PENGUIN RESEARCH 2018.07.08@日比谷野外大音楽堂レポート

ライブレポート | 2018.07.15 15:00

「俺は“どうしようもない人生だな”って思いながらずっとこれまで生きてきたんだけど。いま思い返すと、思ってたよりも悪くないなって最近思い出して。子供の頃の自分にいいたい。いま自分がワクワクしてることとか、心がウズウズしてることを信じていいんだぞって。バンドやっててよかった……。このバンド、すげーいいバンドなんだよ!」

12曲目の新曲「少年の僕へ」を歌う前に、堀江晶太(Ba)が万感の思いを込めて(客席からはそう見えた)そんなMCをした。このあと、入場時に手渡された「少年の僕へ」の歌詞を見ながら、彼らの演奏を聴いていると「“クラスの弱虫”とか“人生の負け組”とか“引きこもり”と人生不幸自慢エピソードには事欠かない5人だけど、本当にみんな、PENGUIN RESEARCHができてよかったよー。間違いなく、すげーいいバンドだよ。」と、こっちまで熱いものが胸に込み上げてきたーー。

7月8日、東京・日比谷野外大音楽堂で開催されたPENGUIN RESEARCHの<PENGUIN RESEARCH LIVE 2018「PENGUIN GO YAON」~ペンギンゴーヤオン~>。彼らにとって野外でワンマンをやるのも、野音のステージに立つのもこれが初。ペンギンの武器でもある“歌詞”をスクリーンに映し出したり、客席を真っ暗にして歌に没頭させたりという演出はなし。シンプルに、バンド力だけでどこまで自分たちはできるのかというところに挑んだ今回の野音。その結果、バンドで次々と新しいアイテムを更新しまくり、ここからPENGUIN RESEARCHの“第二章”が始まる。そう思わされたワンマンだった。

ステージの飾り付け、5人の衣装、グッズ……“ゴーヤオン”というタイトルにかけて、サーフボードの代わりにゴーヤを脇に抱えたペンギンのイラストなど、この日はなにもかもが夏らしい涼し気な色推し。それだけで、ペンギンがいつもよりもポップに華やいで見える。ライブは、堀江がキレキレのベースプレイを見せたあと、生田鷹司(Vo)がサビの後半の歌詞を“お前らとならよー!”と変えて叫ぶ「嘘まみれの街へ」をダイナミックにぶちかまし、「愛すべき悩みたち」と序盤からアクセル全開で飛ばしていくのかと思いきや、曲終わりでいきなり5人が声を揃えて「いらっしゃいませ?!」と挨拶。野音でこんな挨拶するロックバンド、初めて見た(微笑)。生田が「初めて僕らを観に来た人?」と尋ねると、多くの人が挙手。さっそく生田が「一人一人が自由に作り上げていけばいいから」と言葉をかけ、初心者オーディエンスの心をほぐすのがペンギンスタイル。テクニカルなバンドサウンドで重厚な音を奏でるバンドは他にもいるが、そこにキーボードが加わるところはペンギンの武器の一つ。「SUPERCHAGER」は、ハイテンポで駆け抜けるなかにリリカルなメロディーを響かせていくよーよーこと柴﨑洋輔(Key)がキーマン。……と思っていたら、曲後半は肘で鍵盤を盛大にぶっ叩きだし(笑)、次の「Objection」では、左右のお立ち台の上に立った堀江と神田ジョン(Gt)が、下から吹き上がる風とスモークのなかで演奏するという気合漲るパフォーマンスで会場をどんどん熱狂させていった。

そこに「Brave me」を投下。“怖くて寒くて/ひどく泣いた日もあったろ”“辛かった/悲しかった”ーーそのなかで“僕は生き延びた”からこそ、“僕が辿り着いた/僕だけが手にした今日だ”という歌詞に、ペンギンが、メンバーが、観客ひとりひとりが自分の人生を重ねて曲に入り込む。神田のギターが「ここまでよく踏ん張って頑張った」とでもいうように、心地よく大空いっぱいに広がり、野音にいるみんなを讃えた。

「たくさんの歴史がつまったこの場所でこの時期に歌えるのを嬉しく思います」と生田が観客に語りかけ、始まった「八月の流星」は神田の空間系ギターで、「ハートビートスナップ」は新保恵大(Dr)が叩く軽快なビートで野外ならではの開放感を楽しんだあと、彼らは『バンドやろうぜ!』のBLASTのあの名曲「songwriter」をここでプレイ。イントロが流れたとたん、野音は絶叫に包まれた。このあと、メンバーのトークコーナーでは、生田に「このなかで1番のひきこもり」と紹介された堀江は、昼間に外を出歩いたことを話し「暑かった」と一言。野音について柴﨑が「めっちゃ広い! 緑が多くて癒されますね」というと、野音のために扇風機を購入した新保は「PAさんに“音がうるさい”といわれたけど、ゴリ押しで使ってまーす」と嬉しそうに伝えた。そうして、神田は「みんな、愛してるー」と大声で客席に向かって叫ぶ。

