流れる。そして最後に「オリジナル曲 初披露」の文字が映し出され、再びステージに登場したメンバーが新曲「追憶のダイヤモンド」をサプライズで初披露した。まらしぃが作詞作曲を担当した同曲は、いれいすらしい“君”へのまっすぐな思いと目標に向かってひたむきに進む姿が刻まれていた。

「The Progress of Dice」というライブタイトルどおり、この2日間はこれまでのグループの成長や進歩を表現するだけでなく、これからの発展を描いたものとなった。2024年は初の日本武道館公演、ホール&アリーナツアー、初のドーム公演の開催と、グループ史上最もステップアップした1年と言っていいだろう。目標達成の爽快感と、精一杯力を尽くした結果手が届かなかった悔しさをどちらも味わった彼らが、2025年にどんな姿を見せてくれるのか期待したい。

SET LIST

01.星降るフェアリーテイル
02.Promise
03.Brave
04.学級崩壊☆ですとろいやー
05.言いたいことがあるんだよーーー!!
06.愛してるじゃ足りないもん!
07.一等星
08.超次元♡理論→→→
09.Xos
10.メンヘラホイホイ
11.Sky Blue
12.DIVE!!
13.逆境STORY
14.ONE
15.恋星エトワール
16.春は麗し舞え桜吹雪
17.よっ!夏大将!LOVE紫外線
18.ジダンダーナイト
19.Luminous
20.Paparazzi
21.百鬼夜行
22.Place to be
23.零番街
24.世界はそれでも進んでいく
25.メテオライト
26.僕らが描いた夢のその先に

ENCORE
01.ACROSS DIMENSIONS
02.Never & Roll
03.愛をありがとう

W-ENCORE
01.追憶のダイヤモンド

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