アンティック-珈琲店- 年跨ぎのツアーを発表!メンバーとカフェっ仔が愛を伝えあった、未来へと繋ぐday2をレポート

ライブレポート | 2025.05.09 18:00

LIVE CAFE 21st spring NYAPPY 昔を振り返っても明日は無いけど、ボクは忘れないo(≧∀≦)o
2025年4月30日(水)Zepp Haneda(TOKYO)

20周年イヤーの終幕から約1年半。4月29、30日にアンカフェことアンティック-珈琲店-がZepp Haneda(TOKYO)のステージに再び集結した。2024年の1月のLINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)2デイズで「サヨナラを言うつもりはないです」、「また集まれる時はみんなの顔が見たいし、それまでどうか幸せに暮らしていてください」と周年の締めくくりにカフェっ仔にメッセージを送ったメンバーだったが、その言葉に嘘はなかった。しかも、2日目アンコールでは新たな再会まで約束。場内は笑顔が咲き乱れる幸せな空間になった。「LIVE CAFE 21st spring NYAPPY 昔を振り返っても明日は無いけど、ボクは忘れないo(≧∀≦)o」と銘打たれた30日は未来へと繋ぐ一夜でもあった。

上部に配されたピンクのニャッピーアイコンが“ウエルカム”ムードを醸し出す中、メンバーはステージ奥の扉から順番に登場。客席にニャッピーライトが揺れる中、ライブはアッパーチューン「イナズマの旋律」で幕を開けた。続いて放たれたのはみくが上手、下手へとステージを動きながら歌ったおなじみの「メープルガンマン」。桜色のスーツを着たみく(Vo)が「Zepp! NYAPPY o(≧∀≦) o! 昨日より声がちっちゃいぞ!」と煽り、アンカフェライブでは定番の「ただいま」「お帰り」の客席とのやりとり。輝喜(Dr)、カノン(Ba)、ゆうき(Key)、takuya (Gt)も口々にやる気のほどをやや興奮気味に伝え、場内を盛り上げる。

みくの「ぶち上がっていきましょう!」という言葉とともに立て続けに披露されたのはアンカフェのヒット曲と言えるシングルたち。照明が客席を照らした「流星ロケット」ではtakuyaのギターとゆうきの鍵盤がキラキラ感と彩りを与え、2024年の9月に16年ぶりに新たなMVが公開され、今年、2025年Ver.が配信された「Cherry咲く勇気!!」ではみくが客席にマイクを向け、カノンが下手から上手に移動し、takuyaはセンターでギターソロ。色褪せないメロディと歌詞が今年の春を躍動させていき、「覚醒ヒロイズム」ではコール&レスポンス。3曲が終わるとメンバーの名前を口々に叫ぶ声が響きわたった。

「みんな、あったまってきた?俺たちの方があったまってます。なぜなら俺たちの方がみんなより緊張してました。マジで2曲目終わった時、手プルプルしてたもん」とみくがリアルタイムな心境と共にライブは多くのことを与えてくれる場だと伝えた。「僕はバンドをやっていなかったら感謝の気持ちを覚えることはなかったと思います。みんなが教えてくれました。もちろん、中にはツラいこともあって、今は全くないですが、当時はありました。そんな想いを歌った懐かしい曲を披露したいと思います」。曲名「ZETSUBOU」を告げるとあちこちから悲鳴のような歓声が上がった。“助けてのシグナルも出せなかった”、“消えたかった”と歌うこの曲から、
甘酸っぱいバラード「ベストアパート」へと続く2曲はレアセレクションだ。

感慨深い2曲が披露された後はアンカフェのエンターテインメント性が炸裂するニャッピー学園のコーナー。みく以外の4人が卒業シーズンを背景に(年長者の輝喜は先生役)わちゃわちゃしたやりとりを繰り広げ、ゆうきが前に出て煽る「NYAPPY in the world 2」から「ベイビーキング」へとなだれ込む。後半に向かうにつれて輝喜のドラミング、カノンのベースは冴えわたり、takuyaのフレーズも熱さを増し、パフォーマーとしても大活躍のゆうきも然り、みくの声量も増していく。「覚えてるか? この曲、暴れる準備はできてるか?」と煽ったデビューシングル収録曲「3P」(2004年)ではみくが下手の台に上がって叫び、楽器陣もヘドバン。2ビートのファストチューンを投下しても違和感ゼロなのがすごい。そして、メンバーに負けないぐらい声を上げ、暴れるカフェっ仔もさすがである。当時、アンカフェのライブに集まるカフェっ仔たちのカラフルでぶっ飛んだ原宿系ファッションはひときわ目立っていたが、今なお、遊び心を忘れずにオシャレをして参戦する彼ら、彼女たちもまた筋金入りである。「AROMA」に続いて、みくが明るく照らされた客席に「タオルを上にかざせ!」と叫んだ「Bonds 〜絆〜」は、まさにそんな両者の絆がしっかり結ばれていることを証明するナンバー。カフェっ仔のコールと歌声がどんどん大きくなり、本編はメンバー全員のメッセージとサインが刻まれた銀テープが勢いよく放たれた「スマイル一番 イイ♀」で締めくくられた。

