26時のマスカレイド、グループとして新たな可能性を魅せた六本木の夜。日本中でどこよりも早い夏を先取りしたニジマスライブをレポート!

ライブレポート | 2018.06.19 15:00

26時のマスカレイド ワンマンライブ〜ニジマスストーリー第4章〜
「26時のミュージックアクアリウム」
2018年6月9日(土) EX THEATER ROPPONGI

26時のマスカレイド(通称ニジマス)は、「読モBOYS&GIRLS×Zipperアイドルオーディション」で選抜されたメンバーによって2016年に結成した5人組アイドルグループ。近年はファッションに力を入れているアイドルも少なくないが、ニジマスは“FASHION&EMOTION”というテーマを掲げ、WEGOと文化服装学院が衣装プロデュースを手掛けていることもあり、アイドルの“命”と言っても過言ではない彼女たちの衣装は、いつも可憐で、美しい。

毎年夏に開催される世界最大のアイドルイベント<TOKYO IDOL FESTIVAL>(通称TIF)において、昨年ニジマスはメインステージ争奪戦を勝ち抜き、見事メインステージで華々しくパフォーマンスを行った。ここで念頭に置いていただきたいのは、まずTIFが星の数ほど存在すると言われているアイドルたちの多くが目標にしているイベントであるということ。次に、TIFには規模の異なるステージが複数存在するため、デビュー間もないアイドルがそのほかの有名アイドルたちと肩を並べてメインステージに立てるというのは非常にレアなことであること。例えるなら、大型ロックフェスにおいて新人バンドがいきなりメインステージに出演するようなものである。

そんなニジマスの4度目のワンマンライブとなった、この日のEXシアターROPPONGI。ニジマスのライブの魅力をいくつか挙げると、“それぞれタイプの異なったビジュアルの良さ”“まっすぐな歌詞”“演出のストーリー性”“気取らないMC”。それらはEXシアターでも随所でちりばめられていた。

この日の舞台セットは、メンバーのアイディアから生まれたという“アクアリウム”を模した特別感あふれるもの。オープニング映像は、イラストが得意な来栖りんによる、人魚の姿に扮した5人が特訓を重ね、アイドルになるまでのストーリーを描いたアニメーションであった。

ライブは、「ハートサングラス」からスタート。ファンの間では“ニジマスといえば夏”と言われているが、それはこの夏ソングが彼女たちの絶対的キラーチューンであるからだ。実際、去年の夏、彼女たちはこの曲を引っ提げ、全国のアイドルフェスを無双した。EXシアターでも、いきなりの「ハートサングラス」に観客たちは大喜び。この曲を盛り上げる要素のひとつと言える、メンバーと観客たちによる「もーいっかい!」「もうちょっと!」というコール&レスポンスも起こり、梅雨のジメジメとした気分を一気に晴れやかな雰囲気に変えてくれた。

続く、「colors」「ビタースイート」では、来栖りんがアイドルらしいかわいらしいステージングで観客の心を掴んでいく。5曲目の「wai chai na」は、打って変わってニジマスには珍しいロックチューン。真っ赤なライティングと「いい子だなんてつまらない」という歌詞が印象的だ。この曲の途中にふと気がついたことがあった。それは、この日、彼女たちが歌詞の中で強く伝えたいと思っている部分が、ステージのバックモニターに表示されるのではないかということ。その直感は、ライブが進むうちに確信へと変わっていった。

「ハローハロー」はニジマスにとって初のオリジナルソング。落ちサビの「聞こえてますか」を、高い歌唱力を誇る江嶋綾恵梨が丁寧に歌い上げる。その芯が通った声は、2階後方で観ていた筆者にもまっすぐに届いてきた。そして、バックモニターにアップに映し出された江嶋の表情からは“この曲を歌っていることに心の底から幸せを感じている”さまがうかがえた。

新体制となって初披露となった「オレンジデイズ」では、仲間の卒業を乗り越えて新しい道を進む現在のニジマスと歌詞がリンクする。ニジマスのMC番長である森みはるの“みはる節”は、この日のライブでも健在。メンバーそれぞれが自分の衣装のポイントを紹介していく中、森はただ一人「私のが一番可愛いんですけど……」と前置きした上で説明。これにはほかのメンバーと観客がツッコミを入れながら、大きな笑いが起こった。

