19回目の『NAONのYAON』開催!昭和・平成・令和を駆け抜けてきた女性アーティストたちが日比谷野音に集結

ライブレポート | 2025.05.23 19:00

SHOW-YA PRODUCE『NAONのYAON 2025』Powered by越乃寒梅
2025年4月29日(火・祝)日比谷野外大音楽堂

【出演アーティスト】SHOW-YA / 八神純子 / 杏子 / 中村あゆみ / 相川七瀬 / 小柳ゆき / 渡辺敦子(ex.PRINCESS PRINCESS) / 富田京子(ex.PRINCESS PRINCESS) / NEMOPHILA / HAGANE / Risky Melody / はな(Gacharic Spin) / TOMO-ZO(Gacharic Spin) / yuri(Gacharic Spin) / アンジェリーナ1/3(Gacharic Spin) / 力石理江 / 山田直子 / 菅原潤子 / cheeta / AZU / MINA(East Of Eden) / 野口紗依子

オープニングアクト:GIRLS'F1ST!!!!GT
シークレットゲスト:NORMA JEAN / 子どもたちバンド

快晴に恵まれた、GW序盤の4月29日(火・祝)。日比谷野外大音楽堂にて『NAONのYAON 2025』が開催された。

1987年の第1回開催から数えて、実に19回目(!)の開催であり、今秋より日比谷野音の改修工事が予定されているため、現体制での開催はいったんラストとなる今回。会場を埋め尽くす『NAONのYAON』ファンが開演を待ち望む中、OPアクトのGIRLS'F1ST!!!!GTのフレッシュなアクトに続き、オーガナイザーである寺田恵子(SHOW-YA)がステージに登場!

真っ赤な薔薇で彩られた華やかなステージに颯爽と登場すると、前説代わりのMCで『NAONのYAON』の歴史を懐かしそうに振り返った寺田。さらに今年40周年を迎えたSHOW-YAが年間100本のライブに挑んでいる(「100 LIVE AGAIN」)ことを語り、時間厳守を司る頼もしき時の番人(タイムキーパー)の神取忍&井上貴子と共にカウントダウン。『NAONのYAON』のスタートを宣言した。

神取忍・寺田恵子・井上貴子

トップバッターのNEMOPHILAがヘヴィなサウンドに乗せた伸びやかな歌声を青空に響かせて勢いを付けると、去年はOPアクトで出演したRisky Melodyがエネルギッシュなステージで駆け抜ける。さらにキュートなルックスとは裏腹に、ハードで硬派なロックチューンで圧倒したHAGANEと続き、ガールズロックシーンの未来を担う、頼もしい若手たちが堂々たるステージで会場を沸かすと、「若手あっぱれ!」と寺田が賛辞を送った。

NEMOPHILA

Risky Melody

HAGANE

この日、ライブの転換ごとにステージに登場し、出演アーティストを改めて紹介。ライブを終えたばかりの出演者に、ライブの感想や労いの言葉をかけていた寺田。その心温まる光景や両者の会話から見えるリスペクトや信頼関係を見て、『NAONのYAON』が寺田の愛情深さや人情の上で成り立っていることを改めて確信した。

続く、“PRINCESS PRINCESS”のコーナーでは、本家のメンバーである渡辺敦子(Ba)、富田京子(Dr)も登場し、寺田とmayu(NEMOPHILA)、ALICE(Risky Melody)、凪希(HAGANE)、そしてアンジェリーナ1/3(Gacharic Spin)というボーカル陣で、「19 GROWING UP」、「M」、「Diamonds(ダイアモンド)」と、プリプリの名曲を披露。MCでは貴重なエピソード満載な、SHOW-YAとプリプリの仲良しトークで盛り上がり、その微笑ましい光景が観客を笑顔にした。