「もう1杯!」の元気な声で溢れたアンコール。「みんな、たくさんの声をありがとうございます! 何年経っても声のボリュームが変わらないってすげえと思う。まだまだ愛されてます」というみくの言葉はこの日のライブを象徴していたように思う。どうしても歌いたかったと前置きして届けられたのが“キミの笑顔があるから ココに居られるよ”と歌う「MY HEART LEAPS FOR “C“」だったこともアンカフェの今の想いそのもの。疾走感たっぷりの「JIBUN」を挟んでハートウォーミングな歌とメッセージが染みてきた「ラフ・ソング」ではシンガロング。アンカフェとカフェっ仔の愛を伝えあうキャッチボールのような掛け合いが感動的であった。

終演後は5人のメッセージも届けられた。涙もろい輝喜は「アンカフェってホントにすごいバンドだと思います。別に他のバンドがどうとかじゃなくて、このメンバーとカフェっ仔が一緒にいたら、みんなで笑顔になれるって本当にすごいなって。またライブで会えたら嬉しいです」と挨拶。来年、40才になるというゆうきは「昨日は声を出しすぎて、夜、帰ったら喉に痛みが走って診てもらったら“叫びすぎです”って。“じゃあ、今日はぶっ壊そう”と思って全力で声出しました」と笑顔。カノンは「あまたの数のバンドがいますが、アンティック-珈琲店-はどこにもない唯一無二のバンドになったなと思います。それもこうして20年以上やってこれたから。これからも崩れることはないと思ってます」と今の実感を語り、カノンからモテ男ギターと紹介されたtakuyaは「いっぱい咲いてくれてありがとうございます。今日は最高の景色を目に焼き付けさせてくれて、アッという間の2日間だったんですけど、夢見てるみたいで現実に戻されるのが怖いなって」と翌日から仕事なことに言及。会場から「頑張って」という声が飛んでいた。そして、「アンコールで歌っていて、自分の中で決意したことがあります。この景色は当たり前じゃないって」と語り始めたみくは「40過ぎて考えることじゃないと思うんですけど、もっと歌を勉強してアンティック-珈琲店-を知ってもらえるように努力して毎日、頑張ろうと思いました」と宣言。拍手の中、最後に重大発表。「LIVE Cafe 22nd NBD parade☆2025-2026 o(≧∀≦)o」
と銘打って12月から仙台、1月から大阪、東京と年をまたいでツアーを開催することを報告し、カフェっ仔たちを狂喜させた。

そして、今回の2デイズには終演後に更なるサプライズが用意されていた。ニャッピーアイコンが照明によって妖しく光り、鐘の音が鳴り、不穏な雰囲気の中、ステージに和装で現れたのは今年、MVが公開され、配信もされた謎の覆面バンド、八咫ノ仮面 -YATANO KAMEN-。その正体は直前にメディアで明かされていたため、知っていた人もいたと思うが、ザワつく場内に向かって自己紹介をし、噂のナンバー「祈奉」を投下。ハイトーンからデスボイスまで自在に操るボーカル、地の底まで響くヘヴィなサウンドで圧倒し、最後は無言のまま去っていった。オープニングアクトならぬエンディングアクト? アンカフェのみならず、八咫ノ仮面 -YATANO KAMEN-の今後の動向からも目が離せない。

SET LIST

01. イナズマの旋律
02. メープルガンマン
03. 流星ロケット
04 Cherry花咲く勇気!!
05. 覚醒ヒロイズム
06. ZETUBOU
07. ベストアパート
08. エトセトラ
09. NYAPPY in the world 2
10. ベイビーキング
11. 3P
12. AROMA
13. Bonds 〜絆〜
14. スマイル一番イイ♀

ENCORE
01. MY HEART LEAPS FOR “C”
02. JIBUN
03. ラフ・ソング

W-Encore
01. 祈奉

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