全方位型エンタティナー! ビッケブランカ、大充実のツアー・ファイナルを観た!

ライブレポート | 2018.07.05 20:00

ビッケブランカ「ULALA TOUR 2018」
2018年6月29日 TSUTAYA O-EAST

札幌・仙台・福岡・名古屋・大阪・東京の6都市を回る、シングル『ウララ』のリリース・ツアー『ビッケブランカ ULALA TOUR 2018』のファイナル、渋谷TSUTAYA O-EAST。過去の彼のワンマンで最大の会場だが、チケットは完売。
ステージ前に紗幕がかかり、うっすらメンバーたちが見えている状態で、1曲目「Get Physical」が始まり、イントロの途中でビッケがシャウトを一発入れた瞬間に紗幕がバーンと落ち、フレディ・マーキュリー式マイクスタンド(脚がなくてマイクに棒が付いているだけのやつ)を手にした彼の姿が現れる。この紗幕がバーンと落ちてライブが始まる演出がとにかく大好きで、ずっとやり続けて来たんだけど、ハコが小さいと幕が落ちる前から紗幕越しに姿が見えている時もあった、今日は大きな会場でよかった──と、後のMCで説明あり。

その「Get Physical」に続いては、ピアノでひとしきりイントロを奏でてから「Natural Woman」を歌い始め、2コーラス目ではピアノを離れてハンドマイクでステージ前へ出て行く。またピアノ前へ戻っての「Bad Boy Love」では、サビでファルセットを響かせ、「アシカダンス」では四つ打ちのビートに合わせてダンサブルに鍵盤を叩く。MCをはさんで、「Alright!」ではピアノ・ソロを披露、7曲目「Want you back」ではハンドマイクでステージを右へ左へ高速移動しながらオーディエンスと「Ah ha!」の掛け合い──と、ビッケが忙しくパフォーマンスすればするほど、フロアの温度がぐんぐん上がっていく。

このステージはLINE LIVEと中国の音楽配信サイト「網易雲音楽(NetEase Cloud Music)」で生中継されている、ということをオーディエンスに告げ、カメラに向かって中国語で挨拶したり、「セカイジュウノミナサン、アイシテクダサイ」と手を振ったりする。それまで作り話の歌詞しか書けなかったのを打ち破った、ターニングポイントになった曲だ、という10曲目「TARA」を歌う前には、そのことをシリアスに語りながら、合間に何度もベースの大澤DD拓海の紹介を入れる天丼ボケをはさむ。というふうに、MCにおける「伝えたいことを伝える」と「それを笑いでまぶす」のバランスも、つくづく絶妙。

12曲目、ビッケブランカ初のギター・ロック曲「Black Rover」では、ギターを弾きながら歌うという彼にとって初の試みもあり。「新しいことにチャレンジしたいと思います、以上です」と言ってギター(エクスプローラー)を手にし、「俺について来いや!」と叫んでから「……なんかこういう時にロッカーが言うことは?」とお客さんに問いかけ、「やれんのか渋谷!」とか教えてもらって、それをそのままくり返す、ということを、何度か続ける。フロア、爆笑。
その「Black Rover」の間奏では、井手上誠とギター・バトル、交互にソロを取る。井手上がライトハンド奏法や背面弾きを繰り出し、対抗しようとするを試みるも全然弾けない、という一幕でフロアをまた爆笑へいざなう。ちなみにそのエクスプローラー、「フォーリミのRYU-TAに借りています」とのこと。

「ピアノ・ロック」「ベン・フォールズ」「クイーン式コーラス」「バグルス」等の、ビッケブランカを構成する要素てんこ盛りの初期の代表曲「Slave of Love」「ファビュラス」の二連発で、O-EASTの熱は沸点に。「ファビュラス」では2Fからフロアに幾つもの風船が投げ込まれる演出も。
16曲目は「ウララ」。もっとも新しいこのシングルが「Slave of Love」や「ファビュラス」を超える勢いで熱狂的に迎えられ、本編が終了した。

アンコールでは、8月8日にセカンド・シングル『夏の夢/WALK』をリリースすること、「夏の夢」は7月5日にJ-WAVEでオンエア解禁になること、冬にアルバムが出てそのツアーを1月12日から2月10日にかけて行うこと、ファイナルの東京公演はZepp Tokyoであることを、発表。
そして「アンコールはいつも曲を決めてないんだけど、今日は聴いてほしい曲があった」と、「WALK」をライブで初披露する、というサプライズで、ライブをしめくくった。

人の感情を動かす旋律、それはどんなコードにどんなふうにのっけた時に生まれるのか、という魔法を知っているメロディ・メーカーであり、人を踊らせる音の組み立てのツボを知り尽くしているダンス・トラック・クリエイターであり、どんなメロでも自在に歌えるシンガーであり、シリアスと笑いを併せ持つパフォーマーであるビッケブランカ、その魅力がフルで放たれ続ける、大充実の2時間だった。ここに集まった人みんな、来る前以上にビッケブランカのことを好きになったはずだ。初めてライブを観た人も、何度も観ている人も含めて。

セットリスト

01. Get Physical
02. Natural Woman
03. Bad Boy Love
04. アシカダンス
05. Alright!
06. Broken
07. Want you back
08. SPEECH
09. Your Days
10. TARA
11. Black Rover
12. Moon Ride
14. Slave of Love
15. ファビュラス
16. ウララ

Encore
17. WALK

公演情報

DISK GARAGE公演

ビッケブランカ ALBUM TOUR 2019

2019年1月12日(土) 宮城 darwin
2019年1月14日(月・祝) 北海道 札幌PENNY LANE24
2019年1月19日(土) 福岡 DRUM LOGOS
2019年1月20日(日) 広島 セカンド・クラッチ
2019年1月25日(金) 愛知 DIAMOND HALL
2019年1月26日(土) 大阪 BIGCAT
2019年2月10日(日) 東京 Zepp Tokyo

■チケット申し込み
8月8日(水)発売 2ndシングル「夏の夢/WALK」(両A面)初回封入最速先行
※チケット申込期間:2018年8月7日(火)10:00~8月19日(日)23:59
※抽選受付となります。

NEWS

8月8日(水)発売の2ndシングル「夏の夢/WALK」より「夏の夢」を7月5日(木)J-WAVE(81.3FM)にて宇宙最速オンエア!

放送日時:2018年7月5日(木)21:00~24:00放送の番組「SONAR MUSIC」内

RELEASE

「夏の夢/WALK」

2ndシングル

「夏の夢/WALK」

(avex trax)
8月8日(水)Release!
数量限定生産BOX盤[CD+サコッシュバッグ]、通常盤[CD]
☆2018年冬 2ndアルバムリリース決定!
  • 兵庫慎司

    TEXT

    兵庫慎司

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  • PHOTO

    星野健太

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