続いてシークレット・ゲストとして、「この日のために再結成してくれました!」と紹介されて登場したのは、イカ天で人気を集めたNORMA JEAN! ダイナマイトMARI(Vo)の当時と変わらぬハイテンションなボーカルで代表曲「GET A CHANCE!!」を披露すると、会場中から大きな拍手と声援が起こる。

NORMA JEAN

そんな大盛り上がりの会場をさらにヒートアップさせて、前半戦のクライマックスを生んだのは、寺田、杏子、中村あゆみ、相川七瀬という豪華メンバーによる、BOMBER GIRLS! 結成のキッカケとなった、相川七瀬のデビュー20周年記念盤(2015年)収録の「BOMBER GIRL」で始まり、山口百恵「ロックンロール・ウィドウ」、中森明菜「飾りじゃないのよ涙は」、アン・ルイス「六本木心中」と、誰もが知ってる昭和の名曲カバーで魅了した4人。日本の誇るロックンロール・ディーヴァたちがせめぎ合う、贅沢すぎるコラボに観客は大熱狂! その興奮が冷めぬままに前半戦が幕を閉じ、怒涛の後半戦へと続いていく。

後半戦の幕開けは、昨秋放送されたテレビ番組『芸能人格付けチェック 秋の3時間スペシャル」で行われた、SHOW-YAと当時全員が小学生だったガールズバンドの聴き比べ企画に出演した“子どもたちバンド”が登場。子どもたちのプロ顔負けの演奏で、「限界LOVERS」を熱唱した寺田は「本当に凄い!」と感想を述べ、「日本のガールズロックの未来は明るいです!」と子どもたちに称賛を贈った。

子どもたちバンド

そしてここからは『NAONのYAON』でしか見れない、レジェンドたちのステージが続く。「大好きな先輩。愛がいっぱいのこの方です!」という寺田の紹介で登場したのは、八神純子。近年の80年代シティポップブームもあり、いまもその歌声が世界を魅了する彼女。NAONのYAONスペシャルバンドを従えて、「パープルタウン」、「思い出は美しすぎて」、「みずいろの雨」と名曲たちをロック仕様で披露。美しく伸びやかな歌声と圧巻のステージングは、個人的にこの日のベストアクト! 会場中をステージに釘付けにした。

八神純子

「be alive」でライブが始まるや、圧倒的な声量と歌唱力でその存在を知らしめたのは、小柳ゆき。「私のデビュー曲で、大事に歌い続けている曲です」と披露した「あなたのキスを数えましょう」、会場中がクラップや手振りを合わせて一体感を生んだ「愛情」と続き、会場を大いに沸かせる。

小柳ゆき

2008年の『NAONのYAON』再開後、皆勤賞となる相川七瀬は、「ここからはアゲていくしかないので!」と力強く告げ、エネルギッシュなロックボーカルで「Sweet Emotion」を熱唱。ALICEを迎えての「Blue Star」に続く、代表曲「夢見る少女じゃいられない」では会場中が歌声を合わせ、予告通りしっかり観客の気持ちをブチ上げた。

相川七瀬

続いて、「ハートの強いおなごでございます」と寺田が紹介して登場したのは、中村あゆみ。唯一無二のハスキーな歌声で「翼の折れたエンジェル」を披露して会場を沸かすと、アンジェリーナ1/3をステージに呼び込み、2人の息の合ったアカペラで始まる「BROTHER」を披露。ラストは2008年にリリースしたカバーアルバム『VOICE』にも収録された、GLAY「HOWEVER」のカバーを熱く歌い上げた。

中村あゆみ

ロングコートを華麗になびかせて色気ある歌声で魅せる10-FEET「第ゼロ感」という意外性あるカバー曲で驚かせたのは、3年ぶりの出演となった杏子。自身が所属するバービーボーイズが40周年を迎えたことを話すと、「どうも、KEI-KONTAです」とおどける寺田恵子を迎えて、男役をクールに務める寺田とのデュエットで、バービーの代表曲「目を閉じておいでよ」を披露。ラストはソロでバービーの「負けるもんか」をカッコ良く決める。