メンバーの自由気ままなトークのあとは「みなさん、タオルは汗をふくだけのものではありません。一緒に回しませんか?」と生田が言葉をなげかけると「BUREIKO TIME」が鳴り出し、柴﨑は野音のために用意した赤いショルダーキーボードを初披露。ショルキーを抱えた柴﨑がフロントに勢いよく飛び出してきたと思ったら、生田はなんと客席をぐいぐい練り歩いて野音のど真ん中に作られたサブステージへ移動。意表をつかれたオーディエンスは、興奮状態でタオルをブンブン回す。「1曲じゃあ物足りないですよね?」と生田がさらに煽り、続けて「アジテーションパレード」をドロップすると、今度は神田と堀江まで観客にもみくちゃにされながらサブステにやってきた。こんなアクティブなペンギン、初めて観た。曲中、生田はサブステの床にゴーヤが描かれていることを打ち明け「ゴーヤの上にペンギンで、これぞ“ペンギンゴーヤオン!”」といって、これを俺はいいたかったといわんばかりの”ドヤ顔“を浮かべた(微笑)。

そのあとは“ゴーヤ”のコール&レスポンスで場内のテンションをさらに盛り上げ、「Shout for Life」へとなだれ込むと、観客たちが盛大なシンガロングを野音に響かせた。それを聞いた生田は「最高だなオイ! すっごい楽しいわ」と、とびきりの笑顔を浮かべてみせた。蝉の鳴き声とともに野音が夕暮れに包まれてきた頃、生田が「野音はいつも僕らがやっているライブハウスと違って椅子があります。次にやる曲はゆったり聴いて欲しいんで、座りませんか?」と話しかけると、観客全員が着席。こんなペンギンのライブも初めてだ。「おぉー。座った景色もいいね」と感想を告げたあと、冒頭に書いた堀江のMCを挟んで新曲「少年の僕へ」。生田の歌、神田が鳴らすアコギがジーンと胸を締め付けるなか、続けて「ジョーカーに宜しく~Jazz Arrange~」をアクトしたシーンは、この日の名演。まさかこの曲がジャズでくるとは思わなかった。勢いだけではない。それを支える、様々なアーティストのサポートに参加しているミュージシャンならではの音楽力、演奏力は群を抜いていて「ペンギンにはこんな表情もあるんだ」という大人っぽいオシャレなサウンドで、観客を酔わせていく。その上で、この日は生田が普段はあまり見せない艶っぽい表情をまとった歌で観客を魅了していったのも新鮮だった。

そして、この後はライブも終盤戦に突入。初披露なのに、すでに新しいペンギンのキラーチューン的威力を放ちまくって、客席も盛り上がった新曲「WILD BLUE」では、堀江がベースを弾きながら勢いよく5回転!! そこから「シニバショダンス」、「敗者復活戦自由形」、「boyhood」、「近日公開第二章」まで、音符とエネルギーが圧倒的密度で詰まったハイカロリーなアンセムを圧倒的グルーヴで畳み掛け、何度もオーディエンスのジャンプやシンガロングを呼び起こし、客席後方までヘドバンで埋め尽くしていって、この日最大の熱狂を作り出していった本編ラストは、楽しくも圧巻の一言だった。ステージと客席、まさに両者が完全燃焼した本編ラスト。

その後、観客の熱いアンコールに呼ばれ、再び舞台に登場した5人。生田は、ここで「重大な発表があります。本日SOLD OUTしました!」と2017年から続いているワンマン完売記録を更新したことを告げ、さらに8月20日、東京・新代田FEVERでファンクラブ発足1周年を記念したFC限定ライブを行うこと。そのあとに、12月から2019年にかけて、全国4カ所を回るワンマンライブツアー<Penguin Go a Road 2018-19『WILDに行こうぜ!』>を行うことを続けて発表すると、客席からは大歓声が沸き起こった。そうして、「WILD BLUE」を再演したあと、「旅人の唄」を歌っていると、野音の空も暮れ、歌詞と同じように“一番星”が浮かび上がるという野外ならではの最高にロマンチックな演出で、この日のフィナーレを締めくくってみせた。

9月12日には、この日披露した新曲2曲を収録したシングル「WILD BLUE/少年の僕へ」をリリースするPENGUIN RESEARCH。「いまもっともライブを観たいバンド」としての勢いは、野音ワンマンを大成功させたことでさらに加速。ますます彼らから目が離せない。

セットリスト

01. 嘘まみれの街で
02. 愛すべき悩みたちへ
03. SUPERCHARGER
04. Objection
05. Brave me
06. 八月の流星
07. ハートビートスナップ
08. songwriter
09. BUREIKO TIME
10. アジテーションパレード
11. Shout for Life
12. 少年の僕へ
13. ジョーカーに宜しく~Jazz Arrange~
14. WILD BLUE
15. シニバショダンス
16. 敗者復活戦自由形
17. boyhood
18. 近日公開第二章
EN
01. WILD BLUE
02. 旅人の唄

PRESENT

メンバー直筆サイン入り「ベンギンゴーヤオン」ラミネートパスを5名さまに!

受付は終了しました

公演情報

ディスクガレージ公演

Penguin Go a Road 2018-19 「WILDに行こうぜ!」

2018年12月2日(日) 柏PALOOZA
2018年12月25日(火) 名古屋 CLUB QUATTRO
2018年12月26日(水) 梅田 CLUB QUATTRO
2019年1月3日(木)4日(金) TSUTAYA O-EAST
チケット一般発売日:2018年10月13日(土)

【FC会員限定公演】
PENGUIN RESEARCH FC LIVE 2018
研究発表会 vol.2

2018年8月20日(月) 新代田FEVER

rockin’on presents ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2018

2018年8月4日(土)5日(日)11日(土祝)12日(日) 国営ひたち海浜公園
※8月4日(土)出演

  • 東條祥恵

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    東條祥恵

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    photo by Viola Kam (V'z Twinkle)

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