MACO、9都市を巡る「MACO~CAN’T END THIS LOVE TOUR 2025~」がスタート!“みんなとこれからもずっと一緒に”新しい一歩を踏み出した初日公演をレポート

ライブレポート | 2025.05.22 19:00

MACO~CAN’T END THIS LOVE TOUR 2025~
2025年5月4日(日)東京・大手町三井ホール

シンガーソングライターのMACOが全国9都市を巡るヘッドラインツアー「MACO~CAN’T END THIS LOVE TOUR 2025~」の初日公演を5月4日(日)に東京・大手町三井ホールにて開催した。

2014年5月7日にテイラー・スウィフトのカバー「私たちは絶対に絶対にヨリを戻したりしない~We Are Never Ever Getting Back Together (Japanese Ver.)」で配信デビューを果たし、同年7月23日にリリースしたメジャーデビューミニ・アルバム『23』で瞬く間に恋する女の子の代弁者たるポジションを獲得したMACO。アーティスト活動10周年を迎えた昨年の5月に事務所を退所し、独立。同年10月30日には、前作「ラブソング」からは1年ぶり、独立後は初となるシングルで、「生活のどこを切り取っても愛、みたいな環境で浮かれながら書いた」という「MY LIFE, MY LOVE」を配信リリース。12月15日にはセルフプロデュースによる構成で、本人曰く「6時間やっていた」という一夜限りのライブ『MY LIFE, MY LOVE LIVE 2024』を開催した。

ツアーとしては、2022年4月6日にリリースされた5枚目のアルバム『We Promised.』を引っ提げた全国ツアー「MACO We Promised. Tour 2022 〜 Acoustic & Pop 〜」以来、実に3年ぶりとなる本ツアー。まだ2公演が終わったばかりなので詳細な内容については触れずにおくが、「恋人同士」「love letter」といった2016年のヒット曲に、現時点では最新となるアルバム『We Promised.』のリード曲「End Love?」や2025年4月16日(水)にリリースしたばかりの最新曲「だから終われない恋」を織り交ぜたセットリストで、様々なラブソングを歌い続けてきたMACOの過去、現在、未来をまたぐ内容となっていたのだが、キーとなっていたのは、「End Love?」と「だから終われない恋」の2曲だろう。

言語を揃えるとしたら、「恋の終わり?」から「だから終われない恋」、「End Love?」から「Can't End This Love」になるだろうか。恋は終わらなかった……というか、終われなかったのだ。体調不良による休養、独立して新たなチャプターに向かうという、MACOにとって激動の2年間を繋ぐ楽曲となっており、ともにaikoやいきものがかりを手がけてきた島田昌典をアレンジとプロデュースに迎えていることも偶然ではないだろう。

「End Love?」は<好きになりそうだった>友達である<君>への言えない思いを抱えた苦く切ない片想いソングで、初日公演では<世界で一番愛してるよ>というフレーズで圧倒的な歌声を響かせ、ヴォーカリストとしての魅力をダイレクトに見せつけてくれた。そして、<I love you love you/くだらないね また恋の歌歌って>というフレーズを高らかに力強く歌い上げる新曲「だから終われない恋」。MACOは「まだ恋愛の曲を歌ってるなんて、みっともないねという自分に対する皮肉を込めた」と語っているが、最新曲を冠にした本ツアーからは平成ラブソングがレトロや懐メロと言われるようになっても様々な恋愛の歌を歌い続けていくという覚悟を感じた。MCでも「自分はきっと、恋とか愛とかを歌い続けるんだろなと思います」と語るシーンがあったが、どんな時代であっても普遍的なラブソングを歌っていくんだという姿勢は、これまでもこれからも決して揺らぐことのないMACOのアーティストとしての本質といってもいいだろう。

また、東京公演ではギター、ベース、ドラムの3ピースによるバンド編成に加えて、「恋人同士」では、2名の女性ダンサーが加わり、観客のボルテージを上げるとともに、会場の一体感を高めてくれた。さらに、サウンド面で言えば、オートチューンを使用したローファイヒップホップやオルタナティヴR&Bのような最新トレンドを加えた音像もあり、実に多彩で一瞬たりとも飽きることなく、グルーヴも豊かで充実していた。恋愛がハッピーで楽しく幸せな瞬間もあれば、悲しく切ない別れもあるのと同じように、MACOと一緒に高く掲げた手を左右に振り、シンガロングやクラップなどで盛り上がる場面もあれば、ハイチェアに座り、アコースティックギターを基調にしたサウンドでヴォーカリストとしての魅力がしっかりと伝わってくるパートもあった。観客は、その1曲1曲に自身を投影し、いつかの恋を思い起こしながら様々な恋愛の歌を楽しんでいただろうし、肩を寄せ合って2人の世界に浸っているカップルのファンもいた。対象の変化こそあれ、恋する気持ちは決してなくなることはないと再確認させてくれる時間となった。

なお、終演後には、追加公演として、6月22日(日) に東京・渋谷WWW Xでファイナル公演を開催することがオフィシャルホームページで発表された。MACOは「みんなとは終われない。この先もずっと一緒にいたい」と笑顔で約束してくれたが、彼女が紡ぐラブソングが気になる方は、ぜひ本ツアーのどこかに足を運んでみてほしい。これからもずっと普遍的なラブソングを歌い続けていくという新たな決意をファンに直接伝えた、本当の意味で新たな一歩を踏み出したツアーの初日であった。

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