「7色のツボミ」ではモノクロとカラーの対比がある美しい映像をバックにパフォーマンスし、「ベールの夜明け」では最後に顔を隠す振付を披露。人気曲「心から」は、イントロが流れた瞬間から会場が沸く。この曲では観客たちが天井に人差指を突き上げながら「あえりが一番すいとーよ!」とコールするが、こうした観客側から発生するコールもアイドルライブの楽しみ方のひとつだ。

続いて、一等が終演後に楽屋に招待というファンにはたまらない「26時の大抽選会」コーナーへ。当選者が発表されるたびに会場からは拍手が巻き起こる。と、ここでこの日が誕生日である“大ちゃん”こと大門果琳にケーキをプレゼントするサプライズが。会場からは“おめでとー!”という大歓声。大門は、はにかみながら嬉しそうにその言葉を受け止めていた。言葉数こそ少ないが、大門にはいつどんな時も周りをほんわりとさせてくれる才能がある。

「B dash」では、バックモニターにレトロゲームのパロディ映像が映し出された。芸が細かい。アップテンポなナンバーに会場のボルテージが一気に上がる。歌詞とMVが“エモい”ことで話題の「ゼンキンセン」では、顔面偏差値が軽く70を超えているという噂の吉井美優を中心に、切なくて甘酸っぱい恋心をメンバーそれぞれが歌い上げる。最後に吉井が「ねぇ」と振り向く姿は、会場全体が思わず息を呑むほどの美しさだ。本編ラストに歌われたのは新曲「チャプチャパ」。蝉の声から始まるサマーチューンであるこの曲は「ハートサングラス」に続く、ニジマスの夏の定番曲となりそうだ。

「マスカレイドは眠らない」で始まったアンコールでは、グッズになっていた魚の形をした“ニジマスくん”をメンバーが振り回しながら登場。楽しそうに歌い、踊るメンバーといっぱいの笑顔の観客、そして彼らの手にはニジマス……見ようによってはシュールな光景だが、そこにはアイドルライブだからこその幸福感が満ち溢れていた。曲の最後には、メンバーが手に持っていたニジマスくんを客席に投げ入れる。まさにキャッチアンドリリース。

「マスカレイドは眠らない」後には、バックモニターに“重大発表”が映し出される。それは、新曲「チャプチャパ」が7月7日にシングルリリースされること、結成2周年を記念した全国ツアー<ニジマス全国放流ツアー>をデビュー記念日である10月30日から全5公演開催すること。これには、メンバーだけでなく、会場全体が喜びの歓声を上げた。最後のMCでは、それぞれの素直な言葉で今後の飛躍を誓った。スタッフとケンカをしながらもオープニング映像やグッズTシャツのイラストを描き上げたという来栖は、「だんだんと自分たちのやりたいことができるようになってきた」と語る。それはきっと彼女たちにとって大きな一歩だったに違いない。

ラストは、ストーリーテラーの大門のセリフから始まる「仮面に隠れたセレナーデ」。最初にニジマスの魅力の1つに挙げた「演出のストーリー性」を最大限に表現している曲だ。これにて、さまざまなシーンを描いたニジマス劇場が幕を閉じた。そこに残ったのは、ミュージカルのカーテンコールのような多幸感。帰り際、目の前を歩く女性ファンが背負っているリュックサックのサイドポケットに、ニジマスくんが無造作に刺さってあるのが目に入った。彼女は楽しかった思い出とともに、この日の“収穫”を家に持ち帰るのだろう。

こうして夏が始まっていくのだ。平成最後の夏・ニジマスエモーション。

セットリスト

01. ハートサングラス
02. colors
03. ビタースイート
04. ハローハロー
05. wai chai na
06. Go way
07. オレンジデイズ
08. 7色のツボミ
09. ベールの夜明け
10. 心から
11. B dash
12. ゼンキンセン
13. チャプチャパ

ENCORE
01. マスカレイドは眠らない
02. 仮面に隠れたセレナーデ

公演情報

ディスクガレージ公演

26時のマスカレイド 2nd Anniversary 「ニジマス放流全国ツアー」

2018年10月30日(火) 東京 TSUTAYA O-WEST
2018年11月10日(土) 福岡 ESPエンタテインメント福岡 Live Hall EMY
2018年11月11日(日) 愛知 伏見ライオンシアター
2018年11月23日(金・祝) 大阪 阿倍野ROCK TOWN
2018年11月24日(土) 東京 品川インターシティーホール

詳細はオフィシャルサイトにて

  • 取材・文

    永山あるみ

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