杏子

『NAONのYAON』もいよいよクライマックス。すっかり陽が落ちた日比谷野音のステージを眩いライトが照らす中、堂々登場したのはSHOW-YA。ふりそそぐ光を浴びて、激しい演奏と強烈な存在感を放つボーカルで圧倒した「FAIRY」でライブの幕を開けると、「若い子と一緒にやりたいです!」と寺田がmayuと凪希を呼び込み「私は嵐」を披露。トリプルボーカルの迫力にヒートアップした観客から、拳と歓声が上がる!

続いてテレビ企画から生まれた、沢田研二「ス・ト・リ・ッ・パ・ー」のカバーをライブ初披露すると、「BATTLE EXPRESS」で会場の士気を上げた彼女ら。本編ラストは「最後、思い切り頭振れよ!」と、寺田が煽り始まった「限界LOVERS」。渾身の歌と演奏に会場が最高潮の盛り上がりを見せ、『NAONのYAON』を熱く激しく締めくくった。

ここで「『NAONのYAON』は終わりません!」と告げ、野音の改修工事が終わるまで別会場を“間借り”することを明かした寺田。来年(2026年)は、4月29日に横浜BUNTAI(旧横浜文化体育館)にて『NAONのBUNTAI』を開催することを発表すると、歓喜の声が上がる。

現体制は最後ながら、『NAONのYAON』の歴史はまだまだ続くことが分かったところで、大フィナーレに突入。この日出演した全出演者をステージに呼び込み、ステージを埋め尽くす華やかなNAONたちが披露した楽曲は、SHOW-YA「Rock Love」。そこにいる全ての人が“Rock Love”を叫び、ド派手な特効が鳴る、祭りの終演に相応しい賑やかでドラマチックなステージは、19回目の開催にちなんだ19カウントでフィニッシュ!

終演後も鳴り止まない拍手と、名残惜しそうにステージに残る出演者たち。そして出演者一人ひとりにハグをして感謝を告げる寺田の姿を見て、なんて愛に溢れたイベントなのだろう!と改めて思ったし、リニューアルした日比谷野音で、再び『NAONのYAON』が見れる日が心底楽しみになった。

SET LIST

GIRLS' F1ST!!!! GT
OP ACT. DON'T STOP!!!!

NEMOPHILA
M1. Just Do It!
M2. アナタダレ
M3. Good as hell quartet

Risky Melody
M4. ALL AS ONE
M5. いたいいたいあい
M6. To Survive
M7. Risky Melody

HAGANE
M8. Wintry Sky
M9. 天下五剣
M10. Life goes on!

プリプリコーナー
M11. 19 GROWING UP / M(メドレー)
M12. Diamonds(ダイアモンド)

NORMA JEAN
M13. GET A CHANCE!!

名曲メドレー
M14. BOMBER GIRL / ロックンロール・ウィドウ / 飾りじゃないのよ涙は / 六本木心中

子どもたちバンド
M15. 限界LOVERS

八神純子
M16. パープルタウン
M17. 思い出は美しすぎて
M18. みずいろの雨

小柳ゆき
M19. be alive
M20. あなたのキスを数えましょう
M21. 愛情

相川七瀬
M22. Sweet Emotion
M23. Blue Star
M24. 夢見る少女じゃいられない

中村あゆみ
M25. 翼の折れたエンジェル
M26. BROTHER
M27. HOWEVER(GLAYカバー)

杏子
M28. 第ゼロ感(10-FEET カバー)
M29. 目を閉じておいでよ
M30. 負けるもんか

SHOW-YA
M31. FAIRY
M32. 私は嵐
M33. ス・ト・リ・ッ・パ・ー(沢田研二 カバー)
M34. BATTLE EXPRESS
M35. 限界LOVERS

ENCORE
M36. Rock Love

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